芥川賞のすべて・のようなもの
第156回
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Last Update[H29]2017/8/15

古川真人
Furukawa Makoto
生没年月日【注】 昭和63年/1988年7月29日~
経歴 福岡県福岡市生まれ。國學院大学文学部中退。平成28年/2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞。
受賞歴・候補歴
  • 第48回新潮新人賞(平成28年/2016年)「縫わんばならん」
  • |候補| 第156回芥川賞(平成28年/2016年下期)「縫わんばならん」
  • |候補| 第157回芥川賞(平成29年/2017年上期)「四時過ぎの船」
備考
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縫わんばならん」(『新潮』平成28年/2016年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「The Shincho Monthly」「今年112年目の文芸誌」併記
巻号 第113巻 第11号  別表記11月号/1342号
印刷/発行年月日 発行 平成28年/2016年11月7日 発売 平成28年/2016年10月7日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 404 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 57~121
(計65頁)
測定枚数 210
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書誌
>>平成29年/2017年1月・新潮社刊『縫わんばならん』
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候補者 古川真人 男28歳
選考委員 評価 行数 評言
吉田修一
男48歳
0  
小川洋子
女54歳
21 「退屈な小説である。けれど、退屈で何が悪い、という態度を貫き通しているのは立派だった。決して無自覚ではない、真っすぐな覚悟が感じられた。」「ところがなぜか、(引用者注:老婆たちから)若者の視点になった途端、急激に輝きが失われてゆくように思えた。映像から声に中心が移っていったせいなのだろうか。」
村上龍
男64歳
0  
高樹のぶ子
女70歳
8 「家系図を書きながら読まなくてはならず、魅力的な人物が居ないので退屈した。壊れた記憶や穴のあいた家を繋ぎ直さなくてはならない、というテーマはわかるが、この長さは必要ないだろう。」
奥泉光
男60歳
19 「規模の大きい作者の力量を感じさせた。しかし後半の葬式へと話が移るにしたがい、小説の生動が鈍り冗漫になる印象がいなめず、作者にとっては葬式の場面は必要だったのだろうが、ならばもっと多くの「声」を導き込み、なおかつ一個の構築物となすだけの粘りと、構想力が要求されるだろう。」
山田詠美
女57歳
20 「長過ぎる。作者が思っているほど、この一族の話はおもしろくない。」「小説の中で方言がきらめくためには、それに馴染みのない読者への細心の注意を払った演出がなされていなくてはならない。」「そして、田舎の葬儀はよほどの企みと力量をもって描けなければ退屈な他人事のままだ。」
宮本輝
男69歳
9 「丁寧に書かれた佳品だが、なんにしても退屈だ。あまりに長すぎる。主人公のふたりの老婦の過去の平凡な追憶だけでは、読者を最後までつれて行くことはできない。」
堀江敏幸
男53歳
17 「亡くなった祖母が、葬儀の席の、親族の思い出話のなかで元気に息づいているのを見て、孫息子は、さみしさといった感情とは「何か別のもの」をつかむ。これもまた、伝承できないものの伝承のひとつであるとはいえ、縫い合わせるための糸が少し長すぎた。」
島田雅彦
男55歳
8 「田舎の日常を生きる人々には都会の常識を遥かに逸脱したキャラクターが少なからずいるが、今ひとつ方言と日常性の中に埋没してしまい、キャラクターとして屹立してこないのが残念。」
川上弘美
女58歳
13 「ここにある、他人の、さしてめざましくはないけれど、なんだかつい聞き入ってしまう家の話、を語られている時の、うとうとしてしまうような気持ちのよさと、その中にある不安さは、癖になりそうです。でも、少し、長かったかな。」
選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年3月号
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よじす ふね
四時過ぎの 船」(『新潮』平成29年/2017年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「The Shincho Monthly」「今年113年目の文芸誌」併記
巻号 第114巻 第6号  別表記6月号/1349号
印刷/発行年月日 発行 平成29年/2017年6月7日 発売 平成29年/2017年5月6日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 324 表記上の枚数 表紙・背・目次 160枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 7~58
(計52頁)
測定枚数 160
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書誌
>>平成29年/2017年7月・新潮社刊『四時過ぎの船』
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候補者 古川真人 男28歳
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女58歳
23 「登場人物が皆いじらしい。ただし主人公以外。モラトリアムにある閉塞感が今ひとつ伝わって来ない。」「〈やぜらしかもの〉をひとつずつ捨てて行った祖母と、この先も〈やぜらしかもの〉をひとつずつ拾って行くであろう自分を交互に配して、やがてすれ違うというアイディアが、あまり上手く機能していない。」
吉田修一
男48歳
14 「認知症とモラトリアムを同時に料理してやろうという野心作で、忘失というマイナス要素をなんとかプラスに転化させようとする努力は買うが、前作に続いてやはり冗長。」
村上龍
男65歳
0  
奥泉光
男61歳
19 「前作の「縫わんばならん」に続いて、九州の島に発する一族の歴史を記憶や声の重層的な交錯のなかに描き出す一篇で、テクストの立体的な構築への意思には共感した。しかし今回は主人公の青年に焦点が絞られたぶん、世界が小さくなった印象で、それは小説としてのまとまりがよくなったと云う評価と裏腹であり、難しいところではある。」
宮本輝
男70歳
16 「前回の「縫わんばならん」と合わせ鏡になったような作品で、もしふたつの小説がひとつにうまく合体したとしても、大事な「芯」をどこにも見つけだすことができそうにない。」
高樹のぶ子
女71歳
29 「描かれる人間関係は(引用者注:前の候補作に比べて)シンプルになり纏まりも良かったが、方言の粘着感と暑苦しさに少々うんざりしたのも確か。」「もしかしたら方言は彼にとって古臭い土着のテイストではないのかも知れない。」「中央から遠くはなれた土地で差別意識や自己卑下を含んで使われる従来の、常に標準語に翻訳されることで意味を持つ言語ではなく、何か新たな色彩を秘めた未開拓の魅力を持っているのかも知れないと思えてきた。」
小川洋子
女55歳
9 「佐恵子や幼児や死者たちは、言葉の理屈から解き放たれ、自在な魅力を振りまいている。ところが肝心の語り手、稔が平板だった。」
堀江敏幸
男53歳
23 「認知症のまま亡くなった祖母の破れた記憶を縫い合わせようとした前作の続篇だが、人の話を聞いて過去を息づかせることと、みずから能動的に動いて過去にさかのぼろうとすることのはざまにひろがる荒れ地が、きれいに均されすぎたようだ。」
川上弘美
女59歳
20 「多くの細部がありました。にもかかわらず、珍しくわたしはこの小説からはじき出されてしまう心地に、たびたびなりました。」「細部の刈り込まれかたが、うまくいっていないのではないでしょうか。」
島田雅彦
男56歳
21 「この先も古川は長崎を舞台にしたサーガを書き継いでゆくだろうが、血縁関係の中にとどまらず、もっと空間的、時間的に大きな視野に立って、壮大な物語を紡いでもいいのではないか。」
選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年9月号
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