生没年月日【注】 | 昭和23年/1948年4月24日~平成22年/2010年7月10日 | |
受賞年齢 | 33歳8ヵ月 | |
経歴 | 本名=金峰雄(キム・ボンウン)。韓国国籍。福岡県生まれ。慶応義塾大学文学部仏哲学科中退。 | |
受賞歴・候補歴 |
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「ロマンス」「かけおち」「ヒモのはなし」
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印刷/発行年月日 | 発行 昭和54年/1979年7月31日(初版) | ||||
発行者等 | 発行者 角川春樹 印刷所 信教印刷 製本所 宮田製本 | ||||
発行所 | 角川書店(東京都) | 形態 | 四六判 並製 | ||
装幀/装画等 | 装丁 和田 誠 | ||||
総ページ数 | 276 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
44字 ×18行 ×1段 |
本文ページ |
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測定枚数 | 151枚 |
書誌
昭和55年/1980年5月・角川書店/角川文庫『いつも心に太陽を』所収
収録作品の書誌
ロマンス
初出『野性時代』昭和54年/1979年3月号
かけおち
初出『野性時代』昭和53年/1978年新年号「故郷へ」
ヒモのはなし
初出『野性時代』昭和52年/1977年9月号
『オール讀物』昭和55年/1980年4月号
他の収録作品
「惜別」(初出『野性時代』昭和54年/1979年新年号)
「弟よ!」(初出『野性時代』昭和53年/1978年10月号)
「見合い写真」(初出『野性時代』昭和53年/1978年6月号)
「ポックリ・ソング」(初出『野性時代』昭和52年/1977年11月号)
「断絶」(初出『野性時代』昭和51年/1976年3月号)
候補者 つかこうへい 31歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
新田次郎 | 67歳 |
□ | 14 | 「新鮮な作品だった。」「ショッキングな言動や描写が小説の流れの上で問題になるようにも、視点を変えて読むと効果的な文学的布石にも思われて、興味をそそられた。確かに私はこの作品に一種の感動のようなものを覚えていた。もう一歩のところで惜しいことをした。」 |
水上勉 | 60歳 |
◎ | 25 | 「受賞作をと迫られて、つかさんに手をあげたが、二票しかなかった。」「つかさんに執着したのは、独自性をかったのである。読んでいるうちにもの哀しくなっていく、そこがいい。」「重いところがないのが、気にはなる。しかし迫るもの苦しさは、やはりこの人の芸の力である。」 |
松本清張 | 70歳 |
■ | 7 | 「「ヒモのはなし」はもう少し文章の抑制と主人公の悲哀に詩情があれば一級の作品になったと思うが、この文体が若者の表現だといわれると私は沈黙のほかはない。」 |
源氏鶏太 | 67歳 |
△ | 14 | 「「ヒモのはなし」は、笑わせるし、しんみりさせるし、描き方も天衣無縫で面白かった。ヒモにもプライドがあるということであろうか。こういう作品の評価はそれだけ難しいのかも知れない。」 |
城山三郎 | 52歳 |
○ | 16 | 「三作品の中では、「ヒモのはなし」が、とびぬけておもしろかった。」「かつて、わたしは、「熱海殺人事件」という戯曲を読み芝居も見て、この作者のたたきつけるように荒々しいダイナミズム、不条理というかナンセンスの軽やかな美学といったものに感心したものだが、「ヒモのはなし」には、荒々しさに代って一種のペーソスがあり、この作者の大きな才能と将来性を感じさせた。」 |
今日出海 | 76歳 |
△ | 14 | 「特異の世界を持っており、殊に「ヒモのはなし」は面白く読んだ。」「題材の特異さに、もう一つ踏み込んだものがあってもいいという望蜀の歎も漏らしたくなる」「作者が才能を濫費するか、吝嗇になるか、そんな境い目にあるように見えてならなかった。次作品を読みたい。」 |
五木寛之 | 47歳 |
◎ | 4 | 「最終的に私は、つかこうへい氏の作品を受賞作に推したが、各委員の賛意を得ることができなかった。」 |
村上元三 | 69歳 |
● | 4 | 「作者が芝居を書いているせいか、せりふのうまさだけが浮きあがって、読後の感銘は大そう弱かった。」 |
選評出典:『オール讀物』昭和55年/1980年4月号 |
文量 |
短篇〔3篇〕 |
ロマンス | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
[同時代] | 和歌山 |
登場人物 | |
●俺(語り手、平田、高校生で水泳の国体選手) ●青木シゲル(茨城県代表の国体選手、俺の昔の同級生) ●中村(俺のチームメイト) |
かけおち | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
[同時代] | 京都 |
登場人物 | |
●オレ(おもちゃ工場の息子) ●シゲ子(オレの駆け落ち相手) |
ヒモのはなし | |
章立て | |
「1」~「3」 | |
時代設定 | 場所設定 |
[同時代] | 広島など |
登場人物 | |
●俺(語り手、重蔵、ストリッパーのヒモ) ●明美(ストリッパー、俺の女) |
『蒲田行進曲』(昭和56年/1981年11月・角川書店刊)媒体・作品情報
書誌 初出『野性時代』昭和56年/1981年10月号「銀ちゃんのこと」/単行本化にあたり改題加筆
昭和57年/1982年8月・角川書店/角川文庫『蒲田行進曲』
昭和60年/1985年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『蒲田行進曲』
昭和63年/1988年7月・世界文化社/TBS文芸図書館『蒲田行進曲』
平成6年/1994年11月・メディアファクトリー刊『つかこうへい傑作選1』所収
平成30年/2018年10月・KADOKAWA/角川文庫『蒲田行進曲』〔改版〕
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