芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
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Last Update[H27]2015/11/28

池澤夏樹
Ikezawa Natsuki
生没年月日【注】 昭和20年/1945年7月7日~
在任期間 第114回~第145回(通算16年・32回)
在任年齢 50歳5ヶ月~65歳11ヶ月
経歴 北海道帯広市生まれ。埼玉大学理工学部物理学科中退。世界各地を旅行、帰国後の昭和53年/1978年に詩集を発表。翻訳、エッセイを手がけ、のち小説創作を始める。
受賞歴・候補歴
  • 第13回中央公論新人賞(昭和62年/1987年度)「スティル・ライフ」
  • 第98回芥川賞(昭和62年/1987年下期)「スティル・ライフ」
  • |候補| 第25回谷崎潤一郎賞(平成1年/1989年)『真昼のプリニウス』
  • |候補| 第11回野間文芸新人賞(平成1年/1989年)『真昼のプリニウス』
  • 第41回小学館児童出版文化賞(平成4年/1992年)『南の島のティオ』
  • 第44回読売文学賞[随筆・紀行賞](平成4年/1992年)『母なる自然のおっぱい』
  • 第29回谷崎潤一郎賞(平成5年/1993年)『マシアス・ギリの失脚』
  • 第5回伊藤整文学賞[評論部門](平成6年/1994年)『楽しい終末』
  • 第5回JTB紀行文学大賞(平成8年/1996年)『ハワイイ紀行』
  • 紫綬褒章(平成9年/1997年)
  • 第54回毎日出版文化賞[第1部門(文学・芸術)](平成12年/2000年)『花を運ぶ妹』
  • 第51回芸術選奨文部科学大臣賞[文学部門](平成12年/2000年度)『すばらしい新世界』
  • 第13回宮沢賢治賞(平成15年/2003年)『言葉の流星群』
  • 第7回司馬遼太郎賞(平成15年/2003年)
  • 第3回親鸞賞(平成16年/2004年)『静かな大地』
  • 第8回桑原武夫学芸賞(平成17年/2005年)『パレオマニア 大英博物館からの13の旅』
  • |候補| 第32回川端康成文学賞(平成18年/2006年)「20マイル四方で唯一のコーヒー豆」
  • 紫綬褒章(平成19年/2007年)
  • |候補| 第34回川端康成文学賞(平成20年/2008年)「ヘルシンキ」
  • 第64回毎日出版文化賞[企画部門](平成22年/2010年)『世界文学全集』《個人編集》
  • 朝日賞(平成22年/2010年度)"世界的視野に基づく創作・評論活動と文学全集の編集"
芥川賞候補歴 第98回受賞 「スティル・ライフ」(『中央公論』昭和62年/1987年10月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 114 平成7年/1995年下半期   一覧へ
選評の概要 地の力 総行数37 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男50歳
候補 評価 行数 評言
男48歳
11 「推した。これはまずもって力に満ちた作品である。登場人物の一人一人が元気で、会話がはずみ、ストーリーの展開にも勢いがある。」「全体としてみればこれは一つの御嶽(ルビ:ウタキ)の縁起譚だから、当然民話的な要素がたっぷり含まれているが、それが日常生活の場へそのまま通底しているのが沖縄という土地の二重性であり、力の源泉でもある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年3月号)
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芥川賞 115 平成8年/1996年上半期   一覧へ
選評の概要 闇から闇へ 総行数37 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男51歳
候補 評価 行数 評言
女38歳
18 「『今昔物語』以来の変身譚の系譜を踏まえた上で、いかにも昨今らしく、しかしやはりどことなく古風に、まとめた佳品である。」「いきなりの蛇の登場を読者に納得させるところはうまいし、ものすごい速さで流れてゆく部屋の中で蛇と互いに首を締め合っているという終わりも見事。」「この作の受賞には全面的に賛成。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年9月号)
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芥川賞 116 平成8年/1996年下半期   一覧へ
選評の概要 棄権者の告白 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男51歳
候補 評価 行数 評言
女28歳
12 「それぞれの場面はおもしろいのだが、その効果がつながって一つの流れを形成していない。」「後半に出てくる深見という老いた彫刻家との関わりも絵柄としては派手ながら意味が取りにくい。全体として、何本も柱を立てているのに、それがどれも梁に届いていない感じ。」
