第38回

第37回第39回

昭和32年/1957年下半期 昭和33年/1958年1月20日決定発表／『オール讀物』昭和33年/1958年4月号選評掲載

選考委員　 吉川英治 65歳 井伏鱒二 59歳 木々高太郎 60歳 永井龍男 53歳 小島政二郎 63歳 大佛次郎 60歳 村上元三 47歳 川口松太郎 58歳 選評総行数　 41 20 36 42 39 38 53 21 評 評 評 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 城山三郎　「輸出」 80枚 30歳 評 △ 3 ― 0 ― 0 △ 9 ● 3 ○ 7 ■ 4 △ 3 金川太郎　「次席検事」 72枚 42歳 評 △ 3 ― 0 ― 0 □ 7 ― 0 ― 0 △ 3 ◎ 6 滝口康彦　「高柳父子」 60枚 33歳 評 △ 4 ― 0 ― 0 ● 4 ― 0 ― 0 ● 8 ● 5 小林実　「白い太陽」 231枚 42歳 評 △ 3 ― 0 ○ 3 △ 10 ■ 5 △ 13 ○ 5 ■ 7 池波正太郎　「信濃大名記」 105枚 34歳 評 △ 4 ― 0 ○ 27 ● 4 ― 0 ■ 10 ● 6 ● 5 小田武雄　「紙漉風土記」 74枚 44歳 評 △ 4 ― 0 ― 0 ● 8 □ 13 ◎ 10 ■ 7 ● 5 碧川浩一　「借金鬼」 71枚 53歳 評 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 5 ― 0 ― 0 ● 3 ― 0 瓜生卓造　『単独登攀』 342枚 38歳 評 ― 0 ― 0 ■ 9 ■ 8 ― 0 ― 0 ● 7 ― 0   欠席             年齢/枚数の説明   見方・注意点

吉川英治65歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題寸感　総行数41　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 金川太郎 42歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 滝口康彦 33歳 全 △ 4 「一応は候補にのぼるべき巧さや内容はもっているものであった。」 小林実 42歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 池波正太郎 34歳 全 △ 4 「一応は候補にのぼるべき巧さや内容はもっているものであった。」 小田武雄 44歳 全 △ 4 「題名そのままな風土誌的ではあり過ぎるにしてもその努力は購われてよい」 碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ― 0     「今度の“該当者なし”は候補作品が低調だったという以前にもっと多種な問題が直木賞そのものの文学域の根底にあるように思われた。」	他の選考委員 井伏鱒二 木々高太郎 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 村上元三 川口松太郎

井伏鱒二59歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題感想　総行数20　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 ― 0   金川太郎 42歳 全 ― 0   滝口康彦 33歳 全 ― 0   小林実 42歳 全 ― 0   池波正太郎 34歳 全 ― 0   小田武雄 44歳 全 ― 0   碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ― 0     「私の読んだ限りの作品から感じたことは、当夜発表された会議の決定と、ほぼ一致していた」	他の選考委員 吉川英治 木々高太郎 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 村上元三 川口松太郎

木々高太郎60歳×各候補作

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題一つの新機軸を　総行数36　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 ― 0   金川太郎 42歳 全 ― 0   滝口康彦 33歳 全 ― 0   小林実 42歳 全 ○ 3 「僕は小林実「白い太陽」と池波正太郎「信濃大名記」をのこした。」 池波正太郎 34歳 全 ○ 27 「僕は小林実「白い太陽」と池波正太郎「信濃大名記」をのこした。」「池波君は今後、自分で自分をうち破った作品をかいてゆくことではじめて抜いてゆくことが出来るのである。」 小田武雄 44歳 全 ― 0   碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ■ 9 「面白く読んだが、これは片仮名を一頁にいくつとなくつかっていることで、どんなに生硬にして了ったか判らない。」	他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 村上元三 川口松太郎

