<img src="../images/title_senpyo.gif" alt="直木賞選評の概要" width="276" height="297">

選評なし

候補作

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

長谷川幸延　「模型飛行機」等

158枚

37歳

―

■

○

◎

△

大庭さち子　「花開くグライダー」

106枚

37歳

―

△

・

―

田岡典夫　「羽根浦救民記」

45枚

33歳

―

・

―

大林清　「媽祖廟」

71枚

33歳

―

・

―

長崎謙二郎　「為政者」

38枚

38歳

―

・

―

真室二郎　「羽ばたき」

46枚

35歳

―

・

―

神崎武雄　「揚子江」

40枚

35歳

―

・

―

欠席

年齢/枚数の説明

見方・注意点

このページの選評出典：『オール讀物』平成14年/2002年12月号再録（初出：『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号）
1行当たりの文字数：15字

このページの「話の屑籠」出典：昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集　第七巻』（初出：『文藝春秋』昭和17年/1942年3月号）

選考委員

吉川英治

49歳×各候補作　

総行数73　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	―	0
大庭さち子	37歳	全	―	0
田岡典夫	33歳	全	―	0
大林清	33歳	全	―	0
長崎謙二郎	38歳	全	―	0
真室二郎	35歳	全	―	0
神崎武雄	35歳	全	―	0
					「やや問題になった一、二の作品に対して私に問われれば、余りにいま猶小乗的文学味にとらわれていて何の脱殻も見えないことに遺憾を延べざるを得ない。」

他の選考委員

選考委員

久米正雄

50歳×各候補作　

総行数36　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	■	19	「大衆文学としては、その消極面のよさを代表する、純粋なものとは、思えても、それ以上のものとは考えられなかった。」
大庭さち子	37歳	全	△	17	「女性の腕で、是だけストライキングな題材を、真向に料理しようとする意欲には、充分敬意を表しつつも、時々何か大嘘を吐かれているような、白々しさを感ぜざるを得なかったのは、まだ野心と大手腕との伴わざる故か。」
田岡典夫	33歳	全	―	0
大林清	33歳	全	―	0
長崎謙二郎	38歳	全	―	0
真室二郎	35歳	全	―	0
神崎武雄	35歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

白井喬二

52歳×各候補作　

総行数105　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	○	45	「どの作品も大阪風俗史とでも云うような、一種の現代史材主義小説といった狙い所に、一つの特点がある」「うまいにはうまいと、皆そこでは一致した。只だ、そのうまさが稀しいものでないと云う不満が、じっと考えてみるとその底に低迷するのを感ずるのだ。」
大庭さち子	37歳	全	・	3	「都合三篇が最後にのこった。」
田岡典夫	33歳	全	―	0
大林清	33歳	全	―	0
長崎謙二郎	38歳	全	―	0
真室二郎	35歳	全	―	0
神崎武雄	35歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

小島政二郎

48歳×各候補作　

総行数48　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	◎	36	「この作者の書くものは大衆小説の世話物で、一種の風俗画である。さざなみが打っているようなその語り口に、私は得も云われぬ魅力があると思うのだが、同感を得られなかった。」
大庭さち子	37歳	全	・	6	「右八篇のうちから、予選委員会で「幼年画報」と「模型飛行機」と「花開くグライダー」とを推薦した。」
田岡典夫	33歳	全	・	2
大林清	33歳	全	・	2
長崎謙二郎	38歳	全	・	2
真室二郎	35歳	全	・	2
神崎武雄	35歳	全	・	2

他の選考委員

選考委員

片岡鐵兵

48歳×各候補作　

総行数40　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	◎	40	「ささやかなる物の中に国民の愛国心の発露を拾いあつめ、あつめて愛国情緒の普遍的な雰囲気を構成しようとした作者の意図を十分に買うべきである。」
大庭さち子	37歳	全	―	0
田岡典夫	33歳	全	―	0
大林清	33歳	全	―	0
長崎謙二郎	38歳	全	―	0
真室二郎	35歳	全	―	0
神崎武雄	35歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