男37歳
15 「一番の問題は、中心人物の内面を描きえない設定を最初にしてしまったことにある。会話が禁じられている刑務所の中で、看守である語り手が囚人である当の人物の複雑で矛盾を孕んだ心を論ずるのはむずかしい」「敢えて古めかしい、硬い、作者自身が使い慣れているとは思えない文体を採用した点も認めがたい。」
  「強く推せる作品がないまま選考の場に赴くのは気が重い。今回は候補作はそれぞれに一応の出来ながら、どれもが一人立ちできるだけの格を備えていないように思われた。」「まだ三回目の新米選考委員として、(引用者注:「家族シネマ」と「海峡の光」の)二作受賞か受賞作なしかという判断を迫られ、考えたあげく棄権した。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成9年/1997年3月号)
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芥川賞 117 平成9年/1997年上半期   一覧へ
選評の概要 誠意と技術 総行数39 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男52歳
候補 評価 行数 評言
男36歳
9 「民話(寓話ではない)の形を借りて五十年前の戦争の後遺症を巧みに描く。」「他の候補作がみなどこかで文学を(人生を?)なめているのに対して、この作品だけは誠実にテーマに向き合い、しかも充分な技術があるおかげで自己満足に陥っていない。受賞に値すると判断した所以である。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成9年/1997年9月号)
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芥川賞 118 平成9年/1997年下半期   一覧へ
選評の概要 蛮勇の限界 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男52歳
候補 評価 行数 評言
阿部和重
男29歳
23 「推した。難点はいろいろあるけれども、それを超えて蛮勇に近い勇気がある。」「自分勝手な思い込みと自己弁護・自己説明に終始するパラノイアの主人公を見事に作り出している。ストーカーとしての「先生」の性癖が「私」に移るからくりもおもしろい。」「言葉の過剰、無駄口ぶりが巧妙にこの種の人物像の典型を作っている。」「一次選考の段階で五つの候補作品に投じられた積極票四票(全体でたった四票!)のうちの二票はこれに寄せられたものだ。蛮勇の力と限界。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成10年/1998年3月号)
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芥川賞 119 平成10年/1998年上半期   一覧へ
選評の概要 何か足りない 総行数35 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男53歳
候補 評価 行数 評言
男39歳
11 「実にうまくできた話で、どこにも隙がない。」「しかし何か足りない。この小さな物語を壊しかねない要素は持ち込むまいという作者の意図が見える気がする。」「授賞には異論はないが、次はまた前のような冒険をしてほしい。」
男43歳
21 「推すことはできなかった。派手な場面を次々に駆動してゆく力はすごいが、それを背後で支えている論理的骨格は細い。主人公一人が動いて、その他の人物は人形のよう。」「テーマが結論に至らぬまま次々変わってゆくのもおちつかない。」「傑作『笑う山崎』を書いた実力者を正当に評価できる作品と舞台ではなかったように思う。」
  「作品を書く方はその時々目前の目的に夢中になって書くが、批評する側はもっと突き放して見る。一緒になって熱中できるような作品にはなかなか出会えない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成10年/1998年9月号)
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芥川賞 120 平成10年/1998年下半期   一覧へ
選評の概要 知的構築 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男53歳
候補 評価 行数 評言
赤坂真理
女34歳
24 「おもしろかった。」「自分の中で多くの意識が勝手に喋っているというのは、筒井康隆が書けば一つの設定であったが、赤坂は現実である。その描写はリアルで、リズミックで、読む快感に満ちている。いい文章だ。」「ぼくは授賞に値すると思ったけれど、残念ながら充分な数の賛同を得られなかった。」
男23歳
14 「知的に構築された小説としておもしろかった。もっとスマートな書きかたがあっただろうというのは若くない者の愚痴で、あちらこちら荒削りなのは一種の腕力の証明として好ましい。」「こういう座興的な議論の土台となる小説は、もちろん拍手と授賞に値する。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成11年/1999年3月号)
