芥川賞のすべて・のようなもの
第97回
  • =受賞者=
  • 村田喜代子
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Last Update[H28]2016/4/3

村田喜代子
Murata Kiyoko
生没年月日【注】 昭和20年/1945年4月12日~
受賞年齢 42歳3ヵ月
経歴 旧姓=貴田。福岡県八幡市(現・北九州市)生まれ。八幡市立花尾中学校卒。就職後、シナリオの習作をつづける。昭和42年/1967年結婚、出産を経験し、同人誌に参加したのち昭和60年/1985年に個人誌『発表』を制作。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第95回候補  一覧へ

ねつあい
熱愛」(『発表』2号[昭和60年/1985年12月])
媒体・作品情報
測定媒体 『文學界』昭和61年/1986年4月号
誌名 「文學界」
巻号 第40巻 第4号  別表記4月号
印刷/発行年月日 発行 昭和61年/1986年4月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 安藤 満 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 296 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 271~288
(計18頁)
測定枚数 51
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書誌
>>『文學界』昭和61年/1986年4月号再録
>>昭和62年/1987年8月・文藝春秋刊『鍋の中』所収
>>平成2年/1990年8月・文藝春秋/文春文庫『鍋の中』所収
>>平成12年/2000年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『鍋の中(下)』所収
>>平成19年/2007年12月・文藝春秋/文春文庫『八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集』所収
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候補者 村田喜代子 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男62歳
3 「私は評価した。読んでゆくにしたがって、昂揚を覚えた。外側の世界も心象も、すべて肉体感覚で表現できたあたり、なかなかのものである。」
開高健
男55歳
0  
安岡章太郎
男66歳
0  
田久保英夫
男58歳
0  
古井由吉
男48歳
23 「関心を抱いた。」「これは美点が難点につながる例であるが、あざやかな比喩形象が至るところに見える、しかし、一事をめぐって重なりすぎる。」「パートナーのオートバイが断崖から転落した(引用者中略・注:ことが)まだ「出来事」とならず、さしあたり「欠損」と感じられている。」「事件となった後から、振り返られていない。後からの目にたいして閉ざされて、「欠損」そのものとして、どこまでも深く沈んでいきそうなけはいがある。ここまで来ると、作品の美点難点を超えた、時代の人間の問題と見られる。」
遠藤周作
男63歳
0  
三浦哲郎
男55歳
12 「好感を持った。」「緊迫した文体が快いリズムを刻んで、なかなか読ませる。ただ、多用されている比喩のなかに、言葉を選びそこねて曖昧になっている個所が散見されて、結局この作品を好ましい習作の一つと思わざるを得なかったのは、惜しかった。」
水上勉
男67歳
2 「感性のこまかさに魅かれたが、これもまた、もう一つ不満がのこる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年9月号)
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芥川賞 第96回候補  一覧へ

めいゆう
盟友」(『文學界』昭和61年/1986年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第40巻 第9号  別表記9月号
印刷/発行年月日 発行 昭和61年/1986年9月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 安藤 満 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 78~105
(計28頁)
測定枚数 83
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書誌
>>昭和62年/1987年8月・文藝春秋刊『鍋の中』所収
>>平成2年/1990年8月・文藝春秋/文春文庫『鍋の中』所収
>>平成12年/2000年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『鍋の中(下)』所収
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候補者 村田喜代子 女41歳
選考委員 評価 行数 評言
田久保英夫
男58歳
0  
水上勉
男67歳
0  
古井由吉
男49歳
0  
吉行淳之介
男62歳
5 「前回の「熱愛」ほどには、私をわくわくさせてくれなかった。」「それにしても、この作者がいつも少年ばかり書く理由は、まだ私には分からない。」
三浦哲郎
男55歳
1 「次作を期待しよう。」
開高健
男56歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和62年/1987年3月号)
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芥川賞 第97受賞  一覧へ

