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第102回
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Last Update[H26]2014/10/25

清水義範
Shimizu Yoshinori
生没年月日【注】 昭和22年/1947年10月28日~
経歴 旧筆名=沖慶介。愛知県名古屋市生まれ。愛知教育大学国語科卒。学生時代からSFを書き、卒業後上京、広告会社・ジャックに勤務。多くのジュブナイル小説を執筆後、『昭和御前試合』を発表。パスティーシュ小説で独自の世界を開拓。
受賞歴・候補歴
  • |候補| SF三大コンテスト[小説部門](昭和49年/1974年)「未来記憶」沖慶介名義
  • |候補| 第8回吉川英治文学新人賞(昭和61年/1986年度)『蕎麦ときしめん』
  • 第9回吉川英治文学新人賞(昭和62年/1987年度)『国語入試問題必勝法』
  • |候補| 第102回直木賞(平成1年/1989年下期)『金鯱の夢』
  • |候補| 第103回直木賞(平成2年/1990年上期)『虚構市立不条理中学校』
  • |候補| 第107回直木賞(平成4年/1992年上期)『柏木誠治の生活』
  • 第62回中日文化賞(平成21年/2009年)「名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風」
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備考
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そば
蕎麦ときしめん』(昭和61年/1986年11月・講談社刊)
書誌
>>平成1年/1989年10月・講談社/講談社文庫『蕎麦ときしめん』
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収録作品
「蕎麦ときしめん」「商道をゆく」「序文」「猿蟹の賦」「三人の雀鬼」「きしめんの逆襲」
 
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 8回候補 一覧へ
候補者 清水義範 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
半村良
男53歳
0  
尾崎秀樹
男58歳
0  
野坂昭如
男56歳
0  
井上ひさし
男52歳
0  
佐野洋
男58歳
0  
選評出典:『群像』昭和62年/1987年5月号
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こくごにゅうし もんだいひっしょうほう
国語入試 問題必勝法』(昭和62年/1987年10月・講談社刊)
書誌
>>平成2年/1990年10月・講談社/講談社文庫『国語入試問題必勝法』
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収録作品
「猿蟹合戦とは何か」「国語入試問題必勝法」「時代食堂の特別料理」「靄の中の終章」「ブガロンチョのルノアール風マルケロ酒煮」「人間の風景」
 
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 9受賞 一覧へ
候補者 清水義範 男40歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
33 「お家芸のもじり(原文傍点)の見事なことは今更云うまでもない。」「それでいてパロディがとかく落ち入りやすいイヤラシサとは無縁」「これだけでも大手柄なのにさらに『靄の中の終章』以下のオリジナル(原文傍点)な傑作群がある。」「滑稽の衣をかぶっているが、彼の本質は相当に劇しい言語実験者である。こういう書き手がこの賞を得たことを心からよろこぶ。」
尾崎秀樹
男59歳
24 「(引用者注:作品集「蕎麦ときしめん」は)数点は抜群のおもしろさで風刺に行きついていると思ったが、作品集としては足並みがそろわないきらいがあった。」「しかし「国語入試問題必勝法」になると、そういった危うさは感じられない。」「清水義範は、いわば小説の仕掛人だ。」「新しい作品の世界を拓いて行く書き手となることを期待して、一票を投じた。」
佐野洋
男59歳
27 「昨年も『蕎麦ときしめん』でこの賞の候補になっていた。」「(引用者注:今回)私が不安を表明したのは、清水氏がご自分の鳴き声を持っているかどうか、という点であった。」「これがエッセイとして発表されたものなら、新しい形のエッセイとして大歓迎なのだが、という気持はいまだに私の中にある。」
野坂昭如
男57歳
30 「言葉の持っている活力、読者をして、文字によって構成され、創り出された日常とは異なる世界に、誘いこみ酔わしめ、歓をつくさしめるナニかが、備わっている。今のところ、清水のえがく世界は、よくいえば独自であり、いいかたをかえるならばせまい。」「この国では、あっさりレッテルを貼るが、清水はそういったお札と関係のない、言葉の達人、日本のチェーホフになり得る。」
半村良
男54歳
9 「小説になるかならぬかという瀬戸際の芸を、かろやかにやって見せる肚の据えようが尋常ではない。」「でもこればかりではせっかくの資質が無駄になりそうだ。早くもっと重量感のある作品を見せて欲しい。」
選評出典:『群像』昭和63年/1988年5月号
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直木賞 第102回候補  一覧へ

