増田みず子（ますだみずこ）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

第79回

＝候補者＝
増田みず子
光岡　明
重兼芳子
金　鶴泳
中野孝次

Last Update●[H26]2014/6/20

	Masuda Mizuko
	生没年月日【注】	昭和23年/1948年11月13日～
	経歴	東京都出身。東京農工大学農学部植物防疫科卒。日本医科大学勤務を経て作家デビュー。
	受賞歴・候補歴	\|候補\| 第9回新潮新人賞（昭和52年/1977年）「死後の関係」 \|候補\| 第79回芥川賞（昭和53年/1978年上期）「個室の鍵」 \|候補\| 第80回芥川賞（昭和53年/1978年下期）「桜寮」 \|候補\| 第81回芥川賞（昭和54年/1979年上期）「ふたつの春」 \|候補\| 第1回野間文芸新人賞（昭和54年/1979年）『ふたつの春』 \|候補\| 第82回芥川賞（昭和54年/1979年下期）「慰霊祭まで」 \|候補\| 第3回野間文芸新人賞（昭和56年/1981年） \|候補\| 第86回芥川賞（昭和56年/1981年下期）「小さな娼婦」 \|候補\| 第4回野間文芸新人賞（昭和57年/1982年）『麦笛』 \|候補\| 第89回芥川賞（昭和58年/1983年上期）「内気な夜景」 \|候補\| 第12回平林たい子文学賞［小説部門］（昭和59年/1984年）『独身病』 \|候補\| 第13回平林たい子文学賞［小説部門］（昭和60年/1985年）『自由時間』 \|候補\| 第13回泉鏡花文学賞（昭和60年/1985年）『家の匂い』第7回野間文芸新人賞（昭和60年/1985年）『自由時間』第14回泉鏡花文学賞（昭和61年/1986年）『シングル・セル』 \|候補\| 第17回平林たい子文学賞［小説部門］（平成1年/1989年）『夜のロボット』 \|候補\| 第18回平林たい子文学賞［小説部門］（平成2年/1990年）『鬼の木』 \|候補\| 第30回女流文学賞（平成3年/1991年）『童神』第42回芸術選奨文部大臣新人賞［文学部門］（平成3年/1991年度）『夢虫』 \|候補\| 第20回川端康成文学賞（平成5年/1993年）「顔」 \|候補\| 第21回川端康成文学賞（平成6年/1994年）「風草」 \|候補\| 第34回女流文学賞（平成7年/1995年）『風草』 \|候補\| 第25回平林たい子文学賞［小説部門］（平成9年/1997年）『水鏡』第12回伊藤整文学賞［小説部門］（平成13年/2001年）『月夜見』 \|候補\| 第29回川端康成文学賞（平成15年/2003年）「添い寝」
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第79回候補

「個室(こしつ)の鍵(かぎ)」（『新潮』昭和53年/1978年2月号）

媒体・作品情報

誌名	「新潮」別表記表紙「THE SHINCHO^」併記
巻号	第75巻第2号別表記2月号/876号
印刷/発行年月日	発行昭和53年/1978年2月1日
発行者等	編集兼発行者谷田昌平　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社新潮社（東京都）
総ページ数	276	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×23行 ×2段
本文ページ	54～80 （計27頁）	測定枚数	76枚

書誌

昭和54年/1979年9月・新潮社刊『ふたつの春』所収

昭和61年/1986年7月・福武書店／福武文庫『ふたつの春』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　29歳
選考委員		評価	行数	評言
丹羽文雄	73歳	△	16	「私だけが問題にしたが、他の選者は口をそろえて否定した。もちろんその作品が当選するとは思っていなかったが、その文体は一応とりあげてみるだけの価値はあると思った。」「よみやすい文体の中にこういうよみ辛い文体が出ているのが面白いと思った。下宿屋の男たちが共同体をつくって、何を熱心に討論しているかと思ったら、農業をやりたいというのだ。それがこの作品の幼稚なしかも致命的な欠点であった。」
中村光夫	67歳	■	4	「自分の世界を持つ作品というだけで、当選は未だしというほかありません。」
大江健三郎	43歳	―	0
開高健	47歳	―	0
安岡章太郎	58歳	―	0
吉行淳之介	54歳	―	0
丸谷才一	52歳	―	0
瀧井孝作	84歳	―	0
遠藤周作	55歳	―	0
井上靖	71歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和53年/1978年9月号）

第80回候補

「桜寮(さくらりょう)」（『新潮』昭和53年/1978年8月号）

媒体・作品情報

誌名	「新潮」別表記表紙「THE SHINCHO^」併記
巻号	第75巻第8号別表記8月号/882号
印刷/発行年月日	発行昭和53年/1978年8月1日
発行者等	編集兼発行者谷田昌平　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社新潮社（東京都）
総ページ数	260	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×23行 ×2段
本文ページ	72～105 （計34頁）	測定枚数	98枚

書誌

昭和54年/1979年9月・新潮社刊『ふたつの春』所収

昭和61年/1986年7月・福武書店／福武文庫『ふたつの春』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　30歳
選考委員		評価	行数	評言
大江健三郎	43歳	―	0
中村光夫	67歳	―	0
安岡章太郎	58歳	―	0
開高健	48歳	―	0
瀧井孝作	84歳	―	0
井上靖	71歳	○	5	「私の場合、一作を選ぶとなると、増田みず子「桜寮」ということになる。書けていないところも、多少押しつけがましいところもあるが、短篇の形で、何かを書こうとした、少くともそれを意識して筆を執った唯一つの作品と言えるかと思った。」
丸谷才一	53歳	△	3	「前回にくらべて急に腕をあげた。前半のノイローゼへの執着は詰まらないが、後半のユーモアには注目すべきものがある。」
丹羽文雄	74歳	―	0
吉行淳之介	54歳	―	0
遠藤周作	55歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和54年/1979年3月号）

