芥川賞のすべて・のようなもの
第152回
  • =受賞者=
  • 小野正嗣
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Last Update[H27]2015/7/29

小野正嗣
Ono Masatsugu
生没年月日【注】 昭和45年/1970年☆月☆日~
経歴 大分県南海部郡蒲江町出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。
受賞歴・候補歴
  • 第6回新潮学生小説コンクール[奨励作](平成8年/1996年)
  • |候補| 第10回朝日新人文学賞(平成11年/1999年)「誰でもよいけれどバアバアがわたしに語ってくれたこと」
  • 第12回朝日新人文学賞(平成13年/2001年)「水に埋もれる墓」
  • 第15回三島由紀夫賞(平成13年/2001年度)「にぎやかな湾に背負われた船」
  • |候補| 第128回芥川賞(平成14年/2002年下期)「水死人の帰還」
  • |候補| 第31回川端康成文学賞(平成17年/2005年)「片乳」
  • |候補| 第28回野間文芸新人賞(平成18年/2006年)『森のはずれで』
  • |候補| 第139回芥川賞(平成20年/2008年上期)「マイクロバス」
  • |候補| 第30回野間文芸新人賞(平成20年/2008年)『マイクロバス』
  • |候補| 第148回芥川賞(平成24年/2012年下期)「獅子渡り鼻」
  • 第4回早稲田大学坪内逍遙大賞[奨励賞](平成25年/2013年)『獅子渡り鼻』
  • |候補| 第35回野間文芸新人賞(平成25年/2013年)『獅子渡り鼻』
  • 第152回芥川賞(平成26年/2014年下期)「九年前の祈り」
備考
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芥川賞 第128回候補  一覧へ

すいしにん きかん
水死人の 帰還」(『文學界』平成14年/2002年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第56巻 第10号  別表記10月号
印刷/発行年月日 発行 平成14年/2002年10月1日
発行者等 編集人 細井秀雄 発行人 鈴木文彦 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 目次 150枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 86~139
(計54頁)
測定枚数 174
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書誌
>>平成27年/2015年6月・文藝春秋刊『水死人の帰還』所収
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候補者 小野正嗣 男32歳
選考委員 評価 行数 評言
黒井千次
男70歳
0  
三浦哲郎
男71歳
0  
宮本輝
男55歳
0  
古井由吉
男65歳
0  
高樹のぶ子
女56歳
9 「私の△の他には△が一つだけの寂しい状況だった。この文体から装飾を取り除いたら何が残るか、という問いかけに、試みとしての文学の限界を感じた。」
石原慎太郎
男70歳
0  
河野多恵子
女76歳
5 「書きたいことがしっかり把握されていない。そして、低俗な文章には何かの企図がありそうだが、結局低俗以外の何ものでもない。」
村上龍
男50歳
0  
池澤夏樹
男57歳
15 「授賞に価する出来ではなかった。」「細い痩せた樅の木にたくさんの飾りを付けたクリスマス・ツリーのようで、文飾と文体を混同しているのではないかと思う。」
選評出典:『文藝春秋』平成15年/2003年3月号
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芥川賞 第139回候補  一覧へ
「マイクロバス」(『新潮』平成20年/2008年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「今年104年目の文芸誌」「The Shincho Monthly」併記
巻号 第105巻 第4号  別表記4月号/1239号
印刷/発行年月日 発行 平成20年/2008年4月1日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 388 表記上の枚数 表紙・目次 160枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 66~113
(計48頁)
測定枚数 155
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書誌
>>平成20年/2008年7月・新潮社刊『マイクロバス』所収
