<img src="../images/title_senpyo.gif" alt="芥川賞選評の概要" width="276" height="297">

選評なし

候補作

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

評価

行数

長谷健　「あさくさの子供」

127枚

34歳

◎

○

◎

○

◎

□

◎

○

△

半田義之　「鷄騒動」

94枚

28歳

○

□

◎

○

◎

△

○

◎

岩倉政治　「稲熱病」

92枚

36歳

△

■

―

△

●

■

長見義三　『姫鱒』

389枚

31歳

■

―

○

―

△

―

●

△

木山捷平　『抑制の日』

156枚

35歳

■

―

△

―

■

―

左近義親　『落城日記』

269枚

(32歳)

△

―

△

―

石上玄一郎　「魑魅魍魎」等

207枚

29歳

―

■

―

△

―

佐藤民宝　『希望峰』

318枚

27歳

―

・

―

光田文雄　『南の海』等

213枚

(31歳)

―

△

―

十和田操　『屋根裏出身』

165枚

39歳

―

●

―

板東三百　「兵村」

80枚

32歳

―

・

―

譲原昌子　「朔北の闘い」

96枚

27歳

―

・

―

大石千代子　『ベンゲット移民』

306枚

32歳

―

・

―

木暮亮　「地上の子」

110枚

43歳

―

・

―

江崎磐太郎　「風土に病む家」

29枚

(24歳)

―

・

―

阿蘇冬蔵　「海に憑かれて」

60枚

27歳

―

・

―

欠席
書面回答

欠席

年齢/枚数の説明

見方・注意点

このページの選評出典：『芥川賞全集　第二巻』昭和57年/1982年3月・文藝春秋刊　再録（初出：『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号）
1行当たりの文字数：26字

このページの「話の屑籠」出典：昭和35年/1960年4月・文藝春秋新社刊『菊池寛文學全集　第七巻』（初出：『文藝春秋』昭和14年/1939年9月号）

選考委員

瀧井孝作

45歳×各候補作　

総行数48　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	◎	14	「小学児童の心持とその行動とがこまかく観察してあって、それを描く筆つきが軽快にすらすらとよく筆が廻って、スッキリと写生してあった。渋滞なく筆の廻っている点で、立派な手腕のある人だと思った。」「最近、早稲田文学の八月号に「子供の倫理」というのが出てから、これも読んでみた。」「この二篇を読んで、ぼくは安心してこの初めての人を推選しようと思った。」
半田義之	28歳	全	○	15	「面白く読んだ。やや漫画風の筆つきで、人物の性格なども大袈裟に描いて正確な写生とは云えないようだが、しかし、その筆つきに幅と力とがあって、その力量の現れている点で、わざとらしい誇張もそうイヤでなく却って面白味になっていると思った。」「以前の変な筆名（引用者注：珂〈王＋比〉粧二）を捨てあらためて本名で出直したようで、この今回の作品も、そういう面目をあらためた力の入った感じもうけとれると思った。」
岩倉政治	36歳	全	△	3	「まだ未熟な所もあったが、真面目な生活を追求している作品のテーマには感動した。」
長見義三	31歳	全	■	7	「巻頭の姫鱒は若々しい詩情があらわれていて、面白く読んだ。しかし読後感はわりに淡かった。」「この短篇集のその他の短篇は、どれも手腕はあるようだが、一篇とり出して格別にこれが佳いとも云えないような作品だと思った。」
木山捷平	35歳	全	■	4	「うまい作家だとは思うが、この短篇集の中には、やはり特にすぐれた一篇はなかった。」
左近義親	(32歳)	全	△	4	「島原の乱の当時の人物、山田右衛門作を主人公にした歴史小説風の作品で、転向者の心持を描いた力作だと思った。」
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

横光利一

41歳×各候補作　

総行数17　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	○	9	「（引用者注：「鶏騒動」と共に）批評をしようとすれば、難は限りなく出て来る作品である。」「しかし、飜って読む忍耐のある人なら、面白さは自然に頭の一角に生じて来ると思う。」「ここには、浅草という特殊区域の小学生の生徒の伝統的不良ぶりと、それに悩む真面目な先生の近代的な頭の中がのぞけるだろう。」
半田義之	28歳	全	○	10	「（引用者注：「あさくさの子供」と共に）批評をしようとすれば、難は限りなく出て来る作品である。」「しかし、飜って読む忍耐のある人なら、面白さは自然に頭の一角に生じて来ると思う。」「ここには何もないように見えるが、何もないということが、種々なものを伏せるには便利であるというような意味に変って来る。ある頓狂な壺を抱いているのがこの作である。」
岩倉政治	36歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
長見義三	31歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
木山捷平	35歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
左近義親	(32歳)	全	△	3	「福音書の精神がこれほど出ている作品は、今までの文学に一つもなかったように思う。」
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