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芥川賞 121 平成11年/1999年上半期   一覧へ
選評の概要 受賞作なしの理由 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男54歳
候補 評価 行数 評言
松浦寿輝
男45歳
12 「欠点は多々ある。文体がゆるい。」「プロットのとどこおりもあるし、もっと短い話に向いたアイディアを無理に伸ばした感は拭えない。」「しかし、隠遁者の暮らしという日本文学古来のテーマは見事に再利用されているし、事件らしい事件もないままに読ませる吉田健一風の展開も悪くない。」「ここで賞を出してもいいのではないかと思ったが、多数意見にはならなかった。」
  「授賞の閾値をどこに置くかはすべての賞につきまとう問題である。」「今回などはもっとも判断がむずかしい例だったようだ。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成11年/1999年9月号)
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芥川賞 122 平成11年/1999年下半期   一覧へ
選評の概要 まったく違う傾向の三作 総行数33 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男54歳
候補 評価 行数 評言
男34歳
11 「秀作である。」「周囲の人物の配置もいいし、野球の使いかたもうまい。なによりも主人公ソバンの、臆しながらも時として意地を見せる、そしてすぐにまたそれを引っ込める、柔軟というかいい加減というか、その性格が好ましい。」「受賞に値する作であると考えて推した。」
楠見朋彦
男27歳
11 「ぼくには最もおもしろかった。」「敢えてリアリティーのないそのレポートの積み重ねが、通奏低音のような効果を上げて、残酷もまた想像力の産物であることを教える。欠陥はいろいろあるが、ボディーはしっかりしている。このような創作の姿勢は注目に値する。」
男→女37歳
11 「気持ちのよい作品である。」「しかしマルオとヒカルが同性愛者であることはこの軽さにどう関わるか。女の前で肩を張って男を演じる必要がないからマルオは飄々としているのか。それともさんざ迫害された果ての達観なのか。」「もう少し歯ごたえがほしいとも思ったが、受賞に反対はしない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成12年/2000年3月号)
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芥川賞 123 平成12年/2000年上半期   一覧へ
選評の概要 割れた評価と健全な批評性 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男55歳
候補 評価 行数 評言
男38歳
12 「いよいよ達者になってきて、「きれぎれ」は見事な仕上がりだった。」「ここまで密度の高い、リズミックかつ音楽的な、日本語の言い回しと過去の多くの文学作品の谺に満ちた、諧謔的な、朗読にふさわしい、文章を書けるというのは嘆賞すべき才能である。」
男46歳
8 「前候補作「幽(かすか)」に比べて一段劣ると思われた。」「伊関という相手を設定したのに、この相手との会話がまことに陳腐。打つ手がどれも後手に回ってしまうというか、どうも駆動力が不足して話が息切れしている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成12年/2000年9月号)
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芥川賞 124 平成12年/2000年下半期   一覧へ
選評の概要 この二作品の間に 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男55歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
16 「言ってみれば破綻だらけだ。エッセーから小説になりきっていない。細部がゆるい。タイトルに魅力がない。」「しかし、内奥にはなかなか凄いものがある。ヨーロッパ人の思考法の精髄をさりげなく取り出して並べる手つきがいい。軽い展開の中に重い原石が散りばめられている。」「こういうものをありがたがるのは日本人のヨーロッパ・コンプレックスだという意見があったがそれは逆。もうヨーロッパに学ぶものはないと言い張る心理がヨーロッパ・コンプレックスである。」
男42歳
17 「緻密で技術的な作品である。」「中心にあるテーマは「生きていくには信心はいらないが、死んでいくには信心がいる」という言葉である。ずいぶん安直な宗教観だと言うのは簡単だけれど、このあたりが死を前にした今の日本人の基本姿勢なのだろう。」「きちんと書けていて破綻もないし、受賞に価すると信じるが、それを突き抜けたものがない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成13年/2001年3月号)