きんこ ゆめ
金鯱の 夢』(平成1年/1989年7月・集英社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「きんこ」「ゆめ」  ルビ有り「きんこ」
印刷/発行年月日 発行 平成1年/1989年7月25日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成1年/1989年9月30日(第4刷)
発行者等 発行者 若菜 正 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社集英社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装丁 山藤章二
総ページ数 293 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
45字
×18行
×1段
本文ページ 7~289
(計283頁)
測定枚数 519
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書誌
>>初出『青春と読書』昭和63年/1988年5月号~平成1年/1989年6月号
>>平成4年/1992年7月・集英社/集英社文庫『金鯱の夢』
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候補者 清水義範 男42歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男65歳
10 「すべてを尾張に結びつけているせいか、これまでの面白味が稀薄になった。尾張弁を褒める選考委員は多かったが、方言は作品の彩りに過ぎない。」
陳舜臣
男65歳
37 「これまでこの種のif小説をいくつか読んだことがある。それにくらべると、この作品は水準に達しているようにおもう。」「架空の物語とはいえ、二百数十年の「史実」があり、それに沿って、裏返し作業がおこなわれている。とうぜん「史実」についての読者の知識に大幅に頼っているが、それだけに趣向が多すぎたきらいがある。」「この人には、才能にまかせて、大いに書いてほしいというほかない。」
山口瞳
男63歳
12 「名古屋を礼讃するのはいいが、あの押しの強さ、田舎臭さが全面に広がってこないと味の薄い作品になってしまう。」
田辺聖子
女61歳
31 「半ば以後でちょっとだれるが、総体にとんとんと快調のスピード、眠狂四郎のパロディなどふき出してしまう。」「私は方言が好きである上、縦横無尽のギャグにしたたか笑わされたので、ナンセンス文学に敬意を表して一票を献じたが、(引用者中略)期待したほど票が集まらず残念であった。」
平岩弓枝
女57歳
15 「第三章の江戸夏の陣までは圧倒されて読んでしまったが、それから先は強引なこじつけが目立って、折角の才気の御馳走が飽和状態になって御辞退したくなった。」「才気あふれる作品というのは、読者を面白がらせるが、感動へ持ち込むのはむずかしいし、行き止まりも早く来る。」
藤沢周平
男62歳
12 「第一章の名古屋弁のやりとりがじつに秀逸。」「ところが惜しいことに、中盤は単なる名古屋弁への転訳に終った印象が強く、豊臣の天下がつづいていたらという肝心のこしらえが十分に働いていない。」
五木寛之
男57歳
47 「もっともキラキラする才気を感じさせられた」「ではどうして〈金鯱の夢〉が受賞しなかったかといえば、それはひとえに作者の持久力のなさのせいだろう。この長篇は、はじめが最高で中ほどが凡庸、終りに近づくほど退屈になるという致命的な構造をもっている。」「インパクトが、今回の候補作中の随一だったことは疑う余地のないところだ。」
井上ひさし
男55歳
25 「前半部は、ムチャクチャにおもしろい。だが、中盤から突然、その膂力を失う。ひっくり返しの手法がいつも同じなので、読者はもう驚かないのである。奇想溢れるこの作家にしては珍しい手落ちである。」
渡辺淳一
男56歳
16 「織田の武将が軍議まで尾張弁で論じ、それに馴染めなかった光秀の違和感が、のちの叛乱の遠因になったという発想は秀逸である。だがその他のパロディはいささか凡庸」「頭のいい人らしく、文章は簡潔で適確だが、いわゆる小説の文章としてのふくらみに欠けるところももの足りなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成2年/1990年3月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 運命の子」「第二章 大坂炎上」「第三章 江戸夏の陣」「第四章 江戸黄門漫遊記」「第五章 元禄名古屋デザイン博」「第六章 八十日目忠臣蔵」「第七章 江戸の陰謀」「第八章 風来山人夢物語」「第九章 望郷絵師」「第十章 昼寝清四郎無茶控」「第十一章 寅次郎と幸之助」「第十二章 御存知大曾根天狗」「第十三章(一般用)夢の終り」「第十三章(愛知県人用)大いなる夢」
時代設定 場所設定
天正年間~名古屋時代[架空]~現代  名古屋など
登場人物
秀吉(戦国武将)
寧々(秀吉の妻)
秀正(幼名・日金丸、秀吉の第一子、豊臣将軍家初代)
豊臣正圀(江戸黄門)
朝日文佐衛門(元禄時代の御襖奉行)
真田正村(名古屋時代中期の彦根城主)




