芥川賞のすべて・のようなもの
第125回
  • =受賞者=
  • 玄侑宗久
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Last Update[H27]2015/5/10

玄侑宗久
Gen'yu Sokyu
生没年月日【注】 昭和31年/1956年4月28日~
受賞年齢 45歳2ヵ月
経歴 福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒。数々の職に就いたのち、禅の修業時代を経て臨済宗僧侶となる。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第124回候補  一覧へ

みず へさき
水の 舳先」(『新潮』平成12年/2000年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「The shincho Monthly」併記
巻号 第97巻 第10号  別表記10月特大号/1149号
印刷/発行年月日 発行 平成12年/2000年10月1日
発行者等 編集兼発行者 前田速夫 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 388 表記上の枚数 目次 170枚 基本の文字組
(1ページ当り)
28字
×26行
×2段
本文ページ 167~214
(計48頁)
測定枚数 165
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書誌
>>平成13年/2001年4月・新潮社刊『水の舳先』
>>平成17年/2005年3月・新潮社/新潮文庫『水の舳先』
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候補者 玄侑宗久 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
三浦哲郎
男69歳
6 「(引用者注:「もどろき」と共に)興味深く読んだが、(引用者中略)納得しかねる部分があって推すまでには至らなかった。」「適確な描写力には注目した。けれども、最後の湯灌の場面は書きすぎだろう。」
宮本輝
男53歳
11 「前半は申し分ないのだが、死期の迫った女性が主軸となる後半部の、とりわけ最後の風呂場の湯灌の場面で、首をひねらざるを得ないという意見には納得するしかなかった。」
日野啓三
男71歳
0  
石原慎太郎
男68歳
0  
池澤夏樹
男55歳
0  
黒井千次
男68歳
0  
古井由吉
男63歳
29 「(引用者注:「聖水」と共に)生苦病苦からの快癒を願うばかりでなく、人を生から死へやすらかに渡す霊験のひそむものと、これを現に頼む人間の在るところの、「水」の話である。」「とにかく救いを求める切羽詰まった人の姿がそこにある。凄まじいほどにストイックなところまで行くが、かならずしもファナティックではない。絶望と楽天がひとつに融ける。それを見て取るだけの、広い目が両作品に備っていると思われる。」
田久保英夫
男72歳
0  
河野多恵子
女74歳
12 「「玄山」は僧侶の描いた僧侶に堕していない。作者の僧侶としての経験や認識が基盤になっておりながら、作家としての眼と姿勢が終始鮮やかに感じられ、私は専らこれを推した。」
村上龍
男48歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成13年/2001年3月号)
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芥川賞 第125受賞  一覧へ

ちゅういん はな
中陰の 花」(『文學界』平成13年/2001年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第55巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 発行 平成13年/2001年5月1日
発行者等 編集人 細井秀雄 発行人 鈴木文彦 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 目次 150枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 96~143
(計48頁)
測定枚数 142
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書誌
>>平成13年/2001年8月・文藝春秋刊『中陰の花』所収
>>『文藝春秋』平成13年/2001年9月号
>>平成14年/2002年12月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第19巻』所収
>>平成17年/2005年1月・文藝春秋/文春文庫『中陰の花』所収
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候補者 玄侑宗久 男45歳
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子
女75歳
15 「第一回目の投票で、すでに充分過半数以上の票を得ていた。」「私は三回の投票すべて、この二作(引用者注:「中陰の花」「サイドカーに犬」)に○を入れた。」「前回の候補作よりも確実に進歩していた。無駄な迂回がなくなり、しかもすっきり仕上ったことで作品が痩せるのではなく、豊かになっていて嬉ばしい。」
石原慎太郎
男68歳
24 「たいそう重い主題を扱っているが、その視点が僧侶のそれであるという点で説得性がある。」「現実に僧籍にある人がその職業的体験の中でこうした問題にまともに視点を据えてかかるというのは逆に珍しいし、作者の僧侶としての誠実さを感じさせもする。」
古井由吉
男63歳
40 「霊障を病む心は、霊異を求める心でもある。そして霊異はどうしても時代の表象に染まる。和尚はおのずと霊異をめぐる穏和な困惑のコンサルタントの役を担う。そのような場に置いてこそ、この「中陰の花」は、おかしく開く。」「依存の極致が、かえって依存から自由である、かのような「たたずまい」を見せる。「たたずまい」という言葉がこの際適切であるかどうかわからないが、私は目を惹かれた。」
宮本輝
男54歳
16 「安定した文章で、前作に散見されて幾人かの委員に指摘された構成上の傷の修復に努めて、それがうまく是正されている。」「この指摘された自分の欠点をすみやかに直せるというのは、出来そうで出来ない技である。」「前作の失敗を糧にして、あらたな作品を生み出したということに私は氏の才能を感じた。」
日野啓三
男72歳
41 「宗教と呪術の次元が重層する日本人の無意識の現実に、玄侑氏はほの暗くやさしく触れようとする。」「妻君の最後の呟きは、まさに普通の日本人の「無我」の境位を自然に言い当てているようで良い気持ちになることができた。」「ただ私としては、題材が題材なだけに文章全体がくすんできらめきが乏しいこと(引用者中略・注:などの)疑念から、積極的な評価(マル印)は控えた。」
池澤夏樹
男56歳
7 「前回の候補作よりずっと上手になった。筋立てがすっきりしてわかりやすい(その分軽くなったという気もするが)。今の日本の地方のもう若くない人々の思想を、宗教と死生観をキーワードにうまく表現している。安定した力がある。」
三浦哲郎
男70歳
18 「(引用者注:「ジャムの空壜」と共に)強い支持を集めることがあったら敢えて反対はしないと思っていた」「期待通り文章も構成も手堅く安定していて、安心して読めたが、前作に比べて感覚の躍動が抑えられて妙におとなしくなっているのが少々寂しく思われた。」「なによりも残念だったのは、紙縒のタペストリーについてどうしても鮮明なイメージが描けず、したがって末尾のウメさんの葬式の場面で肝腎の中陰の花のゆらめきを言葉でしか感じることができなかったことであった。」
村上龍
男49歳
3 「わたしの関心と遠い作品なので感想は控えたい。ただその筆力は間違いないと判断したので、最終投票では受賞に賛成の票を入れた。」
黒井千次
男69歳
14 「臨済宗の寺を預る僧侶の日常生活が、夫婦をはじめとする人間関係や衣食住の細部を通して浮かび上るところに作品の強みがある。」「現職の僧が教義や戒律に縛られることなく、迷う自由の中に生きている姿に共感を覚える。ただ、末尾に登場する紙縒の網のイメージが掴みにくかった。」「先回の候補作「水の舳先」に比してややおとなしく整い過ぎた感は残るものの、作者の持つ力量と可能性は明らかであり、受賞に賛成の票を投じた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成13年/2001年9月号)
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