直木賞のすべて
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[R2]2020/2/23
梨木香歩
Nashiki Kaho
生没年月日
昭和34年/1959年~
経歴
鹿児島県生まれ。同志社大学卒。英国インターナショナル・サフォロワーデン・ベルカレッジで学び、児童文学者ベティ・ウェストモーガン・ボーエンに師事。主婦業のかたわら児童文学を書き、平成6年/1994年にデビュー。
受賞歴・候補歴
|候補|
第10回
坪田譲治文学賞
(平成6年/1994年)『西の魔女が死んだ』
第28回
日本児童文学者協会新人賞
(平成7年/1995年)『西の魔女が死んだ』
第13回新美南吉児童文学賞(平成7年/1995年)『西の魔女が死んだ』
第44回
小学館文学賞
(平成7年/1995年)『西の魔女が死んだ』
第1回児童文学ファンタジー大賞(平成7年/1995年)「裏庭」
|候補|
第37回
日本児童文学者協会賞
(平成9年/1997年)『裏庭』『エンジェル エンジェル エンジェル』
|候補|
第17回
山本周五郎賞
(平成15年/2003年度)『家守綺譚』
|第3位|
第2回2005年
本屋大賞
(平成17年/2005年)『家守綺譚』
第5回
センス・オブ・ジェンダー賞
[大賞](平成17年/2005年度)『沼地のある森を抜けて』
第16回
紫式部文学賞
(平成18年/2006年)『沼地のある森を抜けて』
第62回
読売文学賞
[随筆・紀行賞](平成23年/2011年)『渡りの足跡』
|候補|
第52回
日本児童文学者協会賞
(平成24年/2012年)『僕は、そして僕たちはどう生きるか』
サブサイトリンク
文学賞の世界
▼
全
26
件
『
家守綺譚
(
いえもりきたん
)
』
(平成16年/2004年1月・新潮社刊)
書誌
平成18年/2006年10月・新潮社/新潮文庫『家守綺譚』
山本周五郎賞
第
17
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
梨木香歩
44歳
選考委員
評価
行数
評言
浅田次郎
52歳
○
48
「とりわけ感心した」「あえて同日の三島由紀夫賞に回さず、山本賞の候補に上げた振興会の炯眼にまず敬意を表する。」「歳時記の草花を媒介として現ならざるものをいちいち招来せしめるというアイデアは非凡である。」「作者の資質が詩人ではなく小説家であるという確証を欲しいと考えた。」「受賞作との間に得点の差がありすぎた。」
北村薫
54歳
○
35
「それ(引用者注:「邂逅の森」)に次ぐ作として――というより、全く傾向が違う、比較を絶した一冊として『家守綺譚』を選んだ。」「問題は、その世界が魅力的かどうか、である。わたしにとっては、間違いなく、そうであった。短編集というよりは、巻かれた長い、懐かしい絵巻を開きつつ、文章化したものと思えた。」
小池真理子
51歳
●
40
「どれほど唸らせてくれるのだろう、というわくわくした思いは、途中から失望感に変わってしまった。」「怪異が起こったり、異形のものが登場したりしてきても、それらは日常の、春風のごとき、のどかな風景の中に紛れこんでしまっている。」「文章にも湿感が希薄で、幻想的な興奮も、耽美の果てを思わせるものも、何も感じることができずに、私にはただひとえに退屈だった。」
重松清
41歳
◎
42
「近代と前近代のあわいを、対立の構図ではなくむしろ融和と交歓によって描き出す歳時記として、とても面白く読ませてもらった。だが一方で多少のとりとめのなさを抱いてしまったのも率直な感想で、再読の際は、一見幸福な場面の連なりに見える本作の奥に、そのふわっとした魅力を裏打ちする翳りを見出すための読書となった。」「『邂逅の森』と本作との二作受賞に票を投じた。」
篠田節子
48歳
△
27
「上品で美しいミニアチュール集だ。」「上質な少女漫画のロマンティシズム、童話の優しさ。欠点の見あたらない作品だ。」「減点法でいくなら、この作品を一番に推した。反面、格別の魅力も感じられないのは、こちらの感性によるものだろうか。」「この作品に幻想小説的な耽美の毒など期待しない。しかし妖しさはあってもよかった。」
選評出典:『小説新潮』平成16年/2004年7月号
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