第34回

第33回第35回

昭和30年/1955年下半期 昭和31年/1956年1月23日決定発表／『オール讀物』昭和31年/1956年4月号選評掲載

選考委員　 永井龍男 51歳 小島政二郎 61歳 大佛次郎 58歳 川口松太郎 56歳 井伏鱒二 57歳 村上元三 45歳 吉川英治 63歳 木々高太郎 58歳 選評総行数　 50 10 27 25 35 49 100 99 評 評 評 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 新田次郎　『強力伝』 246枚 43歳 評 ◎ 15 ― 0 ○ 1 ◎ 14 ○ 16 ◎ 20 ◎ 24 ○ 5 邱永漢　「香港」 254枚 31歳 評 ○ 22 ― 0 ◎ 13 ● 11 □ 8 ◎ 16 □ 27 ○ 5 今官一　「銀簪」 106枚 46歳 評 ○ 12 ― 0 ● 3 ― 0 ○ 17 ○ 8 ■ 10 ◎ 9 棟田博　「サイパンから来た列車」 64枚 46歳 評 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ○ 15 △ 36 ● 8 片山昌造　「戦争記」 426枚 44歳 評 ― 0 ― 0 ■ 10 ― 0 ― 0 ● 3 ― 0 ● 9 八匠衆一　「未決囚」 98枚 38歳 評 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ● 6 ■ 7 ● 7 野村敏雄　「老眼鏡と土性骨」 92枚 29歳 評 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ● 6 ― 0 ● 8         欠席 書面回答   欠席 書面回答   年齢/枚数の説明   見方・注意点

永井龍男51歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題選評　総行数50　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ◎ 15 「文章はゴツく、読みづらい個所はあったが、作品の印象は鮮明だった。」「「凍傷」が一番感銘が深かった。」 邱永漢 31歳 全 ○ 22 「前回の候補作「濁水渓」に比較すると、作者ははるかに腕を上げたのである。」「飛ばして読んでもよいような数個所が、すぐれた全篇を通じて後まで気になった。」 今官一 46歳 全 ○ 12 「凝りに凝った作品で、殆んど完璧に近い出来栄えである。」「構成の上にも、綿密な用意と改稿が、数度にわたって重ねられたことは確実であろう。」 棟田博 46歳 全 ― 0   片山昌造 44歳 全 ― 0   八匠衆一 38歳 全 ― 0   野村敏雄 29歳 全 ― 0	他の選考委員 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 村上元三 吉川英治 木々高太郎

小島政二郎61歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題受賞作なし　総行数10　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ― 0   邱永漢 31歳 全 ― 0   今官一 46歳 全 ― 0   棟田博 46歳 全 ― 0   片山昌造 44歳 全 ― 0   八匠衆一 38歳 全 ― 0   野村敏雄 29歳 全 ― 0     「私はどの作品からも、いゝ作品を読んだ時の興奮を少しも覚えなかった。だから、今回の受賞作品なしと云う寂しみをいだきながら出席した。」	他の選考委員 永井龍男 大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 村上元三 吉川英治 木々高太郎

大佛次郎58歳×各候補作

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題読みごたえあり　総行数27　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ○ 1 「授賞には異議なし。」 邱永漢 31歳 全 ◎ 13 「日本の小説にはない神経の太い人間ばかり出て来るのが興味があった。」「島国の民、半島の人間が持たぬ伸々とした素質があるように感じ、向後の作品に期待したい、と思った。」 今官一 46歳 全 ● 3 「「銀簪」の高踏的な調子もそれ（引用者注：直木賞の問題とし難いこと）であった。文体が、読者を近附きにくゝしているのである。」 棟田博 46歳 全 ― 0   片山昌造 44歳 全 ■ 10 「惜しいが、これは真面目一途で文学にはなるが小説らしさが薄く、直木賞の問題とし難い。」 八匠衆一 38歳 全 ― 0   野村敏雄 29歳 全 ― 0	他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 川口松太郎 井伏鱒二 村上元三 吉川英治 木々高太郎