佐藤春夫

47歳×各候補作　

総行数31　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	◎	7	「稚拙ではあるが未熟ではない。水におぼれる子供のあたりなど悪くないではないか。何よりもその真率な作風に好意を寄せて授賞に賛成した。」「（引用者注：半田義之と）どちらか一つと言われると困るような気がした。支持者がはっきりと二人とも同数になったのも偶然ではあるまい。」
半田義之	28歳	全	□	11	「一くせのある作風を好しと思い、腕のたしかさは信頼したが何やら人として信頼出来ないあくどさが作品のなかにのぞき出ているような気がした。」「（引用者注：長谷健と）どちらか一つと言われると困るような気がした。支持者がはっきりと二人とも同数になったのも偶然ではあるまい。」
岩倉政治	36歳	全	■	4	「おもしろい記録ではあるが作品としてはあまり手堅いものではない。村民の描写などにいいところがないではないが全体的には生硬なものであったのは惜しい。」
長見義三	31歳	全	■	3	「最初（引用者中略）清新な味があると思っていたがもう一つ深さとか高さとかにもの足りないものを感じた。」
木山捷平	35歳	全	■	5	「巻頭の作品が一番いいが、それにしても君にはもっといい作品があるし他の作者のものと比べてよむと何故かやはり少々影のうすいものがあるのはやはり在来の心境小説風なのが妨げになっているのかも知れない。」
左近義親	(32歳)	全	△	7	「立派な作品だと思った。作者の精神に敬意を表すべきものと思ったが、史実を生かし切ったとは言えまい。」「品位のある心理的な歴史小説として優に候補作品として恥じぬものと思う。」
石上玄一郎	29歳	全	■	4	「自分の知り会いの人ではあるし、その才能を十分知っているだけにもう少し苦労をして将来の大成を期して貰う意味では今日の授賞を大して必要としないのを感じた。」
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

佐佐木茂索

44歳×各候補作　

総行数11　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	○	11	「「あさくさの子供」を推す人があれば強いてそれに反対しなくてもいいと思った。」「「あさくさの子供」の筆力も捨てがたい。委員会の空気も、先ず（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」と）半々でひどくなごやかであった。結局二作に授賞ということに落着した。」
半田義之	28歳	全	◎	11	「此二作（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」）を前にしてまあ「鶏騒動」に決めようと思った。」「小説らしい構成がある。」「委員会の空気も、先ず半々でひどくなごやかであった。結局二作に授賞ということに落着した。」
岩倉政治	36歳	全	―	0
長見義三	31歳	全	―	0
木山捷平	35歳	全	―	0
左近義親	(32歳)	全	―	0
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

室生犀星

49歳×各候補作　

総行数10　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	◎	9	「（引用者注：「鶏騒動」と共に）小説としての向側が見え透いているが、見えていても別々にいいところを持っている。」「何度もその素材の上で読んだことのある小説のような気がするが、それでいて又別な味がする。」「（引用者注：旅行先から）電報で一票を入れた。」
半田義之	28歳	全	○	8	「（引用者注：「あさくさの子供」と共に）小説としての向側が見え透いているが、見えていても別々にいいところを持っている。」「旅行先で川端康成君にお願いして「鶏騒動」と「姫鱒」とがいいという意味をつたえて、欠席した」
岩倉政治	36歳	全	―	0
長見義三	31歳	全	○	2	「旅行先で川端康成君にお願いして「鶏騒動」と「姫鱒」とがいいという意味をつたえて、欠席した」
木山捷平	35歳	全	―	0
左近義親	(32歳)	全	―	0
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

