直木賞のすべて

今年も、みなさんの
「読みたい」望みを
数多く寄せていただきました。

第2回大衆アンケート 入手困難やっぱり読みたい受賞作は?
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Last Update[H17]2005/6/18

 平成17年/2005年7月中旬発売決定!

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平成17年/2005年7月中旬発売
消えた直木賞 男たちの足音編
メディアファクトリー刊
1,995円(税込)
ISBN 4-8401-1292-4
>> メディアファクトリーのサイト
収録作
・第34回受賞 邱永漢「香港」
・第35回受賞 南條範夫「燈台鬼」
・第42回受賞 戸板康二「團十郎切腹事件」
・第58回受賞 三好徹「聖少女」
・第80回受賞 有明夏夫「鯛を捜せ」(「大浪花諸人往来」より)
・コラム「直木賞意外史」4本
・全受賞作「絶版・品切れ」データつき

 まさか2冊目の出版にまでこぎつけるとは! 昨平成16年/2004年7月『消えた受賞作 直木賞編』に続き、今回もまた入手困難な受賞作ばかり5つを集めたアンソロジーが発売されることになりました。
 今回は、前回寄せられたアンケートハガキなどの反響をもとに、より読みやすく、よりカッコいい装丁(!?)で、版元のメディアファクトリーがつくってくれました。
 価格は税込1,995円。前回のときも思ったのだが、このまるで“普通の本”みたいな価格設定は、ほんとに驚きです。ブンガクしちゃっている本は結構高めのものが多い中で、これはひとえに版元の勇気と努力です。
 「前回の解説とコラムが好評だったので」という編集者の甘いおだてにのせられて、今回も、各作家と受賞作についての解説とコラム原稿を、ワタクシが書かせてもらいました。いやあ、きつかった。前回より原稿量は減ったものの、本業のほうでずっぽり深い世界に入り込まなくちゃいけない時期と重なったおかげで、精神的にやつれました。
 まあ、素人の書いた文章です。間違い、勘違い、変なとこがいろいろあることでしょう。批判は甘んじて受けます。ぐっと堪えます。いくつかの直木賞受賞作が復活した喜びに比べれば、どうってことありません。
 この本でも、やはり長篇を載せることはできませんでした。また『大浪花諸人往来』は、さすがに短篇集の収録作すべてを載せることは許されず、1篇だけの復活となりました。悔しい思いです。長篇、短篇集の復刊は道のりが険しい。ワタクシには今後の出版界に期待をかけることしかできません。がんばれ、出版社。
[H17]2005/6/18



平成15年/2003年4月から10か月間にわたっておこなった
第1回目の「入手困難それでも読みたい受賞作は?」アンケートでは、
その得票数で上位に挙がった作品9作品を集めて、
1冊の本をつくることができました。
-> (アンケートのくわしい経緯はこちら)
それでも、まだまだ入手困難な受賞作は残されています。
第2回アンケートでは、「短篇・中篇もしくは短篇集」「戦後の作品」に対象をしぼり、
またまた、みなさんのご意見をつのりたいと思います。
あなたは、どれを読んでみたいですか?

今回も、この投票結果をふまえて、
なんとか復刊・復刻してもらえるよう、働きかけていきたいと思っています。
どうぞ、ご投票ください。
――ということで、平成17年/2005年3月より約2か月にわたってアンケートをとってきましたが、  今回もたくさんのご投票をいただきました。何の報酬もプレゼントもあるわけではないのに貴重な票を投じてくださった方々に、御礼申し上げます。
 このアンケート結果と今後の展開については、いずれ近いうちに当ホームページ上でご報告いたします。

 下記に、アンケートの結果(上位分のみ)を、記録として残しておきたいと思います。昨年同様、今後も、さまざまなかたちで、直木賞各受賞作が復刊され続けることを願いつつ。
[H17]2005/5/21

順位 得票数 作者名・作品名 作者・作品について
1 115
第35回

今 官一
『壁の花』
青森出身で、中央文壇にとっては“無印”だった作者が描く4つの短篇。エンターテイメントというより、かなり芸術性が高く、純文学と言っても通用しそうな作風です。
2 109
第34回

邱 永漢
『香港』
すっかり経済評論家、“お金の神様”として有名になった作者の、初期の創作。反政府運動のかどで台湾を追放された主人公が、香港でしたたかに生きる人々に触れるお話。
3 84
第50回

和田芳恵
『塵の中』
作者はれっきとした男性ですが、女性の視点での創作を多く書いた作家です。女性の心情・境遇・運命を熟練された表現で書く、“通”好みの短篇集と言っていいでしょう。
4 58
第54回

