芥川賞のすべて・のようなもの
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156.
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Last Update[H29]2017/2/15

奥泉光
Okuizumi Hikaru
生没年月日【注】 昭和31年/1956年2月6日~
在任期間 第147回~(通算5年・10回)
在任年齢 56歳4ヶ月~
経歴 本名=奥泉康弘。山形県東田川郡三川町生まれ、埼玉県所沢市育ち。国際基督教大学人文科学科卒、同大学院比較文化研究科博士前期課程修了。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第9回すばる文学賞(昭和60年/1985年)「地の鳥 天の魚群」奥泉康弘名義
  • |候補| 第3回三島由紀夫賞(平成1年/1989年度)「滝」
  • |候補| 第103回芥川賞(平成2年/1990年上期)「滝」
  • |候補| 第4回三島由紀夫賞(平成2年/1990年度)「葦と百合」
  • |候補| 第106回芥川賞(平成3年/1991年下期)「暴力の舟」
  • |候補| 第14回野間文芸新人賞(平成4年/1992年)『蛇を殺す夜』
  • |候補| 第108回芥川賞(平成4年/1992年下期)「三つ目の鯰」
  • 瞠目反・文学賞(平成5年/1993年)「ノヴァーリスの引用」
  • |候補| 第6回三島由紀夫賞(平成4年/1992年度)『ノヴァーリスの引用』
  • 第15回野間文芸新人賞(平成5年/1993年)『ノヴァーリスの引用』
  • 第110回芥川賞(平成5年/1993年下期)「石の来歴」
  • |候補| 第22回平林たい子文学賞[小説部門](平成6年/1994年)『バナールな現象』
  • |候補| 第24回平林たい子文学賞[小説部門](平成8年/1996年)『『吾輩は猫である』殺人事件』
  • |候補| 第52回日本推理作家協会賞[長編部門](平成11年/1999年)『グランド・ミステリー』
  • |候補| 第22回日本SF大賞(平成13年/2001年)『鳥類学者のファンタジア』
  • |候補| 第55回日本推理作家協会賞[長編部門](平成14年/2002年)『鳥類学者のファンタジア』
  • |候補| 第25回日本SF大賞(平成16年/2004年)『新・地底旅行』
  • 第62回野間文芸賞(平成21年/2009年)『神器 軍艦「橿原」殺人事件』
  • |第5位| 第8回2011年本屋大賞(平成23年/2011年)『シューマンの指』
  • |候補| 第37回川端康成文学賞(平成23年/2011年)「変身の書架」
  • |候補| 第38回川端康成文学賞(平成24年/2012年)「Metamorphosis」
  • 第50回谷崎潤一郎賞(平成26年/2014年)『東京自叙伝』
芥川賞候補歴 第103回候補 「滝」(『すばる』平成2年/1990年4月号)
第106回候補 「暴力の舟」(『すばる』平成3年/1991年11月号)
第108回候補 「三つ目の鯰」(『文學界』平成4年/1992年12月号)
第110回受賞 「石の来歴」(『文學界』平成5年/1993年12月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 147 平成24年/2012年上半期   一覧へ
選評の概要 方法意識 総行数92 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男56歳
候補 評価 行数 評言
山下澄人
男46歳
25 「候補作で一番推したいと考えた」「小説ならではの自由な時間処理を前提に、語る「わたし」と語られる「わたし」が分裂し、複層化していくメタフィクションで、明瞭な方法意識がスリリングなテクストを生み出している。だが、一点において、自分はこの作品を推しきれなかった。というのは、小説中で中心的な役割を果たす「ギッちょん」なる人物の造形に、身体的な欠損を導入している点である。」
女35歳
15 「主人公の母親の虚栄の象徴であった高級リゾートホテルが一泊五千円の区の保養所に落ちぶれ、そこを主人公が訪れるという物語の作りに強烈なアイロニーが宿って、力強い言葉の動きとともに、精彩のある一篇として結実している。」
  「今回から選考に加わることになって、自分が立てた方針は、方法意識に貫かれた、小説らしい企みのある作品を推していきたいというもので、ただし、方法しかないものはやはり詰まらぬわけで、だから結局は、方法と物語とがせめぎあい、ぶつかりあうところに生じる熱度の高いものを選ぶ、ということになるだろう。」
選評出典:『文藝春秋』平成24年/2012年9月号
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芥川賞 148 平成24年/2012年下半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数100 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男56歳
候補 評価 行数 評言
女75歳
52 「横書きが用いられ、通常は漢字やカタカナで表記されるべき言葉がひらがなで表記されるなど、一見して特異な書法で書かれている。」「黒田氏の工夫はただ一つ、小説を読者にゆっくりした速度で読ませることにある。」「横書きされたひらがなの放つふてぶてしさのようなものが感得されて、このふてぶてしさは、物語をただ消費すればよいとする風潮への、幽かに悪意の匂いのする批評につながっているとも感じられた。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年3月号
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芥川賞 149 平成25年/2013年上半期   一覧へ
選評の概要 やや困惑 総行数153 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男57歳
候補 評価 行数 評言
女33歳
22 「主人公を「あなた」の二人称に設定することで、その後の母娘の長い時間にわたる関係の濃密さを予感させ、小説世界に奥行きを与えることに成功している。筋だてにやや分かりにくい部分があり、ことにラストのイメージが不鮮明であるなどの疵はあるとは思ったけれど、方法の貫徹ぶりを評価し、受賞に推す声に賛成した。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年9月号
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芥川賞 150 平成25年/2013年下半期   一覧へ
選評の概要 芥川賞の伝統 総行数123 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男57歳
候補 評価 行数 評言
いとうせいこう
男52歳
27 「模倣とパロディーを本質とする小説なるジャンルの伝統に忠実な作品といってよいだろう。」「「二代目後藤明生」を自称するいとう氏が、強い方法意識をもって作り出した、さまざまな逸脱を孕みつつ運動する一篇は高い水準を示して、エンターテイメント小説を含め頽落したリアリズムが支配的な日本語の文学界に活性を与えるものであり、受賞作にふさわしいと自分は考えた。」
女30歳