川端康成

40歳×各候補作　

総行数15　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	□	11	「（引用者注：授賞に）あくまで反対というものではなかった。」「少し未成なところがあって、その真面目さも浅い。よい意味の文学的思考の鍛錬が、将来に必要であろう。」
半田義之	28歳	全	◎	7	「投票した。」「「鶏騒動」の方が（引用者注：「あさくさの子供」より）一票多く、両者共に受賞というのであれば、私としては、先ず妥当の決定であると思う。」「面白い作風である。」
岩倉政治	36歳	全	―	0
長見義三	31歳	全	―	0
木山捷平	35歳	全	―	0
左近義親	(32歳)	全	―	0
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0
					「本庄陸男氏の長篇力作「石狩川」は、墓碑銘を飾る意味もあって、授賞したいものであった。しかしこれは、芥川賞以上の方法で、表彰されるべきかもしれない。」

他の選考委員

選考委員

小島政二郎

45歳×各候補作　

総行数45　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	◎	40	「私は始めから「あさくさの子供」が好きで、これに一票を投じた」「一票の差で「鶏騒動」に極まり掛けた。が「鶏騒動」に極まって「あさくさの子供」が次点に落ちるのがどうにも惜しく思われて、私は最後まで食い下った。」「小説としては最後が物足りなく思われたけれども、その物足りなさを償って余りあるくらい「あさくさの子供」達の特殊な不良性の愛らしさがヴィヴィッドに描かれていると思う。」「不良少女の嬌態と云うか媚態と云うか、私は嫩い女の肉体の香をさえ嗅いだ思いがした。」
半田義之	28歳	全	△	5	「第二回（引用者注：委員会）には、右二篇（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」）の競り合いとなり、一票の差で「鶏騒動」に極まり掛けた。」
岩倉政治	36歳	全	△	3	「面白く読んだ。」
長見義三	31歳	全	△	3	「面白く読んだ。」
木山捷平	35歳	全	△	2	「面白く読んだ。」
左近義親	(32歳)	全	―	0
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

久米正雄

47歳×各候補作　

総行数27　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	○	17	「長篇の一部のようでもあり、又教員の手記と、客観描写との交錯に依る、創作効果も少しく「瞳孔散大」の気味に終ってはいるが、兎に角素材に興味もあり、描写もしっかりし乍ら、相当の潤おいを見せている。」「但し此の授賞に依って、海内の小学校教員諸氏を余り刺戟しては――適度に刺戟するのはいいと思う。――児童教育上少しく困るとも思う。」
半田義之	28歳	全	○	12	「意外にユーモラスな人間味に富んだものではあった。但し、題名につき纏う「ハッタリ」は充分描写にもあって、老婆の食慾のエゲツナさや、鶏の行軍など、面を背けながら、引張り込まれる所が、此の作者の善悪ともに特長だと思った。是を遠慮なく発達させたら、確に異色のある作家になる。」
岩倉政治	36歳	全	△	2	「それ（引用者注：受賞した「あさくさの子供」「鶏騒動」）に次ぐものは矢張り「稲熱病」か。否此の授賞線の差は極めて僅少。」
長見義三	31歳	全	―	0
木山捷平	35歳	全	―	0
左近義親	(32歳)	全	―	0
石上玄一郎	29歳	全	―	0
佐藤民宝	27歳	全	―	0
光田文雄	(31歳)	全	―	0
十和田操	39歳	全	―	0
板東三百	32歳	全	―	0
譲原昌子	27歳	全	―	0
大石千代子	32歳	全	―	0
木暮亮	43歳	全	―	0
江崎磐太郎	(24歳)	全	―	0
阿蘇冬蔵	27歳	全	―	0