新橋遊吉
「八百長」
地方の同人誌に掲載されながら直木賞を受賞した短篇。作者、この一作目にして注目を浴びました。競馬の騎手に持ちかけられた八百長の誘い、その理由と顛末。
5 38
第90回

高橋 治
「秘伝」
いかにも直木賞受賞作らしい、正々堂々、じっくり読ませる中篇。長崎県の鯛釣りの名人のお話です。
6 36
第103回

泡坂妻夫
『蔭桔梗』
トリック性に富んだ推理小説で登場し、何度も候補に挙げられた作者の、11篇を収めた短篇集。紋章上絵師や仕立屋などを主人公とした短篇が多く、純粋な推理小説ではありませんが、どれも作者のストーリーテイラーぶりが発揮されています。
7 31
第42回

戸板康二
「團十郎切腹事件」
劇評家として名をなした作者が、推理小説誌『宝石』に発表し、日本推理小説史に深みを加えたと言っていい、中村雅楽シリーズの一つです。老役者・中村雅楽が、幕末に起きた歌舞伎役者の自害の真相を推理します。
7 31
第81回

田中小実昌
「浪曲師朝日丸の話」
どこからが虚構でどこからが事実なのか判然としない、コミさん独特のほのぼの感漂う、しかも読後ちょっぴり切なさを残す短篇。時代は戦後まもなく、“ぼく”の出会った心に残る人物との交流を描いています。
9 21
第25回

源氏鶏太
「英語屋さん」
サラリーマン小説で一世を風靡した作者の、出世作。数年前、集英社新書で刊行された浦出善文著『英語屋さん』を読んだ人なら、こっちの「英語屋さん」も読んでおきたいところ!?
10 20
第99回

西木正明
「凍れる瞳」「端島の女」
ノンフィクション『オホーツク諜報船』で華々しくデビューした作者の、幅の広さを感じさせる短篇2つ。戦前の名投手スタルヒンと元・戦犯との友情を描いたものと、長崎の廃鉱の町で育った女性の人生を描いたもの。
11 19
第31回

有馬頼義
『終身未決囚』
昔の推理小説になじみのある人なら、きっとこの作者はご存知のはず。受賞はミステリーを書き始める前のことでしたが。当時には珍しく短篇集での受賞。
11 19
第35回

南條範夫
「燈台鬼」
のちに時代小説の(ミステリーなども書いた)大家となった作者の、初期代表作。奈良時代、遣唐使として唐に渡った男が遭遇した、不気味で異様な事件。
13 18
第63回

結城昌治
「軍旗はためく下に」
日本の推理小説界にスパイ小説やユーモア小説など新しい風を吹き込んだ作者の、“戦争”ものです。中国、フィリピンなどを舞台に、軍事裁判で裁かれた兵士たちを描いた連作集。
14 15
第56回

五木寛之
「蒼ざめた馬を見よ」
ベストセラー作家、五木氏の出世作が、今、書店で簡単に手に入らないのはなぜなのでしょう。出版界の七不思議と言いたくなる思いです。ロシアを舞台にした、ちょっぴりミステリーちっくな物語。
15 14
第72回

井出孫六
『アトラス伝説』
実在の人物・事件に材を採り硬派な作品を発表する作者が、同人誌に書いた3つの短篇をまとめた短篇集です。表題作は、明治の画家・川上冬崖を主人公に据え、軍部との関係など、その生涯を描いています。
15 14
第80回

有明夏夫
『大浪花諸人往来』
直木賞史上はじめて、捕物帖で受賞した連作集。文明開化・明治の大阪を舞台に、元・奉行書務めの隠居が、数々の難事件を追い、解決していきます。
15 14
第90回

神吉拓郎
『私生活』
エッセイストとしても評価の高かった作者の、穏やかでひたひたと胸を打つ短篇集です。17篇のどの収録作も、短いなかで、登場人物たちの人生の一断片を切り取った小品。
18 13
第69回

長部日出雄
「津軽じょんから節」「津軽世去れ節」
映画評論家としても活躍する作者が、地元・青森の出版社から出した単行本の収録作2つです。いずれも津軽に伝わる伝統芸能とその芸人に光を当てた短篇。
18 13
第93回

山口洋子
「演歌の虫」「老梅」
当時すでに作詞家として、スナックのママとして有名だった作者の、その経験が十分生かされた短篇2つです。収録された単行本『演歌の虫』は、他に2短篇が併録されていますが、そのどちらも候補作という、直木賞マニアにはありがたい一冊です。
20 11
第76回

三好京三
『子育てごっこ』
中篇が2つ収められていますが、どちらも作者自身の経験を題材にした、いわゆる“モデル小説”。岩手県の小学校分校の教師と、放浪作家きだ・みのる親子との関わりを描いています。“モデル小説”はいつの時代もマスコミの話題となりやすいようです。


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