芥川賞のすべて・のようなもの
第98回
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Last Update[H26]2014/6/20

三浦清宏
Miura Kiyohiro
生没年月日【注】 昭和5年/1930年9月10日~
受賞年齢 57歳4ヵ月
経歴 北海道室蘭市生まれ、東京育ち。東京大学文学部英文学科中退、アメリカ・サンノゼ州立大学歴史学部卒。海外で旅行社、航空会社に勤務したのち昭和37年/1962年に帰国、テレビ制作会社を経て明治大学工学部にて英語担当として働く。文学評論から、のちに創作を手がけるようになる。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第72回芥川賞(昭和49年/1974年下期)「赤い帆」
  • 第98回芥川賞(昭和62年/1987年下期)「長男の出家」
備考
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芥川賞 第72回候補  一覧へ

あか
赤い 帆」(『群像』昭和49年/1974年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第29巻 第11号  別表記11月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和49年/1974年10月5日 発行 昭和49年/1974年11月1日
発行者等 編集人 大村彦次郎 発行人 三木 章 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 276 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 88~114
(計27頁)
測定枚数 77
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書誌
>>昭和63年/1988年6月・講談社刊『ポエトリ・アメリカ』所収
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候補者 三浦清宏 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄
男70歳
0  
吉行淳之介
男50歳
0  
大岡昇平
男65歳
0  
井上靖
男67歳
0  
永井龍男
男70歳
0  
瀧井孝作
男80歳
0  
中村光夫
男63歳
0  
舟橋聖一
男70歳
0  
安岡章太郎
男54歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和50年/1975年3月号)
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芥川賞 第98受賞  一覧へ

ちょうなん しゅっけ
長男の 出家」(『海燕』昭和62年/1987年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「海燕」  別表記表紙 「文芸雑誌 the kaien」併記
巻号 第6巻 第9号  別表記9月号
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年9月1日
発行者等 編集者 田村幸久 発行者 寺田 博 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社福武書店(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 目次 148枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 22~73
(計52頁)
測定枚数 161
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書誌
>>昭和63年/1988年2月・福武書店刊『長男の出家』所収
>>『文藝春秋』昭和63年/1988年3月号
>>平成1年/1989年5月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第14巻』所収
>>平成3年/1991年4月・福武書店/福武文庫『長男の出家』所収
>>平成23年/2011年4月・芸文社刊『長男の出家』[新版]所収
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候補者 三浦清宏 男57歳
選考委員 評価 行数 評言
開高健
男57歳
15 「口臭もなく、腋臭もない。どこにも傷んだり病んだりした内臓がない。明朗で清潔である。」「少年が非行にも走らず、マンガにも目をくれず、野球にも熱中しないで坊主になりたいといいだし、そのまま出家しちゃうという物語は、奇抜だけれど新鮮に感じられる。」「これはアメリカ風の禅だよ、という水上勉氏の評言にはたじたじとなった。一瞬、痛烈さに茫然とならされた。しかし、採点となると、一票を入れる。」
黒井千次
男55歳
13 「いささか騒然として混沌の気味がある。」「一方に宗教の問題を配し、他方に親子の繋りを置く形をとっているが、結果として、意外な方角から今日の家族の姿を浮かび上らせる。」「(引用者注:「スティル・ライフ」と共に)現代と向き合う姿勢で生み出されて来たことに共感を覚えた。二作受賞は当然と考えられた。」
古井由吉
男50歳
25 「年頃の子を持つ親としても、今の世における「入信」に関心を寄せる者としても、その経緯をつぶさに聞きたくなるところだ。しかし書きあらわされたかぎり、経緯がほんとうに経緯になっているか、なりゆきに主人公の葛藤がほんとうに伴っているか、微妙である。」「事に後れて始まる主人公の葛藤は既成事実の中で、当事者にしては客観にすぎる想念へ空転する。」「興味深い作品ではある。」
大庭みな子
女57歳
13 「平明な言いまわしで流しているように見えるが、その実、かなりわかりにくい不気味さをかかえている作品である。「時」と「場」の綾になる中で、作品の奥に堆積しているものが、日本人の過去四十年の精神史というふうに読みとれる。深い奥行きに混濁するものが、未だに動きを止めていない気配がよい。」
田久保英夫
男59歳
16 「(引用者注:「スティル・ライフ」と)共に捨てがたい思いでいた。」「宗教と家庭生活という今日、もう一つのベクトルで、もっとも切実な主題を扱っている。」「出家後の息子が、あまりにきちんと修行僧になりすぎて、この思春期にはまだ人間臭い破綻も出るのでは、という気がするし、住職の老尼の禅僧としての境地と、寺の旺盛な経営とのつながりなど、疑問もあるが、妻や子との周到な距離のとり方が、それを補っている。」
吉行淳之介
男63歳
13 「私は最後まで票を入れなかった。読んでいると面白いのだが、どうも曖昧なところがある。」「作者がしたたかな腕力で作品世界をつくりおおせたのか(それは、成功すれば慶賀すべきことだ)、つくっているうちにところどころ破れ目ができたのか、あるいはもっと素直な作品なのか、とうとう読み切れなかった。」
日野啓三
男58歳
9 「随所に声を上げて笑う上質のユーモアがある。この乾いた感覚が快い。だが笑いながら読み終わったあと、じわじわと身にこたえてくるすごいこわさがある。」「(引用者注:親子・家庭小説として、断絶と崩壊からの)前向きの方向(非情な方向だ)が見すえられている。その姿勢に共感した。」
三浦哲郎
男56歳
11 「印象深かった。」「まことに巧妙な語り口で、一気に面白く読んだが、読後に謎がいくつも残った。それがすなわち人間というものの曖昧さ、人生というものの不透明さなのだろうが、そうは思っても禅や仏門に不案内な私にはなおも釈然としないものが残り、水上さんに伺ってやっと納得する始末であった。」
河野多恵子
女61歳
17 「私はその豊かさ、強さに圧倒された。呆然となったくらいである。」「何か大きな成り行きとでも言うべきものに、めいめいに、時には共同で深く呼応してゆく。しかも、その呼応ぶりそものが、時に大きな成り行きをあたかも見返しているような凄味をぎらりと放つ。これほど自然に、明らかに、毒を孕んだ新人の作品は稀であろう。」
水上勉
男68歳
23 「感心した。今日の曹洞宗の末寺風景がよく描けていた。」「作者の経験によるらしいことはうすうすわかるが、その大事な体験を、さらりとユーモラスに仕上げている。」「「この子もそろそろ修行に出すか」と娘にまで細君とならんで手を振る男親の思いで筆を置くあたり、絶妙と思った。高点取得の授賞である。異存はない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和63年/1988年3月号)
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