第135回

第134回第136回

平成18年/2006年上半期 平成18年/2006年7月13日決定発表／『文藝春秋』平成18年/2006年9月号選評掲載

選考委員　 高樹のぶ子 60歳 宮本輝 59歳 黒井千次 74歳 石原慎太郎 73歳 山田詠美 47歳 池澤夏樹 61歳 村上龍 54歳 河野多恵子 80歳 選評総行数　 56 62 59 67 58 44 63 58 評 評 評 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 伊藤たかみ　「八月の路上に捨てる」 105枚 35歳 評 ○ 22 △ 46 △ 33 △ 22 □ 5 △ 5 ■ 27 ○ 53 鹿島田真希　「ナンバーワン・コンストラクション」 212枚 29歳 評 ― 0 ― 0 ● 7 ― 0 □ 8 ― 0 ― 0 ― 0 島本理生　「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 87枚 23歳 評 ■ 21 ― 0 ■ 6 ● 8 ― 0 ● 7 ― 0 △ 5 中原昌也　「点滅……」 102枚 36歳 評 ― 0 ― 0 ● 7 ― 0 ― 0 ■ 9 ― 0 ― 0 本谷有希子　「生きてるだけで、愛。」 137枚 26歳 評 △ 13 ― 0 ■ 10 ○ 16 ― 0 ■ 12 ― 0 ― 0             欠席 書面回答   年齢/枚数の説明   見方・注意点

高樹のぶ子60歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題「意識の伏流水」　総行数56　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 ○ 22 「最後の勝ちを夢見て、失う痛みに耐えている若者のシャビイな切実さが、恐らく勝ちなど無いであろうとの予感と共に、胸をうつ。言葉が、伏流水のように裏に流れる意識を感じさせるのは才能だろう。職場の年上女性との関係も、さりげないのに艶がある。本気でも浮気心でもなく、よそ心（原文傍点）という新表現には舌を巻いた。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 ■ 21 「父親の暴力がトラウマとなった娘の恋愛に影響を及ぼすのは、図式的な気がしないでもない。若さが甘やかに匂う文体だが、裏を返せば幼い。ただこの作品を読んで、感じることは多々あった。昨今の若い男女が同棲するとき、性的モチベーションはさほど大きくないらしい。」 中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 △ 13 「とりわけ最後のぶざまで荒々しい姿には迫力がある。作者の力量も感じられる。ただ、主人公をウツ病にしてしまうと、評価が半減してしまう。」

他の選考委員 宮本輝 黒井千次 石原慎太郎 山田詠美 池澤夏樹 村上龍 河野多恵子

宮本輝59歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題小説の小ささ、大きさ。　総行数62　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 △ 46 「二人の委員が強く推し、他の委員も全否定の票は入れなかった。」「なるほど、そのような小説である。」「もっと大きな芯が土台として設定できたのではないかと不満を感じた。」「多くの働く人々が見るもの、感じるもの、味わうもの……。それらを超えた何かが小説の芯として確かに沈んでいなければ、その小説になにほどの意味があるのか……。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 ― 0   中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 ― 0     「今回、私はどの候補作も推せなかった。」「（引用者注：受賞した「八月の路上に捨てる」以外の）他の四篇の候補作にも、私は似たような（引用者注：小説の土台が初めから小さいという）不満を持った。」	他の選考委員 高樹のぶ子 黒井千次 石原慎太郎 山田詠美 池澤夏樹 村上龍 河野多恵子

黒井千次74歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題現在と過去　総行数59　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 △ 33 「気心の知れた二人の仕事を通しての信頼関係が、離婚を前にした主人公の現在を浮かび上らせ、過去を照らし出すところが新鮮で、自然でもある。つまり現在主導のもとに過去が眺められ、その視座が過去を乗り越えようとする姿勢を生み出そうとする。」「八月の路上に、紛れもない現代の光景の一つが捉えられている。」 鹿島田真希 29歳 全 ● 7 「（引用者注：「点滅……」と共に）意図を実現するだけの言語表現がまだ充分に獲得されていないのではないか、との疑問を覚えた。」 島本理生 23歳 全 ■ 6 「幼児体験が現在の男の上に投影する様を女の側から描こうとするが、このパターンを越えたもう一歩先を見せて欲しい。」 中原昌也 36歳 全 ● 7 「（引用者注：「ナンバーワン・コンストラクション」と共に）意図を実現するだけの言語表現がまだ充分に獲得されていないのではないか、との疑問を覚えた。」 本谷有希子 26歳 全 ■ 10 「鬱症状の若い女性が主人公だが、彼女がイタリアンレストランで働き出す運びにはいってようやく作品の動き出す印象を受ける。」「その前がいささか冗長なのではあるまいか。」   「このところ、候補作品のタイトルがやたらに長くなったのは何故なのだろう。」

