坂崎かおる（さかさきかおる）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

芥川賞のすべて・のようなもの

第171回

＝候補者＝
尾崎世界観
坂崎かおる
向坂くじら

シェアする

Last Update●[R7]2025/12/16

	Sakasaki Kaoru
	このページの情報は「直木賞のすべて」内の「他文学賞-候補作家の群像　坂崎かおる」と同じものです。
	生没年月日【注】	昭和59年/1984年～
	経歴	東京都生まれ。令和2年/2020年「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第14回創元SF短編賞（令和5年/2023年）「ベルを鳴らして」 \|受賞辞退\| 第6回阿波しらさぎ文学賞（令和5年/2023年）「渦とコリオリ」第77回日本推理作家協会賞［短編部門］（令和6年/2024年）「ベルを鳴らして」 \|候補\| 第171回芥川賞（令和6年/2024年上期）「海岸通り」第46回吉川英治文学新人賞（令和6年/2024年度）『箱庭クロニクル』 \|候補\| 第24回センス・オブ・ジェンダー賞（令和6年/2024年度）『嘘つき姫』 \|候補\| 第174回芥川賞（令和7年/2025年下期）「へび」
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全7件

第171回候補

「海岸通(かいがんどお)り」（『文學界』令和6年/2024年2月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第78巻第2号別表記2月号
印刷/発行年月日	発売令和6年/2024年1月6日　発行令和6年/2024年2月1日
発行者等	編集人浅井茉莉子　発行人花田朋子　印刷人北島義斉　印刷所大日本印刷株式会社　ＤＴＰ制作株式会社ローヤル企画
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	356	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×25行 ×2段
本文ページ	68～107 （計40頁）	測定枚数	132枚

書誌

令和6年/2024年7月・文藝春秋刊『海岸通り』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　坂崎かおる　39歳
選考委員		評価	行数	評言
平野啓一郎	49歳	■	10	「“拗らせた”主人公の内面に変化が兆し、読後感も良いが、マリアさんやサトウさんが、主人公の主観のままに物語に利用されてゆく運びには、やや引っかかった。」
島田雅彦	63歳	■	17	「家に帰ろうとする人々のためにフェイクのバス停を置くという冒頭の設定ほか随所に示唆的な細部が張り巡らされているが、群像劇としての広がりが今ひとつゆえ、短編の佳作止まりか。」
吉田修一	55歳	■	8	「いっそ誰のもとにも迎えのバスなんか来なければいいのに、なんてことを恥ずかしげもなく思わせてしまうほどに詩的な作品だった。だからこそだが、本物とニセモノというテーマにもう少し近づいてほしかった。」
小川洋子	62歳	△	8	「（引用者注：主人公は）身体を動かし、掃除に没頭することで自分を保とうとしている。肉体の迷路を進み、言葉の消え失せた地まで行き着かなければ、小説は書けないのかもしれない。」
山田詠美	65歳	△	13	「過不足ない、ちょうど良い塩梅のセンティメントが全編を覆っている。」「もう少し凝縮されて、短編小説集に入れられていたら、しみじみと良いものを読んだと思っただろう。少し冗漫なところがあった。」
川上弘美	66歳	△	5	「作者の言葉の斡旋は、さりげないけれど細心です。その繊細な感覚、とてもいいと思いました。」
松浦寿輝	70歳	■	8	「面白く読んだが、一癖も二癖もある人間らしい「わたし」の背景や過去への言及がないのが物足りなかった。」
奥泉光	68歳	■	11	「切実な問題を淡々とした筆に載せる技術は高い。しかし複数の事象が巧みに配置された小説の、その結構を支えるためだけに主人公が小説世界に呼び出されたように見えた点にやや不満が残った。」
川上未映子	47歳	■	8	「イメージと展開が呼応し手数は多いが、これという台詞や演出に欠け、全体的に既視感のある流れになってしまった。」
選評出典：『文藝春秋』令和6年/2024年9月号

『箱庭(はこにわ)クロニクル』（令和6年/2024年11月・講談社刊）

吉川英治文学新人賞 第46回受賞

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　坂崎かおる　40歳
選考委員		評価	行数	評言
朝井まかて	65歳	◎	19	「いずれも小さな箱庭的人生、それらが普遍的なテーマを射抜いていて、読書の根源的な歓びがあった。とくに、冒頭の「ベルを鳴らして」。（引用者中略）主人公の心と行動によってささやかな人生が意味付けされ、過去が記憶された。言語の感覚がまた魅力的、自然だ。どの短編でも物語がはばたく音を聞いた。」
大沢在昌	68歳	△	13	「候補作中、最も高い評価を得た。ことに「ベルを鳴らして」の完成度はすばらしく、坂崎さんのすぐれた作家的センスを感じた。個人的には、収録作のいくつかは、エンターテインメントとしての評価を難しいと感じたが、小説のジャンルのあわいが不透明である今、それはとるに足りないことだったのだろう。」
京極夏彦	61歳	○	13	「各作品の差異を担保するのは、言葉の“選ばれ方”である。繊細かつ精緻に選択された語彙は表現の域を超えてプロットや設定の構造を有機的に補強している。これはセンスというよりもテクニックとして評価すべきだろう。」
辻村深月	45歳	○	19	「どのページを開いても滴り落ちるほどのセンスの良さを感じた。」「タイトルにある「箱庭」の言葉の通り、著者の用意した異なる世界それぞれに、覗き込んだ途端、吸い込まれていくような広がりがあり、一篇一篇に並々ならぬ才覚を感じた。最初の一篇「ベルを鳴らして」の話題で選考会は持ち切りで、その時に言い損ねしまったが、私は「あしながおばさん」がとても好きです。」
村山由佳	60歳	◎	18	「（引用者注：「飽くなき地景」と共に）推そうと意気込んで選考会に臨んだ。」「どれをとっても読むことの歓びを堪能させてくれる作品ばかりだった。」「候補作中で最も純文学寄りでもあり、中には一読しただけでは嚥下しきれない作品もあるのだけれども、ごろりとした異物感がかえって面白く、時を改めて再読したくなる。」
選評出典：『小説現代』令和7年/2025年5・6月合併号

第174回候補

「へび」（『文學界』令和7年/2025年10月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第79巻第10号別表記10月号
印刷/発行年月日	発売令和7年/2025年9月5日　発行令和7年/2025年10月1日
発行者等	編集人浅井茉莉子　発行人花田朋子　印刷人北島義斉　印刷所大日本印刷株式会社　ＤＴＰ制作株式会社ローヤル企画
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	292	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	27字 ×24行 ×2段
本文ページ	40～91 （計52頁）	測定枚数	163枚

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　坂崎かおる　41歳
選考委員		評価	行数	評言
小川洋子	63歳			未
奥泉光	69歳			未
川上弘美	67歳			未
川上未映子	49歳			未
島田雅彦	64歳			未
平野啓一郎	50歳			未
松浦寿輝	71歳			未
山田詠美	66歳			未
吉田修一	57歳			未

シェアする

トップページ｜直木賞・芥川賞受賞作一覧｜受賞作・候補作一覧｜受賞作家の群像｜選考委員の群像
選評の概要｜サイトマップ || 候補作家の一覧へ｜前の回へ｜次の回へ