芥川賞のすべて・のようなもの
第143回
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Last Update[H29]2017/12/11

赤染晶子
Akazome Akiko
生没年月日【注】 昭和49年/1974年☆月☆日~平成29年/2017年9月18日
受賞年齢 35歳
経歴 京都府宇治市出身。京都外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒、北海道大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻修士課程修了、同博士課程中退。平成16年/2004年に文學界新人賞を受賞。
受賞歴・候補歴
  • 第99回文學界新人賞(平成16年/2004年)「初子さん」
  • 第143回芥川賞(平成22年/2010年上期)「乙女の密告」
  • |候補| 第28回織田作之助賞(平成23年/2011年)『WANTED!!かい人21面相』
備考
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芥川賞 第143受賞  一覧へ

おとめ みっこく
乙女の 密告」(『新潮』平成22年/2010年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「今年106年目の文芸誌」「The Shincho Monthly」併記
巻号 第107巻 第6号  別表記1265号
印刷/発行年月日 発行 平成22年/2010年6月7日 発売 平成22年/2010年5月7日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 420 表記上の枚数 表紙・背・目次 110枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 128~163
(計36頁)
測定枚数 115
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書誌
>>平成22年/2010年7月・新潮社刊『乙女の密告』所収
>>『文藝春秋』平成22年/2010年9月号
>>平成25年/2013年1月・新潮社/新潮文庫『乙女の密告』
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候補者 赤染晶子 女35歳
選考委員 評価 行数 評言
小川洋子
女48歳
163 「アンネにとっての密告と、女子大生の間の告げ口では恐怖のレベルが違いすぎる、という意見もあった。そう、確かにその通りだと思う。ただ、赤染さんはレベルの違う恐怖の間をつなぐ、細い糸を丹念にたどっている。」「目の前の人物を最も的確に表現できるものとして、人形とストップウォッチを選ぶ赤染さんは、社会の貼るレッテルに惑わされず、人間の真実を描写できる作家であろう。」
黒井千次
男78歳
32 「構えの大きさとその中で話を展開しようとする姿勢に好感を抱いた。」「意図がすべてうまく実現しているとは限らず、不足の部分も残りはするが、しかしこの構築の試みには剛直とでも呼べそうな力がこもっている。」
村上龍
男58歳
51 「わたしは(引用者中略)推さなかった。題材そのものが苦手ということの他に、物語の核となる「ユダヤ人問題」の取り上げ方について違和感を持ったからだった。」「人種差別は絶対的な悪だが、悲しいことに誰もが密告者になり得るという真実は、もっと緻密に、そして抑制して書かなければいけないと思う。」
池澤夏樹
男65歳
186 「賑やかなエピソードが次々に、短いセンテンスを連ねたアレグロの文体に乗せて届けられる。それによって読む方の謎はいよいよ深まり、最後の謎解きへと収斂する。」「かくも重い主題をかくも軽い枠に盛り込んだ作者の伎倆は尋常でない。タイトル一つを取っても、「乙女」という軽い非現実的な言葉に「密告」という重い言葉をつないで訴えかけ、しかも内容を見事に要約している。このような力ある知的な作家の誕生を喜びたい。」
川上弘美
女52歳
23 「全体にただよう諧謔が、とても好きです。」「アイデンティティーを否定しなければアンネが生きてゆけなかった、という(引用者中略)その苦しみと、「乙女」であることについての主人公のアイデンティファイのしかたのつながりにかんしては、わたしはほんの少しの危惧を感じました。「乙女」という言葉だけで、「乙女性」を表現しているから、ではないでしょうか。」
石原慎太郎
男77歳
19 「今日の日本においてアンネなる少女の悲しい生涯がどれほどの絶対性を持つのかは知らぬが、所詮ただ技巧的人工的な作品でしかない。こんな作品を読んで一体誰が、己の人生に反映して、いかなる感動を覚えるものだろうか。アクチュアルなものはどこにも無い。」「日本の現代文学の衰弱を表象する作品の一つとしか思えない。」
山田詠美
女51歳
14 「久し振りに、言葉が一番! の小説を読んだ気持。机上の空論ならぬ机上の暴論が、あちこちに出現して、おもしろくって仕方なかった。小説の世界だけに存在するユーモアは稀少価値。」
高樹のぶ子
女64歳
24 「知的でテクニカルな才能を感じさせるけれど、生死のかかったアンネの世界に比べて、女の園の出来事が趣味的遊戯的で、違和感がぬぐえなかった。頭で考えられ、嵌め込まれた二つの世界だが、差別が発生する本質は同じだ、という他の委員の意見が印象に残った。」
宮本輝
男63歳
32 「巧みに戯画化されたユーモア小説として読んだが、多分にデフォルメされているのであろう女子大生たちやドイツ人教授が展開する一種のドタバタと、アンネ・フランクという実在した十四歳の少女とをリンクさせる手法を支持できなかった。」「ついに収容所で死んだ十四歳のアンネの居場所を密告したのが、ほかならぬアンネ自身であったという小説には、私はその造りが正しいか正しくないかの次元とは別の強い抵抗を感じて授賞に賛同しなかった。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年9月号
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