直木賞 第103回候補  一覧へ

きょこういちりつふじょうりちゅうがっこう
虚構市立不条理中学校』(平成2年/1990年5月・徳間書店刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成2年/1990年5月31日(第1刷)
発行者等 発行者 荒井修 印刷所 株式会社清水印刷所 カバー印刷 近代美術株式会社 製本所 大口製本印刷株式会社 編集担当 池田孝之
発行所 株式会社徳間書店(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 長友啓典
総ページ数 282 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
41字
×17行
×1段
本文ページ 7~279
(計273頁)
測定枚数 437
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書誌
>>書下ろし
>>平成6年/1994年10月・徳間書店/徳間文庫『虚構市立不条理中学校(全)』所収
>>平成10年/1998年12月・講談社/講談社文庫『虚構市立不条理中学校(全)』所収
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候補者 清水義範 男42歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男66歳
10 「諷刺と恐怖のあいだの綱渡りだが、意外にスリルをかんじなかった。パロディー、記号化、置きかえがパターン化して、先が読めてしまう。追求する目標が深すぎて、作品がそこまで届かなかったが、その意図を壮としたい。」
平岩弓枝
女58歳
7 「いつものことながら着想は面白いのに、その面白さが持続しない。小説はアイディアだけでは勝負出来ないし、秀れたコントをどうつないでも小説とは違うものになる。」
藤沢周平
男62歳
42 「全体の構成からいうと、小説としては成功していない感じを受けた。」「教科問答にのめりこんだために、学校の本質に迫るといった感じまでどこかに逃げてしまう。」「清水さんは大変に将来性を感じさせる作家だが、この小説は破綻が多くて、将来性を云云する材料としては適当ではなかったと思う。」
黒岩重吾
男66歳
9 「今の教育の不条理を深く抉っている。私は随筆として面白く読んだ。ただこれを、小説だといわれると困惑する。清水氏自身、この作品が直木賞候補になるとは思っていなかったのではないか。」
山口瞳
男63歳
82 「この一種ハチャメチャ小説に非常なるリアリティを感じた。」「誰でもが学校教育に多少なりとも恨みを抱いていると思われるが、そこを衝いた着想が素晴らしい。」「この作者は疑いもなく上質なセンスの持主であり、かつ、強引と思われるような腕力も持ちあわせていると感じた。」「近年の直木賞候補作のなかでは群を抜く傑作であり、社会性もある問題作だと思った。」
渡辺淳一
男56歳
0  
五木寛之
男57歳
21 「前回の候補作『金鯱の夢』の怪腕ぶりにおよばなかったのが残念である。」「私の勝手な考えでは、清水さんのような小説を書くときには、『虚構』とか『不条理』とかを作者がすすんで言うことはないのではあるまいか。」「清水さん、および腰になることはないですよ。あなたが一番、肚をきめて怪筆をふるえば、直木賞なんて軽いもんでしょう。それだけの才能のある作家なのです。」
田辺聖子
女62歳
20 「氏のお作品はいつもそうだが、思わず声たてて笑ってしまう。」「できるったけ形式にならないように、笑いを誘いながら柔軟闊達な筆で話をすすめてゆくあたり、上質の落語を聞いているようだ。」「しかし、結果としては形式を排除するという形式になってしまった嫌いがある。」
井上ひさし
男55歳
24 「レトリックの駆使はあいかわらず「さすが!」であるが、それにしても〈英語教師の氏名=加古文司〉〈理科教師=筋野徹〉といった置き換えで読者をたのしませることは、もはや無理なのではあるまいか。」「「体育科」と「放課後(あとがき)」との間に、もう一つ驚天動地の章があるべきであった。読者は、氏がどのように奇抜な方法で物語を閉じるのか、そこに興味を集中させているのであるから。」
選評出典:『オール讀物』平成2年/1990年9月号
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文量
長篇
章立て
「序章」「第一章 国語科」「第二章 数学科」「第三章 英語科」「第四章 社会科」「第五章 理科」「第六章 体育科」
時代設定 場所設定
同時代  笠島県飯倉市[架空]
登場人物
蓬原一啓(小説家)
実憲(一啓の長男、中学生)
五車卓一(桜ヶ丘中学の国語教師)
清野愛児(国語防衛教師)
数守静馬(数学教師)
加古文司(英語教師)
与野惑成(実憲の担任、社会科教師)
筋野徹(理科教師)
礎唯一郎(教頭)