川口松太郎56歳×各候補作

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題議論をつくす　総行数25　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ◎ 14 「私は強力に推した。」「必ずしも名文とは思わないが、主題を正確につかんで、盛り上げて行く才腕は相当の筆力だと思った。」 邱永漢 31歳 全 ● 11 「肝心なものが不足しているし、突っ込んで書くところを省いて、無用なところで手間取っているような気がする。」「くどくもいうが直木賞受賞作家は、職業作家として大成してほしい。」 今官一 46歳 全 ― 0   棟田博 46歳 全 ― 0   片山昌造 44歳 全 ― 0   八匠衆一 38歳 全 ― 0   野村敏雄 29歳 全 ― 0	他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 井伏鱒二 村上元三 吉川英治 木々高太郎

井伏鱒二57歳×各候補作

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題感想　総行数35　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ○ 16 「謙虚だが、のびのびと素直に書かれている。この素朴に興味を持つ読者には愛読するに適う作品に違いない。」 邱永漢 31歳 全 □ 8 「やはりどぎついが材料が面白く「濁水渓」に比べると長足の進歩である。」 今官一 46歳 全 ○ 17 「真面目に書かれているという点では遜色がない。」 棟田博 46歳 全 ― 0   片山昌造 44歳 全 ― 0   八匠衆一 38歳 全 ― 0   野村敏雄 29歳 全 ― 0	他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎 村上元三 吉川英治 木々高太郎

村上元三45歳×各候補作

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題時代小説のない淋しさ　総行数49　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ◎ 20 「前回は受賞者が無かったのだから二人に上げては、とわたしは我儘をいった。どちらも直木賞作家として耻しい人ではない。」 邱永漢 31歳 全 ◎ 16 「前回は受賞者が無かったのだから二人に上げては、とわたしは我儘をいった。どちらも直木賞作家として耻しい人ではない。」 今官一 46歳 全 ○ 8 「いゝ材料を掴んでいるのに、構成と文章が乱れている。しかし、地力のある人だけに、次作を期待したい。」 棟田博 46歳 全 ○ 15 「実績も一緒に認めて貰えるなら（引用者中略）推したい、」「材料は面白いが、筆の荒さが目立ち、落された。」 片山昌造 44歳 全 ● 3 「今まで読んだ数多い戦争小説より勝れている、とは思えない」 八匠衆一 38歳 全 ● 6 「いくらうまい作品でも、こういう陰気な材料は直木賞のものではない、」 野村敏雄 29歳 全 ● 6 「いくらうまい作品でも、こういう陰気な材料は直木賞のものではない、」   「こんどは時代小説が一篇も候補作品に入っていないのは、わたしには淋しいことであった。」

他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 吉川英治 木々高太郎

吉川英治63歳×各候補作

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題寸感　総行数100　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ◎ 24 「私は何かに打たれた。」「作品としてこれは立派な彫塑の一立像を見る如きものがあり、収穫だと私は信じた。」 邱永漢 31歳 全 □ 27 「この達筆をじつは私は買っていない。」「ほんとに苦悩しないのに苦悩ぶりする才が作品を浅くするのではないか。」 今官一 46歳 全 ■ 10 「のっけから今官一氏は素材に陶酔してかゝってしまったらしい恨みがある。」 棟田博 46歳 全 △ 36 「その着想のすばらしさに私は驚いた。」「こんないゝアイデアを掴みながら何でこの程度の単なる読物に終らせてしまったのか。」「棟田氏はもう一度この着想に據って力作を試みられてはどうであろう。」 片山昌造 44歳 全 ― 0   八匠衆一 38歳 全 ■ 7 「毛頭遊び気はないし或る一社会を確実に書いている。しかし直木賞へ持って来るものではないだろう。」 野村敏雄 29歳 全 ― 0

他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 村上元三 木々高太郎

木々高太郎58歳×各候補作

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題もっとフィクションを　総行数99　（1行=15字） 候補 評価 行数 評言 新田次郎 43歳 全 ○ 5 「邱永漢「香港」と新田次郎「強力伝」とを第二位におした。」 邱永漢 31歳 全 ○ 5 「邱永漢「香港」と新田次郎「強力伝」とを第二位におした。」 今官一 46歳 全 ◎ 9 「直木賞は大きなロマン大きなフィクションを自由に駆使出来る作家をのぞむ。そういうことから考えると、少しキザではあるが、僕は「銀簪」に惹かれた。」 棟田博 46歳 全 ● 8 「浮薄だったり、キタナかったりする印象をうける。」 片山昌造 44歳 全 ● 9 「内容は如何にも汚ない。戦争というものは汚ないもので、それを書くのが戦争否定だから正しいのだという考え方は、それは日本流の純文学の話であって、大衆文学ではとらない。」 八匠衆一 38歳 全 ● 7 「体験感情だけを書いて、どういう筋かわからぬもの、いや筋などはなくてもいゝが、この主人公が何をして「未決囚」に入れられたかも判らぬものは、やはり大衆文学ではない。」 野村敏雄 29歳 全 ● 8 「浮薄だったり、キタナかったりする印象をうける。」   「文学はやっぱり美しさが問題であり、大衆文学は特にそうであると、僕は思っている。」