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芥川賞 125 平成13年/2001年上半期   一覧へ
選評の概要 共感の有無について 総行数38 (1行=24字)
選考委員 池澤夏樹 男56歳
候補 評価 行数 評言
阿部和重
男32歳
17 「おもしろかった。」「ぼくはこの話に乗った。作者と共に主人公の動きを追うことができた。共感した。」「今回この作品を評価したのはほとんどぼく一人だった。技術的な問題点が多数指摘されたが、共感できないとどうしても欠点探しに走る。」
男45歳
7 「前回の候補作よりずっと上手になった。筋立てがすっきりしてわかりやすい(その分軽くなったという気もするが)。今の日本の地方のもう若くない人々の思想を、宗教と死生観をキーワードにうまく表現している。安定した力がある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成13年/2001年9月号)
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芥川賞 126 平成13年/2001年下半期   一覧へ
選評の概要 時代の雰囲気の大きな違い 総行数65 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男56歳
候補 評価 行数 評言
男29歳
35 「おもしろかった。この母と息子は今回の候補作六篇の登場人物の中で最も鮮やかな印象を残した。」「まずは毅然と生きる母に共感を覚える。次に、それを肯定しながら、一歩の距離をおいて母を見て育つ息子の方にも共鳴する。」「母と子の暮らしはいくつものエピソードを連ねて語られるが、その一つ一つがとてもうまく作られている。」
選評出典:『文藝春秋』平成14年/2002年3月号
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芥川賞 127 平成14年/2002年上半期   一覧へ
選評の概要 ターニャの挨拶 総行数67 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男57歳
候補 評価 行数 評言
黒川創
男41歳
26 「今回の候補作の中では(引用者中略)最も意に叶った。」「人物の造形がきちんとしていて、その造形に意味がある。」「最もめざましい場面は最後のターニャの挨拶。こういう姿勢で生きる人間を失ったのが今の日本だということをしみじみと教える見事なスピーチである。」
星野智幸
男37歳
12 「おもしろかった。あまりに作り物めいているという批判があることは充分に予想できるが、世の中には作り物でなければ伝えられない真実もある。」
男33歳
17 「ぼくはまったく評価できなかった。現代風俗のスケッチとしても、もう少し何か核になる話があってもよかったのではないか。」「この話の中のすべての会話を『イカロスの森』のターニャの挨拶一つと比べていただければぼくの真意は伝わるだろう。」
選評出典:『文藝春秋』平成14年/2002年9月号
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芥川賞 128 平成14年/2002年下半期   一覧へ
選評の概要 かくも内向的な傾向 総行数65 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男57歳
候補 評価 行数 評言
女36歳
13 「賞を惜しんではいけないと思って最後に推したけれども、不満は多々残った。うまいと言えばうまいし、最後の障子越しの場面は悪くないが、やはり輪郭の小さな話なのだ。」
  「選考委員の中に日野啓三さんの顔がないのは淋しいことだった。残り九名という人数のせいもあるが、議論がぐっと萎縮してしまった感じ。今回は積極的に推される作が少なかったということもあるのだが。」
選評出典:『文藝春秋』平成15年/2003年3月号
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芥川賞 129 平成15年/2003年上半期   一覧へ
選評の概要 「夏休み」の問題 総行数52 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男58歳
候補 評価 行数 評言
男42歳
8 「ぼくの好みではないが、しかし暴力という大きな主題を正面から扱ってしっかり構築されていることは認めなければならない。」「授賞には反対しないことにした。」
選評出典:『文藝春秋』平成15年/2003年9月号
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芥川賞 130 平成15年/2003年下半期   一覧へ
選評の概要 若い人々 総行数48 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男58歳
候補 評価 行数 評言