他の選考委員

選考委員

宇野浩二

48歳×各候補作　

総行数82　（1行=26字）

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	△	22	「着実で糞真面目なようなところがある。」「この作者の取得は筆致が堅実でしっかりしているように見えるところであるが、しかし「見えるだけ」であるところ――一事が万事――そういうところをこの作者が今後切り開くかどうか。」
半田義之	28歳	全	○	18	「面白いが、何か附焼刃のようなところもあり、これから勝れた小説が書けるような作家と思わせるところと、最悪の場合を云えば、箸にも棒にも掛らぬような小説を書く作家になりはせぬかと思わせるところがあり、」「私は、その今後はどうなるであろうかと考えて、（引用者注：長谷健より）半田の方を取ったのである。」
岩倉政治	36歳	全	●	8	「力作のように見えるが、九十枚の作品とすると、三十枚分ぐらいしか書けていない。」「この小説は凝り過ぎない上に形も古くさい。」
長見義三	31歳	全	●	7	「凝っているところだけ分るが、意味の分らないところが多い。もう一と皮も二皮も剥けなければならないであろう。」
木山捷平	35歳	全	■	16	「偶然かどうか、木山も十和田（引用者注：十和田操）もユウモアのある小説を書くのが特徴であるが、両方とも、自然のユウモアでなく、ユウモアの為めのユウモアを弄んでいるように思われる点で、損をしている。強いて比べると、木山の方が幾らかそのユウモアが持ち味のように思われる」「いくらか勝れている木山にしても、今一と息というところを越すには一と皮むけなければならぬのではないか。」
左近義親	(32歳)	全	△	10	「その旨さから云えば、六人の候補作品の中で、最も旨いかも知れない。褒め過ぎた序にいうと、ずいぶん調べてもいるようであり、可なり凝っているようでもあるが、何か形式に捉われているようなところがあり、新しい発見をしたつもりでいるようでありながら余り新しい発見でないところがある。」
石上玄一郎	29歳	全	△	6	「（引用者注：予選通過を選ぶ際に）石上と光田をどうしようか、という事で私も瀧井もちょっと困った。」
佐藤民宝	27歳	全	・	1
光田文雄	(31歳)	全	△	6	「（引用者注：予選通過を選ぶ際に）石上と光田をどうしようか、という事で私も瀧井もちょっと困った。」
十和田操	39歳	全	●	10	「偶然かどうか、木山（引用者注：木山捷平）も十和田もユウモアのある小説を書くのが特徴であるが、両方とも、自然のユウモアでなく、ユウモアの為めのユウモアを弄んでいるように思われる点で、損をしている。強いて比べると、木山の方が幾らかそのユウモアが持ち味のように思われるが、十和田はそれが本当の持ち味になるまでには木山以上の苦労をしなければならぬであろう。」
板東三百	32歳	全	・	1
譲原昌子	27歳	全	・	1
大石千代子	32歳	全	・	1
木暮亮	43歳	全	・	1
江崎磐太郎	(24歳)	全	・	1
阿蘇冬蔵	27歳	全	・	1

他の選考委員

選考委員

菊池寛

50歳×各候補作　

題（話の屑籠より）　

候補			評価	行数	評言
長谷健	34歳	全	△		「文章に滋味があり、描写も達者であるが、小説の構成がぼやけているし、こうした少年物以外の作品が書けるかどうかという疑問も感じられた。」
半田義之	28歳	全	◎		「いちばん感心した。筆致が少し晦渋で、最初は、とっつきにくいが、読んで行くに従って、だんだん面白くなり、最後の「ドナさんや」というところなどは、読んでいて嬉しくなった。小説の構成に、相当の手腕があり、もう少し洗練されたら、相当な作家になれる人だと思った。」
岩倉政治	36歳	全	■		「その堅実な手法に捨てがたいものがあったが、もう少し事件がほしかった。」
長見義三	31歳	全	△		「新鮮な手法や感覚を持っている好もしい人だと思った。」
木山捷平	35歳	全	―
左近義親	(32歳)	全	―
石上玄一郎	29歳	全	―
佐藤民宝	27歳	全	―
光田文雄	(31歳)	全	―
十和田操	39歳	全	―
板東三百	32歳	全	―
譲原昌子	27歳	全	―
大石千代子	32歳	全	―
木暮亮	43歳	全	―
江崎磐太郎	(24歳)	全	―
阿蘇冬蔵	27歳	全	―