他の選考委員 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎 井伏鱒二 村上元三 吉川英治

新田次郎43歳×各選考委員　 『強力伝』 短篇集3篇 246枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ◎ 15 「文章はゴツく、読みづらい個所はあったが、作品の印象は鮮明だった。」「「凍傷」が一番感銘が深かった。」 小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ○ 1 「授賞には異議なし。」 川口松太郎 56歳 全 ◎ 14 「私は強力に推した。」「必ずしも名文とは思わないが、主題を正確につかんで、盛り上げて行く才腕は相当の筆力だと思った。」 井伏鱒二 57歳 全 ○ 16 「謙虚だが、のびのびと素直に書かれている。この素朴に興味を持つ読者には愛読するに適う作品に違いない。」 村上元三 45歳 全 ◎ 20 「前回は受賞者が無かったのだから二人に上げては、とわたしは我儘をいった。どちらも直木賞作家として耻しい人ではない。」 吉川英治 63歳 全 ◎ 24 「私は何かに打たれた。」「作品としてこれは立派な彫塑の一立像を見る如きものがあり、収穫だと私は信じた。」 木々高太郎 58歳 全 ○ 5 「邱永漢「香港」と新田次郎「強力伝」とを第二位におした。」

他の候補作 邱永漢 「香港」 今官一 「銀簪」 棟田博 「サイパンから来た列車」 片山昌造 「戦争記」 八匠衆一 「未決囚」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

邱永漢31歳×各選考委員　 「香港」 中篇 254枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ○ 22 「前回の候補作「濁水渓」に比較すると、作者ははるかに腕を上げたのである。」「飛ばして読んでもよいような数個所が、すぐれた全篇を通じて後まで気になった。」 小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ◎ 13 「日本の小説にはない神経の太い人間ばかり出て来るのが興味があった。」「島国の民、半島の人間が持たぬ伸々とした素質があるように感じ、向後の作品に期待したい、と思った。」 川口松太郎 56歳 全 ● 11 「肝心なものが不足しているし、突っ込んで書くところを省いて、無用なところで手間取っているような気がする。」「くどくもいうが直木賞受賞作家は、職業作家として大成してほしい。」 井伏鱒二 57歳 全 □ 8 「やはりどぎついが材料が面白く「濁水渓」に比べると長足の進歩である。」 村上元三 45歳 全 ◎ 16 「前回は受賞者が無かったのだから二人に上げては、とわたしは我儘をいった。どちらも直木賞作家として耻しい人ではない。」 吉川英治 63歳 全 □ 27 「この達筆をじつは私は買っていない。」「ほんとに苦悩しないのに苦悩ぶりする才が作品を浅くするのではないか。」 木々高太郎 58歳 全 ○ 5 「邱永漢「香港」と新田次郎「強力伝」とを第二位におした。」

他の候補作 新田次郎 『強力伝』 今官一 「銀簪」 棟田博 「サイパンから来た列車」 片山昌造 「戦争記」 八匠衆一 「未決囚」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

今官一46歳×各選考委員　 「銀簪」 短篇 106枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ○ 12 「凝りに凝った作品で、殆んど完璧に近い出来栄えである。」「構成の上にも、綿密な用意と改稿が、数度にわたって重ねられたことは確実であろう。」 小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ● 3 「「銀簪」の高踏的な調子もそれ（引用者注：直木賞の問題とし難いこと）であった。文体が、読者を近附きにくゝしているのである。」 川口松太郎 56歳 全 ― 0   井伏鱒二 57歳 全 ○ 17 「真面目に書かれているという点では遜色がない。」 村上元三 45歳 全 ○ 8 「いゝ材料を掴んでいるのに、構成と文章が乱れている。しかし、地力のある人だけに、次作を期待したい。」 吉川英治 63歳 全 ■ 10 「のっけから今官一氏は素材に陶酔してかゝってしまったらしい恨みがある。」 木々高太郎 58歳 全 ◎ 9 「直木賞は大きなロマン大きなフィクションを自由に駆使出来る作家をのぞむ。そういうことから考えると、少しキザではあるが、僕は「銀簪」に惹かれた。」