絲山秋子
女37歳
5 「ふわふわと気持ちよく読めて推したのだが、賛同を得られなかった。こういう作風の評価は分析ではなく好悪で決まってしまうから。」
女20歳
9 「なにしろ痛そうな話なので、ちょっとひるんだ。道具立ては派手だが、これもまた一種の純愛なのだろう。」
女19歳
13 「高校における異物排除のメカニズムを正確に書く伎倆に感心した。その先で、(引用者中略)人と人の仲を書く。すなわち小説の王道ではないか。」
  「この賞の選考委員はぼくも含めてみな中年以上だから、若い人々に対する偏見がある。今の子供たちには文学はわからないと言ってしまうことが多い。」「そんなことはないと実証するには作品が必要。その意味で今回受賞の二作(引用者注:「蛇にピアス」「蹴りたい背中」)は見事だった。」
選評出典:『文藝春秋』平成16年/2004年3月号
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芥川賞 131 平成16年/2004年上半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数51 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男59歳
候補 評価 行数 評言
舞城王太郎
不明30歳
29 「推した。」「ここでは言葉は愛という真実の周りをぐるぐる巡るばかりで、決して内部に切り込めない。愛という言葉を聞いて育った世代が、いざ自分の番になってみると、それを実感として受け止められない。」「まるで奥行きのない、いわば文学のスーパーフラットとも言うべき文体が大変に効果を上げている。」「全体として相当な力量だと思ったのだが、多勢に無勢、授賞の見込みはまったくなかった。」
男33歳
11 「話の中心には祖母と母と語り手という聖家族がおり、ここにだけ介護を通じて発見された本当の愛がある。作者はこの発見を世に伝えるために小説という手段に訴えたかのごとくで、この初々しさは好ましい。」
選評出典:『文藝春秋』平成16年/2004年9月号
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芥川賞 132 平成16年/2004年下半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数55 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男59歳
候補 評価 行数 評言
田口賢司
男44歳
17 「ぼくの好みに叶うものだった。伝書鳩サムの話なんて哀切でうっとりする。」「だからまずはこれを推したけれど、それはぼくの好みの表明であって、これが受賞するとは思わなかった。他の委員からの支援もほとんどなかった。」
男36歳
13 「今から受賞作として広く読まれるべきは何か。阿部和重さんの「グランド・フィナーレ」以外にはないだろう。」「これは受賞に価する作品である(本当は前回の候補作の「ニッポニアニッポン」で受賞できればよかったのだが)。」
選評出典:『文藝春秋』平成17年/2005年3月号
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芥川賞 133 平成17年/2005年上半期   一覧へ
選評の概要 他者について 総行数48 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男60歳
候補 評価 行数 評言
男27歳
16 「前二作に比して小説としての体裁がずっとよくなったとは思った。ただ、この作も骨格は要するに自問自答なのだ。対話があるとすれば相手は過去の自分であり、その周辺にエピソードが並べられるという構図で、ここには真の他者がいない。」
  「最近、芥川賞の選考会の議論がおもしろいと思うようになった。」「そこで他の委員たちの意見を聞くのが楽しい。今回ならば中村文則さんの「土の中の子供」についての盟友村上龍の意見は瞠目に値した」
選評出典:『文藝春秋』平成17年/2005年9月号
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芥川賞 134 平成17年/2005年下半期   一覧へ
選評の概要 恋愛でない男女の仲 総行数44 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男60歳
候補 評価 行数 評言
女39歳
25 「この作の要点は恋愛ではない女と男の仲である。」「今回の作でこの二人の仲を描くのに力あったのは彼らの職場の生き生きとした記述だ。」「ふだんの友情はぬるいものだから、そのままではドラマ性が薄い。事故を契機に星形ドライバーが用いられることによって、短篇としての結構ができあがる。見事な話だと思う。」
  「このところ芥川賞は周囲がいやに騒々しい。候補作の作者への事前取材など当人たちにとっては辛いばかりだろうし、ある種の抑制が必要ではないか、と苦言を呈しておく。」
選評出典:『文藝春秋』平成18年/2006年3月号