永井龍男53歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題小説であること　総行数42　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 △ 9 「作者の将来に期待したい。」「もっとジックリ書いてもらいたい」 金川太郎 42歳 全 □ 7 「一番素直に読めた」「血の通った人間を描いて、ほのぼのとしたものを感じさせるのだが、残念なことに結末が計算されていない。」 滝口康彦 33歳 全 ● 4 「あまり旧套過ぎると思われた」 小林実 42歳 全 △ 10 「作者の将来に期待したい。」「もっと短かく書いて見せて欲しかった。」 池波正太郎 34歳 全 ● 4 「あまり旧套過ぎると思われた」 小田武雄 44歳 全 ● 8 「やや型変りだが、風土記という形式にこだわって、小説としては感銘が弱い。」 碧川浩一 53歳 全 ■ 5 「主題は面白いが、この主人公は鬼ではない。案外平凡な利殖家の一人かも知れない。そういう点にギャップを感じた。」 瓜生卓造 38歳 全 ■ 8 「伝記文学と云うことは出来ても、小説であるかどうかに疑問を持った」

他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 木々高太郎 小島政二郎 大佛次郎 村上元三 川口松太郎

小島政二郎63歳×各候補作

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題研究不足　総行数39　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 ● 3 「もう少し研究して書いたら書きばえがある材料だと思う。結局研究不足と言える。」 金川太郎 42歳 全 ― 0   滝口康彦 33歳 全 ― 0   小林実 42歳 全 ■ 5 「これはデタラメ過ぎて、地金の出ていない点では同じことだ。デタラメでは地金は出ない。」 池波正太郎 34歳 全 ― 0   小田武雄 44歳 全 □ 13 「一番心を引かれたが、それとてこの八つの作品のうちでという程度だ。」「もっと登場人物の生活や性格に作者が情熱をもって肉迫しなければ、地金が現れてこないのだろう。」 碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ― 0     「どれもこれも胸を打ってこない。いい加減なところで小説にしている。」	他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 木々高太郎 永井龍男 大佛次郎 村上元三 川口松太郎

大佛次郎60歳×各候補作

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題孤立した意見　総行数38　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 ○ 7 「こうした変った題材や世界を続けて書く支度があったら、一家をなし得るだろう。文学的感銘とは別のものだが、こうした乾いた作品もあってよいのだ。」 金川太郎 42歳 全 ― 0   滝口康彦 33歳 全 ― 0   小林実 42歳 全 △ 13 「力作だと思って読んだが、後半になると、ぞんざいに、まとめて了ったようで残念であった。」「惜しいことである。力が充分ある作品である。」 池波正太郎 34歳 全 ■ 10 「平衡がとれていて大衆文学として、真直な道を行くものである。」「しっかりした作品だが、新しい風の息吹を感じさせるものでもない。」 小田武雄 44歳 全 ◎ 10 「余計なことの描写に筆を使い過ぎているようだが、それがねっとりと濁った味になっていて、この山奥の原始的な人間生活を、新鮮に感じさせた。私はこの作品を撰びたかった。」 碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ― 0

他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 木々高太郎 永井龍男 小島政二郎 村上元三 川口松太郎

村上元三47歳×各候補作

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題新鮮さを　総行数53　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 ■ 4 「作者の体臭が滲み出てくるところまで行けば、もっといい作品になったと思う。」 金川太郎 42歳 全 △ 3 「もう充分に実力を持っている人なので、次作を期待したい。」 滝口康彦 33歳 全 ● 8 「いまの時代小説に欲しい新鮮さが不足している。」 小林実 42歳 全 ○ 5 「大へん未練があったが、この作品は最後で腰くだけがしている。しかし、うまい人だし、次作を待ちたい。」 池波正太郎 34歳 全 ● 6 「この人も実力があるのだから、既成作家の眼を見はらせるような新鮮なものを書いて貰えないだろうか。」 小田武雄 44歳 全 ■ 7 「混乱しているところがある。むしろ紙漉のことにこだわらずに、人間を描くことに重点を置くべきであったろう。」 碧川浩一 53歳 全 ● 3 「面白い材料を扱いながら、作者がその中で遊びすぎている。」 瓜生卓造 38歳 全 ● 7 「見事な文章だが、専門用語が多いので読みづらい。これは伝記にはなっているが、伝記小説の一歩手前の作品だと思う。」

