河野典生（こうのてんせい）-直木賞候補作家

第62回

Last Update●[H28]2016/4/28

	Kono Tensei
	生没年月日【注】	昭和10年/1935年1月27日～平成24年/2012年1月29日
	経歴	本名＝河野典生（コウノ・ノリオ）。高知県高知市生まれ。明治大学文学部仏文科中退。
	受賞歴・候補歴	夜のプリズム放送用短篇推理小説［佳作］（昭和34年/1959年）「ゴウイング・マイ・ウェイ」第17回日本推理作家協会賞（昭和39年/1964年）『殺意という名の家畜』 \|候補\| 第62回直木賞（昭和44年/1969年下期）『他人の城』 \|候補\| 第1回「噂」小説賞（昭和47年/1972年） \|候補\| 第71回直木賞（昭和49年/1974年上期）『ペインティング・ナイフの群像』第2回角川小説賞（昭和50年/1975年）『明日こそ鳥は羽ばたく』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全6件同人雑誌評の記録▼全1件
	サイト内リンク	▼小研究-ミステリーと直木賞

第62回候補

『他人(たにん)の城(しろ)』（昭和44年/1969年5月・三一書房／さんいちぶっくす）

媒体・作品情報

印刷/発行年月日	発行昭和44年/1969年5月31日（第1版）
発行者等	発行者竹村一　印刷所暁印刷株式会社　製本所有限会社熊倉製本所
発行所	株式会社三一書房（東京都）			形態	新書判　並製
装幀/装画等	カバー装幀早川清　装幀早川清
総ページ数	353	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	48字 ×18行 ×1段
本文ページ	7～351 （計345頁）	測定枚数	663枚

書誌

昭和54年/1979年8月・講談社／講談社文庫『他人の城』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　河野典生　34歳
選考委員		評価	行数	評言
大佛次郎	72歳	―	0
石坂洋次郎	69歳	・	1
川口松太郎	70歳	―	0
村上元三	59歳	■	4	「道具立てが面白いのに、肝腎の殺人の動機や経緯が古めかしいので、がっかりさせられた。」
海音寺潮五郎	68歳	△	7	「皆うまいと思った。」「若い人々の技倆はここまで上ったのである。この中からぬきんでることは、なまなかの努力では追いつけまい。」
柴田錬三郎	52歳	●	9	「こういうのを、クールなハードボイルド・タッチというのであろうが、私は、採らない。ここには、うすっぺらな風俗描写が、やたらに書きならべられているばかりである。」
今日出海	66歳	―	0
水上勉	50歳	―	0
源氏鶏太	57歳	■	4	「なかなかの努力作だが、もうすこしすっきりとまとめて貰いたかった。」
司馬遼太郎	46歳	―	0
松本清張	60歳	―	0
選評出典：『オール讀物』昭和45年/1970年4月号

文量
長篇
章立て
「1」～「44」
時代設定	場所設定
［同時代］	東京～神奈川県～静岡県
登場人物
●私（語り手、高田晨一、小説家） ●三村真理（通称マリー、財産家の娘、失踪中） ●三村隆一（真理の兄、医師） ●三村昭子（隆一と真理の母） ●斎藤敬作（通称ケイ、ハップニスト、真理の知人） ●斎藤清造（敬作の父、元・貸ビル業者） ●黒木重郎（ルポ・ライター、私の知人） ●太田令子（隆一の婚約者）

第71回候補

『ペインティング・ナイフの群像(ぐんぞう)』（昭和49年/1974年4月・新潮社刊）

媒体・作品情報

印刷/発行年月日	印刷昭和49年/1974年4月10日　発行昭和49年/1974年4月15日
発行者等	発行者佐藤亮一　印刷東洋印刷株式会社　製本所神田加藤製本株式会社
発行所	新潮社（東京都）			形態	四六判　上製
装幀/装画等	装画池田満寿夫　イラストレーション高田晨一（河野典生）
総ページ数	304	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	43字 ×20行 ×1段
本文ページ	7～304 （計298頁）	測定枚数	522枚

収録作品の書誌

自転車のある風景

昭和57年/1982年6月・集英社／集英社文庫『男の小道具飛び道具』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　河野典生　39歳
選考委員		評価	行数	評言
柴田錬三郎	57歳	―	0
源氏鶏太	62歳	●	3	「うまいだけに終っている」
今日出海	70歳	―	0
石坂洋次郎	74歳	■	4	「感覚の閃きがあり、才筆だが、何が主題なのかよく分らない。」
村上元三	64歳	●	5	「メルヘンの世界を描いて面白い小品は数篇あったが、あとは習作にすぎない。」
川口松太郎	74歳	―	0
松本清張	64歳	―	0
水上勉	55歳	―	0
司馬遼太郎	50歳	●	8	「（引用者注：小説）とは別の分野のもののように思われた。」
選評出典：『オール讀物』昭和49年/1974年10月号

文量

短篇集〔62篇〕

自転車のある風景

章立て

「1　運動会」「2　父と子」「3　時間旅行機」「4　朝」「5　兵隊」「6　写真」

親しい他人たち

章立て

「7　サッカー場にて」「8　愛」「9　酋長訓話」「10　楚々たる美女」「11　実録イソップ」「12　豚と傷痕」

どこか、もうひとつの街

章立て

「13　海と少年」「14　テーブルの傷」「15　地下道にて」「16　知らない街」「17　あの男ですか」

見知らぬ友人たち

章立て

「18　自然に生きる」「19　理解できない」「20　寓話の世界」「21　神話の世界」

幻想小曲集

章立て

「22　チャップリンの少女」「23　電波管理法」「24　窓の外の一本道」「25　最初の家族」「26　虹の鉱脈」

雅歌八章

章立て

「27　悲鳴」「28　好色童話」「29　好色神話」「30　インコの話」「31　終戦直後」「32　近親相姦」「33　ホモ・セクシュアル」「34　夜を走る」

画面の中の人々

章立て

「35　ＣＭタレント」「36　作家研究」「37　パウル・クレーの絵」「38　飾窓の女」「39　女主人」

初夏の街、透明な風

章立て

「40　川原の草叢」「41　帽子の少女」「42　進化論」「43　街」

男と女のいる街角

章立て

「44　ひるさがり」「45　幸福の条件」「46　横丁の風景」「47　枯草の匂い」「48　アメリカ・アメリカ」

ジャズの聞こえる風景

章立て

「49　フューネラル・マーチ」「50　店」「51　壁」「52　チコさん」「53　バードのブルース」「54　情事」

風の中、鳥は羽ばたく

章立て

「55　鳥のイメージ」「56　澄んだ日」「57　飛ぶ」「58　鳥類図鑑」「59　当然の権利」

遠い、はるかな、何か

章立て

「60　声」「61　光」「62　空について」