26 「(引用者注:「コルバトントリ」と共に)推してもよいと考えて自分は選考会に臨んだ。」「「不思議の国のアリス」を導きの糸にして呼び込まれる幻想の物語が小説世界を巧みに彩り、細部へ行き届いた筆の運びとあいまって深い印象を残す。さりげないけれど、高い言葉の技術がここにはあって、堅固でしなやかな構築物の手触りを残す。」
  「魅力ある作品が候補作に並び、意見が割れたこともあって、議論にはだいぶ時間がかかった。会場の新喜楽では、選考しながら食事が供されるのだけれど、あまり食べた気がしないのはいつものこと、しかし今回は何が料理に出たのかすらよく覚えていないのはやや残念である。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
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芥川賞 151 平成26年/2014年上半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数87 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男58歳
候補 評価 行数 評言
横山悠太
男32歳
25 「最初の投票で○を付した」「いまある言語の外へ逸脱していく言葉の運動性には文学の名がふさわしくもある。選考会では、物語内容が物足りないとの声があって、たしかに企みが引き寄せずにはおかぬ虚構の動きがもっとあってよいはずで、その点に弱さはある。が、とにかくこの徹底ぶり(さらなる徹底を!)は評価できると考えた。」
女40歳
15 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった。結果、両作者の力量は十分に認めながらも、作品の面白さは掴み損ねた。」
  「芥川賞選考会は、明文化されていたりするわけではないけれど、「過半数」の賛成があった作品が受賞という、そこはかとない取り決めの下、進められる。」「今回は、「どろにやいと」「メタモルフォシス」「春の庭」の三作品が、この基準点を巡って最後まで争う展開となり、選考にはやや時間がかかった。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年9月号
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芥川賞 152 平成26年/2014年下半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数110 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男58歳
候補 評価 行数 評言
男44歳
10 「やや捉えにくいところがあるけれど、レトリックを巧みにちりばめ、音楽性のある散文を作らんとする作者の狙いは実現して、捉えにくさも、むしろそれが魅力であるとの読みができると思え、当選作と推したいという意見に積極的に賛成した。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年3月号
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芥川賞 153 平成27年/2015年上半期   一覧へ
選評の概要 「青春」をかたる方法 総行数95 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男59歳
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男32歳
20 「推した」「過去の出来事を、ノスタルジーの滑らかな物語に回収せず、出来事と主人公の不安定な距離のなかに浮遊させることで、時間のたしかな手触りを生み出すことに成功している。」「奥行きのある時空のなかで「青春」をかたる方法には刺激を受けた。」
男29歳
14 「方法的なスリルはない単線的な小説で、である以上は、素朴に心を揺さぶるような展開や描写がもっと欲しいとは思ったものの、受賞作に、との声には反対しなかった。」
男35歳
24 「二人のやりとりと状況説明が交互に現れる叙述はやや平板だ。」「叙情的な描写はあるものの、「小説」であろうとするあまり、笑芸を目指す若者たちの心情の核への掘り下げがなく、何か肝心のところが描かれていない印象をもった。作者の力量は認めつつも、選考会では自分は受賞とすることに反対した」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年9月号
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芥川賞 154 平成27年/2015年下半期   一覧へ
選評の概要 奇を衒う 総行数83 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男59歳
候補 評価 行数 評言
男33歳
19 「自在なかたりの構成が小説世界に時空間の広がりを与えることに成功している。」「総じては手法はうまく生かされ、死者も生者も、老人も子供も、人間も事物も等しく存在の輪郭を与えられ、不思議な叙情性のなかで、それぞれが確固たる手触りを伝えてくる。傑作と呼んでよいと思います。」
女36歳
15 「最後、夫が芍薬の花に変身するところを頂点に、説話の持つ「異界」への感覚がどこまで描き出せているかと、評者としてはどうしても考えてしまうわけで、作者の持つ技術力への評価は前提にしたうえで、自分はやや不足を覚えました。」
  「奇を衒うことは、小説と云うものの基本であると、自分は考える者である。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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芥川賞 155 平成28年/2016年上半期   一覧へ
選評の概要 人間世界の実相 総行数93 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男60歳
候補 評価 行数 評言
女36歳
27 「「コンビニ人間」を推そうと考えて臨んだ」「人は誰しも自分の言葉を喋り、自らの欲望に従って行動しているように見えて、じつはほかの誰かの言葉や欲望を模倣しているにすぎない――と、このあたりの事情は数多の思索者によって論究されてきたわけだけれど、本作はこの人間世界の実相を、世間の常識から外れた怪物的人物を主人公に据えることで、鮮やかに、分かりやすく、かつ可笑しく描き出した。」「傑作と呼んでよいと思います。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年9月号
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芥川賞 156 平成28年/2016年下半期   一覧へ
選評の概要 力量はあるが 総行数89 (1行=13字)
選考委員 奥泉光 男60歳
候補 評価 行数 評言
男50歳
16 「若かりしあの時間を、「出来事」との距離を細心に計算しながら描いた作品で、そこに魅力はあり、さりげない叙述の流れのなかで、切実なものの感触を伝えることに成功している。けれども(引用者中略)作者の自意識の影ごときものがときおりちらつくのが邪魔になる感はあって、しかし受賞作とすることには賛成した。」
  「今回はどの候補作にも一定の質の高さがあり、しかしぜひこれを推したいと思う作品もなくてやや困った」
選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年3月号
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