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候補者 小野正嗣 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
石原慎太郎
男75歳
0  
高樹のぶ子
女62歳
0  
池澤夏樹
男63歳
0  
村上龍
男56歳
0  
川上弘美
女50歳
9 「この世界の見えかた。そのことをどう描くかということにおいて、この作者の選ぶやり方が好きです。主人公が「知恵の足りない」人であることが、物語をどこかあちらの方へ収斂させてしまった。残念です。」
黒井千次
男76歳
0  
宮本輝
男61歳
0  
小川洋子
女46歳
6 「丁寧に作り上げられた場所の魅力に引っ張られて読んだ。海と山に潜む死の記憶に閉ざされ、時間の淀みに取り残された町の感触が生々しく残った。」
山田詠美
女49歳
6 「言葉による濃密なトリックアートを目の当たりにしたような読後感。けれども、そう感じて推したのは私だけ。やはり、猛暑には、くど過ぎたか。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年9月号
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芥川賞 第148回候補  一覧へ

ししわた ばな
獅子渡り 鼻」(『群像』平成24年/2012年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」  別表記表紙 「GUNZO」併記 目次 「GUNZO」
巻号 第67巻 第11号
印刷/発行年月日 印刷 平成24年/2012年10月5日 発行 平成24年/2012年11月1日
発行者等 編集人 佐藤とし子 発行人 市田厚志 印刷人 金子眞吾 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 372 表記上の枚数 表紙・背・目次 210枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 19~84
(計66頁)
測定枚数 213
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書誌
>>平成25年/2013年1月・講談社刊『獅子渡り鼻』
>>平成27年/2015年7月・講談社/講談社文庫『獅子渡り鼻』
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候補者 小野正嗣 男42歳
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女66歳
13 「限られた土地をめぐる閉鎖的な人間たちと宿痾のような出来事は、濃密な匂いを発している。」「その完成度を認めるも、この虚構世界が現実の我々とどう繋がっているのかが解らない。」
小川洋子
女50歳
13 「八百万円の外車を傷つけるのに十円玉では釣り合わない、やっぱり五百円玉でなければ、と考えるような瑞々しい感性と、兄にイルカを会わせられなかったのは自分のせいだ、と信じ込む優しさを持った尊のそばに、私はただ黙って寄り添っていたかった。」
宮本輝
男65歳
15 「黒田さん(引用者注:「abさんご」)に次いで票が集まった。登場人物がみな生彩を放ってよく書けているが、クレオール文学の手法としてしばしば使われる「語り部」が、この小説では作者自身になっているために、語り部が主人公の少年の心を説明するだけの存在でしかない。」
山田詠美
女53歳
16 「時々、もう少し文章を整理して書いてくれないかなー、と苛々した。」「後半のバスの中のシーンを軸にして構築し直したら、緊張感のある良い作品になったと思う。」
川上弘美
女54歳
44 「作中に書かれている「大きな力」。これはつまり、自然そのものであると、わたしは解釈しました。本作は、自然そのものの不思議を描こうとした作品なのではないでしょうか。」「(引用者注:「abさんご」とともに)○をつけました。」
奥泉光
男56歳
18 「本作を編むにあたって作者はいくつかの「物語」を導入するのだが、その結果、定型性の匂いがしてしまうのは、覚悟の上とはいえ、どうだったのか。」「他に推す選考委員があれば、こちらも受賞作でよいのではと自分は考えていたのだが、そういう展開には残念ながらならなかった。」
堀江敏幸
男49歳
27 「母の故郷である海辺の集落で夏の休みを過ごすためにやってきた、十歳の少年。(引用者中略)当時の日々を描く部分のリアリズムと、ラストに置かれた、過去における未来のお告げの、非日常的な飛躍が心に残る。ただ、前者の濃度をもう少し薄くしても、この物語は十分成立し得たかもしれない。」
村上龍
男60歳
10 「作者には、今後、たとえばル・クレジオのような作品を期待したい。「正統な音楽教育を受けた歌手がなぜかあえて演歌を歌う」というような作品ではなく、演歌が成立するような地平から堂々とアリアを聞かせる、というような作品を読みたいと思う。」
島田雅彦
男51歳
