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山本周五郎賞
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昭和62年/1987年度
(昭和63年/1988年5月20日決定発表/『小説新潮』昭和63年/1988年8月号選評掲載)
選考委員  井上ひさし
男53歳
田辺聖子
女60歳
野坂昭如
男57歳
藤沢周平
男60歳
山口瞳
男61歳
最終投票
選評総行数  173 188 128 142 116  
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
山田太一 『異人たちとの夏』
男53歳
79 63 27 27 30    
船戸与一 『猛き箱舟』
男44歳
33 48 52 55 32    
椎名誠 『菜の花物語』
男43歳
41 54 27 41 38    
干刈あがた 『黄色い髪』
女45歳
26 32 17 18 18    
           
年齢の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『小説新潮』昭和63年/1988年8月号
1行当たりの文字数:30字


選考委員
井上ひさし男53歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数173 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
79 3.98点→4点「最大の欠陥は、お化けの現場に間宮という人物が立ち会っている点です。」「お化けがだんだん消えていくということは、ふたたび生へ主人公の精神が動き出してきたということですから、その入れ換わりのダイナミズムがこの小説のカンドコロだと思うのですが、そこがちょっと弱いような気がする……。」「読みやすさ、台詞のうまさ、そして全体からいろんなものがにじみ出てくる豊饒感という点から行くと、これが一番かもしれない。ただ、僕の根底でなにかこの作品を拒否しているものがあるんです。」
船戸与一
男44歳
33 4点「日本の侵略的な経済成長を批判するテーマは素晴らしいと思いました。」「このテーマを復讐物語に織り込んだ以上、日本の支配層のもっと深い部分を復讐してほしかった。」「また、主人公が最初に死んでしまうという設定、これも、僕の個人的な趣味なんですがもうひとつ気にいらない。」
椎名誠
男43歳
41 4.1点→4点「一見、軽々と書いているようでいて元手がかかっている。読み手の人生と重ねていくと、確固たる、中年に入りかけた男の内面風景がしっかり書けている、ということで感心したんです。」「全体に仲間を大切にするというか、その気持ちが周五郎さんに通っているということはないでしょうか。」
干刈あがた
女45歳
26 3.75→4点「人物配置、ストーリーの進め方、大変に類型的なんですが、その類型から外れたところにいろいろと面白いものがありますね。」「だけど、夏実が急に髪を染めるといった、物語の重要なポイントの押さえがやや抜けているんです。」
  「(引用者注:最終投票を前に)これまでの作品群といったものに対する評価はなしですね。この作品だけですね。」
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他の選考委員
田辺聖子
野坂昭如
藤沢周平
山口瞳
最終投票
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選考委員
田辺聖子女60歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数188 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
63 4.9点→5点「普通に、一人の読者として読むと、泣けてしまうんです。」「SFと現代文学との幸福な恋愛結婚を成功させたというか、はじめてSFが定着したというか――こんなことを言うとSFの人たちに叱られますが、(引用者中略)これならSFという抵抗感なしに異次元の世界へ脱し去られて、そこで遊んで帰ってくることが出来ますね。」
船戸与一
男44歳
48 4.9点→5点「なぜ〇・一駄目だったかというと、登場人物がみんな死んでしまうんですね。」「これだけ波瀾万丈の、かつての山中峯太郎みたいな小説を書く腕力に敬服しましたね。」「女の人の書き方にしても、冒険小説で一番おざなりの部分だと思うんですが、この作品のシャヒーナという女主人公はよく書けています。」
椎名誠
男43歳
54 4点→3点「もの書きの立場から見ると、なるほど新しい形の私小説で、新しい文学的人格をつくっていらっしゃるな、とは思いました。」「しかし、新しい私小説をつくるのであれば、もうひとつ芸が欲しい。」「どうしてもつくりものという感じが拭いきれないんですね。」
干刈あがた
女45歳
32 4.5→4点「まず、今の日本のたいへん大きな命題を取り上げた、作者の意気を壮とするところと、それを女手の柔らかい文章で書いたということがありますね。」「ただ、望むらくは、もうすこし余裕が欲しかった。」
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他の選考委員
井上ひさし
野坂昭如
藤沢周平
山口瞳
最終投票