他の選考委員

受賞者・作品

長谷健

34歳×各選考委員　

「あさくさの子供」

短篇 127枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	◎	14	「小学児童の心持とその行動とがこまかく観察してあって、それを描く筆つきが軽快にすらすらとよく筆が廻って、スッキリと写生してあった。渋滞なく筆の廻っている点で、立派な手腕のある人だと思った。」「最近、早稲田文学の八月号に「子供の倫理」というのが出てから、これも読んでみた。」「この二篇を読んで、ぼくは安心してこの初めての人を推選しようと思った。」
横光利一	41歳	全	○	9	「（引用者注：「鶏騒動」と共に）批評をしようとすれば、難は限りなく出て来る作品である。」「しかし、飜って読む忍耐のある人なら、面白さは自然に頭の一角に生じて来ると思う。」「ここには、浅草という特殊区域の小学生の生徒の伝統的不良ぶりと、それに悩む真面目な先生の近代的な頭の中がのぞけるだろう。」
佐藤春夫	47歳	全	◎	7	「稚拙ではあるが未熟ではない。水におぼれる子供のあたりなど悪くないではないか。何よりもその真率な作風に好意を寄せて授賞に賛成した。」「（引用者注：半田義之と）どちらか一つと言われると困るような気がした。支持者がはっきりと二人とも同数になったのも偶然ではあるまい。」
佐佐木茂索	44歳	全	○	11	「「あさくさの子供」を推す人があれば強いてそれに反対しなくてもいいと思った。」「「あさくさの子供」の筆力も捨てがたい。委員会の空気も、先ず（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」と）半々でひどくなごやかであった。結局二作に授賞ということに落着した。」
室生犀星	49歳	全	◎	9	「（引用者注：「鶏騒動」と共に）小説としての向側が見え透いているが、見えていても別々にいいところを持っている。」「何度もその素材の上で読んだことのある小説のような気がするが、それでいて又別な味がする。」「（引用者注：旅行先から）電報で一票を入れた。」
川端康成	40歳	全	□	11	「（引用者注：授賞に）あくまで反対というものではなかった。」「少し未成なところがあって、その真面目さも浅い。よい意味の文学的思考の鍛錬が、将来に必要であろう。」
小島政二郎	45歳	全	◎	40	「私は始めから「あさくさの子供」が好きで、これに一票を投じた」「一票の差で「鶏騒動」に極まり掛けた。が「鶏騒動」に極まって「あさくさの子供」が次点に落ちるのがどうにも惜しく思われて、私は最後まで食い下った。」「小説としては最後が物足りなく思われたけれども、その物足りなさを償って余りあるくらい「あさくさの子供」達の特殊な不良性の愛らしさがヴィヴィッドに描かれていると思う。」「不良少女の嬌態と云うか媚態と云うか、私は嫩い女の肉体の香をさえ嗅いだ思いがした。」
久米正雄	47歳	全	○	17	「長篇の一部のようでもあり、又教員の手記と、客観描写との交錯に依る、創作効果も少しく「瞳孔散大」の気味に終ってはいるが、兎に角素材に興味もあり、描写もしっかりし乍ら、相当の潤おいを見せている。」「但し此の授賞に依って、海内の小学校教員諸氏を余り刺戟しては――適度に刺戟するのはいいと思う。――児童教育上少しく困るとも思う。」
宇野浩二	48歳	全	△	22	「着実で糞真面目なようなところがある。」「この作者の取得は筆致が堅実でしっかりしているように見えるところであるが、しかし「見えるだけ」であるところ――一事が万事――そういうところをこの作者が今後切り開くかどうか。」
菊池寛	50歳	全	△		「文章に滋味があり、描写も達者であるが、小説の構成がぼやけているし、こうした少年物以外の作品が書けるかどうかという疑問も感じられた。」