15 「少年の意識に大人の分析的介入があり、そこがどうも気になる。」「本作では(引用者注:作者のこれまでの作品より)もっと子ども視点に寄り添った素朴な物語の構築を試みたであろうことはよくわかる。しかし、そのことで人物像が類型化してしまったように感じられた。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年3月号
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芥川賞 第152受賞  一覧へ

きゅうねんまえ いの
九年前の 祈り」(『群像』平成26年/2014年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」  別表記表紙・背・目次 「GUNZO」併記
巻号 第69巻 第9号
印刷/発行年月日 印刷 平成26年/2014年8月7日 発行 平成26年/2014年9月1日
発行者等 編集人 佐藤とし子 発行人 唐木 厚 印刷人 金子眞吾 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 388 表記上の枚数 表紙・目次・本文 160枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 7~57
(計51頁)
測定枚数 161
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書誌
>>平成26年/2014年12月・講談社刊『九年前の祈り』所収
>>『文藝春秋』平成27年/2015年3月号
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候補者 小野正嗣 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
小川洋子
女52歳
37 「たった一度のカナダ旅行の記憶が取り込まれることにより、物語にいっそうの奥行きが生まれた。旅の思い出としては何の魅力もないはずの一瞬が、小さな光となって希敏とさなえに少しずつ射し込んでくる。」「何ものかの計らいにより、九年前の祈りがさなえの背後に立つ悲しみと響き合う時、彼らが立つ地面の温もりが伝わってくるようだった。」
奥泉光
男58歳
10 「やや捉えにくいところがあるけれど、レトリックを巧みにちりばめ、音楽性のある散文を作らんとする作者の狙いは実現して、捉えにくさも、むしろそれが魅力であるとの読みができると思え、当選作と推したいという意見に積極的に賛成した。」
高樹のぶ子
女68歳
11 「前作までの「浦」に立ちこめていた陰湿な臭いが消えた分、明るく軽く立ち入りやすくなったが、物足りなさも感じた。こだわりの勝利か。」
山田詠美
女55歳
22 「主人公と関わり合うすべての男たちが、「男目線からのステレオタイプ」のように私には思える。その分、女たちの存在感はすごいが、その存在感が私には「作者のひいき目」のように感じられてしまうの。」「この作者は、あくまで女の味方のように、彼女を生まれ変わらせる。その静かな再生の気配に寄り添えるか、否か。私は残念ながら後者だった。」
宮本輝
男67歳
20 「最初の投票で過半数を得ていた。」「ひとつの小説のなかのパーツであって、これ一作で完成品として評価するわけにはいかないと思い、積極的には推せなかった」「しかし、ふるさとの持つ力、そのふるさとの人々の包容力が、主人公の置かれた厳しい境遇に一種楽観的な光明を与える結末は、小野氏の真の持ち味がやっと具象化されてきた証だと思う。」
堀江敏幸
男51歳
23 「収束を目指さないためには、不協和音が必要だ。」「「九年前の祈り」にはそれがある。」「悲しみを悲しみと名指さなくとも、つながれた二人の手だけで祈りは成立している。最後の和音は、書き手ではなく物語が要請したものだろうと私は読んだ。」
島田雅彦
男53歳
13 「女たちの存在感が強い母権的土地柄の人間関係を、カナダ人の流れ者と結婚したヒロインの里帰りとカナダ旅行の顛末を通じて、描いているが、コトバを持たない幼い息子「希敏」の反応がその土地との確執を感じさせる巧みな構成になっている。」
村上龍
男62歳
39 「以前この作者に関して、「『正統な音楽教育を受けた歌手がなぜかあえて演歌を歌う』というような作品ではなく、演歌が成立するような地平から堂々とアリアを聞かせる、というような作品を読みたいと思う」と書いて、例としてル・クレジオの名前を挙げた。」「作者は、母親の普遍的な愛情をあえて愚直に示すことで、堂々とアリアを歌ってみせたのではないか、そういうことを思った。」
川上弘美
女56歳
38 「作者には、書きたいことがある。そしてきっと、伝えたい相手もいる。その切実さを感じました。」「小説というかたちで差し出したからこそ、作者の書いたことは伝わったのだと思います。それでこそ、小説を書く甲斐があるというものではないでしょうか。」「第一に推し(引用者中略)ました。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年3月号
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