芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
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Last Update[H26]2014/6/20

大庭みな子
Oba Minako
生没年月日【注】 昭和5年/1930年11月11日~平成19年/2007年5月24日
在任期間 第97回~第116回(通算10年・20回)
在任年齢 56歳7ヶ月~66歳1ヶ月
経歴 本名=大庭美奈子、旧姓=椎名。東京・渋谷生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒。夫のアラスカ赴任に伴い昭和34年/1959年よりアメリカに住み、昭和43年/1968年群像新人文学賞を受賞して作家デビュー。
受賞歴・候補歴
個人全集 『大庭みな子全集』全10巻(平成2年/1990年11月~平成3年/1991年9月・講談社刊)
『大庭みな子全集』全25巻(平成21年/2009年5月~平成23年/2011年4月・日本経済新聞出版社刊)
芥川賞候補歴 第59回受賞 「三匹の蟹」(『群像』昭和43年/1968年6月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 97 昭和62年/1987年上半期   一覧へ
選評の概要 期待 総行数29 (1行=26字)
選考委員 大庭みな子 女56歳
候補 評価 行数 評言
女42歳
13 「票の分れ方はほとんど予想した通りで、「鍋の中」に集ったが、これ一本では弱いという声もあり、「ヴェクサシオン」が批評された。」「不可解な奥行きがある。妙なおかしみのある味わいが、よいふうににじみ出ている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和62年/1987年9月号)
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芥川賞 98 昭和62年/1987年下半期   一覧へ
選評の概要 あらわれてくるものへの期待 総行数26 (1行=26字)
選考委員 大庭みな子 女57歳
候補 評価 行数 評言
男57歳
13 「平明な言いまわしで流しているように見えるが、その実、かなりわかりにくい不気味さをかかえている作品である。「時」と「場」の綾になる中で、作品の奥に堆積しているものが、日本人の過去四十年の精神史というふうに読みとれる。深い奥行きに混濁するものが、未だに動きを止めていない気配がよい。」
男42歳
10 「雪や「鳩」の場面が心に残り、洒脱な仕上りになっている。最初の短い章は、抽象性の強い作風であるだけに、損をしているのではないかと思えた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和63年/1988年3月号)
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芥川賞 99 昭和63年/1988年上半期   一覧へ
選評の概要 作品を探す 総行数28 (1行=26字)
選考委員 大庭みな子 女57歳
候補 評価 行数 評言
男42歳
5 「この人の作品は、何作か読み重ねるうちに、いつもその中に濃密に立ちこめている男の女に対する夢と、抽象性に支えられた風俗性が、「この世のもののなつかしさ」というふうに思えて来た。」
  「作家は、他の作家の言うことに、いちおうは耳を傾けたとしても、言われた通りにできるわけではないし、そうする必要もあるまい。自分の心に残る、気に入った言葉だけを拾い集めて、自作を育てることに役立てればよい。ひどい悪口を言われたとすれば、それはある意味で作品の力である。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和63年/1988年9月号)
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芥川賞 100 昭和63年/1988年下半期   一覧へ
選評の概要 重大な主題 総行数28 (1行=26字)
選考委員 大庭みな子 女58歳
候補 評価 行数 評言
女33歳
13 「「言語」という非常に重大な主題を作品化して、ずっしりと手ごたえのある世界を創り出している。」「小説の仕組、筋立てについて言えば、いくつかの弱点もあるが、そうした箇所に目をつぶらせる力が、この作品にはある。」
男37歳
7 「ほとんど難点のないよい出来の作品である。古風とも言える方法でかなり大胆な夢想をさりげなく語っているところが光っている。」
  「八本の作品は、それぞれにかなりの水準に達しているもので嬉しかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年3月号)
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芥川賞 101 平成1年/1989年上半期   一覧へ
選評の概要 長雨 総行数28 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女58歳
候補 評価 行数 評言
大岡玲
男30歳
12 「才能は並々ならぬものがあると、前回からひき続いて二本の作品を読んで思った。世界に多角的に反応するしなやかさで動いてゆく気配がよい。」「もの足りないところはおいても、才能を買ってこれを受賞作にしてもよいのではないかとわたしは思っていた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年9月号)
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芥川賞 102 平成1年/1989年下半期   一覧へ
選評の概要 「ネコババのいる町」の「表層生活」 総行数26 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女59歳
候補 評価 行数 評言
女50歳
7 「天性で書いている人のように思える。何らかの体験的なものの中で、言語の奥にあるものが大きくふくれて来て、この不可思議な味の作品になったものであろうか。」「(引用者注:「表層生活」と「ネコババのいる町で」の)二作と初めから思っていたような結果になったので、すっきりしている。」
男31歳
11 「その力量は確かである。現代人が直面しないわけにはいかない人工頭脳に対する執着と挫折が作品化されている。」「(引用者注:「表層生活」と「ネコババのいる町で」の)二作と初めから思っていたような結果になったので、すっきりしている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成2年/1990年3月号)
