芥川賞のすべて・のようなもの
第126回
  • =受賞者=
  • 長嶋 有
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Last Update[H28]2016/8/24

長嶋有
Nagashima Yu
生没年月日【注】 昭和47年/1972年9月30日~
受賞年齢 29歳3ヵ月
経歴 別名義=長嶋肩甲(俳句)、ブルボン小林(コラムニスト)。埼玉県草加市生まれ、北海道登別市・室蘭市育ち。東洋大学二部文学部国文学科卒。シヤチハタに勤めたのち作家デビュー。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第125回候補  一覧へ

いぬ
「サイドカーに 犬」(『文學界』平成13年/2001年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第55巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 発行 平成13年/2001年6月1日
発行者等 編集人 細井秀雄 発行人 鈴木文彦 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 54~82
(計29頁)
測定枚数 85
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書誌
>>平成14年/2002年1月・文藝春秋刊『猛スピードで母は』所収
>>平成17年/2005年2月・文藝春秋/文春文庫『猛スピードで母は』所収
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候補者 長嶋有 男28歳
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子
女75歳
14 「第二回目の投票で、半数の票を得た。」「私は三回の投票すべて、この二作(引用者注:「中陰の花」「サイドカーに犬」)に○を入れた。」「おどろくほどカンのよい人である。(引用者中略)省略――それも新しい省略の仕方をひそかに発見しつつあるらしい点から見ても、関心を抱かずにはいられない。「サイドカーに犬」は書くに足りるモチーフをもち、それがよく表現されていた。」
石原慎太郎
男68歳
8 「結婚という黙約で成り立つ家庭というものの現代的なもろさをいい感触の文体で描いてはいる。」「ただ母親不在という体験が一種のノスタルジーとして語られているのはむしろこの作品の弱さのような気がするが。いずれにせよこの作家の才能は確かなもののような気がする。」
古井由吉
男63歳
0  
宮本輝
男54歳
3 「私には淡彩すぎて芥川賞には推せなかった。もうひと味どころか、二味も三味も足りない。」
日野啓三
男72歳
37 「三度読み直しながら考えに考えてマル印をつけた」「透き徹るように新鮮なこの短篇に出会ったことで、今回の選考を私は長く記憶するだろう。」「とくに新しい思想や哲学があるわけでもなさそうなのに、この作品は新しい、と本能的に感ずる。」「何よりも、自分が犬になって、「凛として」サイドカーに行儀よく坐っているイメージの、言い難い象徴的魅力。」
池澤夏樹
男56歳
8 「読む者の共感を得やすく巧みに作られている。」「一九八〇年代の前半というよき時代への郷愁を誘う仕掛けもよくできている。しかしそれ以上ではない。何かが足りなくて、その何かは相当に大事な何かなのだ。」
三浦哲郎
男70歳
9 「辛い現実を描いた作品ながら、気持よく読めた。母が家を出てから毎日夕食を作りに自転車で通っている洋子さんというノッポの女がよく書けている。」「小味だが、捨て難い作品であった。」
村上龍
男49歳
25 「わたしは受賞に反対した。」「(引用者注:揺らいでいる核家族という)家族状況の中では確かに旧来の「葛藤」はないかも知れないが、その代わりに「他者との出会い」があるはずだ。『サイドカーに犬』には、葛藤はもちろんなく、しかし「他者との出会い」も描かれていなかった。つまり時代に適応できない家族の物語を書くに当たって、葛藤を排除しただけで、結局は旧来の手法をなぞったものではないかと思ったのである。」
黒井千次
男69歳
7 「好短篇といえる。妙に爽やかな風が吹き抜けている。」「同時にまた、少し恰好よくまとまり過ぎているのではないか、との疑問も生じる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十九巻』平成14年/2002年12月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成13年/2001年9月号)
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芥川賞 第126受賞  一覧へ

もう はは
猛スピードで 母は」(『文學界』平成13年/2001年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第55巻 第11号  別表記11月号
印刷/発行年月日 発行 平成13年/2001年11月1日
発行者等 編集人 細井秀雄 発行人 鈴木文彦 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 目次 100枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 136~169
(計34頁)
測定枚数 99
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書誌
>>平成14年/2002年1月・文藝春秋刊『猛スピードで母は』所収
>>『文藝春秋』平成14年/2002年3月号
>>平成17年/2005年2月・文藝春秋/文春文庫『猛スピードで母は』所収
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候補者 長嶋有 男29歳
選考委員 評価 行数 評言
村上龍
男49歳
60 「前作へのわたしの批判が今回反映されていたわけではなかった。」「長嶋氏は別の方法でハードルをクリアした。つまり、時代に適応できない家族・親子を描くのではなく、状況をサバイバルしようと無自覚に努力する母と子を描いたのだった。」「一人で子どもを産み、一人で子どもを育てている多くの女性が、この作品によって勇気を得るだろうとわたしは思う。」
黒井千次
男69歳
30 「母子家庭におけるこの息子は語り手ではあるのだが、見る者と見られる者との距離が巧みに設けられているために、息子は母親を見ることによって自然のうちに自己発見へと導かれる。その過程が、健げでありながらもどこか哀しい影を帯びているところに作品の奥行きが生れている。」
高樹のぶ子
女55歳
17 「視点を幼く据えた書き方(幼さ装い)の弱点である認識の小ささや小説全体としての情報量の少さを、母親の会話で見事にクリアしている。(引用者中略)いきおい小説空間が大人のものになった。」
宮本輝
男54歳
25 「前回の「サイドカーに犬」とさして変わらない印象をうけた。」「なるほど「今日的問題」ではあろう。」「にもかかわらず、私はこの小説の軽さに納得できない。」「長嶋氏の文章は、ここ数年で頻出した軽やかな文章の延長線上に生まれた「メソッド」にすぎないという気がして、私は受賞に賛同できなかった。」
古井由吉
男64歳
0  
池澤夏樹
男56歳
35 「おもしろかった。この母と息子は今回の候補作六篇の登場人物の中で最も鮮やかな印象を残した。」「まずは毅然と生きる母に共感を覚える。次に、それを肯定しながら、一歩の距離をおいて母を見て育つ息子の方にも共鳴する。」「母と子の暮らしはいくつものエピソードを連ねて語られるが、その一つ一つがとてもうまく作られている。」
日野啓三
男72歳
40 「(引用者注:「ゆううつな苺」と共に)小学生の息子と中学生の娘から見られた親たちの姿が、くっきりとしっかりと書かれている。」「驚くのは、彼ら幼いはずの視点人物が無意識のうちにとっている“距離感”の見事さだ。」「子供たち自身も、一個の他者として実存している。」「北海道の冬の海の上に垂れこめる冬空の冷気と陰鬱さとが最も記憶に残った。」
石原慎太郎
男69歳
14 「私は受賞には押さなかった」「ある種のペーソスはあっても、実はごくありふれたものにしか感じられない。こんな程度の作品を読んで誰がどう心を動かされるというのだろうか。」
河野多恵子
女75歳
45 「この作品で人間の誇りを描く意識は恐らく全くなかったと思われるが、全篇から伝ってくる人間の誇りの瑞々しさに、このうえなく魅かれた。」「この作品ではまた、事物の展開にも、文章にも無駄がない。省略の効果をよく知っている。」
三浦哲郎
男70歳
11 「引用者注:「ゆううつな苺」と共に)よく書けていると感心したが、(引用者中略)才能のある書き手なのに、依然として好評だった前作のエリアから一歩も踏み出せずにいるのがちょっと不満であった。」
選評出典:『文藝春秋』平成14年/2002年3月号
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