生没年月日【注】 | 明治25年/1892年4月27日~昭和26年/1951年2月9日 | |
受賞年齢 | 43歳10ヵ月 | |
経歴 | 本名=鷲尾浩。新潟県西蒲原郡黒鳥村(現・新潟市)生まれ。早稲田大学英文科卒。 | |
受賞歴・候補歴 |
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備考 | 故直木三十五氏と、生前、交流のあった受賞者。決して仲がよかったわけではなく、 なかば反目し合っていたというから、皮肉な受賞だったわけです。 ちなみに、第2回受賞作は、ほとんどの文献では『吉野朝太平記』としか書かれていませんが、 正確には、『吉野朝太平記』第一巻・第二巻、です。 第三巻以降が受賞後に刊行されていることからも、それは明らかですし、 第2回直木賞の選考経緯が掲載された『文藝春秋』昭和11年/1936年4月号では、 選考委員の一人、菊池寛氏も「話の屑籠」で、ちゃんとこのように書いています。 「直木賞は、鷲尾雨工氏に贈る事にした。「吉野朝太平記」二巻は、何と云つても力作で、売れる当もないのにあゝした長篇を書き上げた努力は、充分認められてもよいと思ふ。」 |
『吉野朝太平記』
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作品名 別表記 | (2)表紙・飾り扉 「吉野朝太平記」 | ||||
副題等 | (2)「第二卷」 表紙・飾り扉 「(正儀の策謀の一――師直の死)」 扉 「楠正儀策謀の一――高師直の死」 | ||||
印刷/発行年月日 | (2)印刷 昭和10年/1935年11月5日 発行 昭和10年/1935年11月10日 | ||||
発行者等 | (2)編纂者 鷲尾 浩 発行者 神田龍一 印刷者 本間十三郎 印刷所 清揚社(東京市) 製本 林製本所 | ||||
発行所 | 春秋社(東京市) 発売所 株式会社松柏館(東京市) | ||||
総ページ数 | (2)508 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
(2)43字 ×14行 ×1段 |
本文ページ | (2)3~508 (計506頁) |
測定枚数 | - |
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書誌
書下ろし
昭和11年/1936年3月・春秋社刊『吉野朝太平記』(第三巻)
昭和12年/1937年10月~昭和14年/1939年4月・春秋社刊、松柏館発売『吉野朝太平記』〔普及版〕全五巻
昭和14年/1939年10月~昭和15年/1940年8月・春秋社刊、松柏館発売『吉野朝太平記』全六巻
昭和33年/1958年4月~昭和33年/1958年6月・東都書房刊『吉野朝太平記』全五巻
平成2年/1990年11月~平成3年/1991年3月・富士見書房/時代小説文庫『吉野朝太平記』全五巻
平成13年/2001年7月~平成15年/2003年1月・誠文図書,共栄図書/歴史小説名作館『吉野朝太平記』全五巻
候補者 鷲尾雨工 43歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
久米正雄 | 44歳 |
○ | 9 | 「此の人にして此の努力、作品の出来に就いては云う迄もない。」 |
小島政二郎 | 42歳 |
◎ | 7 | 「これだけの大きな材料を、正面から何のケレンなしに取り組んで、こなしている正攻法的態度に敬意を表す。」 |
佐佐木茂索 | 41歳 |
― | 0 | |
白井喬二 | 46歳 |
○ | 33 | 「人は歴史小説というかも知れないが、七分の創作力を、僕は買いたい。」「直木の錯爛情毅の妙に比べ、雨工はあくまでも統絲円熟の迫真力ではこんで行く。」 |
大佛次郎 | 38歳 |
○ | 9 | 「実際に作者の努力を考えても、異議はない。」 |
菊池寛 | 47歳 |
◎ | 「何と云っても力作で、売れる当もないのにあゝした長篇を書き上げた努力は、充分認められてもよいと思う。鷲尾君は、直木の旧友で、後不和になっていた人である。直木が生きていたら、直木賞を(引用者注:第一回の)川口君にやることも、鷲尾君に贈ることも、反対したかも知れない。」 | |
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年10月号再録(初出:『文藝春秋』昭和11年/1936年4月号) |
文量 | |
長篇 | |
章立て | |
第一巻「章一 師直の放縱」「章二 京の日野邸」「章三 水越峠」「章四 吉野の日野邸」「章五 弁内待受難」「章六 追及」「章七 鹿路平の血烟」「章八 准后への悃願」「章九 六本杉の怪異」「章十 千早と新屋敷」「章十一 東條の城」「章十二 後室來訪」「章十三 水分館」「章十四 四つの首」「章十五 咎の徴軽からず」「章十六 攀慕の愁腸」「章十七 干戈動く」「章十八 瓜生野に腥風すさぶ」「章十九 遠大なる抱負」「章二十 師直出陣」「章廿一 往生院訣別」「章廿二 四條畷合戦」第二巻「章一 四條畷の敗報」「章二 洛西小倉山」「章三 六條河原から清涼寺へ」「章四 無体な返報がへし」「章五 穴生へ御動座」「章六 吉野炎上」「章七 擬勢擬裝」「章八 音無川畔の逆襲」「章九 さみだれ雲」「章十 鬩ぎ合はんとする姿勢」「章十一 山峡の秋に馬肥しつゝ」「章十二 当月当日」「章十三 田楽異変」「章十四 ある日の正儀」「第十五 尊氏の新邸囲まるゝこと」「章十六 直義入道、南朝へ降る」「章十七 師直の心理」「章十八 殺意暗剣」「章十九 驕威の末路、鷲林寺門前」 | |
時代設定 | 場所設定 |
室町初期 | 吉野~京都~賀名生など |
登場人物 | |
●楠正儀(虎夜叉、南朝楠家の大将) ●楠正行(正儀の長兄、四条畷で戦死) ●高師直(北朝の実力者) ●足利尊氏(北朝方将軍) ●足利直義(尊氏の弟) ●敷妙(正儀の愛人、間諜者) ●北畠親房(南朝の実力者、准后) ●唐土屋迦羅作(堺の豪商、敷妙の兄) ●足利直冬(尊氏の庶子) |