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第102回
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Last Update[H27]2015/11/28

椎名誠
Shiina Makoto
生没年月日【注】 昭和19年/1944年6月14日~
経歴 東京都世田谷区生まれ。千葉県幕張出身。東京写真大学中退。流通業界向け月刊誌の編集長ののち、書評雑誌『本の雑誌』を創刊。エッセイ、ルポ、小説などで人気作家に。のち映画製作も手掛ける。妻はエッセイストの渡辺一枝。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第1回山本周五郎賞(昭和62年/1987年度)『菜の花物語』
  • |候補| 第4回坪田譲治文学賞(昭和63年/1988年)『犬の系譜』
  • 第10回吉川英治文学新人賞(昭和63年/1988年度)『犬の系譜』
  • |候補| 第102回直木賞(平成1年/1989年下期)「ハマボウフウの花や風」
  • |候補| 第5回坪田譲治文学賞(平成1年/1989年)『白い手』
  • 第11回日本SF大賞(平成2年/1990年)『アド・バード』
  • |候補| 第1回JTB紀行文学大賞(平成4年/1992年)『草の海』
  • 第17回山路ふみ子賞文化賞(平成5年/1993年)
  • 第4回地球環境映像祭アースピジョン大賞[環境教育映像賞](平成7年/1995年)「白い馬」
  • 第5回日本映画批評家賞[監督賞](平成7年/1995年度)
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備考
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はなものがたり
菜の 花物語』(昭和62年/1987年9月・集英社刊)
書誌
>>平成2年/1990年10月・集英社/集英社文庫『菜の花物語』
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収録作品
「菜の花」「蝉」「ねずみ坂小画廊」「人工海岸」「なつかしい眼をした女」「犬と奥さん」「足首の問題」「ヘッドランプ」「この3月は…」「午後のインタビュー」「雨」
 
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他文学賞 山本周五郎賞 1回候補 一覧へ
候補者 椎名誠 男43歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
41 4.1点→4点「一見、軽々と書いているようでいて元手がかかっている。読み手の人生と重ねていくと、確固たる、中年に入りかけた男の内面風景がしっかり書けている、ということで感心したんです。」「全体に仲間を大切にするというか、その気持ちが周五郎さんに通っているということはないでしょうか。」
田辺聖子
女60歳
54 4点→3点「もの書きの立場から見ると、なるほど新しい形の私小説で、新しい文学的人格をつくっていらっしゃるな、とは思いました。」「しかし、新しい私小説をつくるのであれば、もうひとつ芸が欲しい。」「どうしてもつくりものという感じが拭いきれないんですね。」
野坂昭如
男57歳
27 2.5点「椎名さんという人は、いわば非常に真面目なナルシシストで、全部ひっくるめて自分を認めているところがある。」「それから女性に対する見方、大変に身勝手だと思うんです。」「だれそれが缶ビールを持ってきたとか、稲荷ずしを持ってきたとか、どうでもいいじゃないかという感じがある。」
藤沢周平
男60歳
41 5点「ある新しさを持った小説として読みました。」「将来有望なセンスがあちこちにちりばめられている。非常に期待感を持たされまして、これが惹きつけられた第一の理由でした。」「この「菜の花物語」には五篇、ないしは六篇、見るべき作品がありますからね。」
山口瞳
男61歳
38 5点「題名から受ける感じで、軽い人だと思っていたのですが、今度はじめて中身を読んで、参ったと思いました。」「文章も、軽くていい文章ですね。ヤングの言葉で言うと、この人は「芸術してない」。」「脂が乗って調子の上がっている新しい作家、こういう人に賞を差し上げたいという気持ちが私は強いんです。」
最終投票     2+1+2+3+3=11
選評出典:『小説新潮』昭和63年/1988年8月号
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いぬ けいふ
犬の 系譜』(昭和63年/1988年1月・講談社刊)
書誌
>>平成3年/1991年1月・講談社/講談社文庫『犬の系譜』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 10受賞 一覧へ
候補者 椎名誠 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男54歳
11 「宮沢賢治ばりの質と品のよい文章で綴られた、ある「ついていない家」の記録である。だがこれは柔な記録ではない。」「作品が仕掛けてくる喚起力も相当なものだ。読者は少年の語る「ついていない家」の物語を読みながら、それぞれが生れ育った家への考察をこころよく強制されるだろう。」
尾崎秀樹
男60歳
13 「年中行事や四季の移りかわりを海辺の風物とともに点描し、子どもたちの生態をさりげない筆致でとらえているが、デテールの真実味が全体をあたたかく包んでいる。椎名誠は現代のさまざまな素材を、いろいろな角度から描いてほしい。」
佐野洋
男60歳
17 「両作品(引用者注:「犬の系譜」と「99%の誘拐」)が群を抜いており、これを無視することはできなかった。」「何よりも文章がいい。」「少々淡彩に過ぎる点が、物足りないようにも思うが、これが椎名氏の持ち味なのだろうか。もっと変わった味の作品も書ける方だと思う。」
野坂昭如
男58歳
19 「読み終って、しみじみ思いかえし、さらにまた、とりまぎれる日々のうちに、ふとよみがえる、つまり、心に残る人々が、何人も登場する。」「犬の眼からすれば、うつし世すべて面妖不可思議、だがそのすべてを信頼し、悪意を抱かず、見たままを素直に描く。故に、さりげなく漂うユーモアが、人間の営みの暗い部分を浮き上らせ、片言隻句また、人間の複雑なつながりを、きわ立たせる。」「もっと歳をとってから書いても良かったような気もする」
半村良
男55歳
9 「少年の視点が確保されていて、私にはこころよい作品だった。」「ただ、これだけ力のある人なのだから、もっとにぎやかな領域にも手をのばしてはもらえないものだろうか。これ、読者の一人としてのお願いです。」
選評出典:『群像』平成1年/1989年5月号
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直木賞 第102回候補  一覧へ

