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選評なし

候補作

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

南條範夫　「子守りの殿」等

90枚

44歳

■

△

―

△

長谷川幸延　「顔世御前」等

127枚

49歳

■

△

―

○

梅崎春生　「拐帯者」

68枚

38歳

―

□

―

□

飯沢匡　「腸詰奇談」等

90枚

44歳

■

●

―

●

中村八朗　「玉手箱」

46枚

39歳

―

●

―

△

欠席
書面回答

欠席

年齢/枚数の説明

見方・注意点

このページの選評出典：『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録（初出：『オール讀物』昭和28年/1953年10月号）
1行当たりの文字数：15字

選考委員

大佛次郎

55歳×各候補作　

題期待するもの　総行数45　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	■	9	「独特の眼を持っているのが歴史物の中で目立った。」「発展が楽しみである。」
長谷川幸延	49歳	全	■	9	「もう立派に一家を作し、真似手のないお家の芸が出来上っているのである。前にも私は、このひとに格を破って飛躍して貰い度いと望んだ。現在も同じことである。」
梅崎春生	38歳	全	―	0
飯沢匡	44歳	全	■	14	「このひとには習俗外の明らかに新鮮で型変りなものが期待出来る。」「自分勝手に気儘な歩き方をしているのが頼もしい。」
中村八朗	39歳	全	―	0
					「今度は受賞作はなし。私はそう考えた。」「型を破って貰いたい、と誰れにも言いたく成るのは、まさか自分の怠慢のせいではなかろう。」

他の選考委員

選考委員

永井龍男

49歳×各候補作　

題新鮮な作家を　総行数39　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	△	6	「南條範夫氏の二作では、「不運功名譚」の方が、さらりと読めた。」
長谷川幸延	49歳	全	△	5	「すでに完成し尽された作家ということになる」
梅崎春生	38歳	全	□	8	「一番感心した。」「しかし、同氏の作品として、優れたものだとは云えないという、他の委員の説に、立ち向う気力はなかった。」
飯沢匡	44歳	全	●	7	「ラジオドラマその他で、飯沢氏の才能に惹かれていたからだが、今度の二作は、飯沢氏の力倆を充分に発揮しているとは思われなかった。」
中村八朗	39歳	全	●	7	「この形式で、この枚数では、肉づけの不足はまぬがれない処かと思う。」
					「私自身もこれはと思うものがなく、力抜けして会合に出席したが、どうも淋しかった。」

他の選考委員

選考委員

小島政二郎

59歳×各候補作　

題ムーヴメントを起こしたい　総行数60　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	―	0
長谷川幸延	49歳	全	―	0
梅崎春生	38歳	全	―	0
飯沢匡	44歳	全	―	0
中村八朗	39歳	全	―	0
					「毎月委員達で一人につき雑誌二冊ずつ必ず読む、そうして月一回ずつ集まって意見の交換をし、直木賞の方向、主張、ムーヴメントの発見に努める。そうでもしない限り、直木賞は萎靡沈滞してしまう。」

他の選考委員

選考委員

井伏鱒二

55歳×各候補作　

題広範囲のアンケートを　総行数37　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	―	0
長谷川幸延	49歳	全	―	0
梅崎春生	38歳	全	―	0
飯沢匡	44歳	全	―	0
中村八朗	39歳	全	―	0
					「該当なしの発言に私は賛成した。」「アンケートの依嘱範囲は、文筆家だけに定めないで、ほかの職業の人にも拡げたらどうだろう。」

他の選考委員

選考委員

木々高太郎

56歳×各候補作　

題新風を求めて　総行数59　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	―	0
長谷川幸延	49歳	全	○	16	「「顔世」の如きも完備した作品で、その力倆と言い、歴史に対する手がたさと言い、長谷川君はここいらで賞をもらってよいと思った」
梅崎春生	38歳	全	―	0
飯沢匡	44歳	全	―	0
中村八朗	39歳	全	―	0
					「日本の今の大衆文学のうちに、西洋講談的なものを欲しい。」