他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 石原慎太郎 山田詠美 池澤夏樹 村上龍 河野多恵子

石原慎太郎73歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題またしても不毛　総行数67　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 △ 22 「私は推さなかった」「部分的には巧みで鋭く感覚的なところもあるが、いかに軽く他愛ないものだろうと、離婚という、結婚を選択して選び合った男と女の別離の芯の芯にあるものの重さをちらとでも感じさせるのが文学の本髄というものではなかろうか。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 ● 8 「他の選考委員がかなりの高点をつけた」「作品としての構図がいかにも浅く平凡でしかない。」 中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 ○ 16 「一番面白く読めた。」「確かに男の以前の愛人の登場などは都合良すぎる形だが、話しの運びのテンポも良くさりげなく現代の本髄のある部分を切り取っていると思う。」「衆寡敵せず選外とはなったが、劇作家の書く小説に限界があるとは私は思わない。」   「私は兼ねている仕事柄雑務が多いので読み過ごしては申し訳ないと思い、候補作が届けられると出来るだけ早く目を通すことにしているが、選考の場に来て論じる際に鮮明に思い出すことの出来る作品がいかにも少ない。」

他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 黒井千次 山田詠美 池澤夏樹 村上龍 河野多恵子

山田詠美47歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題選評　総行数58　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 □ 5 「その完成度において、（引用者中略）評価しました。」 鹿島田真希 29歳 全 □ 8 「これだけが映像化を断固拒否する活字でしか成り立たない小説作品であることにおいて評価しました。」 島本理生 23歳 全 ― 0   中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 ― 0     「今回の候補作品、内容を無視してシャッフルしてみると、登場するのは、心を病んだ人、物書き志望、あるいは売れない物書き、出版社勤務、がほとんどです。私は、やだなー、こんな人々だけで構築されている世界なんてさー、とうんざりしました。」	他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 黒井千次 石原慎太郎 池澤夏樹 村上龍 河野多恵子

池澤夏樹61歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題他ジャンルからの乱入　総行数44　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 △ 5 「授賞に反対はしないが、元気な水城さんとの一日に比べて妻との過去は類型を脱していない印象だった。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 ● 7 「今っぽいテーマをぜんぶ盛り込んで、それだけで終わっている。その先なのだ、こちらが読みたいのは。」 中原昌也 36歳 全 ■ 9 「映画の影響の典型である。問題はこれが映画そのものであることだ。」「構成の原理が映画であって文学でない。」 本谷有希子 26歳 全 ■ 12 「臍帯が演劇につながっている。」「鬱状態の主人公を躁の文体で書くから話はひたすら派手になるけれど、それはとてもおもしろいけれど、なによりも目前の効果が重視されていて、奥行きがない。」   「前回も思ったが、なんでこんなにビョーキの話ばかりなのか？　まるで日本全体がビョーキみたい。」

他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 黒井千次 石原慎太郎 山田詠美 村上龍 河野多恵子

村上龍54歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題選評　総行数63　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 ■ 27 「共感できる部分がなかったわけではない。」「ただ、（引用者注：私がテレビで見た各飲料メーカーの営業の）そのドキュメンタリー番組には何かを「伝えよう」という意志が感じられ、伊藤氏の「虚構」はそれが希薄だったと、個人的にそう思った。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 ― 0   中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 ― 0     「今回の候補作はどれもレベルが低く、小説や文学というものを「なぞっている」ような気がした。」「問題は、何を伝えようとしているのかわからないということに尽きる。」「小説はメディアなので「伝えたいこと」がなければ存在価値がない。」	他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 黒井千次 石原慎太郎 山田詠美 池澤夏樹 河野多恵子