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選考委員
野坂昭如男57歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数128 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
27 5点「この作品も主人公も一種の離人症みたいなもんで、あの年頃の人間に、共通して今も残っている幼児性というか、それを感じて僕も切ない思いがしました。」「この小説、僕は全くお化けの話とも何とも思わなかったですね。ごく普通にこういうことはあり得るという、現実の小説として読みました。」
船戸与一
男44歳
52 2点→3点「主人公がテロリストに成長していく上で、どうも僕は説得されなかった。」「冒険小説の場合、人物が類型的であるのは当然なんで、別段それを欠点として特にあげつらいはしませんが、僕には主人公の顔が全然浮かんでこなかった。」「趣味的に言わせてもらえば、ああも無闇に人を殺す「猛き箱舟」のような小説は好きじゃないですよ。」
椎名誠
男43歳
27 2.5点「椎名さんという人は、いわば非常に真面目なナルシシストで、全部ひっくるめて自分を認めているところがある。」「それから女性に対する見方、大変に身勝手だと思うんです。」「だれそれが缶ビールを持ってきたとか、稲荷ずしを持ってきたとか、どうでもいいじゃないかという感じがある。」
干刈あがた
女45歳
17 3点→3.5点「ごく月並みなお話で、そんなお話のなかへまさに類型的な母親やら何やらが出てくる。そして、そういう問題に直面した時の親の混乱の仕方も、類型的だと思うんですね。」
  「(引用者注:最終投票を前に)個人的体験による評価もなしね(笑)。」
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他の選考委員
井上ひさし
田辺聖子
藤沢周平
山口瞳
最終投票
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選考委員
藤沢周平男60歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数142 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
27 3点「うまい小説だとは思ったんですね。」「気持ちの中に残るものがないんです。ナゾが分かってしまうと――厳密に言えばナゾはついに分からない小説ですが、ともかく事情が分かってしまうとそれで終わり、そういう小説ではないかという気がしました。」「下世話に言えば怪談咄、あれと変わりはないという感じですね。」
船戸与一
男44歳
55 4点「ストーリーはいくら長くてもかまわないんですが、表現が冗漫なために長くなるのは困るんです。」「一部にこれは劇画だという批評もありましたが、私は決してそうは思わなかったですね。」「リアリティがきちんと計算されている物語ではないかと思います。」「こういう小説は、復讐物語なんだから、もっと気持ちがいいはずなんですよ。それがそうでないのは、正義が悪に勝つという図式が曖昧だからでしょうかね。」
椎名誠
男43歳
41 5点「ある新しさを持った小説として読みました。」「将来有望なセンスがあちこちにちりばめられている。非常に期待感を持たされまして、これが惹きつけられた第一の理由でした。」「この「菜の花物語」には五篇、ないしは六篇、見るべき作品がありますからね。」
干刈あがた
女45歳
18 4点「一番いいのは、現実感といいますか、現実にあることがきちんと小説化出来ている点だと思います。」「どうもこれは、現実と等身大の小説で終っているという気がしました。」
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他の選考委員
井上ひさし
田辺聖子
野坂昭如
山口瞳
最終投票
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選考委員
山口瞳男61歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数116 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
30 3点「山田さんは、テレビドラマは非常にうまいんですが、小説を書くと肩に力が入って、ひどい言い方をすれば、お化けさえ出せば小説になるのか、と言いたくなる感じを私は全体として受けました。」「全体として、どうもぎくしゃくした、流れの悪い小説だと思いました。」「僕はね、その親子関係の甘ったるいのがいやなんです。」
船戸与一
男44歳
32 3点「大変な力作だとは思いますが、とにかく長過ぎますね。」「もっとも、こういう作品に関しては、私は選考委員の資格がないと思っています。兵器だとかマシーンだとか、マニアの方が読んだら舌なめずりするような場面があるのかもしれませんが、私にはもうお手上げなんです。」「どんなふうに彼は成長したのか、こんなテロリストになりました、その「こんな」が分からないんです。」
椎名誠
男43歳
38 5点「題名から受ける感じで、軽い人だと思っていたのですが、今度はじめて中身を読んで、参ったと思いました。」「文章も、軽くていい文章ですね。ヤングの言葉で言うと、この人は「芸術してない」。」「脂が乗って調子の上がっている新しい作家、こういう人に賞を差し上げたいという気持ちが私は強いんです。」