他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 木々高太郎 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 川口松太郎

川口松太郎58歳×各候補作

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題筆力は買うが　総行数21　（1行=14字） 候補 評価 行数 評言 城山三郎 30歳 全 △ 3 「海外生活者を扱って材料の興味はあった」 金川太郎 42歳 全 ◎ 6 「「次席検事」を推したが、賛成者が少なかった。筆力はあるのだが構成力が不足でラストなぞも腰くだけに終り、全体のバランスがとれないのを残念に思う。」 滝口康彦 33歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」 小林実 42歳 全 ■ 7 「息がつづかないというのか、面白い材料でいて最後まで押し通す力がない。」 池波正太郎 34歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」 小田武雄 44歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」 碧川浩一 53歳 全 ― 0   瓜生卓造 38歳 全 ― 0	他の選考委員 吉川英治 井伏鱒二 木々高太郎 永井龍男 小島政二郎 大佛次郎 村上元三

城山三郎30歳×各選考委員　 「輸出」 短篇 80枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ― 0   永井龍男 53歳 全 △ 9 「作者の将来に期待したい。」「もっとジックリ書いてもらいたい」 小島政二郎 63歳 全 ● 3 「もう少し研究して書いたら書きばえがある材料だと思う。結局研究不足と言える。」 大佛次郎 60歳 全 ○ 7 「こうした変った題材や世界を続けて書く支度があったら、一家をなし得るだろう。文学的感銘とは別のものだが、こうした乾いた作品もあってよいのだ。」 村上元三 47歳 全 ■ 4 「作者の体臭が滲み出てくるところまで行けば、もっといい作品になったと思う。」 川口松太郎 58歳 全 △ 3 「海外生活者を扱って材料の興味はあった」	他の候補作 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

金川太郎42歳×各選考委員　 「次席検事」 短篇 72枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ― 0   永井龍男 53歳 全 □ 7 「一番素直に読めた」「血の通った人間を描いて、ほのぼのとしたものを感じさせるのだが、残念なことに結末が計算されていない。」 小島政二郎 63歳 全 ― 0   大佛次郎 60歳 全 ― 0   村上元三 47歳 全 △ 3 「もう充分に実力を持っている人なので、次作を期待したい。」 川口松太郎 58歳 全 ◎ 6 「「次席検事」を推したが、賛成者が少なかった。筆力はあるのだが構成力が不足でラストなぞも腰くだけに終り、全体のバランスがとれないのを残念に思う。」	他の候補作 城山三郎 「輸出」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

滝口康彦33歳×各選考委員　 「高柳父子」 短篇 60枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 4 「一応は候補にのぼるべき巧さや内容はもっているものであった。」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ― 0   永井龍男 53歳 全 ● 4 「あまり旧套過ぎると思われた」 小島政二郎 63歳 全 ― 0   大佛次郎 60歳 全 ― 0   村上元三 47歳 全 ● 8 「いまの時代小説に欲しい新鮮さが不足している。」 川口松太郎 58歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」	他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

小林実42歳×各選考委員　 「白い太陽」 中篇 231枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 3 「一応の佳作といってよい。」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ○ 3 「僕は小林実「白い太陽」と池波正太郎「信濃大名記」をのこした。」 永井龍男 53歳 全 △ 10 「作者の将来に期待したい。」「もっと短かく書いて見せて欲しかった。」 小島政二郎 63歳 全 ■ 5 「これはデタラメ過ぎて、地金の出ていない点では同じことだ。デタラメでは地金は出ない。」 大佛次郎 60歳 全 △ 13 「力作だと思って読んだが、後半になると、ぞんざいに、まとめて了ったようで残念であった。」「惜しいことである。力が充分ある作品である。」 村上元三 47歳 全 ○ 5 「大へん未練があったが、この作品は最後で腰くだけがしている。しかし、うまい人だし、次作を待ちたい。」 川口松太郎 58歳 全 ■ 7 「息がつづかないというのか、面白い材料でいて最後まで押し通す力がない。」