他の選考委員

選考委員

吉川英治

60歳×各候補作　

題欠席の弁　総行数64　（1行=15字）

候補			評価	行数	評言
南條範夫	44歳	全	△	11	「二作を通してみて、まじめな精進を志していることがわかる。」「将来はもっとよい物が書けよう。」
長谷川幸延	49歳	全	○	11	「「遊蕩の果て」は（引用者中略）構成、あや、大阪ニュアンスなどこの型の小説として、上手、巧緻な作である。」
梅崎春生	38歳	全	□	8	「ゴーストップと拐帯者の心理の交錯など何しろおもしろい。然し、往々飛躍し過ぎている部分、そこが余技的すぎる。」
飯沢匡	44歳	全	●	4	「諷刺のシンボルが鼻につきすぎ、ちとワル洒落オチの感、全篇に同じ味が過剰。」
中村八朗	39歳	全	△	6	「まじめに書きこんでいるこの人の持味、精緻な小味、ユリアナと啓作の関係などむしろ芥川賞の方へ参加させたい。」
					「該当者なしという翌日の発表は、ぼくには少し惜い気がしました。」「私自身も、どれがといって、つよく推薦する一本を見出しえなかったのも事実であります。」

他の選考委員

候補者・作品

南條範夫

44歳×各選考委員　

「子守りの殿」等

短篇2篇 90枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	55歳	全	■	9	「独特の眼を持っているのが歴史物の中で目立った。」「発展が楽しみである。」
永井龍男	49歳	全	△	6	「南條範夫氏の二作では、「不運功名譚」の方が、さらりと読めた。」
小島政二郎	59歳	全	―	0
井伏鱒二	55歳	全	―	0
木々高太郎	56歳	全	―	0
吉川英治	60歳	全	△	11	「二作を通してみて、まじめな精進を志していることがわかる。」「将来はもっとよい物が書けよう。」

他の候補作

候補者・作品

長谷川幸延

49歳×各選考委員　

「顔世御前」等

短篇2篇 127枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	55歳	全	■	9	「もう立派に一家を作し、真似手のないお家の芸が出来上っているのである。前にも私は、このひとに格を破って飛躍して貰い度いと望んだ。現在も同じことである。」
永井龍男	49歳	全	△	5	「すでに完成し尽された作家ということになる」
小島政二郎	59歳	全	―	0
井伏鱒二	55歳	全	―	0
木々高太郎	56歳	全	○	16	「「顔世」の如きも完備した作品で、その力倆と言い、歴史に対する手がたさと言い、長谷川君はここいらで賞をもらってよいと思った」
吉川英治	60歳	全	○	11	「「遊蕩の果て」は（引用者中略）構成、あや、大阪ニュアンスなどこの型の小説として、上手、巧緻な作である。」

他の候補作

候補者・作品

梅崎春生

38歳×各選考委員　

「拐帯者」

短篇 68枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	55歳	全	―	0
永井龍男	49歳	全	□	8	「一番感心した。」「しかし、同氏の作品として、優れたものだとは云えないという、他の委員の説に、立ち向う気力はなかった。」
小島政二郎	59歳	全	―	0
井伏鱒二	55歳	全	―	0
木々高太郎	56歳	全	―	0
吉川英治	60歳	全	□	8	「ゴーストップと拐帯者の心理の交錯など何しろおもしろい。然し、往々飛躍し過ぎている部分、そこが余技的すぎる。」

他の候補作

候補者・作品

飯沢匡

44歳×各選考委員　

「腸詰奇談」等

短篇2篇 90枚

選考委員			評価	行数	評言
大佛次郎	55歳	全	■	14	「このひとには習俗外の明らかに新鮮で型変りなものが期待出来る。」「自分勝手に気儘な歩き方をしているのが頼もしい。」
永井龍男	49歳	全	●	7	「ラジオドラマその他で、飯沢氏の才能に惹かれていたからだが、今度の二作は、飯沢氏の力倆を充分に発揮しているとは思われなかった。」
小島政二郎	59歳	全	―	0
井伏鱒二	55歳	全	―	0
木々高太郎	56歳	全	―	0
吉川英治	60歳	全	●	4	「諷刺のシンボルが鼻につきすぎ、ちとワル洒落オチの感、全篇に同じ味が過剰。」

他の候補作

候補者・作品

中村八朗

39歳×各選考委員　

「玉手箱」

短篇 46枚