木崎みつ子（きざきみつこ）-芥川賞候補作家｜芥川賞のすべて・のようなもの

芥川賞のすべて・のようなもの

第164回

＝受賞者＝
宇佐見りん

＝候補者＝
尾崎世界観
木崎みつ子
砂川文次
乗代雄介

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Last Update●[R3]2021/9/29

	Kizaki Mitsuko
	生没年月日【注】	平成2年/1990年☆月☆日～
	経歴	大阪府生まれ。大学卒。校正業に携わる。
	受賞歴・候補歴	第44回すばる文学賞（令和2年/2020年）「コンジュジ」 \|候補\| 第164回芥川賞（令和2年/2020年下期）「コンジュジ」 \|候補\| 第43回野間文芸新人賞（令和3年/2021年）『コンジュジ』
	サブサイトリンク	文学賞の世界▼全3件

第164回候補

「コンジュジ」（『すばる』令和2年/2020年11月号）

媒体・作品情報

誌名	「すばる」別表記表紙「Subaru」併記
巻号	第42巻第11号別表記11月号
印刷/発行年月日	発売令和2年/2020年10月6日
発行者等	編集者鯉沼広行　発行者江口順一　印刷所大日本印刷株式会社
発行所	株式会社集英社（東京都）
総ページ数	356	表記上の枚数	―	基本の文字組（1ページ当り）	26字 ×21行 ×2段
本文ページ	30～117 （計88頁）	測定枚数	233枚

書誌

令和3年/2021年1月・集英社刊『コンジュジ』

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　木崎みつ子　30歳
選考委員		評価	行数	評言
川上弘美	62歳	△	8	「「せれな」の困難への根気ある書きよう、（引用者注：「母影」「コンジュジ」と共に）どれも見るべきものが多くありました。みんな、うまいのです、ほんとうに。」
奥泉光	64歳	■	9	「悲惨な境遇に置かれた主人公が幻想世界へ逃避するだけでは、小説の感動を呼びにくいのではあるまいか。」
松浦寿輝	66歳	●	9	「精神医学の本を読み漁ってきたわたしのような者の目から見ると、解離症状、摂食障害、統合失調症的妄想などという漢字術語が次々に浮かんできて、それを越える小説的な肉感に乏しいと感じざるをえない。」
島田雅彦	59歳	■	10	「ストーリーテラーとしてのテクニックは疑いようもないが、逆に全ての細部がカルテのように整理されている印象をぬぐい去れなかった。」
小川洋子	58歳	△	6	「どこに着地する必要もない小説なのだ。お棺の中に入るだけでいい。着地しない覚悟を持つのは苦しい。もちろん作家は誰でもそれを知っている。」
山田詠美	61歳	●	22	「これ、私などの年代からすると、東郷かおる子編集長時代の「ミュージック・ライフ」に重なってしまい、ものすごい既視感に襲われてしまうのだ。つまり、ステレオタイプ。」
平野啓一郎	45歳	△	16	「「カップス」の造形にリアリティがなく（引用者中略）、そのために妄想と現実とが入り乱れる主人公の世界が、精神医学の症例報告的な記述となってしまった。ただ、“壊れ物としての人間”の描き方には、陰惨だが痛切なものがあり、今回の受賞作（引用者注：「推し、燃ゆ」）に対して、「それでいいのか？」と私が気になっているのも、この作品の影響が大きい。」
堀江敏幸	57歳	△	16	「「生き延びる」方途を探る作品として読んだ。」「三十一歳になった語り手が影をはねのけて半身で幻の棺に入ろうとする希望に向かう半歩をあと少し重くしうる力は、この一篇の内に秘められていると思う。」
吉田修一	52歳	■	24	「とにかく内容がつらい……。もちろんつらい話を書いてもいいのだが、その場合、たとえば圧倒的に美しい風景だとか、絶対的に無垢な心だとか、そういったものと引き換えでないと、世界のバランスが悪いような気がする。」
選評出典：『文藝春秋』令和3年/2021年3月号

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