生没年月日【注】 | 昭和29年/1954年4月1日~ | |
受賞年齢 | 31歳9ヵ月 | |
経歴 | 山梨県生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒。 | |
受賞歴・候補歴 |
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処女作 | エッセイ『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(昭和57年/1982年11月・主婦の友社刊) | |
直木賞 選考委員歴 |
第123回~(通算24年・48回) |
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『星に願いを』(昭和59年/1984年1月・講談社刊)
書誌 昭和61年/1986年9月・講談社/講談社文庫『星に願いを』
平成22年/2010年4月・講談社/講談社文庫『星に願いを』[新装版] |
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「星影のステラ」(『野性時代』昭和59年/1984年1月号)媒体・作品情報
書誌 昭和60年/1985年2月・角川書店刊『星影のステラ』所収
昭和61年/1986年1月・角川書店/角川文庫『星影のステラ』所収
平成9年/1997年10月・角川書店刊『女性作家シリーズ20 干刈あがた・高樹のぶ子・林真理子・高村薫』所収
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『葡萄が目にしみる』(昭和59年/1984年11月・角川書店刊)媒体・作品情報
書誌 初出昭和59年/1984年7月・角川書店刊『真理子スペシャル』/大幅加筆訂正
昭和61年/1986年3月・角川書店/角川文庫『葡萄が目にしみる』
平成8年/1996年6月・講談社/講談社文庫『葡萄が目にしみる』
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「胡桃の家」(『小説新潮』昭和60年/1985年3月号)媒体・作品情報
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
書誌 昭和61年/1986年8月・新潮社刊『胡桃の家』所収
平成1年/1989年11月・新潮社/新潮文庫『胡桃の家』所収
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「最終便に間に合えば」「京都まで」
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印刷/発行年月日 | 発行 昭和60年/1985年11月20日(第1刷) | ||||
測定媒体発行年月日 | 発行 平成1年/1989年5月30日(第16刷) | ||||
発行者等 | 発行者 豊田健次 印刷 共同印刷 製本所 加藤製本 | ||||
発行所 | 株式会社文藝春秋(東京都) | 形態 | 四六判 上製 | ||
装幀/装画等 | 装幀 灘本唯人 | ||||
総ページ数 | 219 | 表記上の枚数 | ― | 基本の文字組 (1ページ当り) |
42字 ×17行 ×1段 |
本文ページ |
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測定枚数 | 176枚 |
書誌
昭和63年/1988年11月・文藝春秋/文春文庫『最終便に間に合えば』所収
平成24年/2012年7月・文藝春秋/文春文庫『最終便に間に合えば』[新装版]所収
収録作品の書誌
最終便に間に合えば
初出『オール讀物』昭和59年/1984年7月号
平成9年/1997年10月・角川書店刊『女性作家シリーズ20 干刈あがた・高樹のぶ子・林真理子・高村薫』所収
京都まで
初出『オール讀物』昭和59年/1984年10月号
平成5年/1993年7月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第三十巻 京都1』所収
他の収録作品
「エンジェルのペン」(初出『オール讀物』昭和59年/1984年12月号)
「てるてる坊主」(初出『別冊文藝春秋』172号[昭和60年/1985年-月])
「ワイン」(初出『オール讀物』昭和60年/1985年9月号)
候補者 林真理子 31歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
山口瞳 | 59歳 |
△ | 21 | 「『最終便に間に合えば』のほうを買うが、憧れの都会的なるもの、もしくは男性に失望するという同じパターン(『京都まで』に顕著)で書いているのが気になる。男と女の卑しさとイヤラシサを描くのが実に上手だが、そのぶん後味が悪い。にもかかわらず林さんが受賞したのは、力でもって選考委員を捩じ伏せたのであり、それは、うんと自慢していいことだと思う。」 |
池波正太郎 | 62歳 |
● | 14 | 「薄汚い男女の交情を描いてはいるが、読後、胸にこたえるものが何もなく、私は票を入れなかった。むろんのことに薄汚い男女を描くのはよい。よいが、それだけでは、文学賞をあたえる小説にはならない。プラス何かがなくてはならぬ。その何かが読者の胸を打たなくてはならぬ。」 |
村上元三 | 75歳 |
△ | 10 | 「この作品(引用者注:「最終便に間に合えば」)の読後感の不快さは、「京都まで」のほうにはなかった。候補になること四回目なので、もう授賞してもいいだろう、という気持が選考する側にあった、と忘れないでもらいたいが、この作者は百も承知だろうと思う。」 |
藤沢周平 | 58歳 |
□ | 20 | 「私は一応受賞圏内に入れながら積極的には推さなかった。理由はこの小説が、当世風の男女の世界を巧みに描いているものの、それだけで自閉している感じが不満だったからである。」「しかし林さんの小説はすでにプロの安定感をそなえていた。」「受賞を機会にひとまわり大きく成長することも期待出来、最終的には受賞に反対しなかった。」 |
井上ひさし | 51歳 |
□ | 12 | 「じつに巧者である。けれどもどちらの作品でも、女主人公は世故くて薄汚い。」「ただし四期連続して強力な候補作を書きつづけるという力量は上々吉であって、これには素直に脱帽すべきだろう。」 |
黒岩重吾 | 61歳 |
◎ | 19 | 「林真理子氏を推すべく選考会に出席した。」「これまでの少女趣味を脱した氏のしたたかな存在感が息づいている。ことに後者(引用者注:「京都まで」)は、主人公の相手役になる男性の描き方がたくみだ。」「氏のどの作品にも、林真理子独特の新しい存在感が胡座をかいている」「そこに私はただならぬ作家の資質を感じるのだ。雑事を排し、作家道に邁進されたい。」 |
五木寛之 | 53歳 |
○ | 15 | 「林真理子さんと、森田誠吾さんのお二人を推した。」「男性に愛されたいと願いつつ、男の敵になってしまう。」「私を含めて男たちはどこか無気味な脅威を林さんの資質にかぎとっているのだろう。」 |
陳舜臣 | 61歳 |
■ | 13 | 「登場する男に魅力がなく、読みながら、何の因果でこんなつまらない男の話につき合わねばならないのかと、腹立たしくなった。が、ひるがえって考えると、そんな読中感をおこさせるのも作家の手腕であろう。」 |
渡辺淳一 | 52歳 |
□ | 17 | 「「最終便に間に合えば」は、ラストがやや曖昧に流れ、「京都まで」は逆に最後で焦点を絞りすぎた。」「いずれにせよ、この作者は新鮮な感性と柔軟な文章をもち、人物を見る目も行届いている。四回連続候補になり、いずれも八十点以上の作品を書けるのは、相当力のある証拠である。」 |
選評出典:『オール讀物』昭和61年/1986年4月号 |
文量 |
短篇〔2篇〕 |
最終便に間に合えば | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
[同時代] | 札幌 |
登場人物 | |
●永田美登里(フラワーデザイナー、元OL) ●長原武文(美登里の昔の恋人) |
京都まで | |
章立て | |
なし | |
時代設定 | 場所設定 |
[同時代] | 京都~大阪~東京 |
登場人物 | |
●佐野久仁子(フリーの編集者) ●草間高志(久仁子の年下の恋人、大学教授の息子) |