このページの情報は「直木賞のすべて」内の「他文学賞-候補作家の群像 吉田修一」と同じものです。 | ||
生没年月日【注】 | 昭和43年/1968年9月14日~ | |
在任期間 | 第156回~(通算8年・16回) | |
在任年齢 | 48歳3ヶ月~ | |
経歴 | 長崎県長崎市生まれ。法政大学経営学部卒。 アルバイト生活を送り、20代前半から小説を書き始める。 |
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受賞歴・候補歴 |
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芥川賞候補歴 | 第117回候補 「最後の息子」(『文學界』平成9年/1997年6月号) 第118回候補 「破片」(『文學界』平成9年/1997年9月号) 第122回候補 「突風」(『文學界』平成11年/1999年12月号) 第124回候補 「熱帯魚」(『文學界』平成12年/2000年11月号) 第127回受賞 「パーク・ライフ」(『文學界』平成14年/2002年6月号) |
下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。
選考委員 吉田修一 50歳 | ||||
候補 | 評価 | 行数 | 評言 | |
高山羽根子 | 44歳 |
◎ | 53 | 「本作に○をつけて選考会に臨んだ。まず、この人の文章には質感がある。」「主人公の女性がこれまでの人生で受けてきた性被害の風景がとても軽やかに、まるで笑い話のように語られていく。(引用者中略)最後まで読むと、そこには笑い飛ばすことでしか乗り越えられなかった切実な悔しさが滲み出てくる。」「タイトルがボブ・ディランの楽曲から取られていることもあり、これからの令和という時代が、デモと社会的弱者の時代になるのではないかという暗示としても読めた。」 |
39歳 |
○ | 25 | 「前作の「星の子」や「あひる」などにも見られる書く技術の高さには文句のつけようがない。」「個人的には、不潔な女性の描写に魅かれた。これまで不潔だが魅力的な男性というのは小説でも読んだことがあるが、ここまで不潔なのに魅力的という女性は初めてのような気がする。」 | |
選評出典:『文藝春秋』令和1年/2019年9月号 |
選考委員 吉田修一 53歳 | ||||
候補 | 評価 | 行数 | 評言 | |
鈴木涼美 | 39歳 |
○ | 29 | 「一文一文に見られる覚悟もそうだが、小説のラストをポエムで着地させようとするのは相当な覚悟が必要で、今回はその仕掛けがうまくいっていると思う。おそらくこれが仕掛けではなく、リアルだからなのだろう。」「ダメな母×ダメな娘が感動的である。」「ただ、難点を言えば、その母と娘の関係性を、たとえば家出したやくざな息子と無口な父親に置き換えた場合、(引用者中略)どこか浪花節っぽいストーリーにも読めてしまう。」 |
34歳 |
△ | 23 | 「誰も我慢しなくて済むようにとの思いから生まれたはずの多くのコンプライアンスの中で、誰が一番我慢を強いられているか? を競うコンテストのような物語として読んだ。」「全体的に少し冗長すぎるように思う。描写で読みたい場面の多くが会話文で処理されているのも不満が残る。」「とはいえ、前作に引き続きの筆力は確かである。」 | |
選評出典:『文藝春秋』令和4年/2022年9月号 |