芥川賞のすべて・のようなもの
第116回
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Last Update[H27]2015/7/27

柳美里
Yu Miri
生没年月日【注】 昭和43年/1968年6月22日~
受賞年齢 28歳6ヵ月
経歴 国籍、韓国。神奈川県横浜市生まれ。横浜共立学園高校中退。東由多加の劇団「東京キッドブラザース」に加わる。昭和62年/1987年、「青春五月党」を旗揚げ、翌年自身も劇作家デビュー。平成6年/1994年には小説家デビュー。
受賞歴・候補歴
  • 第37回岸田國士戯曲賞(平成5年/1993年)「魚の祭」《戯曲》
  • |候補| 第7回三島由紀夫賞(平成5年/1993年度)『Green Bench』
  • |候補| 第113回芥川賞(平成7年/1995年上期)「フルハウス」
  • |候補| 第114回芥川賞(平成7年/1995年下期)「もやし」
  • 第24回泉鏡花文学賞(平成8年/1996年)『フルハウス』
  • 第18回野間文芸新人賞(平成8年/1996年)『フルハウス』
  • 第116回芥川賞(平成8年/1996年下期)「家族シネマ」
  • 第3回木山捷平文学賞(平成11年/1999年)『ゴールドラッシュ』
  • |候補| 第38回女流文学賞(平成11年/1999年)『ゴールドラッシュ』
  • |候補| 第39回女流文学賞(平成12年/2000年)『女学生の友』
  • 第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞(平成13年/2001年)『命』
  • |候補| 第32回講談社ノンフィクション賞(平成22年/2010年)『ファミリー・シークレット』
備考
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芥川賞 第113回候補  一覧へ
「フルハウス」(『文學界』平成7年/1995年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第49巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 発行 平成7年/1995年5月1日
発行者等 編集人 寺田英 発行人 田所省治 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 18~57
(計40頁)
測定枚数 118
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>平成8年/1996年6月・文藝春秋刊『フルハウス』所収
>>平成11年/1999年5月・文藝春秋/文春文庫『フルハウス』所収
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候補者 柳美里 女27歳
選考委員 評価 行数 評言
日野啓三
男66歳
0  
河野多恵子
女69歳
7 「標題と内容の関係との意味のわからなさ、急所への力の入れ方の不適確さはありながらも、相当に描けている面があって、なかなかの小説の才能を想わせる。」
黒井千次
男63歳
5 「細部の繋がりが充分に働かず、所々に隙間のあいた作品に終っている。戯曲を舞台にのせる場合と違い、小説には演出家がいないのだから、作者はすべての面倒を末端までみる必要があったのではなかろうか。」
三浦哲郎
男64歳
0  
大江健三郎
男60歳
3 「(引用者注:「外回り」と共に)素材を見出す才能を示しながら書き方がザッパクすぎる。」
丸谷才一
男69歳
0  
大庭みな子
女64歳
4 「(引用者注:「ジェロニモの十字架」「漂流物」と共に)心にかかってはいた」「ぶつかり合う若い生命力が伝わってくるのは「フルハウス」だった」
古井由吉
男57歳
0  
田久保英夫
男67歳
3 「(引用者注:「ジェロニモの十字架」と共に)注目した。しかし、いずれもつめが荒い。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年9月号)
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芥川賞 第114回候補  一覧へ
「もやし」(『群像』平成7年/1995年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第50巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 印刷 平成7年/1995年11月5日 発行 平成7年/1995年12月1日
発行者等 編集人 渡辺勝夫 発行人 天野敬子 印刷人 藤田弘道 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 388 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×21行
×2段
本文ページ 46~92
(計47頁)
測定枚数 122
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書誌
>>平成8年/1996年6月・文藝春秋刊『フルハウス』所収
>>平成11年/1999年5月・文藝春秋/文春文庫『フルハウス』所収
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候補者 柳美里 女27歳
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
5 「作者がとにかく小説を作ろうとして、あっちこっちから思いつきの火花を寄せ集めたという感じである。」
河野多恵子
女69歳
4 「作中人物たちの創造に同じ密度で狭く凝りすぎていて、書きたいことの発露が見られない。」
石原慎太郎
男63歳
0  
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
3 「現代の不幸はこういう濃密でホットなものではなく、もっと索莫としたものだと思う。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
