芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
7980.
8182838485.
8687888990.
9192939495.
96979899100.
101.
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Last Update[H26]2014/6/20

開高健
Kaiko Takeshi
生没年月日【注】 昭和5年/1930年12月30日~平成1年/1989年12月9日
在任期間 第79回~第101回(通算11.5年・23回)
在任年齢 47歳6ヶ月~58歳6ヶ月
経歴 大阪府大阪市生まれ。大阪市立大学法学部卒。大学在学中には『えんぴつ』同人。卒業後、壽屋(現・サントリー)宣伝部入社。芥川賞受賞後に退職。
受賞歴・候補歴
個人全集 『開高健全集』全22巻(平成3年/1991年11月~平成5年/1993年9月・新潮社刊)
芥川賞候補歴 第38回受賞 「裸の王様」(『文學界』昭和32年/1957年12月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 79 昭和53年/1978年上半期   一覧へ
選評の概要 器用さはあるが才能がない 総行数32 (1行=26字)
選考委員 開高健 男47歳
候補 評価 行数 評言
中野孝次
男53歳
11 「終始、(引用者中略)支持した。この作品は見るからに野暮で、不器用で、ギクシャクし、欠点はいくらでもある。しかし、それらのマイナスを蔽って全体に発熱していて、なぜこの作品が書かれなければならなかったかが、じわじわと伝ってくるのである。つまり、第一の美徳がある。」「しかし、前回に候補になった作品のほうがずっと出来がいいという声が多く、私はその作品を読んでいないものだから、結局、譲らざるを得なかった。」
男30歳
3 「悪くはないけれど支持熱は消極的だというのが、私の立場である。」
男50歳
3 「悪くはないけれど支持熱は消極的だというのが、私の立場である。」
  「この賞も、何の賞も、審査員としては心得は一つしかないと私は思っている。つまり、正直が最善の策。」「今回の七つの候補作は一、二の例外を別とすれば、読後感がそれぞれそっくりである。過もなく、不足もなく、ソツがないのだが、クー・ド・グラース(止めの一撃)を欠いているという一点で、みな、よく似ている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和53年/1978年9月号)
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芥川賞 80 昭和53年/1978年下半期   一覧へ
選評の概要 該当作なし 総行数30 (1行=26字)
選考委員 開高健 男48歳
候補 評価 行数 評言
  「周知のようにこの賞をもらうと作者のみならずその家族一同の人生コースが一変することになるので、授賞作がないのはさびしいけれど、他人の人生をうかつになぶらなくてすんだと思って、ホッとすることも反面にある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和54年/1979年3月号)
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芥川賞 81 昭和54年/1979年上半期   一覧へ
選評の概要 止メの一撃を 総行数33 (1行=26字)
選考委員 開高健 男48歳
候補 評価 行数 評言
男35歳
15 「いかにもこなれのわるい、欠点だらけの作品であるが、にもかかわらずという一点がある。好感が抱けるのである。キズを承知で買いたくなるのである。根のないまま異国を漂うヒリヒルするような恐怖。または、西洋女のしんどさがもっとしぶとくねっとりと書きこまれてその脂肪が鼻さきに迫ってくる。この二つの要素のうちどちらかが止メの一撃として書きこまれてあれば、この作品だけで受賞できただろうと思うのだが、その点、残念である。」
女52歳
16 「これまでにこの人の作品をいくつか読んできたが、どの作品にも通ずる一つの方程式があるという印象であった。」「しかし、この作品では妄執がふいに消えて晴朗が登場した。」「晴朗はこの時代では暗黒よりもはるかにむつかしいテーマであるから作者の大胆さを買いたいところである。ただ、それがあちらこちらで手ごたえを失い、稀薄になっているという恨みがある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和54年/1979年9月号)
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芥川賞 82 昭和54年/1979年下半期   一覧へ
選評の概要 残念ナガラ…… 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男49歳
候補 評価 行数 評言
女51歳
5 「美点がいくつか数えられるのだけれど、素材が素材のままで投げだされていて未処理である。つまり、作品ではなくて、作文で終ってしまっている。」