河野多恵子80歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題○ひとつ、△ひとつ　総行数58　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 伊藤たかみ 35歳 全 ○ 53 「以前の二作もかなりよかったが、今度の作品では確実な成長が感じられた。」「三人称に挑戦して、最小限の主語の使い方にも成功している。」「不如意な結婚生活と離婚を扱って、簡潔な文章からさまざまに迸る人間の妙味の豊かさには尋常ならぬものがある。私はこの作品ひとつに○の票を入れた。」 鹿島田真希 29歳 全 ― 0   島本理生 23歳 全 △ 5 「△をつけた。よい感性の人なのに、迂闊な言葉の使い方に出会うことがあるのが惜しまれる。」 中原昌也 36歳 全 ― 0   本谷有希子 26歳 全 ― 0	他の選考委員 高樹のぶ子 宮本輝 黒井千次 石原慎太郎 山田詠美 池澤夏樹 村上龍

伊藤たかみ35歳×各選考委員　 「八月の路上に捨てる」 短篇 105枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 高樹のぶ子 60歳 全 ○ 22 「最後の勝ちを夢見て、失う痛みに耐えている若者のシャビイな切実さが、恐らく勝ちなど無いであろうとの予感と共に、胸をうつ。言葉が、伏流水のように裏に流れる意識を感じさせるのは才能だろう。職場の年上女性との関係も、さりげないのに艶がある。本気でも浮気心でもなく、よそ心（原文傍点）という新表現には舌を巻いた。」 宮本輝 59歳 全 △ 46 「二人の委員が強く推し、他の委員も全否定の票は入れなかった。」「なるほど、そのような小説である。」「もっと大きな芯が土台として設定できたのではないかと不満を感じた。」「多くの働く人々が見るもの、感じるもの、味わうもの……。それらを超えた何かが小説の芯として確かに沈んでいなければ、その小説になにほどの意味があるのか……。」 黒井千次 74歳 全 △ 33 「気心の知れた二人の仕事を通しての信頼関係が、離婚を前にした主人公の現在を浮かび上らせ、過去を照らし出すところが新鮮で、自然でもある。つまり現在主導のもとに過去が眺められ、その視座が過去を乗り越えようとする姿勢を生み出そうとする。」「八月の路上に、紛れもない現代の光景の一つが捉えられている。」 石原慎太郎 73歳 全 △ 22 「私は推さなかった」「部分的には巧みで鋭く感覚的なところもあるが、いかに軽く他愛ないものだろうと、離婚という、結婚を選択して選び合った男と女の別離の芯の芯にあるものの重さをちらとでも感じさせるのが文学の本髄というものではなかろうか。」 山田詠美 47歳 全 □ 5 「その完成度において、（引用者中略）評価しました。」 池澤夏樹 61歳 全 △ 5 「授賞に反対はしないが、元気な水城さんとの一日に比べて妻との過去は類型を脱していない印象だった。」 村上龍 54歳 全 ■ 27 「共感できる部分がなかったわけではない。」「ただ、（引用者注：私がテレビで見た各飲料メーカーの営業の）そのドキュメンタリー番組には何かを「伝えよう」という意志が感じられ、伊藤氏の「虚構」はそれが希薄だったと、個人的にそう思った。」 河野多恵子 80歳 全 ○ 53 「以前の二作もかなりよかったが、今度の作品では確実な成長が感じられた。」「三人称に挑戦して、最小限の主語の使い方にも成功している。」「不如意な結婚生活と離婚を扱って、簡潔な文章からさまざまに迸る人間の妙味の豊かさには尋常ならぬものがある。私はこの作品ひとつに○の票を入れた。」

他の候補作 鹿島田真希 「ナンバーワン・コンストラクション」 島本理生 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 中原昌也 「点滅……」 本谷有希子 「生きてるだけで、愛。」

鹿島田真希29歳×各選考委員　 「ナンバーワン・コンストラクション」 中篇 212枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 高樹のぶ子 60歳 全 ― 0   宮本輝 59歳 全 ― 0   黒井千次 74歳 全 ● 7 「（引用者注：「点滅……」と共に）意図を実現するだけの言語表現がまだ充分に獲得されていないのではないか、との疑問を覚えた。」 石原慎太郎 73歳 全 ― 0   山田詠美 47歳 全 □ 8 「これだけが映像化を断固拒否する活字でしか成り立たない小説作品であることにおいて評価しました。」 池澤夏樹 61歳 全 ― 0   村上龍 54歳 全 ― 0   河野多恵子 80歳 全 ― 0	他の候補作 伊藤たかみ 「八月の路上に捨てる」 島本理生 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 中原昌也 「点滅……」 本谷有希子 「生きてるだけで、愛。」