第81回候補

「ふたつの春(はる)」（『新潮』昭和54年/1979年4月号）

媒体・作品情報

誌名	「新潮」別表記表紙「THE SHINCHO^」併記
巻号	第76巻第4号別表記4月号/890号
印刷/発行年月日	発行昭和54年/1979年4月1日
発行者等	編集兼発行者谷田昌平　印刷者北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社（東京都）
発行所	株式会社新潮社（東京都）
総ページ数	260	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	40～75 （計36頁）	測定枚数	108枚

書誌

昭和54年/1979年9月・新潮社刊『ふたつの春』所収

昭和61年/1986年7月・福武書店／福武文庫『ふたつの春』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　30歳
選考委員		評価	行数	評言
井上靖	72歳	―	0
開高健	48歳	―	0
丹羽文雄	74歳	―	0
丸谷才一	53歳	―	0
安岡章太郎	59歳	―	0
瀧井孝作	85歳	―	0
中村光夫	68歳	―	0
吉行淳之介	55歳	―	0
遠藤周作	56歳	―	0
大江健三郎	44歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和54年/1979年9月号）

第82回候補

「慰霊祭(いれいさい)まで」（『文學界』昭和54年/1979年12月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第33巻第12号別表記12月号
印刷/発行年月日	発行昭和54年/1979年12月1日
発行者等	編集兼発行人松村善二郎　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	328	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	54～97 （計44頁）	測定枚数	133枚

書誌

昭和58年/1983年10月・文藝春秋刊『内気な夜景』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　31歳
選考委員		評価	行数	評言
中村光夫	68歳	―	0
遠藤周作	56歳	―	0
瀧井孝作	85歳	―	0
大江健三郎	44歳	■	5	「小説に表現するものを、個人的な歪みのつよい思いこみ（引用者中略）から、一般性にまでどうきたえるか。その仕組みは素質として固有の鋭さを持つ人ほど、よく考えねばなるまい。」
吉行淳之介	55歳	■	3	「この人の前三作より、ずっと良くなっている。しかし、全体としての力と魅力に乏しい。」
開高健	49歳	―	0
安岡章太郎	59歳	―	0
井上靖	72歳	―	0
丸谷才一	54歳	―	0
丹羽文雄	75歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和55年/1980年3月号）

第86回候補

「小(ちい)さな娼婦(しょうふ)」（『すばる』昭和56年/1981年7月号）

媒体・作品情報

誌名	「すばる」別表記表紙・目次 □囲み白抜き「昴」併記　奥付「すばる　昴」
巻号	第3巻第7号別表記7月号
印刷/発行年月日	発行昭和56年/1981年7月1日
発行者等	編集者水城顯　発行者堀内末男　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社集英社（東京都）
総ページ数	356	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×24行 ×2段
本文ページ	56～81 （計26頁）	測定枚数	74枚

書誌

昭和60年/1985年8月・集英社刊『二十歳・猛獣』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　33歳
選考委員		評価	行数	評言
吉行淳之介	57歳	―	0
丹羽文雄	77歳	―	0
大江健三郎	46歳	■	9	「この人の個性、つまり理科系の感受性と言葉で、他者と事物に立ちむかう力を、看護婦の設定で生かしている。ところがプロットのまとめの際にヤスキにつき、あいまいな抒情性のしめくくりをつける。僕が教師なら、プロットの不整合で玉砕しても、あなたの個性をつらぬきなさい、というだろう。」
遠藤周作	58歳	―	0
瀧井孝作	87歳	―	0
丸谷才一	56歳	―	0
安岡章太郎	61歳	―	0
井上靖	74歳	―	0
開高健	51歳	―	0
中村光夫	70歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和57年/1982年3月号）

第89回候補

「内気(うちき)な夜景(やけい)」（『文學界』昭和58年/1983年4月号）

媒体・作品情報

誌名	「文學界」
巻号	第37巻第4号別表記4月号
印刷/発行年月日	発行昭和57年/1982年4月1日
発行者等	編集兼発行人阿部達児　印刷人北島義俊　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社文藝春秋（東京都）
総ページ数	296	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×23行 ×2段
本文ページ	116～168 （計53頁）	測定枚数	153枚

書誌

昭和58年/1983年10月・文藝春秋刊『内気な夜景』所収

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　増田みず子　34歳
選考委員		評価	行数	評言
大江健三郎	48歳	―	0
開高健	52歳	―	0
中村光夫	72歳	△	5	「作者の個性の趣向で、現代の風景に挑んだ作品です。」「苦心が今回は成功作を生んだとは云えませんが、筆者の頑固な努力はそれなりに僕らを期待させます。」
丸谷才一	57歳	―	0
吉行淳之介	59歳	―	0
安岡章太郎	63歳	―	0
井上靖	76歳	―	0
丹羽文雄	78歳	―	0
遠藤周作	60歳	―	0
選評出典：『芥川賞全集　第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和58年/1983年9月号）