7 「人物の面白さが際立つ割には読後感が拡散して弱い。場面場面の持つ勢いを縫い合わせるもう一つの冷静な力が必要だったのではあるまいか。」
丸谷才一
男70歳
0  
大庭みな子
女65歳
0  
大江健三郎
男60歳
7 「しばしば文章が投げやりとなり、人間観にもヒズミがある。このヒズミはいま個性として受けとめられることがあるとしても、永い創作活動においては自分で修正するほかないものだ。」
田久保英夫
男67歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年3月号)
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芥川賞 第116受賞  一覧へ

かぞく
家族シネマ」(『群像』平成8年/1996年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第51巻 第12号  別表記12月特大号
印刷/発行年月日 印刷 平成8年/1996年11月5日 発行 平成8年/1996年12月1日
発行者等 編集人 籠島雅雄 発行人 天野敬子 印刷人 藤田弘道 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 516 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×22行
×2段
本文ページ 6~48
(計43頁)
測定枚数 120
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書誌
>>平成9年/1997年1月・講談社刊『家族シネマ』所収
>>『文藝春秋』平成9年/1997年3月号
>>平成9年/1997年4月・講談社刊『文学1997』所収
>>平成11年/1999年9月・講談社/講談社文庫『家族シネマ』所収
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
>>平成27年/2015年6月・講談社/講談社文芸文庫『現代小説クロニクル 1995~1999』所収
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候補者 柳美里 女28歳
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子
女70歳
17 「珍しく省略ということを弁えている。」「この作品の冒頭の四行は、もう少し鮮やかな書き方が出来たことだろう。しかし、以後、最後に至るまで、実に興味深く読んだ。」「虚と実の展開してゆく様相に引きこまれた。特殊な家族を扱いながら、親・子・きょうだい・夫婦というものの本質を捉え切っている。」「作者の才能を鮮やかに感じさせる作品である。」
宮本輝
男49歳
6 「前作「フルハウス」の構成上の崩れが少なくなり、家族のなかの孤独、もしくは異和感が、そのまま社会や人間世界における自分の居場所の喪失感につながっている。」「受賞作となることに賛成した。」
丸谷才一
男71歳
16 「設定の基本にいろいろと無理がある。たとへば制作の費用はどういふ資本によるのか、映画の配給はどうなる見通しなのか、その他あれやこれやのことが一切わからず、読者は不安で仕方がない。」「親愛感ないし現実感の持てる登場人物は一人もゐないし、筋の展開はどう見ても乱暴である。わたしはこの小説的世界において生きることができなかつた。」
日野啓三
男67歳
26 「文学賞の選考の場で、「才能」という言葉は本当は使うべきではないと思っている。」「ところが今回の選考で、私は柳美里氏の候補作を推すさいこの禁句を使った。作品全体とくに家族和解シネマの撮影現場の部分の会話と描写に、才能としか言いようのない巧まざる巧みさを、なまなましく感得したからである。」「明らかな構造的欠陥にもかかわらず撮影現場のふしぎな魅力は捨て難い。」
石原慎太郎
男64歳
5 「全体の設定がいかにも演劇的で小説としての魅力を殺いでいる。」
古井由吉
男59歳
11 「同じテーマをめぐる再三の悪戦苦闘が、ここでひとまずの落着を見たように思われる。表現はよほど透明になった。」「もはや言葉を乱投入することによっては揺さぶりのきかぬところまでは、テーマは結晶した。」「かわりに詠歎の声がようやく作中に、静かに溢れた。これも転機のしるしである。ここを去れ、という促しかもしれない。」
黒井千次
男64歳
23 「注目した。」「負の光線の中に浮かび上る家族の姿は、黒々としてグロテスクであると同時に、滑稽で哀切な影を帯びている。自分達の映画を作るために家族が再会するというストーリーも秀逸である。」「ただ、女主人公が勤める会社での業務の場面になると描写の密度が薄くなる点、家族関係とその他の人間関係とのバランスが作品構成上必ずしも十全に保たれてはいない点などに若干の疑問は残る。」
池澤夏樹
男51歳
12 「それぞれの場面はおもしろいのだが、その効果がつながって一つの流れを形成していない。」「後半に出てくる深見という老いた彫刻家との関わりも絵柄としては派手ながら意味が取りにくい。全体として、何本も柱を立てているのに、それがどれも梁に届いていない感じ。」
三浦哲郎
男65歳
11 「候補作中この作品に最もしたたかな文学的才能を感じた。」「満開の桜の下でブランコに乗る場面が二度出てくるが、いずれも私は好ましい印象を受けた。他の委員に感傷的だと嗤われたが、あの二つの場面を読んだときの感銘は、いまでも私の胸底にある。」
田久保英夫
男68歳
19 「人には日常の煩瑣な現実をぬけ出し、別の超越的な領域に行きたい、という願望がある。」「私は柳美里さんの作品に、(引用者中略・注:過去の二候補作を含めて)それを感じた。」「いずれも家族相互の生臭い関係が、中心にあるが、別の人物を通して、女性のひそかな内部にそれが現われる。」「最終的に、私は「家族シネマ」一作を推した。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成9年/1997年3月号)
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