島本理生23歳×各選考委員　 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 短篇 87枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 高樹のぶ子 60歳 全 ■ 21 「父親の暴力がトラウマとなった娘の恋愛に影響を及ぼすのは、図式的な気がしないでもない。若さが甘やかに匂う文体だが、裏を返せば幼い。ただこの作品を読んで、感じることは多々あった。昨今の若い男女が同棲するとき、性的モチベーションはさほど大きくないらしい。」 宮本輝 59歳 全 ― 0   黒井千次 74歳 全 ■ 6 「幼児体験が現在の男の上に投影する様を女の側から描こうとするが、このパターンを越えたもう一歩先を見せて欲しい。」 石原慎太郎 73歳 全 ● 8 「他の選考委員がかなりの高点をつけた」「作品としての構図がいかにも浅く平凡でしかない。」 山田詠美 47歳 全 ― 0   池澤夏樹 61歳 全 ● 7 「今っぽいテーマをぜんぶ盛り込んで、それだけで終わっている。その先なのだ、こちらが読みたいのは。」 村上龍 54歳 全 ― 0   河野多恵子 80歳 全 △ 5 「△をつけた。よい感性の人なのに、迂闊な言葉の使い方に出会うことがあるのが惜しまれる。」

他の候補作 伊藤たかみ 「八月の路上に捨てる」 鹿島田真希 「ナンバーワン・コンストラクション」 中原昌也 「点滅……」 本谷有希子 「生きてるだけで、愛。」

中原昌也36歳×各選考委員　 「点滅……」 短篇 102枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 高樹のぶ子 60歳 全 ― 0   宮本輝 59歳 全 ― 0   黒井千次 74歳 全 ● 7 「（引用者注：「ナンバーワン・コンストラクション」と共に）意図を実現するだけの言語表現がまだ充分に獲得されていないのではないか、との疑問を覚えた。」 石原慎太郎 73歳 全 ― 0   山田詠美 47歳 全 ― 0   池澤夏樹 61歳 全 ■ 9 「映画の影響の典型である。問題はこれが映画そのものであることだ。」「構成の原理が映画であって文学でない。」 村上龍 54歳 全 ― 0   河野多恵子 80歳 全 ― 0	他の候補作 伊藤たかみ 「八月の路上に捨てる」 鹿島田真希 「ナンバーワン・コンストラクション」 島本理生 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 本谷有希子 「生きてるだけで、愛。」

本谷有希子26歳×各選考委員　 「生きてるだけで、愛。」 短篇 137枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 高樹のぶ子 60歳 全 △ 13 「とりわけ最後のぶざまで荒々しい姿には迫力がある。作者の力量も感じられる。ただ、主人公をウツ病にしてしまうと、評価が半減してしまう。」 宮本輝 59歳 全 ― 0   黒井千次 74歳 全 ■ 10 「鬱症状の若い女性が主人公だが、彼女がイタリアンレストランで働き出す運びにはいってようやく作品の動き出す印象を受ける。」「その前がいささか冗長なのではあるまいか。」 石原慎太郎 73歳 全 ○ 16 「一番面白く読めた。」「確かに男の以前の愛人の登場などは都合良すぎる形だが、話しの運びのテンポも良くさりげなく現代の本髄のある部分を切り取っていると思う。」「衆寡敵せず選外とはなったが、劇作家の書く小説に限界があるとは私は思わない。」 山田詠美 47歳 全 ― 0   池澤夏樹 61歳 全 ■ 12 「臍帯が演劇につながっている。」「鬱状態の主人公を躁の文体で書くから話はひたすら派手になるけれど、それはとてもおもしろいけれど、なによりも目前の効果が重視されていて、奥行きがない。」 村上龍 54歳 全 ― 0   河野多恵子 80歳 全 ― 0

他の候補作 伊藤たかみ 「八月の路上に捨てる」 鹿島田真希 「ナンバーワン・コンストラクション」 島本理生 「大きな熊が来る前に、おやすみ。」 中原昌也 「点滅……」