はな かぜ
「ハマボウフウの 花や 風」(『オール讀物』平成1年/1989年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「オール讀物」  別表記表紙 「文藝春秋」併記
巻号 第44巻 第11号  別表記8月特大号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「はな」「かぜ」
印刷/発行年月日 発行 平成1年/1989年8月1日
発行者等 編集人 藤野健一 発行人 阿部達児 印刷人 鈴木和夫 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
装幀/装画等  畑農照雄
総ページ数 414 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
20字
×25行
×3段
本文ページ 162~193
(計32頁)
測定枚数 102
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書誌
>>平成3年/1991年10月・文藝春秋刊『ハマボウフウの花や風』所収
>>平成6年/1994年9月・文藝春秋/文春文庫『ハマボウフウの花や風』所収
>>平成9年/1997年4月・新潮社刊『屋根の上の三角テント 日常小説ベスト・セレクション』所収
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候補者 椎名誠 男45歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男65歳
7 「抒情性豊かな作品だが、今迄、数え切れないほどの既成作家が、このような作品を書いて来た。それに群を抜くほどの作品でもない。」
陳舜臣
男65歳
20 「多くの作家がなんども書いたテーマである。」「おなじテーマをえらぶ以上、これまでの類似のパターンの諸作を、全体的でなくとも、どこかでこえていなければならない。この作品を、積極的に否定する意見はきわめてすくなかったが、積極的に肯定する意見もきわめてすくなかった。」
山口瞳
男63歳
12 「この作に限って言えば、開高健流に言ってキラリと光る一行がない。」「風景描写を丹念に書き込んでいる割には浜風が吹いてこない、湿った砂が匂ってこない。残念だ。」
田辺聖子
女61歳
8 「好感のもてる作品であるが、主人公の男女に動きがないので印象を薄められる気がした。といって赤石が主人公になれば、この作品の滋味は失なわれるであろうし、むつかしい……。」
平岩弓枝
女57歳
13 「読み終えた時の印象がさわやかで、好感が持てた」「現在、椎名さんが連載中の作品や、すでに発表されているものを含めての実績が評価されても良いと考えていたが、残念なことに票が集まらなかった。」
藤沢周平
男62歳
33 「正統派の印象がある作家で、その印象は最近の若い作家があまり書かなくなったといわれる風景を書く、意志のようなものを感じさせるところから来るようである。」「肝心の物語は青春の暴力といったものはうまく書けているけれども、主役の三人、赤石とその恋人とおれの存在感がうすく、物語の力強さを欠いているように思われた。」
五木寛之
男57歳
21 「すでに一家を成した作家である。」「これまで世評の高い佳作が沢山あるのに、今回の候補作のような軽い小粒の短篇で受賞しては、ご本人も不満だろう。」「賞のことを抜きにして読めば、(引用者中略)気持のいい作品で、いわゆる椎名ワールドの一環をなす水準作だと思った。」
井上ひさし
男55歳
23 「主人公が、回想装置としてのみ使われているところに、この一篇の弱さや窮屈さが露呈していた。十九年前と現在とが、もっとはげしく絡み合っていたら、素敵な材料であるのだし、とてもいい作品になったろうにと、口惜しく思う。」
渡辺淳一
男56歳
22 「今回の候補作のなかではもっとも小説らしい小説で、安心して読めた。」「全体に作者の優しさが滲んでいて読後感も爽やかだが、いかんせん、感動のポイントがいささか安易で、感傷に流れすぎている。」
選評出典:『オール讀物』平成2年/1990年3月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]~19年前  舞浜
登場人物
水島圭一(編集者)
吉川美緒(水島の高校時代の同窓生)
赤石哲夫(水島の同窓生、美緒の元恋人、やくざ)




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