他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

池波正太郎34歳×各選考委員　 「信濃大名記」 短篇 105枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 4 「一応は候補にのぼるべき巧さや内容はもっているものであった。」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ○ 27 「僕は小林実「白い太陽」と池波正太郎「信濃大名記」をのこした。」「池波君は今後、自分で自分をうち破った作品をかいてゆくことではじめて抜いてゆくことが出来るのである。」 永井龍男 53歳 全 ● 4 「あまり旧套過ぎると思われた」 小島政二郎 63歳 全 ― 0   大佛次郎 60歳 全 ■ 10 「平衡がとれていて大衆文学として、真直な道を行くものである。」「しっかりした作品だが、新しい風の息吹を感じさせるものでもない。」 村上元三 47歳 全 ● 6 「この人も実力があるのだから、既成作家の眼を見はらせるような新鮮なものを書いて貰えないだろうか。」 川口松太郎 58歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」

他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

小田武雄44歳×各選考委員　 「紙漉風土記」 短篇 74枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 △ 4 「題名そのままな風土誌的ではあり過ぎるにしてもその努力は購われてよい」 井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ― 0   永井龍男 53歳 全 ● 8 「やや型変りだが、風土記という形式にこだわって、小説としては感銘が弱い。」 小島政二郎 63歳 全 □ 13 「一番心を引かれたが、それとてこの八つの作品のうちでという程度だ。」「もっと登場人物の生活や性格に作者が情熱をもって肉迫しなければ、地金が現れてこないのだろう。」 大佛次郎 60歳 全 ◎ 10 「余計なことの描写に筆を使い過ぎているようだが、それがねっとりと濁った味になっていて、この山奥の原始的な人間生活を、新鮮に感じさせた。私はこの作品を撰びたかった。」 村上元三 47歳 全 ■ 7 「混乱しているところがある。むしろ紙漉のことにこだわらずに、人間を描くことに重点を置くべきであったろう。」 川口松太郎 58歳 全 ● 5 「主題も筆力も形通りで新人らしい清新さがなかった。」

他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 碧川浩一 「借金鬼」 瓜生卓造 『単独登攀』

碧川浩一53歳×各選考委員　 「借金鬼」 短篇 71枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 ― 0   井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ― 0   永井龍男 53歳 全 ■ 5 「主題は面白いが、この主人公は鬼ではない。案外平凡な利殖家の一人かも知れない。そういう点にギャップを感じた。」 小島政二郎 63歳 全 ― 0   大佛次郎 60歳 全 ― 0   村上元三 47歳 全 ● 3 「面白い材料を扱いながら、作者がその中で遊びすぎている。」 川口松太郎 58歳 全 ― 0	他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 瓜生卓造 『単独登攀』

瓜生卓造38歳×各選考委員　 『単独登攀』 長篇 342枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 吉川英治 65歳 全 ― 0   井伏鱒二 59歳 全 ― 0   木々高太郎 60歳 全 ■ 9 「面白く読んだが、これは片仮名を一頁にいくつとなくつかっていることで、どんなに生硬にして了ったか判らない。」 永井龍男 53歳 全 ■ 8 「伝記文学と云うことは出来ても、小説であるかどうかに疑問を持った」 小島政二郎 63歳 全 ― 0   大佛次郎 60歳 全 ― 0   村上元三 47歳 全 ● 7 「見事な文章だが、専門用語が多いので読みづらい。これは伝記にはなっているが、伝記小説の一歩手前の作品だと思う。」 川口松太郎 58歳 全 ― 0	他の候補作 城山三郎 「輸出」 金川太郎 「次席検事」 滝口康彦 「高柳父子」 小林実 「白い太陽」 池波正太郎 「信濃大名記」 小田武雄 「紙漉風土記」 碧川浩一 「借金鬼」