生没年月日【注】 | 大正14年/1925年4月29日~平成12年/2000年2月27日 | |
受賞年齢 | 54歳2ヵ月 | |
経歴 | 東京生まれ。東京帝国大学文学部哲学科中退。 | |
受賞歴・候補歴 | ||
サブサイトリンク | ||
処女作 | 『上野娼妓隊』(昭和43年/1968年8月・講談社刊) |
『自動巻時計の一日』(昭和46年/1971年8月・河出書房新社刊)媒体・作品情報
書誌 書下ろし
昭和51年/1976年2月・角川書店/角川文庫『自動巻時計の一日』
平成16年/2004年9月・河出書房新社/河出文庫『自動巻時計の一日』
|
|
「浪曲師朝日丸の話」「ミミのこと」
|
作品名 別表記 | 表紙・奥付 「やし」 | ||||
印刷/発行年月日 | 発行 昭和54年/1979年2月10日(第1刷) | ||||
測定媒体発行年月日 | 発行 昭和54年/1979年7月25日(第2刷) | ||||
発行者等 | 発行者 西村允孝 印刷所 誠之印刷株式会社 編集者 高橋 徹 | ||||
発行所 | 泰流社(東京都) | 形態 | 四六判 並製 | ||
装幀/装画等 | 装幀者 野見山暁治 | ||||
総ページ数 | 243 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
43字 ×16行 ×1段 |
本文ページ |
|
測定枚数 | 140枚 |
書誌
『オール讀物』昭和54年/1979年10月号
平成16年/2004年7月・河出書房新社/河出文庫『香具師の旅』所収
収録作品の書誌
浪曲師朝日丸の話
初出『小説現代』昭和46年/1971年6月号
昭和55年/1980年6月・角川書店刊『現代小説'79』所収
ミミのこと
初出『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
昭和63年/1988年12月・小学館刊『昭和文学全集 第31巻』所収
平成24年/2012年8月・集英社刊『コレクション戦争と文学10 オキュパイドジャパン:敗』所収
他の収録作品
「香具師の旅」「母娘流れ唄」「鮟鱇の足」「味噌汁に砂糖」
候補者 田中小実昌 54歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
五木寛之 | 46歳 |
○ | 20 | 「マスコミの表面で異色作家ふうの扱いを受けることが少くないようだが、本来おそろしく姿勢の正しいオーソドックスな小説を書く人だ。」「私は受賞作(引用者中略)にも感心したけれども、これらの作品と一緒に「香具師の旅」という本におさめられている「母娘流れ唄」という短篇がとても好きだった。」 |
水上勉 | 60歳 |
◎ | 38 | 「最も光っていた」「私はどちらも好きだったが、「ミミのこと」の方につよくひかれた。」「語り手の、さらりとして温かく、飄々として、鋭い独特の視線は、不思議な文芸世界を創りあげている。(引用者中略)一字一字が田中さんの心田からにじみ出てくる。そこに心を打たれた。」「直木賞が、しつこく田中さんをつかんで、今日に至ったことは文学史上の快挙である。」 |
今日出海 | 75歳 |
△ | 17 | 「「香具師の旅」中の二篇を取り立てるより、氏の特異性や持ち味等は既に直木賞に当然値するもので、むしろ遅きに失した感さえある。」 |
新田次郎 | 67歳 |
○ | 10 | 「「ミミのこと」は終戦直後という霧を通して見た、人間の赤裸々な姿を謙虚な筆で描いた哀歓のこもる小説だった。味のある文体に強く牽かれた。」 |
城山三郎 | 51歳 |
― | 0 | |
村上元三 | 69歳 |
■ | 13 | 「素直だが、それだけに弱い。」「わたしの評価は、二人の作家の授賞に不足はないものの、作品は全面的に買ったわけではない。」 |
源氏鶏太 | 67歳 |
◎ | 15 | 「読んでいてよくわからぬところがある。(引用者中略)それぞれについて二度読んだのだが、こんどはよくわかったし、悲しみを巧みに笑いにかえたいい作品なのだとわかった。」「私は、受賞が一作なら田中氏、二作の場合は、もう一人阿刀田氏と決めて選考委員会に出席した。」 |
選評出典:『オール讀物』昭和54年/1979年10月号 |
文量 |
短篇〔2篇〕 |
浪曲師朝日丸の話 | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
太平洋戦争戦中~戦後 | 広島~もと軍港の町 |
登場人物 | |
●ぼく(語り手、もと中支派遣軍分隊長) ●大西朝日丸(分隊員、のち地方回りの浪曲師) ●元子(ぼくの愛人、中学の英語の教師) ●中塩(ぼくの上級生、新聞記者) |
ミミのこと | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
太平洋戦争戦後 | もと軍港の町~東京 |
登場人物 | |
●ぼく(語り手、英連邦軍司令部の食堂ボーイ) ●ミミ(唖者の娼婦、のちストリッパー) ●炊事班長(ぼくの上司、オーストラリア人) ●ルビー丘(踊り子) |