干刈あがた
女45歳
18 4点「これを読み始めた時は、すごい小説だ、これで決まりだというぐらいに入れ込んだのですが、途中から少し違うなと思い始めまして……やっぱりテーマ小説、あるいは調べた小説で、作者は身体で感じていないなという思いが湧いてきたんです。」
  「(引用者注:最終投票を前に)山本賞は、作家賞ではなくて作品賞ですね、原則は。」
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他の選考委員
井上ひさし
田辺聖子
野坂昭如
藤沢周平
最終投票
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選考委員
最終投票×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数 (1行=30字)
候補 評価 行数 評言
山田太一
男53歳
    3+3+3+1+2=12
船戸与一
男44歳
    1+2+1+2+1=7
椎名誠
男43歳
    2+1+2+3+3=11
干刈あがた
女45歳
     
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他の選考委員
井上ひさし
田辺聖子
野坂昭如
藤沢周平
山口瞳
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受賞者・作品
山田太一男53歳×各選考委員 
『異人たちとの夏』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
79 3.98点→4点「最大の欠陥は、お化けの現場に間宮という人物が立ち会っている点です。」「お化けがだんだん消えていくということは、ふたたび生へ主人公の精神が動き出してきたということですから、その入れ換わりのダイナミズムがこの小説のカンドコロだと思うのですが、そこがちょっと弱いような気がする……。」「読みやすさ、台詞のうまさ、そして全体からいろんなものがにじみ出てくる豊饒感という点から行くと、これが一番かもしれない。ただ、僕の根底でなにかこの作品を拒否しているものがあるんです。」
田辺聖子
女60歳
63 4.9点→5点「普通に、一人の読者として読むと、泣けてしまうんです。」「SFと現代文学との幸福な恋愛結婚を成功させたというか、はじめてSFが定着したというか――こんなことを言うとSFの人たちに叱られますが、(引用者中略)これならSFという抵抗感なしに異次元の世界へ脱し去られて、そこで遊んで帰ってくることが出来ますね。」
野坂昭如
男57歳
27 5点「この作品も主人公も一種の離人症みたいなもんで、あの年頃の人間に、共通して今も残っている幼児性というか、それを感じて僕も切ない思いがしました。」「この小説、僕は全くお化けの話とも何とも思わなかったですね。ごく普通にこういうことはあり得るという、現実の小説として読みました。」
藤沢周平
男60歳
27 3点「うまい小説だとは思ったんですね。」「気持ちの中に残るものがないんです。ナゾが分かってしまうと――厳密に言えばナゾはついに分からない小説ですが、ともかく事情が分かってしまうとそれで終わり、そういう小説ではないかという気がしました。」「下世話に言えば怪談咄、あれと変わりはないという感じですね。」
山口瞳
男61歳
30 3点「山田さんは、テレビドラマは非常にうまいんですが、小説を書くと肩に力が入って、ひどい言い方をすれば、お化けさえ出せば小説になるのか、と言いたくなる感じを私は全体として受けました。」「全体として、どうもぎくしゃくした、流れの悪い小説だと思いました。」「僕はね、その親子関係の甘ったるいのがいやなんです。」
最終投票     3+3+3+1+2=12
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他の候補作
船戸与一
『猛き箱舟』
椎名誠
『菜の花物語』
干刈あがた
『黄色い髪』
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候補者・作品
船戸与一男44歳×各選考委員 
『猛き箱舟』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
33 4点「日本の侵略的な経済成長を批判するテーマは素晴らしいと思いました。」「このテーマを復讐物語に織り込んだ以上、日本の支配層のもっと深い部分を復讐してほしかった。」「また、主人公が最初に死んでしまうという設定、これも、僕の個人的な趣味なんですがもうひとつ気にいらない。」
田辺聖子
女60歳
48 4.9点→5点「なぜ〇・一駄目だったかというと、登場人物がみんな死んでしまうんですね。」「これだけ波瀾万丈の、かつての山中峯太郎みたいな小説を書く腕力に敬服しましたね。」「女の人の書き方にしても、冒険小説で一番おざなりの部分だと思うんですが、この作品のシャヒーナという女主人公はよく書けています。」
野坂昭如
男57歳
52 2点→3点「主人公がテロリストに成長していく上で、どうも僕は説得されなかった。」「冒険小説の場合、人物が類型的であるのは当然なんで、別段それを欠点として特にあげつらいはしませんが、僕には主人公の顔が全然浮かんでこなかった。」「趣味的に言わせてもらえば、ああも無闇に人を殺す「猛き箱舟」のような小説は好きじゃないですよ。」