他の候補作

受賞者・作品

半田義之

28歳×各選考委員　

「鷄騒動」

短篇 94枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	○	15	「面白く読んだ。やや漫画風の筆つきで、人物の性格なども大袈裟に描いて正確な写生とは云えないようだが、しかし、その筆つきに幅と力とがあって、その力量の現れている点で、わざとらしい誇張もそうイヤでなく却って面白味になっていると思った。」「以前の変な筆名（引用者注：珂〈王＋比〉粧二）を捨てあらためて本名で出直したようで、この今回の作品も、そういう面目をあらためた力の入った感じもうけとれると思った。」
横光利一	41歳	全	○	10	「（引用者注：「あさくさの子供」と共に）批評をしようとすれば、難は限りなく出て来る作品である。」「しかし、飜って読む忍耐のある人なら、面白さは自然に頭の一角に生じて来ると思う。」「ここには何もないように見えるが、何もないということが、種々なものを伏せるには便利であるというような意味に変って来る。ある頓狂な壺を抱いているのがこの作である。」
佐藤春夫	47歳	全	□	11	「一くせのある作風を好しと思い、腕のたしかさは信頼したが何やら人として信頼出来ないあくどさが作品のなかにのぞき出ているような気がした。」「（引用者注：長谷健と）どちらか一つと言われると困るような気がした。支持者がはっきりと二人とも同数になったのも偶然ではあるまい。」
佐佐木茂索	44歳	全	◎	11	「此二作（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」）を前にしてまあ「鶏騒動」に決めようと思った。」「小説らしい構成がある。」「委員会の空気も、先ず半々でひどくなごやかであった。結局二作に授賞ということに落着した。」
室生犀星	49歳	全	○	8	「（引用者注：「あさくさの子供」と共に）小説としての向側が見え透いているが、見えていても別々にいいところを持っている。」「旅行先で川端康成君にお願いして「鶏騒動」と「姫鱒」とがいいという意味をつたえて、欠席した」
川端康成	40歳	全	◎	7	「投票した。」「「鶏騒動」の方が（引用者注：「あさくさの子供」より）一票多く、両者共に受賞というのであれば、私としては、先ず妥当の決定であると思う。」「面白い作風である。」
小島政二郎	45歳	全	△	5	「第二回（引用者注：委員会）には、右二篇（引用者注：「あさくさの子供」と「鶏騒動」）の競り合いとなり、一票の差で「鶏騒動」に極まり掛けた。」
久米正雄	47歳	全	○	12	「意外にユーモラスな人間味に富んだものではあった。但し、題名につき纏う「ハッタリ」は充分描写にもあって、老婆の食慾のエゲツナさや、鶏の行軍など、面を背けながら、引張り込まれる所が、此の作者の善悪ともに特長だと思った。是を遠慮なく発達させたら、確に異色のある作家になる。」
宇野浩二	48歳	全	○	18	「面白いが、何か附焼刃のようなところもあり、これから勝れた小説が書けるような作家と思わせるところと、最悪の場合を云えば、箸にも棒にも掛らぬような小説を書く作家になりはせぬかと思わせるところがあり、」「私は、その今後はどうなるであろうかと考えて、（引用者注：長谷健より）半田の方を取ったのである。」
菊池寛	50歳	全	◎		「いちばん感心した。筆致が少し晦渋で、最初は、とっつきにくいが、読んで行くに従って、だんだん面白くなり、最後の「ドナさんや」というところなどは、読んでいて嬉しくなった。小説の構成に、相当の手腕があり、もう少し洗練されたら、相当な作家になれる人だと思った。」

他の候補作

候補者・作品

岩倉政治

36歳×各選考委員　

「稲熱病」

短篇 92枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	△	3	「まだ未熟な所もあったが、真面目な生活を追求している作品のテーマには感動した。」
横光利一	41歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
佐藤春夫	47歳	全	■	4	「おもしろい記録ではあるが作品としてはあまり手堅いものではない。村民の描写などにいいところがないではないが全体的には生硬なものであったのは惜しい。」
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	△	3	「面白く読んだ。」
久米正雄	47歳	全	△	2	「それ（引用者注：受賞した「あさくさの子供」「鶏騒動」）に次ぐものは矢張り「稲熱病」か。否此の授賞線の差は極めて僅少。」
宇野浩二	48歳	全	●	8	「力作のように見えるが、九十枚の作品とすると、三十枚分ぐらいしか書けていない。」「この小説は凝り過ぎない上に形も古くさい。」
菊池寛	50歳	全	■		「その堅実な手法に捨てがたいものがあったが、もう少し事件がほしかった。」

他の候補作

候補者・作品

長見義三

31歳×各選考委員　

『姫鱒』

短篇集9篇 389枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	■	7	「巻頭の姫鱒は若々しい詩情があらわれていて、面白く読んだ。しかし読後感はわりに淡かった。」「この短篇集のその他の短篇は、どれも手腕はあるようだが、一篇とり出して格別にこれが佳いとも云えないような作品だと思った。」
横光利一	41歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
佐藤春夫	47歳	全	■	3	「最初（引用者中略）清新な味があると思っていたがもう一つ深さとか高さとかにもの足りないものを感じた。」
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	○	2	「旅行先で川端康成君にお願いして「鶏騒動」と「姫鱒」とがいいという意味をつたえて、欠席した」
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	△	3	「面白く読んだ。」
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	●	7	「凝っているところだけ分るが、意味の分らないところが多い。もう一と皮も二皮も剥けなければならないであろう。」
菊池寛	50歳	全	△		「新鮮な手法や感覚を持っている好もしい人だと思った。」