他の候補作 新田次郎 『強力伝』 邱永漢 「香港」 棟田博 「サイパンから来た列車」 片山昌造 「戦争記」 八匠衆一 「未決囚」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

棟田博46歳×各選考委員　 「サイパンから来た列車」 短篇 64枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ― 0   小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ― 0   川口松太郎 56歳 全 ― 0   井伏鱒二 57歳 全 ― 0   村上元三 45歳 全 ○ 15 「実績も一緒に認めて貰えるなら（引用者中略）推したい、」「材料は面白いが、筆の荒さが目立ち、落された。」 吉川英治 63歳 全 △ 36 「その着想のすばらしさに私は驚いた。」「こんないゝアイデアを掴みながら何でこの程度の単なる読物に終らせてしまったのか。」「棟田氏はもう一度この着想に據って力作を試みられてはどうであろう。」 木々高太郎 58歳 全 ● 8 「浮薄だったり、キタナかったりする印象をうける。」	他の候補作 新田次郎 『強力伝』 邱永漢 「香港」 今官一 「銀簪」 片山昌造 「戦争記」 八匠衆一 「未決囚」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

片山昌造44歳×各選考委員　 「戦争記」 長篇 426枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ― 0   小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ■ 10 「惜しいが、これは真面目一途で文学にはなるが小説らしさが薄く、直木賞の問題とし難い。」 川口松太郎 56歳 全 ― 0   井伏鱒二 57歳 全 ― 0   村上元三 45歳 全 ● 3 「今まで読んだ数多い戦争小説より勝れている、とは思えない」 吉川英治 63歳 全 ― 0   木々高太郎 58歳 全 ● 9 「内容は如何にも汚ない。戦争というものは汚ないもので、それを書くのが戦争否定だから正しいのだという考え方は、それは日本流の純文学の話であって、大衆文学ではとらない。」	他の候補作 新田次郎 『強力伝』 邱永漢 「香港」 今官一 「銀簪」 棟田博 「サイパンから来た列車」 八匠衆一 「未決囚」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

八匠衆一38歳×各選考委員　 「未決囚」 短篇 98枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ― 0   小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ― 0   川口松太郎 56歳 全 ― 0   井伏鱒二 57歳 全 ― 0   村上元三 45歳 全 ● 6 「いくらうまい作品でも、こういう陰気な材料は直木賞のものではない、」 吉川英治 63歳 全 ■ 7 「毛頭遊び気はないし或る一社会を確実に書いている。しかし直木賞へ持って来るものではないだろう。」 木々高太郎 58歳 全 ● 7 「体験感情だけを書いて、どういう筋かわからぬもの、いや筋などはなくてもいゝが、この主人公が何をして「未決囚」に入れられたかも判らぬものは、やはり大衆文学ではない。」	他の候補作 新田次郎 『強力伝』 邱永漢 「香港」 今官一 「銀簪」 棟田博 「サイパンから来た列車」 片山昌造 「戦争記」 野村敏雄 「老眼鏡と土性骨」

野村敏雄29歳×各選考委員　 「老眼鏡と土性骨」 短篇 92枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 永井龍男 51歳 全 ― 0   小島政二郎 61歳 全 ― 0   大佛次郎 58歳 全 ― 0   川口松太郎 56歳 全 ― 0   井伏鱒二 57歳 全 ― 0   村上元三 45歳 全 ● 6 「いくらうまい作品でも、こういう陰気な材料は直木賞のものではない、」 吉川英治 63歳 全 ― 0   木々高太郎 58歳 全 ● 8 「浮薄だったり、キタナかったりする印象をうける。」	他の候補作 新田次郎 『強力伝』 邱永漢 「香港」 今官一 「銀簪」 棟田博 「サイパンから来た列車」 片山昌造 「戦争記」 八匠衆一 「未決囚」