横山悠太（よこやまゆうた）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

芥川賞のすべて・のようなもの

第151回

＝受賞者＝
柴崎友香

＝候補者＝
戌井昭人
小林エリカ
羽田圭介
横山悠太

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Last Update●[H29]2017/10/29

	Yokoyama Yuta
	生没年月日【注】	昭和56年/1981年8月27日～
	経歴	岡山県生まれ。岡山城東高校卒。日本語教師などを経て留学生。
	受賞歴・候補歴	第57回群像新人文学賞［小説部門］（平成26年/2014年）「吾輩ハ猫ニナル」 \|候補\| 第151回芥川賞（平成26年/2014年上期）「吾輩ハ猫ニナル」第16回岡山芸術文化賞［準グランプリ］（平成26年/2014年度）第2回鉄犬ヘテロトピア文学賞（平成27年/2015年）『吾輩ハ猫ニナル』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全4件

第151回候補

「吾輩(わがはい)ハ猫(ねこ)ニナル」（『群像』平成26年/2014年6月号）

媒体・作品情報

誌名	「群像」別表記表紙「GUNZO」併記
巻号	第69巻第6号
印刷/発行年月日	印刷平成26年/2014年5月7日　発行平成26年/2014年6月1日
発行者等	編集人佐藤とし子　発行人唐木厚　印刷人金子眞吾　印刷所凸版印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社講談社（東京都）
総ページ数	356	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	8～52 （計45頁）	測定枚数	141枚

書誌

平成26年/2014年7月・講談社刊『吾輩ハ猫ニナル』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　横山悠太　32歳
選考委員		評価	行数	評言
高樹のぶ子	68歳	●	11	「大変な労作だが、小説のエネルギーが主として翻訳に使われ、異文化異言語のかなたから日本を視るという、小説本来の苦労が足りなかった。漢語にふられたルビだけで読み下してみれば、さほど新鮮な発見は無かった。」
宮本輝	67歳	●	6	「同じ漢字であっても、中国と日本とではこれほどの違いがあるのかという勉強をさせてもらったが、それだけのことである。」
村上龍	62歳	―	0
山田詠美	55歳	●	17	「何というナイスアイディアか、とわくわくしながら読み始めて、たちどころに意気消沈。」「〈日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説〉を書くという設定なら、日本語を読む日本人読者にもリスペクトをね。特にメイドカフェで猫化するくだり。この見せ場こそ、ばしっと日本語のクールさを見せてやりなさい。」
奥泉光	58歳	◎	25	「最初の投票で○を付した」「いまある言語の外へ逸脱していく言葉の運動性には文学の名がふさわしくもある。選考会では、物語内容が物足りないとの声があって、たしかに企みが引き寄せずにはおかぬ虚構の動きがもっとあってよいはずで、その点に弱さはある。が、とにかくこの徹底ぶり（さらなる徹底を！）は評価できると考えた。」
小川洋子	52歳	△	17	「正面から日本語論を展開するわけでもなく、イソタカケルのルーツ探しの物語にする気もない。そのあたりの力の抜け方に才能を感じた。」
島田雅彦	53歳	■	19	「漢字ユーザーの日本人が熱心に中国語学習をしたその副産物としては悪くない。」「今日の漢字ユーザーがほぼ忘れかけている、象形文字、表意文字としての原初的イメージを発掘してくるような作業はきっと読者に驚きを与えるだろうが、アキバに行って、猫耳をつけても読者の脱力しか誘わない。」
川上弘美	56歳	■	5	「『吾輩ハ猫ニナル』の懇切さは、小説を書く時にとても大切なものです。秋葉原に来てから以降の描写の懇切さが足りなかったのが、残念です。」
堀江敏幸	50歳	○	17	「半減期を持たない漢字の右側の、ルビと呼ばれる猫耳のトリックに限界があることを承知のうえで挑んだこの力一杯の遊戯に、私は惹かれた。」
選評出典：『文藝春秋』平成26年/2014年9月号

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