他の候補作

候補者・作品

木山捷平

35歳×各選考委員　

『抑制の日』

短篇集5篇 156枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	■	4	「うまい作家だとは思うが、この短篇集の中には、やはり特にすぐれた一篇はなかった。」
横光利一	41歳	全	■	3	「いずれも佳作とは云え、今少し精神に展きを与えなければ、ともに死んでしまうだろう。」
佐藤春夫	47歳	全	■	5	「巻頭の作品が一番いいが、それにしても君にはもっといい作品があるし他の作者のものと比べてよむと何故かやはり少々影のうすいものがあるのはやはり在来の心境小説風なのが妨げになっているのかも知れない。」
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	△	2	「面白く読んだ。」
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	■	16	「偶然かどうか、木山も十和田（引用者注：十和田操）もユウモアのある小説を書くのが特徴であるが、両方とも、自然のユウモアでなく、ユウモアの為めのユウモアを弄んでいるように思われる点で、損をしている。強いて比べると、木山の方が幾らかそのユウモアが持ち味のように思われる」「いくらか勝れている木山にしても、今一と息というところを越すには一と皮むけなければならぬのではないか。」
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

左近義親

(32歳)×各選考委員　

『落城日記』

中篇 269枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	△	4	「島原の乱の当時の人物、山田右衛門作を主人公にした歴史小説風の作品で、転向者の心持を描いた力作だと思った。」
横光利一	41歳	全	△	3	「福音書の精神がこれほど出ている作品は、今までの文学に一つもなかったように思う。」
佐藤春夫	47歳	全	△	7	「立派な作品だと思った。作者の精神に敬意を表すべきものと思ったが、史実を生かし切ったとは言えまい。」「品位のある心理的な歴史小説として優に候補作品として恥じぬものと思う。」
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	△	10	「その旨さから云えば、六人の候補作品の中で、最も旨いかも知れない。褒め過ぎた序にいうと、ずいぶん調べてもいるようであり、可なり凝っているようでもあるが、何か形式に捉われているようなところがあり、新しい発見をしたつもりでいるようでありながら余り新しい発見でないところがある。」
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

石上玄一郎

29歳×各選考委員　

「魑魅魍魎」等

短篇2篇 207枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	■	4	「自分の知り会いの人ではあるし、その才能を十分知っているだけにもう少し苦労をして将来の大成を期して貰う意味では今日の授賞を大して必要としないのを感じた。」
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	△	6	「（引用者注：予選通過を選ぶ際に）石上と光田をどうしようか、という事で私も瀧井もちょっと困った。」
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

佐藤民宝

27歳×各選考委員　

『希望峰』

短篇集6篇 318枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

光田文雄

(31歳)×各選考委員　

『南の海』等

短篇集等5篇 213枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	△	6	「（引用者注：予選通過を選ぶ際に）石上と光田をどうしようか、という事で私も瀧井もちょっと困った。」
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

十和田操

39歳×各選考委員　

『屋根裏出身』

中篇 165枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	●	10	「偶然かどうか、木山（引用者注：木山捷平）も十和田もユウモアのある小説を書くのが特徴であるが、両方とも、自然のユウモアでなく、ユウモアの為めのユウモアを弄んでいるように思われる点で、損をしている。強いて比べると、木山の方が幾らかそのユウモアが持ち味のように思われるが、十和田はそれが本当の持ち味になるまでには木山以上の苦労をしなければならぬであろう。」
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

板東三百

32歳×各選考委員　

「兵村」

短篇 80枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

譲原昌子

27歳×各選考委員　

「朔北の闘い」

短篇 96枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

大石千代子

32歳×各選考委員　

『ベンゲット移民』

長篇 306枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

木暮亮

43歳×各選考委員　

「地上の子」

短篇 110枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

江崎磐太郎

(24歳)×各選考委員　

「風土に病む家」

短篇 29枚

選考委員			評価	行数	評言
瀧井孝作	45歳	全	―	0
横光利一	41歳	全	―	0
佐藤春夫	47歳	全	―	0
佐佐木茂索	44歳	全	―	0
室生犀星	49歳	全	―	0
川端康成	40歳	全	―	0
小島政二郎	45歳	全	―	0
久米正雄	47歳	全	―	0
宇野浩二	48歳	全	・	1
菊池寛	50歳	全	―

他の候補作

候補者・作品

阿蘇冬蔵

27歳×各選考委員　

「海に憑かれて」

短篇 60枚