直木賞 第107回候補  一覧へ

かしわぎせいじ せいかつ
柏木誠治の 生活』(平成3年/1991年12月・岩波書店刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成3年/1991年12月2日(第1刷)
発行者等 発行者 安江良介 印刷 凸版印刷 製本 松岳社
発行所 株式会社岩波書店(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 カバーイラスト 桑原伸之 装幀 鹿窪政文
総ページ数 293 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
39字
×17行
×1段
本文ページ 3~293
(計291頁)
測定枚数 447
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書誌
>>初出『世界』平成2年/1990年11月号、平成3年/1991年1月号、3月号、5月号、7月号、9月号
>>平成7年/1995年4月・新潮社/新潮文庫『柏木誠治の生活』
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候補者 清水義範 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男68歳
13 「語り口がたくみで才気は感じられるが、読後感は弱い。この主人公は観察者であって、殆ど行動しない。周囲の人間関係に狼狽し鬱陶しがるだけで、存在感が稀薄なのである。」「才人だけに惜しい気がする。」
藤沢周平
男64歳
57 「おもしろい小説だった。」「一冊の本の中に現代のサラリーマン像を見事に定着し得た佳作だと思う。」「特におもしろいと思ったのは、虚構のいろをうすめ、限りなく事実に近づけて書いたこの小説が、当然ながら虚構の作品だということで、この反語的な虚構の物語を成立させるために、清水さんは全力投球をしたように見える。」「この作家の端倪すべからざる奥行きを示していると思った。」
五木寛之
男59歳
12 「作者の小説技法上の工夫がある。ものを書く人間なら誰しも「いかに書くか」を考えるはずだが、それは「なにを書くか」という問題と切りはなして存在するわけではない。私が清水氏の冒険を評価しながらも、文句なしにこの一篇を推すにいたらなかったのは、そのことに引っかかったからだ。」
陳舜臣
男68歳
28 「これまでの清水氏の作品にみられる、元気な脱線がなく、中年の中間管理職の人物のモンタージュを作ることに終始したのは残念である。」「清水氏に期待するのは、途方もない物語であって、身につまされる話ではない。元気に脱線してほしいとおもう。」
山口瞳
男65歳
6 「そこが狙いだとは思うのだが、主人公の性格に何か面白いものがあるとか妙な癖があるとかにしないととても読めない。」
平岩弓枝
女60歳
5 「清水さんが作品の守備範囲を広げられた結果の作品で、そのこと自体は大賛成。次の作品を期待したい。」
井上ひさし
男57歳
19 「作者は意識して平凡な事実を平凡に列挙する。奇想、天外より来る作者にはかえって辛い仕事だったろうが、しかしもっと平凡で無機質なものを繰り出した方が目的に叶ったのではないだろうか。せっかくの企みが不消化に終わってしまった感がないでもない。」
田辺聖子
女64歳
3 「次の機会を期待したい。」
渡辺淳一
男58歳
21 「その意企はおおいに共感できる。」「ただ結果として、ディテールの積み重ねが単なる羅列に終り、最後に、小説的感興へ収斂していかないもどかしさが残った。」「この作者は(引用者中略)自分の進路を模索しているようだが、そこを突き抜けたら、大きな飛躍を期待できそうである。」
選評出典:『オール讀物』平成4年/1992年9月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 普通の一日」「第二章 休日」「第三章 日日の課題」「第四章 身辺些事」「第五章 同居人たち」「第六章 普通の人生」
時代設定 場所設定
同時代  横浜市~東京
登場人物
柏木誠治(久和紡績マーケティング課長)
正代(誠治の妻)
志織(誠治の娘、高校一年生)
昇(誠治の息子、中学二年生)
佐橋三也子(誠治の部下)
東海林(誠治と同期入社、ファッション課長)
飛島(専務、通称テンノー)
柏木彰一(誠治の兄、大垣在住)
澄子(誠治の母親、彰一一家と同居)




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