  「とどけられた候補作は八作。(引用者中略)しばらくぶりの日本語なので、砂漠で水にありついたようにとびかかったわけだが、結果は、残念ナガラ……と口ごもらずにはいられなかった。またしても、やっぱり、あいかわらず、一言半句に出会えない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和55年/1980年3月号)
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芥川賞 83 昭和55年/1980年上半期   一覧へ
選評の概要 あと一歩の処置 総行数34 (1行=26字)
選考委員 開高健 男49歳
候補 評価 行数 評言
  「キラキラしたり、しみじみしたり、作風は百花斉放である。しかし、読後に一拍おいてから、それがどうした? 一つ反問をしたら、とたんに一切が霧消しちまう。そういう作品が多すぎる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和55年/1980年9月号)
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芥川賞 84 昭和55年/1980年下半期   一覧へ
選評の概要 差は極微である 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男50歳
候補 評価 行数 評言
男43歳
3 「5点 最終的にはこの人の作品が入選したのだが、残念ながら私は支持することができない。書くことが何もない。」
  「候補作の八品を味わってみたのだが、苔の生えた舌にピンとひびく一言半句は今回も得られなかった。素直なのは作文だし、ヒネたのは凡庸である。」「授賞作と次作の差は得点を別として審査員諸氏の口調と横顔にあるものから感じられるところでは僅差である。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和56年/1981年3月号)
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芥川賞 85 昭和56年/1981年上半期   一覧へ
選評の概要 何はともあれ…… 総行数25 (1行=26字)
選考委員 開高健 男50歳
候補 評価 行数 評言
女42歳
6 「素質もいいし感性の閃めきもある。」「授賞作とするかしないかで票が割れ、決をとってみると七対三で授賞作となった。残念ながら私は手をあげることのできなかった者の一人であるが、結果には拍手を送る。」
  「どれもこれも身辺の出来事をテーマとしていて、誰やらが死んだ、生まれた、生まれて死んだ、女とできた、別れたなど。心境小説と申すよりは身辺雑記である。」「言葉に放射能がないから、焔でもなければ氷でもなく、何だか文学賞の審査員というよりは区役所の戸籍係りになったようである。前回も今回もけじめがつかず、おそらく次回もまたおなじことであろう。何トカナラヌカ!!!……」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和56年/1981年9月号)
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芥川賞 86 昭和56年/1981年下半期   一覧へ
選評の概要 ×もなく、○もない 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男51歳
候補 評価 行数 評言
  「今回は予選通過作品が八作もあったのに、○をつけられるのが一つもない。きわだって抜群に×であるのもない。」「そういってしまったあと、どんな評語もでてこないし、議論のしようもない。」「八作を通じて共分母としていえること。一言半句のユーモアもウィットも見られないこと。黒い絶望の笑いも赤い怒りの笑いもない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和57年/1982年3月号)
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芥川賞 87 昭和57年/1982年上半期   一覧へ
選評の概要 お通夜みたい 総行数33 (1行=26字)
選考委員 開高健 男51歳
候補 評価 行数 評言
  「どれもこれも低調で、ほとんど“作品”になっていない。スケッチ、デッサン、創作メモ、作文といったようなものばかりである。」「私は変らない。いつもおなじである。新人の作品には鮮烈の一言半句を求めるだけである。それさえ見つかれば、修辞、構成、何であれ、いくら幼稚で拙劣であってもかまわないと思っている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和57年/1982年9月号)
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芥川賞 88 昭和57年/1982年下半期   一覧へ
選評の概要 虹のこちら 総行数40 (1行=26字)
選考委員 開高健 男52歳
候補 評価 行数 評言
女46歳