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芥川賞 103 平成2年/1990年上半期   一覧へ
選評の概要 三作について 総行数27 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女59歳
候補 評価 行数 評言
清水邦夫
男53歳
10 「候補作の中でいちばん質が高いと思った。」「芝居から小説にとり組んで、独特の世界を描き続け、ある高みに達したように思える清水さんに、今後の展開を期待する気持もある。意見を述べ合いながら、だんだん煮つめていく三度の投票の結果、最初は最高点だったのが、最後の段階で過半数を得なかった。」
小川洋子
女28歳
7 「現代社会の風景の中で、多くの人が思い当るに違いない不可思議に空白な部分に敏感な作家である。この賞に値すると思った。」
男44歳
11 「わたしは何度か訪れたことのある中国のべつの部分に関心があり、よい読み手にはなれなかった。しかし、強く推す選者の熱心な支持の言葉を聞いているうちに、なるほどと頷くところもあった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成2年/1990年9月号)
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芥川賞 104 平成2年/1990年下半期   一覧へ
選評の概要 夢 総行数25 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女60歳
候補 評価 行数 評言
福元正實
男57歳
5 「へんな気味悪さとおかしさのある作品で、それが企まれたものか、実際の経験に近いものから素朴に流れ出たものかよくわからない。それにしても魅力のある作品だと思ったが、受賞には及ばなかった。」
女28歳
5 「今度の作品では夢魔の影が固まりつつある気配が強い。今後の作品世界の大胆な跳梁を夢みている。」
  「いつの間にか女性の自己主張は当然のものとなって久しいが、今はその美意識が気になる。女性の自己主張を頷かせる新しい美的世界を築く同性作家の出現を夢みている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成3年/1991年3月号)
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芥川賞 105 平成3年/1991年上半期   一覧へ
選評の概要 現代の暮し 総行数33 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女60歳
候補 評価 行数 評言
男46歳
4 「へんにぎごちない文章に誘われて、人生のおかしさと悲しみのにじみ出ているのがよい。」
女34歳
7 「この作品では、あふれてこぼれ落ちるものに、あるわびしさの漂う文学のなつかしさがある。」
  「今回の候補作品には強く推せる傑出した一本がなく、それぞれに魅力と弱点があって、選考会場にのぞむまでどれと決めかねていた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成3年/1991年9月号)
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芥川賞 106 平成3年/1991年下半期   一覧へ
選評の概要 なつかしい情景 総行数24 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女61歳
候補 評価 行数 評言
女30歳
11 「現代のキャンパスが眼に浮かぶ情景の中で描かれている。」「ここで描かれている大学の寮生たちの生活は、一九八〇年代のものであろうが、それらの情景が、その昔から変らない青春の姿を映し出していることに感心した。」「傲慢で無力な夢想の溢れた若さというものが、気取りや衒気をも混えながら、ともかくも真面目に追われている。好感が持てた。」
多田尋子
女59歳
4 「これまでにない妙な味を出しているので印象が強かった。及ばなかったのは残念だ。」
  「今回の選考会では、なんとなく票が割れるような気がしていた。そのわりにはすんなり決った。」「これは、何か大きなものがゆっくりと迂回して進路を変える前の、ひとときの淀みの状態かもしれないと気になっている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成4年/1992年3月号)
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芥川賞 107 平成4年/1992年上半期   一覧へ
選評の概要 奥にあるもの 総行数27 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女61歳
候補 評価 行数 評言
多和田葉子
女32歳
9 「人がそれぞれに全然べつのことを考えている、ということがよくわかる小説である。散乱している台詞はちぐはぐな寂しいものばかりで、それがその人の背後にかかえている世界の手ざわりになっている。」「今回は及ばなかったけれど、それぞれの背後にあるくろぐろとしたものが絡み合って動き出せば、力強い不気味なものになるだろう。」
男36歳
11 「運転士は女の入っている旅行鞄をいつも持ち歩いているが、〈鞄だ。いつも最後はあの鞄になってしまう。自分の頭の中を他人に覗かれでもしたら、どんなに嫌だろうな〉と感じている。現代の生活者には妙なリアリティがある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成4年/1992年9月号)
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芥川賞 108 平成4年/1992年下半期   一覧へ
選評の概要 外部との異和感 総行数25 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女62歳
候補 評価 行数 評言
女32歳
13 「外の世界との異和感をかかえて立つ多和田さんの強靭さは、この二三年の間に発表された何篇かの作品を通じてわたしをとらえて放さなかった。」「作家・多和田葉子は日本文学界のこの伝統ある新人賞・芥川賞で祝福される時期に来ている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成5年/1993年3月号)