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芥川賞 135 平成18年/2006年上半期   一覧へ
選評の概要 他ジャンルからの乱入 総行数44 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男61歳
候補 評価 行数 評言
男35歳
5 「授賞に反対はしないが、元気な水城さんとの一日に比べて妻との過去は類型を脱していない印象だった。」
  「前回も思ったが、なんでこんなにビョーキの話ばかりなのか? まるで日本全体がビョーキみたい。」
選評出典:『文藝春秋』平成18年/2006年9月号
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芥川賞 136 平成18年/2006年下半期   一覧へ
選評の概要 少数意見者の弁明 総行数43 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男61歳
候補 評価 行数 評言
田中慎弥
男34歳
20 「おもしろかった。」「太宰治や町田康の偽悪的饒舌に通じる文体で、最後まで聞いていたのは幼女一人という終わりの光景もいい。」「何よりもここには無謀な意図がある。破綻しかねないところをなんとかまとめている。その意図を買ったのだが、これを推したのはぼく一人だった。」
女23歳
15 「とても上手に書けた小説である。」「ペルソナの配置も、各エピソードも、文章もいい。しかし何かが足りない。田中(引用者注:慎弥)さんと違って、無謀な意図がない。」「これまた授賞に賛成しなかったのはぼく一人だった。」
選評出典:『文藝春秋』平成19年/2007年3月号
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芥川賞 137 平成19年/2007年上半期   一覧へ
選評の概要 哲学的英雄譚に拍手 総行数44 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男62歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
23 「おもしろかった。これは哲学的な英雄譚である。」「甥が遺された断片的な資料と自分の記憶のみを用いてこの男の像を描こうと悪戦苦闘する過程がそのまま小説となる。大事なのはこの困難な課題を積載できるだけのしっかりした文章の力を作者が持っていることだ。」
選評出典:『文藝春秋』平成19年/2007年9月号
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芥川賞 138 平成19年/2007年下半期   一覧へ
選評の概要 仕掛けとたくらみの小説 総行数45 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男62歳
候補 評価 行数 評言
女31歳
21 「仕掛けとたくらみに満ちたよい小説だった。」「二泊三日の滞在という短い時間内にきっちりとドラマが構築されている。」「最適な量の大阪弁を交えた饒舌な口語調の文体が巧みで、読む者の頭の中によく響く。」「樋口一葉へのオマージュが隠してあるあたりもおもしろい。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年3月号
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芥川賞 139 平成20年/2008年上半期   一覧へ
選評の概要 書きたいことがある 総行数42 (1行=14字)
選考委員 池澤夏樹 男63歳
候補 評価 行数 評言
女44歳
35 「授賞は、この人が書くものを我々はもっと読みたいという意思の表明である。」「その意味で、今回の候補作の中で最も授賞に値する」「巧拙を問うならば、これは最も完成度の高い作品ではなかったかもしれない。」「しかし、ここには書きたいという意欲がある。」「この二十年ほどの中国の庶民史を日本語で語ることに魅力があって、この人の書くものをもっと読みたいと思わせる。」
  「(引用者注:「時が滲む朝」以外の)他の候補作はそれぞれに工夫を凝らして巧みに書かれている。必ずしも「時が滲む朝」の前だから色あせて見えたわけではないが、しかしどれも一定のレベルを超えていない。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年9月号
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芥川賞 140 平成20年/2008年下半期   一覧へ
選評の概要 この内向的な姿勢 総行数45 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男63歳
候補 評価 行数 評言
田中慎弥
男36歳
11 「およそ無謀な企てであり、いくつかの点で破綻している。」「いかになんでも盛り込み過ぎ・作り過ぎ。それを承知で敢えてこの蛮勇の作を推したが、敗退した。」
女30歳