菊池寛

53歳×各候補作　

題（話の屑籠より）　

候補			評価	行数	評言
長谷川幸延	37歳	全	△		「小島君は長谷川幸延氏に授与せよと、主張された。が、その候補作品である「幼年画報」と「模型飛行機」を読んだだけでは、どうしても賛成することは、出来なかった。こうした回想小説は、大衆文学としては、邪道であると思ったからである。これは、純文学で、昔から扱われた世界であるからだ。大衆文学には、もっと趣向やプロットがなければならない。が、審査決定後、同君の「冠婚葬祭」や「末広」などの旧作品を読んだが（これは、昨年候補に上ったのだが自分は樺太旅行のためよまなかったのだ）、これらは大衆文学として相当な作品である。自分が、これらの作品を読んでいたら、小島君の主張に賛成したかも分らないと思うので、同君には少し気の毒に思っている。」
大庭さち子	37歳	全	―
田岡典夫	33歳	全	―
大林清	33歳	全	―
長崎謙二郎	38歳	全	―
真室二郎	35歳	全	―
神崎武雄	35歳	全	―

他の選考委員

候補者・作品

長谷川幸延

37歳×各選考委員　

「模型飛行機」等

短篇2篇 158枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	■	19	「大衆文学としては、その消極面のよさを代表する、純粋なものとは、思えても、それ以上のものとは考えられなかった。」
白井喬二	52歳	全	○	45	「どの作品も大阪風俗史とでも云うような、一種の現代史材主義小説といった狙い所に、一つの特点がある」「うまいにはうまいと、皆そこでは一致した。只だ、そのうまさが稀しいものでないと云う不満が、じっと考えてみるとその底に低迷するのを感ずるのだ。」
小島政二郎	48歳	全	◎	36	「この作者の書くものは大衆小説の世話物で、一種の風俗画である。さざなみが打っているようなその語り口に、私は得も云われぬ魅力があると思うのだが、同感を得られなかった。」
片岡鐵兵	48歳	全	◎	40	「ささやかなる物の中に国民の愛国心の発露を拾いあつめ、あつめて愛国情緒の普遍的な雰囲気を構成しようとした作者の意図を十分に買うべきである。」
菊池寛	53歳	全	△		「小島君は長谷川幸延氏に授与せよと、主張された。が、その候補作品である「幼年画報」と「模型飛行機」を読んだだけでは、どうしても賛成することは、出来なかった。こうした回想小説は、大衆文学としては、邪道であると思ったからである。これは、純文学で、昔から扱われた世界であるからだ。大衆文学には、もっと趣向やプロットがなければならない。が、審査決定後、同君の「冠婚葬祭」や「末広」などの旧作品を読んだが（これは、昨年候補に上ったのだが自分は樺太旅行のためよまなかったのだ）、これらは大衆文学として相当な作品である。自分が、これらの作品を読んでいたら、小島君の主張に賛成したかも分らないと思うので、同君には少し気の毒に思っている。」

他の候補作

候補者・作品

大庭さち子

37歳×各選考委員　

「花開くグライダー」

短篇 106枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	△	17	「女性の腕で、是だけストライキングな題材を、真向に料理しようとする意欲には、充分敬意を表しつつも、時々何か大嘘を吐かれているような、白々しさを感ぜざるを得なかったのは、まだ野心と大手腕との伴わざる故か。」
白井喬二	52歳	全	・	3	「都合三篇が最後にのこった。」
小島政二郎	48歳	全	・	6	「右八篇のうちから、予選委員会で「幼年画報」と「模型飛行機」と「花開くグライダー」とを推薦した。」
片岡鐵兵	48歳	全	―	0
菊池寛	53歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

田岡典夫

33歳×各選考委員　

「羽根浦救民記」

短篇 45枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	―	0
白井喬二	52歳	全	―	0
小島政二郎	48歳	全	・	2
片岡鐵兵	48歳	全	―	0
菊池寛	53歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

大林清

33歳×各選考委員　

「媽祖廟」

短篇 71枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	―	0
白井喬二	52歳	全	―	0
小島政二郎	48歳	全	・	2
片岡鐵兵	48歳	全	―	0
菊池寛	53歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

長崎謙二郎

38歳×各選考委員　

「為政者」

短篇 38枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	―	0
白井喬二	52歳	全	―	0
小島政二郎	48歳	全	・	2
片岡鐵兵	48歳	全	―	0
菊池寛	53歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

真室二郎

35歳×各選考委員　

「羽ばたき」

短篇 46枚

選考委員			評価	行数	評言
吉川英治	49歳	全	―	0
久米正雄	50歳	全	―	0
白井喬二	52歳	全	―	0
小島政二郎	48歳	全	・	2
片岡鐵兵	48歳	全	―	0
菊池寛	53歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

神崎武雄

35歳×各選考委員　

「揚子江」

短篇 40枚