芥川賞のすべて・のようなもの
第82回
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Last Update[H26]2014/10/30

森禮子
Mori Reiko
生没年月日【注】 昭和3年/1928年7月7日~平成26年/2014年3月28日
受賞年齢 51歳6ヵ月
経歴 本名=川田禮子。福岡県福岡市生まれ。県立福岡高等女学校卒。大学図書館勤務後、『九州文学』『九州作家』『文芸首都』等に参加。放送作家としても活動する。
受賞歴・候補歴
  • 「婦人朝日」懸賞小説[入選](昭和32年/1957年)「鎮魂曲」
  • 第6回女流新人賞[佳作](昭和38年/1963年)「未完のカルテ」
  • |候補| 第8回新潮新人賞(昭和51年/1976年)「遊園地暮景」
  • 第82回芥川賞(昭和54年/1979年下期)「モッキングバードのいる町」
  • 第39回福岡市文学賞[小説](平成21年/2009年)
備考
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芥川賞 第82受賞  一覧へ

まち
「モッキングバードのいる 町」(『新潮』昭和54年/1979年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第76巻 第8号  別表記8月号/894号
印刷/発行年月日 発行 昭和54年/1979年8月1日
発行者等 編集兼発行者 谷田昌平 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 276 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 85~129
(計45頁)
測定枚数 134
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書誌
>>昭和55年/1980年2月・新潮社刊『モッキングバードのいる町』所収
>>『文藝春秋』昭和55年/1980年3月号
>>昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第12巻』所収
>>平成11年/1999年8月・角川書店刊『女性作家シリーズ23 現代秀作集』所収
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候補者 森禮子 女51歳
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫
男68歳
19 「始めから高点を得て、あまり波瀾なく当選ときまりましたが、作品の出来から云つて当然と思はれました。」「登場人物がすべて型通りすぎるのが欠点といへば欠点ですが、そこに却つて田舎町の退屈の厚味が感じられます。」「読者がこの小説に覚える興味は、アメリカの小都市の、平凡な市民たちの姿が、具体的に描きだされてゐることから生れます。」
遠藤周作
男56歳
15 「推すつもりで銓衡会に出た。」「今度の作品は今までの氏の作品のなかでも一番よく、また今回の候補作品のなかでも優れているからと思ったからである。」「外国人に嫁ぎ外国に居住する日本人の女の内面は当然、孤独である。(引用者中略)それを描く時、どのように描くかが問題になる。それはむつかしい。」「私がこの作品を評価したのはそのむつかしさを森さんが兎も角も克服したことだ。」
瀧井孝作
男85歳
8 「小説の描写は、森瑤子さんの「誘惑」の方が勝ると私は見たが、(引用者中略)八点の多数にて当選した。」
大江健三郎
男44歳
7 「(引用者注:「羽田浦地図」と共に)小説に表現すべきメッセージを、入念に囲みこんだ風俗のうちに、よく制禦しえていることで、(引用者中略)文学の、より狭い読み手の範囲をこえて、読むにたえる作品となっていよう。しかし、(引用者中略)つづいてどのような表現をなしとげるエネルギーをそなえているか、それが明瞭には見えない。」
吉行淳之介
男55歳
5 「大きな箱に入れられて終点に持ってゆかれる人生、というような息の詰まる気分をチラチラ感じさせる力がある。しかし、話に即した文章はあるが、文体がない。私は消極的賛成であった。」
開高健
男49歳
5 「美点がいくつか数えられるのだけれど、素材が素材のままで投げだされていて未処理である。つまり、作品ではなくて、作文で終ってしまっている。」
安岡章太郎
男59歳
6 「文章は平板ながら、イヤ味なところはない。戦争花嫁(?)をつうじて、孤独な存在感は描けており、その限りでは面白く読めた。しかし、この作者には、文体を持てとは言わないまでも、まずもう少し血の通った文章を書くことにつとめて貰いたい。」
井上靖
男72歳
7 「独自な文体といったものは持っていないが、なかなかの筆力である。長篇が書ける筆である。最後のインディアンの祭の場面も、難しいところだが、あっさりと書いて、この作品の締めくくりとしては成功していると思った。」
丸谷才一
男54歳
10 「いちおう無難に出来てゐるソツのない小説なのだらうが、わたしには印象の薄い作品であつた。在来の日本の小説の書き方を大人しく習ひ覚えて、ちよつと変つた題材に当てはめただけといふ気がして仕方がない。」「殊にいけないのは文体に冴えがないことで、素人としては上手な部類にはいるのかもしれないが、小説家の文章ではない。」
丹羽文雄
男75歳
19 「いつかはこういう小説にめぐり会えると、私は長いこと待っていた。」「待望の小説に出会えて、私は感動した。」「この当選作の持つ歴史的な事実の重みは、他の候補作品を圧していた。諷刺的でなく、すなおに日本人妻の生き方ととり組んでいる。」「銓衡の席上では、文学的な香気にとぼしいという評もあったが、私はむしろ作者の成熟さを力強くおぼえた。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和55年/1980年3月号)
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