28 「巧緻な作品である。」「ぼくには(引用者注:主人公の女性)ナガセが生活の優等生のように見えた。作者もまた細部まで計算の行き届いた優等生、というのは言い過ぎだろうか。問題はこの生きかたを肯定する今の社会の側にあるのだから。」「うまいことは認める。しかし、みんな、こんなに内向きでいいのか?」
選評出典:『文藝春秋』平成21年/2009年3月号
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芥川賞 141 平成21年/2009年上半期   一覧へ
選評の概要 違う種類の文法 総行数47 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男64歳
候補 評価 行数 評言
男44歳
41 「小説には文法がある。敢えてそれを変えてみると、うまくいけばおもしろい結果が得られる。(引用者中略)その好例である。」「普通、小説の主人公は世界に向かって働きかけるものだが、『終の住処』では世界の方が彼の前でパフォーマンスを繰り広げる。」「この変わった文法の背後にガルシア=マルケスが隠れているのは間違いない。」
選評出典:『文藝春秋』平成21年/2009年9月号
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芥川賞 142 平成21年/2009年下半期   一覧へ
選評の概要 キャラからの自立 総行数83 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男64歳
候補 評価 行数 評言
舞城王太郎
不明36歳
83 「いろいろな意味で新しい面のある優れた小説であり、その新しさは正に時代が必要としているものだ。」「精神の成長と自立という主題が堂々と中心にある。」「かつて芥川賞は村上春樹、吉本ばなな、高橋源一郎、島田雅彦に賞を出せなかった。今の段階で舞城王太郎がいずれ彼らに並ぶことを保証するつもりはない。(引用者中略)それでも、今回の授賞作なしという結果の失点は大きいと思う。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年3月号
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芥川賞 143 平成22年/2010年上半期   一覧へ
選評の概要 ロマンチックではなく尊厳の問題 総行数196 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男65歳
候補 評価 行数 評言
女35歳
186 「賑やかなエピソードが次々に、短いセンテンスを連ねたアレグロの文体に乗せて届けられる。それによって読む方の謎はいよいよ深まり、最後の謎解きへと収斂する。」「かくも重い主題をかくも軽い枠に盛り込んだ作者の伎倆は尋常でない。タイトル一つを取っても、「乙女」という軽い非現実的な言葉に「密告」という重い言葉をつないで訴えかけ、しかも内容を見事に要約している。このような力ある知的な作家の誕生を喜びたい。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年9月号
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芥川賞 144 平成22年/2010年下半期   一覧へ
選評の概要 時間をめぐる離れ業 総行数104 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男65歳
候補 評価 行数 評言
女26歳
104 「時間というテーマを中心に据えた作品である。抽象的なものを具体的に語るのが小説だとすれば、これは希有な成功例と言うことができる。」「いくつもの時や光景や感情がアニメのセルのような透明な素材に描かれ、それを何枚も重ねて透かし見るような、しかもその何枚もの間に適切な間隔がおかれて空気遠近法の効果があるような、見事な構成。」「更に、この凝った構成を支える力としてエピソードと場面の創造力がある。」
男43歳
0  
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
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芥川賞 145 平成23年/2011年上半期   一覧へ
選評の概要 メタフィクション 総行数90 (1行=13字)
選考委員 池澤夏樹 男66歳
候補 評価 行数 評言
円城塔
男38歳
90 「ふわふわとして、ユーモラスで、このゆるさは値打ちがある。「わたしの筆跡は、わたし自身が真似しやすいようにできている」という自己言及的なセンテンスのナンセンスの風味が全体に充満している。」「ぶっ飛びすぎていて読者を限定するものであることは否定できない。純文学の雑誌がこれを掲載したこと、それがこの賞の候補作となって選考の場に登場したことに(授賞はまず無理だろうと思う一方で)ぼくは小さな感動を覚えた。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年9月号
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