19 「第一回の採点では5.5点を獲得した。」「この作品の素直さとスケッチの的確さが好感を買ったものと思われる。」「大家であれ、新人であれ、外国人らしい外国人を描出するのがきわめて不得手だというわが国の特異な文学伝統のなかにあって、珍しく中国人らしい中国人の言動が書きとめられている。これはなかなかのことであって、作者に“眼”を感じさせられる。」
男42歳
23 「第一回の採点が4点。」「第二回も4点。」「上質の軽みを含んだその文体はメリ、ハリをきかせて達者である。」「では、スケッチを超える要素についてはというと、竜頭蛇尾というしかない。」「丸谷氏の意見はアタマからダメの一語。安岡氏の意見は、結論としては週刊誌の記事にすぎぬという。開高氏の意見では、取材メモに一本半ぐらいの毛が生えた程度のモノということであった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和58年/1983年3月号)
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芥川賞 89 昭和58年/1983年上半期   一覧へ
選評の概要 Good ones are few. 総行数35 (1行=26字)
選考委員 開高健 男52歳
候補 評価 行数 評言
  「作者名、題名、テーマ、ことごとく異なるけれど手ごたえがないということでは泥に似ている。そういう作品ばかりをつぎつぎと八作も読まされるのはつらいことである。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和58年/1983年9月号)
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芥川賞 90 昭和58年/1983年下半期   一覧へ
選評の概要 身辺雑記を出ない 総行数34 (1行=26字)
選考委員 開高健 男53歳
候補 評価 行数 評言
男47歳
0  
女37歳
0  
  「一作ずつについて○△×のいずれかで点を入れていくのが毎度の習慣だが、今回は全作品に平等に△をつけるしかなかった。」「ほとんどの作品の読後感として、身辺雑記を出ないということがいえる。」「若い俊秀に出会えなくなってから久しくになる。」「どういうものか言語と文字を媒体にしてこころを伝達しようとする分野が一貫して不毛なのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和59年/1984年3月号)
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芥川賞 92 昭和59年/1984年下半期   一覧へ
選評の概要 常識の勝利 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男54歳
候補 評価 行数 評言
女45歳
8 「いかにも古風だけれど着実で、こまかくて、しぶとくテーマに食いさがり、細部をよく噛みしめている。ケレンもハッタリもないが、常識の説得力がある。私としては以前の作品にあった煌めきを買いたいところだが、受賞後の作でそれを回復されることを期待したい。」
  「新人にもとめるたった一つの条件としての、鮮烈の一言半句がどこにも見つからない。」「審査員として“義務”として読むのでなかったらチラと覗く気も起らないような作品ばかりで、うなだれるだけ。そっぽ向いて散歩に出かけたいだけ。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和60年/1985年3月号)
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芥川賞 93 昭和60年/1985年上半期   一覧へ
選評の概要 終リ善ケレバ…… 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男54歳
候補 評価 行数 評言
  「とくに傑出していい作品もないかわり、箸にも棒にもかからない駄作というものもない。ストーリーも発想もそれぞれ異なるけれど、差は僅差であり、微差であるように思われる。」「近頃はどういうものか、末尾の〆めがきいていない作品に、しばしば出会う。そのため今一歩というところで支持に迷いが出る。これが困る。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和60年/1985年9月号)
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芥川賞 94 昭和60年/1985年下半期   一覧へ
選評の概要 固有なるもの 総行数32 (1行=26字)
選考委員 開高健 男55歳
候補 評価 行数 評言
女55歳
11 「泥か泡のようにつかみどころのない作品が多いなかで、この作品はあちらこちらに手ごたえがある。何よりも固有なるものが定着されている。」「全体としての出来栄えからするとこの作品に点が集る。ただし、難らしい難をあげると、“作品”というよりは主婦体験の作文を出ていないということが、ある。」