なべ なか
鍋の 中」(『文學界』昭和62年/1987年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第41巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年5月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 安藤 満 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 目次 150枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 134~181
(計48頁)
測定枚数 143
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書誌
>>昭和62年/1987年8月・文藝春秋刊『鍋の中』所収
>>『文藝春秋』昭和62年/1987年9月号
>>平成1年/1989年5月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第14巻』所収
>>平成2年/1990年8月・文藝春秋/文春文庫『鍋の中』所収
>>平成10年/1998年5月・角川書店刊『女性作家シリーズ19 津島佑子・金井美恵子・村田喜代子』所収
>>平成12年/2000年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『鍋の中(上)』所収
>>平成19年/2007年12月・文藝春秋/文春文庫『八つの小鍋―村田喜代子傑作短篇集』所収
>>平成27年/2015年2月・講談社/講談社文芸文庫『現代小説クロニクル 1985~1989』所収
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候補者 村田喜代子 女42歳
選考委員 評価 行数 評言
黒井千次
男55歳
16 「不思議な作」「面白いのは大人の男女が一人も登場してこない点である。」「読んでいて、ふと尾崎翠の小説を思い出したりした。現実離れしているようで、案外今の世の中の底をひょいと覗かせてしまう、柔らかな力をもった作品である。」
吉行淳之介
男63歳
19 「予想を上まわる力を見せた。十分に計算された作品世界を提出し、そこに登場してくる人物も風物も、そして細部もすべていきいきしている。」「おばあさんに悪意があるわけでなく、ぼけているといえないこともないが、むしろ八十歳をしぜんに生きているのである。ここらあたり、不思議なユーモアがある。」
古井由吉
男49歳
22 「老人の記憶の内部に起る著しい差異が、逆にたどれば、本人あるいはその生家の、どの辺の事情に由来するものなのか、また作品を通しての少女の口調のどこに、現在の作者の声が節目となって凝縮しているのか、読む側としてはもどかしいところだが、(引用者中略)料理役をひきうけた少女が日々、(引用者中略)ゴッタ煮めいたものをこしらえた古い大鍋の、その太さに相通じるものを、選者たちは作中から感じ受けて、それぞれ控え目ながらに推した。」
大庭みな子
女56歳
13 「票の分れ方はほとんど予想した通りで、「鍋の中」に集ったが、これ一本では弱いという声もあり、「ヴェクサシオン」が批評された。」「不可解な奥行きがある。妙なおかしみのある味わいが、よいふうににじみ出ている。」
田久保英夫
男59歳
16 「十七歳の娘の眼を通した筆致と意図がうまく融け合って、自然のうちに血縁という不思議な〈煮鍋〉の光景を現出している。」「不気味さもあり、ユーモアもある。祖母と娘が風呂に入る情景、「心中」した二本の杉が髪のように葉をからみ合わせる描写など、まことに鮮かだ。」「ただ全体に文章がゆるみ気味で、最後に理に落ちそうな危険はあるが、今後この女流がどんな特異な世界を展開してくれるか、たのしみである。」
日野啓三
男58歳
19 「われわれの意識の表面では、解体、空洞化、断片化、不安、退行といった事態が進行しているけれど、意識の奥では常に統合の営みが働いているはずだ、と私は信じている。」「そういう統合の営みがみられると感じたので、私はこの作品を支持した。」「よき抽象的認識が、話の運びの計算されたしなやかさ、文章のとぼけたようなユーモアと共にあることに感心した。」
水上勉
男68歳
16 「道具だてにも感心した。」「年長の少女を主人公においた手法も納得させる。ひと夏の子供らの旅行が、作者のまったくの空想だとしたら、やはり、力量というしかない。この人には「熱愛」という不思議な好短篇があって、その密度が頭にあるので、「鍋の中」の絞りかげんのやわさがチラついた。だが推す人も多いので、授賞に反対はしなかった。」「村田さんの授賞と、新井満さんの落選は運不運というようなことも考えさせた。」
河野多恵子
女61歳
6 「(引用者注:最終的に)「鍋の中」一作の受賞を支持した。米谷ふみ子・山田詠美氏の出現には、女性新人の歴然とした変化が認められた。現実との強い対決が作品の基盤となっているのが、大きな特色である。村田喜代子氏のこの受賞作もまたそうである。」
三浦哲郎
男56歳
22 「「熱愛」は村田氏の最初の候補作で、文体も描写も緊密なよい作品であった。その快い読後感が頭を去らない。」「今度の「鍋の中」も気を入れて読んだが、私には不満であった。」「なによりも粗さが気になった。ある個所ではテニヲハさえ怪しくなっている。投げやりとも思える個所もある。そうかと思うと、また気を取り直したように生き生きと書く、そんな密度のむら(原文傍点)も気になった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和62年/1987年9月号)
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