直木賞のすべて
第102回
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Last Update[H26]2014/6/20

原尞
Hara Ryo
生没年月日【注】 昭和21年/1946年12月18日~
受賞年齢 43歳0ヵ月
経歴 本名=原孝。佐賀県生まれ。九州大学文学部美学美術史科卒。
受賞歴・候補歴
処女作 『そして夜は甦る』(昭和63年/1988年4月・早川書房刊)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part2
備考
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よる よみがえ
『そして 夜は 甦る』(昭和63年/1988年4月・早川書房刊)
書誌
>>平成7年/1995年4月・早川書房/ハヤカワ文庫『そして夜は甦る』
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他文学賞 山本周五郎賞 2回候補 一覧へ
候補者 原尞 男42歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男54歳
54 4点「比喩がとても面白いですね。ユーモアがある。」「欠点は、舞台を東京にしたこと。東京の広さが、マイナスになったと思います。」「でも、処女作でこれだけいい文章の書ける人は珍しいんじゃないでしょうか。」「石原兄弟の影さえなければ、架空の世界で通してくれていれば、これで決まりという感じはしたんですが。」
田辺聖子
女61歳
55 5点「日本語というのはかなり情緒的な言葉ですが、その日本語を使って、ここまで無機質な文体をちゃんとつくってらっしゃるというのは、面白いんじゃないでしょうか。」「ハードボイルドはずいぶん書き尽くされたと思われているのに、またここに新しい突破口を見つけたという感じで、これは原さんの才能だなという気がするんです。」
野坂昭如
男58歳
32 3点「とにかく、読むのに苦労しましたね。苦痛でした。」「各章のおしまいに、必ず気のきいたようなことを付け加えているのが、いかにも見え透いていてひっかかります。」「僕はほとんど評価しないというか、少なくともこの賞には価しないと思います。」
藤沢周平
男61歳
35 3.5点「とにかくこの作品は、チャンドラーに似すぎているんですね。」「たとえば逢坂剛さんが「百舌の叫ぶ夜」で出てきた時の、新鋭登場! といった感じ、これがないんですね。結局は無難にまとまっている作品、そういうふうに読みました。」
山口瞳
男62歳
36 3点「これはチャンドラーの真似だというんで、それを楽しみに読んだのですよ。だけど、あんまり感じなかった。」「ストーリーの点では、複雑にすれば力作になるとか、読者へのサービスになるとか、間違った考えがこの人にはあるんじゃないでしょうか。」
最終投票     1+2+3+3+1=10
選評出典:『小説新潮』平成1年/1989年7月号
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直木賞 第102受賞  一覧へ

わたし ころ しょうじょ
私が 殺した 少女』(平成1年/1989年10月・早川書房刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 印刷 平成1年/1989年10月10日 発行 平成1年/1989年10月15日
発行者等 発行者 早川 浩 印刷 株式会社亨有堂印刷所 製本 大口製本印刷株式会社
発行所 株式会社早川書房(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 辰巳四郎
総ページ数 273 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×21行
×2段
本文ページ 7~273
(計267頁)
測定枚数 710
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書誌
>>書下ろし
>>平成8年/1996年4月・早川書房/ハヤカワ文庫JA『私が殺した少女』
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候補者 原尞 男43歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男65歳
42 「結末部分にやや難があり、授賞が危ぶまれたが、選考委員の意見が割れた結果、(引用者注:「小伝抄」との)二作授賞ということになった。」「久し振りで、優れた推理サスペンス小説を読んだ思いである。」「一部の選考委員から、あの事故の場合、母親が実の娘を殺すことは絶対あり得ない、という反論が出た。尤もな反論である。」「原氏の授賞に賛成したが、小説ではなく現実の出来事なら、矢張り母親は救急車を呼ぶに違いない。」
陳舜臣
男65歳
15 「日本のハードボイルドも、やっとこのような作品をうむようになったかという感慨が先に立った。うれしい作品である。」「登場人物を含めて、もうすこし刈り込めたいのではないか、という不満もないではないが、近年、出色のミステリーであることにまちがいはない。」「瑕瑾の謗りを気にしないで、我が道を行ってほしい。」
山口瞳
男63歳
51 「作者は、文章はレイモンド・チャンドラーの真似だと言っているようだが真似でもなんでもいい。それを自分の文体にしてしまっているのが素敵だ。」「この小説のストーリーには決定的な欠陥がある。(引用者中略)これが推理小説の限界とか、推理だから仕方がないという意見もあったが、それなら、途中からでも推理小説を抛棄すべきだと私なんかは考える。」
田辺聖子
女61歳
43 「私はこの人の処女作「そして夜は甦る」からファンになった。」「依然好調で、皮肉などんでん返しが用意されており、ミステリーの種は尽きぬというたのしい感慨を抱かせられた。」「原氏にはチャンドラーの影響は見られるけれども、それはそれとして、人物造型と文章のたしかなこと、まことに才ゆたかで信頼できる。」
平岩弓枝
女57歳
41 「この作品は最後に読者を裏切っている。」「母親が我が娘を殺害するというのは、滅多にあることではない。異常である。異常が起るのはよくよくの事情が介在したからで、それが納得出来るように書けていないと読者は騙し討ちに遭ったと感じてしまう。」「いやしくも授賞の対象となる作品がそうであってはならないと思ったので、私はこの作品を推さなかった。」
藤沢周平
男62歳
37 「明白な欠点を抱えるにもかかわらず、この小説にはなお受賞作に推したくなるものがそなわっていた。」「作者はこの作品でハードボイルド調を完全に自分の物にしているだけでなく、魅力ある文章と魅力ある一人の私立探偵を造型していた。」「私は、前記の欠点のために、この作品を受賞圏に入れることを断念して出席したのだが、第一回の投票で意外に票があつまったのをみて矢もタテもたまらず変節し、受賞支持に回った次第だった。」
五木寛之
男57歳
30 「未完の大器である。なによりもこの国におけるハードボイルド的作風の確立という、至難の世界にターゲットをしぼった姿勢に若々しさがある。」「ハードボイルドとは、非情ではなく抑制された多情であり、粗暴の辛さではなく感傷の苦さであることを思えば、〈私が殺した少女〉の主人公の行動規範は、モラルではなく情感であるべきではないだろうか。」
井上ひさし
男55歳
17 「いくら瀕死の状態にあるとはいえ、母がわが子の《細い首に両手をかけて……》(二七一ページ)楽にしてやるかどうか、これは大いに議論の分れるところだろう。しかしわたしは、そこまでのすばらしい出来栄えを買った。文章がいい。ユーモアの感覚がいい。」「たくさんの長所と大きな欠陥とを秤にかけて、長所の方を慶賀すべきだろうと考えたのである。」
渡辺淳一
男56歳
12 「文章が安定しているところが強味である。だが内容的には、(引用者中略)無理なこじつけやアンフェアな部分が多く、素直についていけなかった。推理のために話をつくりすぎた感があるが、力のある人ではある。」
選評出典:『オール讀物』平成2年/1990年3月号
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文量
長篇
章立て
「1」~「36」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
私(語り手、沢崎、私立探偵)
真壁脩(作家)
真壁恭子(脩の妻)
真壁慶彦(脩の息子、中学生)
真壁清香(脩の娘、天才ヴァイオリニスト)
錦織(新宿署の警部)




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