  「毎度毎度、家を出るときはお通夜に出かけるみたいだし、選考がはじまって意見を求められると口を開きかけて何故か黙ってしまいたくなる。」「ヤケ酒をすする気力もない。謝礼は一文のこらず家へ持って帰るけれど、寝床で洩れるのは濁った泡のような嘆息一つというありさまである。何トカナラヌカ。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年3月号)
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芥川賞 95 昭和61年/1986年上半期   一覧へ
選評の概要 作文ではなく作品を。 総行数34 (1行=26字)
選考委員 開高健 男55歳
候補 評価 行数 評言
  「毎回、私はこの欄に冴えないボヤキばかり書いている。陰気なボソボソ声で、つまらない、つまらないと書くばかりである。」「しかし、この賞の候補作だけが特殊に、選択的にダメなのではなく、どれもこれもが似たような不毛ぶりである。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年9月号)
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芥川賞 96 昭和61年/1986年下半期   一覧へ
選評の概要 いずれも次作を 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男56歳
候補 評価 行数 評言
山田詠美
女27歳
12 「この人にはストーリーらしいストーリーを作ろうという強い意識があって“作文”ではないという一点。ひょっとすると“悪達者”と評されるかもしれない達者さという一点。この二点で私は買いに出た。」「惜しくも今回は長蛇を逸したけれど、その口惜しさや恨みを燃料として次作の飛躍を試みてほしい。あなたはまだ若い。まだまだやれます。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和62年/1987年3月号)
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芥川賞 98 昭和62年/1987年下半期   一覧へ
選評の概要 端正と明朗 総行数31 (1行=26字)
選考委員 開高健 男57歳
候補 評価 行数 評言
男57歳
15 「口臭もなく、腋臭もない。どこにも傷んだり病んだりした内臓がない。明朗で清潔である。」「少年が非行にも走らず、マンガにも目をくれず、野球にも熱中しないで坊主になりたいといいだし、そのまま出家しちゃうという物語は、奇抜だけれど新鮮に感じられる。」「これはアメリカ風の禅だよ、という水上勉氏の評言にはたじたじとなった。一瞬、痛烈さに茫然とならされた。しかし、採点となると、一票を入れる。」
男42歳
16 「冒頭にたいそう突ッ張った文体の宣言文があり、つづく本文に水と油みたいな効果をあたえている。この部分は私にはまったく余計なものと感じられる。しかし、しいてそれに目をつむるなら久しぶりに作文ではなくて作品を読まされる愉しさがある。」「一種、童話に近い味である。そううまくいきますかな、という疑問が終始つきまとうけれど、文体の背後にある詩人肌がストーリーを救っている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和63年/1988年3月号)
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芥川賞 100 昭和63年/1988年下半期   一覧へ
選評の概要 祝杯を三度、四度 総行数32 (1行=26字)
選考委員 開高健 男58歳
候補 評価 行数 評言
男37歳
15 「これまでのにくらべると一歩抜け出て新しい視野に立ったという印象である。欠陥はあるけれど全体によくバランスがとれたことがあるので気にならない。」「これまでこの人によく見られた偏執やのめりこみが昇華されて、地味だけれど好感の抱けるものがしみこみ、うまく漂い、苦労は無駄ではなかったと、よくわかった。」
女33歳
16 「この作品は“作品”にしようとする努力がかえって分裂を招き、書きこめば書きこむだけ人物像が遠ざかるという失点を得てしまった。しかし、その努力がしぶとくねばっこく根がらみのものなので、さいごまで読まされる。日本の女流作家にない感性と気質があちらこちらに“固有なる”イメージを分泌し、それに衝突する抵抗感が魅力になっている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年3月号)
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芥川賞 101 平成1年/1989年上半期   一覧へ
選評の概要 受賞作ナシ 総行数36 (1行=24字)
選考委員 開高健 男58歳
候補 評価 行数 評言
  「今回はざんねんながら受賞作ナシと小生は見ます。毎度のことながら新人諸君の文体とヴォキャブラリーの古めかしさにおどろかされつつ、うんざりです。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年9月号)
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