藤沢周平
男60歳
55 4点「ストーリーはいくら長くてもかまわないんですが、表現が冗漫なために長くなるのは困るんです。」「一部にこれは劇画だという批評もありましたが、私は決してそうは思わなかったですね。」「リアリティがきちんと計算されている物語ではないかと思います。」「こういう小説は、復讐物語なんだから、もっと気持ちがいいはずなんですよ。それがそうでないのは、正義が悪に勝つという図式が曖昧だからでしょうかね。」
山口瞳
男61歳
32 3点「大変な力作だとは思いますが、とにかく長過ぎますね。」「もっとも、こういう作品に関しては、私は選考委員の資格がないと思っています。兵器だとかマシーンだとか、マニアの方が読んだら舌なめずりするような場面があるのかもしれませんが、私にはもうお手上げなんです。」「どんなふうに彼は成長したのか、こんなテロリストになりました、その「こんな」が分からないんです。」
最終投票     1+2+1+2+1=7
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他の候補作
山田太一
『異人たちとの夏』
椎名誠
『菜の花物語』
干刈あがた
『黄色い髪』
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候補者・作品
椎名誠男43歳×各選考委員 
『菜の花物語』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
41 4.1点→4点「一見、軽々と書いているようでいて元手がかかっている。読み手の人生と重ねていくと、確固たる、中年に入りかけた男の内面風景がしっかり書けている、ということで感心したんです。」「全体に仲間を大切にするというか、その気持ちが周五郎さんに通っているということはないでしょうか。」
田辺聖子
女60歳
54 4点→3点「もの書きの立場から見ると、なるほど新しい形の私小説で、新しい文学的人格をつくっていらっしゃるな、とは思いました。」「しかし、新しい私小説をつくるのであれば、もうひとつ芸が欲しい。」「どうしてもつくりものという感じが拭いきれないんですね。」
野坂昭如
男57歳
27 2.5点「椎名さんという人は、いわば非常に真面目なナルシシストで、全部ひっくるめて自分を認めているところがある。」「それから女性に対する見方、大変に身勝手だと思うんです。」「だれそれが缶ビールを持ってきたとか、稲荷ずしを持ってきたとか、どうでもいいじゃないかという感じがある。」
藤沢周平
男60歳
41 5点「ある新しさを持った小説として読みました。」「将来有望なセンスがあちこちにちりばめられている。非常に期待感を持たされまして、これが惹きつけられた第一の理由でした。」「この「菜の花物語」には五篇、ないしは六篇、見るべき作品がありますからね。」
山口瞳
男61歳
38 5点「題名から受ける感じで、軽い人だと思っていたのですが、今度はじめて中身を読んで、参ったと思いました。」「文章も、軽くていい文章ですね。ヤングの言葉で言うと、この人は「芸術してない」。」「脂が乗って調子の上がっている新しい作家、こういう人に賞を差し上げたいという気持ちが私は強いんです。」
最終投票     2+1+2+3+3=11
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他の候補作
山田太一
『異人たちとの夏』
船戸与一
『猛き箱舟』
干刈あがた
『黄色い髪』
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候補者・作品
干刈あがた女45歳×各選考委員 
『黄色い髪』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男53歳
26 3.75→4点「人物配置、ストーリーの進め方、大変に類型的なんですが、その類型から外れたところにいろいろと面白いものがありますね。」「だけど、夏実が急に髪を染めるといった、物語の重要なポイントの押さえがやや抜けているんです。」
田辺聖子
女60歳
32 4.5→4点「まず、今の日本のたいへん大きな命題を取り上げた、作者の意気を壮とするところと、それを女手の柔らかい文章で書いたということがありますね。」「ただ、望むらくは、もうすこし余裕が欲しかった。」
野坂昭如
男57歳
17 3点→3.5点「ごく月並みなお話で、そんなお話のなかへまさに類型的な母親やら何やらが出てくる。そして、そういう問題に直面した時の親の混乱の仕方も、類型的だと思うんですね。」
藤沢周平
男60歳
18 4点「一番いいのは、現実感といいますか、現実にあることがきちんと小説化出来ている点だと思います。」「どうもこれは、現実と等身大の小説で終っているという気がしました。」
山口瞳
男61歳
18 4点「これを読み始めた時は、すごい小説だ、これで決まりだというぐらいに入れ込んだのですが、途中から少し違うなと思い始めまして……やっぱりテーマ小説、あるいは調べた小説で、作者は身体で感じていないなという思いが湧いてきたんです。」
最終投票      
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他の候補作
山田太一
『異人たちとの夏』
船戸与一
『猛き箱舟』
椎名誠
『菜の花物語』
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