楢山芙二夫（ならやまふじお）-直木賞候補作家

第73回

Last Update●[H28]2016/1/22

	Narayama Fujio
	生没年月日【注】	昭和23年/1948年6月13日～平成15年/2003年1月15日
	経歴	本名＝楢山富士雄。岩手県岩手郡雫石町生まれ。桐朋学園短期大学演劇科卒。
	受賞歴・候補歴	第46回オール讀物新人賞（昭和50年/1975年上期）「ニューヨークのサムライ」 \|候補\| 第73回直木賞（昭和50年/1975年上期）「ニューヨークのサムライ」 \|候補\| 第77回直木賞（昭和52年/1977年上期）『マンハッタンのバラード』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全3件
	処女作	「ニューヨークのサムライ」（『オール讀物』昭和50年/1975年6月号）
	サイト内リンク	▼小研究-記録（年少候補）

第73回候補

媒体・作品情報

誌名	「オール讀物」別表記表紙「文藝春秋」併記
巻号	第30巻第6号別表記6月特別号
印刷/発行年月日	発行昭和50年/1975年6月1日
発行者等	編集兼発行人安藤満　印刷人澤村嘉一　印刷所凸版印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
装幀/装画等	画山野辺進
総ページ数	376	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	20字 ×25行 ×3段
本文ページ	98～129 （計32頁）	測定枚数	106枚

書誌

昭和52年/1977年5月・文藝春秋刊『マンハッタンのバラード』所収

昭和61年/1986年12月・文藝春秋／文春文庫『ニューヨークのサムライ』所収

選評の概要

候補者　楢山芙二夫　27歳
選考委員		評価	行数	評言
川口松太郎	75歳	●	14	「今回の諸作中最も新鮮味を感じさせる作品だったが、これも亦小説として肝心のものが不足していた。何を書こうとしているのか中心がはっきりしていない、ニューヨークのサムライを描くというだけでは直木賞作品になり得ない、」
石坂洋次郎	75歳	―	0
柴田錬三郎	58歳	△	12	「今回、救われたのは、「ニューヨークのサムライ」の新鮮さと、才能の片鱗を看たことだけであった。この若い作者は、こん後、視点のさだめ様によっては、新しい旗手になる希望が、かけられる。」
源氏鶏太	63歳	△	10	「何んとしても一作だけではという声に負けた。しかし、その才能については誰も疑ぐっていないようであった。」
村上元三	65歳	△	8	「久しぶりに二十代の新人が出てきて、うれしかった。文章も歯ぎれがいいが、この一作だけで将来を云々する、というのは気が早いような気がする。」
今日出海	71歳	△	4	「通俗だが才筆で、次作を期待させるものがあった。」
水上勉	56歳	―	0
松本清張	65歳	△	4	「楢山芙二夫氏に才能の萠芽を見たのは、今期の唯一の明るい救いだった。」
選評出典：『オール讀物』昭和50年/1975年10月号

文量
短篇
章立て
「1」～「6」
時代設定	場所設定
［同時代］	アメリカ・ニューヨーク
登場人物
●私（語り手、ジュン、大学休学中の旅行者） ●サム（私の同居人の一人、黒人） ●シルビア（私の同居人の一人、ＰＲ会社アシスタント） ●ジミー（私の同居人の一人、元軍人）

第77回候補

媒体・作品情報

印刷/発行年月日	発行昭和52年/1977年5月15日（第1刷）
発行者等	発行者樫原雅春　印刷理想社印刷所　付物印刷凸版印刷　製本所加藤製本
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）			形態	四六判　上製
総ページ数	261	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	43字 ×20行 ×1段
本文ページ	5～258 （計254頁）	測定枚数	489枚	基本の文字組（1ページ当り）	43字 ×20行 ×1段

書誌

昭和61年/1986年12月・文藝春秋／文春文庫『ニューヨークのサムライ』に改題

収録作品の書誌

ニューヨークのサムライ

初出『オール讀物』昭和50年/1975年6月号

ニューヨークのサムライ PART II

書き下ろし

マンハッタンのバラード

初出『オール讀物』昭和52年/1977年2月号「マンハッタンの子守唄」/単行本収録にあたり改題改稿

サンシャイン・ガーデン

初出『野性時代』昭和51年/1976年6月号「新しい故郷」/単行本収録にあたり改題改稿

選評の概要

候補者　楢山芙二夫　29歳
選考委員		評価	行数	評言
水上勉	58歳	―	0
今日出海	73歳	―	0
松本清張	67歳	●	6	「同じ世界をつづけて書くにしても、そのたびに新鮮なおどろきを与えるものでなければなるまい。」
司馬遼太郎	53歳	―	0
源氏鶏太	65歳	●	5	「麻薬を扱ってアメリカの現代風俗を新鮮に描いているようだが、その実感は何か貧しかった。」
村上元三	67歳	―	0
石坂洋次郎	77歳	―	0
柴田錬三郎	60歳	△	10	「ニューヨークの片隅でうごめく、淫売婦と麻薬とホモの黒人と浮浪の日本人青年のくりひろげる今日的風俗の方が、（引用者注：「つゆ」や「竹生島心中」よりも）面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
川口松太郎	77歳	―	0
選評出典：『オール讀物』昭和52年/1977年10月号

文量

短篇集〔4篇〕

ニューヨークのサムライ
章立て
「1」～「6」
時代設定	場所設定
［同時代］	アメリカ・ニューヨーク
登場人物
●私（語り手、ジュン、大学休学中の旅行者） ●サム（私の同居人の一人、黒人） ●シルビア（私の同居人の一人、ＰＲ会社アシスタント） ●ジミー（私の同居人の一人、元軍人）

ニューヨークのサムライ PART II
章立て
「1」～「5」
時代設定	場所設定
［同時代］	アメリカ・ニューヨーク
登場人物
●私（語り手、ジュン、大学休学中の旅行者） ●キィティー（ストリートガール、サムの知り合い） ●ペニー（サムの母親、麻薬中毒者）

マンハッタンのバラード
章立て
「1」～「5」
時代設定	場所設定
［同時代］	アメリカ・ニューヨーク～ボストン
登場人物
●私（語り手、ジョー、大学休学中の旅行者） ●キャサリン（ストリッパー、ヘロイン中毒者） ●フレディー（ホモの黒人、キャサリンの知り合い）

サンシャイン・ガーデン
章立て
「1」～「5」
時代設定	場所設定
［同時代］	アメリカ・ロス・アンジェルス
登場人物
●今井彰（養老院勤務） ●野田ふみ（養老院の入居者、日系一世） ●ロバート・宏・野田（ふみの息子） ●エミー（養老院の慰問者）