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芥川賞 109 平成5年/1993年上半期   一覧へ
選評の概要 寂寥郊野 総行数20 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女62歳
候補 評価 行数 評言
男36歳
9 「アメリカならずとも、現代、大工業主義的な生き方をする国の寂寥感が伝わってくる。登場人物の間をわたる寒々とした寂しい風の音が聞こえる。」「現代文学の灯と言える作品であろう。」
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成5年/1993年9月号)
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芥川賞 110 平成5年/1993年下半期   一覧へ
選評の概要 石の叫び 総行数21 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女63歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
12 「「石」というものを中心に据えて、石の叫びを聞こうとするところに、今までよりぐっと突き進んだ深さを感じた。しかし、私としてはわからない部分もかなりあり、判断に苦しんだが、(引用者中略)闇と光の間を、今後もがきながら進むことでむしろ作品としての力が加わるのではないか。」
  「選考過程は大体、予想していた通りに進み、そのように決った。」
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年3月号)
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芥川賞 111 平成6年/1994年上半期   一覧へ
選評の概要 よい気分 総行数30 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女63歳
候補 評価 行数 評言
男39歳
18 「ユーモラスなメタファーにあふれた場面が一種抽象的な図柄で絵巻物ふうにページを追うごとに読者をひきつける。知的な刺戟にあふれているが、イマジナティヴな面白さがある。」「文学の愉しさと、新しい世代の感性の手ごたえがあっていい気分だった。」
女38歳
6 「自然に流れ出る生得の力で余裕をもって書いている。現代日本の風景をこれほど鮮やかに描く笙野頼子の存在が、行き止まりの海とどう対決するかを見守ろう。」
  「全体として、今回残っていた候補作は、それぞれにある水準に達していると思った。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年9月号)
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芥川賞 112 平成6年/1994年下半期   一覧へ
選評の概要 執念の期待 総行数19 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女64歳
候補 評価 行数 評言
  「三十歳から五十歳くらいまでの人たちの作品を五本読んで、この年代の人たちがじっとみつめている目の前をわたる風の中の景色と、現代テクノロジーの生み出す感性に頷きながらも、わびしい想いをつのらせた。」「この一作を推そうというものを選べなかった。」「とは言え、どの作品からも習作の段階でもがいている感じは確かに伝わってくるから、現代に生きる者の唯一の希望ともいえる文学に、執念深く期待するしかない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年3月号)
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芥川賞 113 平成7年/1995年上半期   一覧へ
選評の概要 動くものの中で 総行数24 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女64歳
候補 評価 行数 評言
男38歳
8 「よく見知っているなつかしい世界のように思っていただけに、もの足りない淡さがあった。しかしこの優しさ、快さは、不快にぎすぎすしたものに疲れている読者を魅きつける。」
  「積極的に推せる一作がないということで、困っていた。」「全体として水準は低くないのに、作品の背後にある大きさ、強さの手ざわりが不確かなのは気になる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年9月号)
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芥川賞 114 平成7年/1995年下半期   一覧へ
選評の概要 黒い森の筆力と可笑しさ 総行数24 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女65歳
候補 評価 行数 評言
男48歳
14 「(引用者注:「豚の報い」か「三月生まれ」の)どちらかであろうと思って選考会に臨んだ。」「読んでから時間が経って思い直すと、浮かんでくる情景の強さで、「三月生まれ」より「豚の報い」が勝つような気がして来たが、選考会場でもそうなった。」「沖縄地方の作品によくあるあまりに難解な方言は適度に調整されている。その距離のとれた視点により、背後にあるウタキの森の影を黒々と浮かび上がらせる力量は重層性のある文学世界を築いている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年3月号)
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芥川賞 115 平成8年/1996年上半期   一覧へ
選評の概要 選評 総行数10 (1行=24字)
選考委員 大庭みな子 女65歳
候補 評価 行数 評言
女38歳
3 「これは蛇だ。蛇のようにとぐろを巻いてかま首をもたげている他人の気味悪さにぞくっとする。」
山本昌代
女35歳
3 「今までとぐっと趣を変えて、端正に、無駄のない文章の力量は相当なものです。」
リービ英雄
男45歳
3 「リービさんの言葉には数カ国語のひびきが音楽のように共鳴し合う面白さがある。」
  「(病床にて口述されたものを筆記したものです)」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年9月号)
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