芥川賞のすべて・のようなもの
第102回
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Last Update[H26]2014/6/20

大岡玲
Ooka Akira
生没年月日【注】 昭和33年/1958年10月16日~
受賞年齢 31歳3ヵ月
経歴 東京都三鷹市生まれ。東京外国語大学イタリア語専攻卒、同大学大学院修了。高校や専門学校の講師を経て執筆活動に入る。父は詩人の大岡信。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第100回芥川賞(昭和63年/1988年下期)「黄昏のストーム・シーディング」
  • 第2回三島由紀夫賞(昭和63年/1988年度)「黄昏のストーム・シーディング」
  • |候補| 第101回芥川賞(平成1年/1989年上期)「わが美しのポイズンヴィル」
  • 第102回芥川賞(平成1年/1989年下期)「表層生活」
  • |候補| 第14回野間文芸新人賞(平成4年/1992年)『ヒ・ノ・マ・ル』
  • |候補| 第20回川端康成文学賞(平成5年/1993年)「ジンベイザメになりたかった」
備考
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芥川賞 第100回候補  一覧へ

たそがれ
黄昏のストーム・シーディング」(『文學界』昭和63年/1988年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第42巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 昭和63年/1988年12月1日
発行者等 編集人 雨宮秀樹 発行人 竹内修司 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 目次 170枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×25行
×2段
本文ページ 142~200
(計59頁)
測定枚数 183
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書誌
>>平成1年/1989年7月・文藝春秋刊『黄昏のストーム・シーディング』所収
>>平成4年/1992年7月・文藝春秋/文春文庫『黄昏のストーム・シーディング』所収
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候補者 大岡玲 男30歳
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男69歳
0  
黒井千次
男56歳
1 「知的メルヘンの試みが印象に残った。」
開高健
男58歳
0  
大庭みな子
女58歳
3 「若々しいはっとさせる表現が随所にあり、行きとどいた細やかな感性が次作を期待させる。」
吉行淳之介
男64歳
0  
日野啓三
男59歳
3 「形而上的メルヘン性(引用者中略)に、注目した。」
河野多恵子
女62歳
5 「(引用者注:「由煕」と共に)推した。」「弱点の指摘と共に資質が大方の評価を受け、期待をもって今回は見送られた。その活々した抽象性の駆使の鮮やかさは、優れた才能の出現を思わせる。」
三浦哲郎
男57歳
0  
田久保英夫
男60歳
6 「最も新鮮な魅力を感じた。」「文章は荒いが、作者にはテーゼから反措定へと働く徹底した内的な運動力があり、都市や海中を描く感性もゆたかだ。私はこういう作こそ、百回目の冒険に、と推したが、ほとんど賛同は得られなかった。」
古井由吉
男51歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年3月号)
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芥川賞 第101回候補  一覧へ

うるわ
「わが 美しのポイズンヴィル」(『文學界』平成1年/1989年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋」併記
巻号 第43巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 発行 平成1年/1989年6月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 阿部達児 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 48~105
(計58頁)
測定枚数 175
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書誌
>>『文藝春秋』平成1年/1989年9月号
>>平成2年/1990年3月・文藝春秋刊『表層生活』所収
>>平成5年/1993年4月・文藝春秋/文春文庫『表層生活』所収
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候補者 大岡玲 男30歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男65歳
9 「△じるしをつけた。」「平和のような今の時代に、退屈の捨て場所をさがし、妖しいエネルギーの持主に惹かれてみようとする青春がメインテーマなのだろう。」「(引用者注:末尾の一頁は)上等の出来栄えである。ただし、あまりに多くを語りすぎ、手をひろげ過ぎて、全体として曖昧なところができた憾みがある。」
日野啓三
男60歳
8 「前回の「黄昏のストーム・シーディング」より内部の力が弱いと感じた。文章も粗い気がする。」「自分の感性だけの作品世界ではなく、現代を大きく深く捉えようとする発想の大きさも、作家として貴重な才能なので、次作を強く期待する。」
河野多恵子
女63歳
15 「私はひとまず押し、あとで反対した。この作品の着眼は、実にすばらしい。」「しかし、出来はわるい。作中の今日性の表現が常套句で、他愛がない。それなのに受賞すれば、今日的作品とやら言われて軽々しい人気を呼びかねない。真実の今日性の創造で、読書界に衝撃を与えてもらいたい人であるのに……。で、授賞には反対した。」
黒井千次
男57歳
15 「印象に残った。」「作品の構えが大きく、骨太の開かれた枠組の中に現代を生きる人々を捉えようとした小説であり、他の候補作を一歩擢んでている、と感じた。」「現代人の「夢」がストーリーの展開軸に据えられている点も面白い。受賞に値する作品として推したが、少数意見にとどまった。」
古井由吉
男51歳
0  
田久保英夫
男61歳
15 「とくに注目した。」「私は一票をいれた。前作の荒っぽいなかに見えた思考の生動力、イメージの鮮鋭さは、この作にもあり、文章はなお柔軟になっている。」「現代の〈寺〉と〈広告〉という背反したものの間に、虚点のように身をおき、行動する〈ぼく〉、それは大乗的な理念の肉づけされた運動さながら興味深いが、しかし後半、廃棄物処理場や反対運動と背景が拡がるにつれ、虚構が浮き出し、「御前」や「ぼく」の肉づけが薄くなった。」
開高健
男58歳
11 「これだけのことを書くにしては仰々しすぎる箇処が目立つ。その割に全体として冗漫で、イメージが拡散し、焦点がボヤけているように感じられる。」「食事のマナーでいうと、御膳立てはいろいろとととのえたけれど箸の置き所を知らなかったといったところです。」
大庭みな子
女58歳
12 「才能は並々ならぬものがあると、前回からひき続いて二本の作品を読んで思った。世界に多角的に反応するしなやかさで動いてゆく気配がよい。」「もの足りないところはおいても、才能を買ってこれを受賞作にしてもよいのではないかとわたしは思っていた。」
三浦哲郎
男58歳
11 「私は、しかるべき権威を持つ文壇への登龍門、たとえば芥川賞、三島賞、直木賞、山本賞などを一つくぐった新人は、それだけで新進作家と認めてやっていいのではないかと思っている。」「右の持論通り、私は今回、三島由紀夫賞と新進作家大岡玲氏の名誉のために、彼の予選通過作品「わが美しのポイズンヴィル」に対する選考委員としてのすべての権利を放棄したことをここに明記しておく。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成1年/1989年9月号)
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芥川賞 第102受賞  一覧へ

ひょうそうせいかつ
表層生活」(『文學界』平成1年/1989年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第43巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 平成1年/1989年12月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 阿部達児 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 408 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 98~156
(計59頁)
測定枚数 171
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書誌
>>『文藝春秋』平成2年/1990年3月号
>>平成2年/1990年3月・文藝春秋刊『表層生活』所収
>>平成5年/1993年4月・文藝春秋/文春文庫『表層生活』所収
>>平成14年/2002年4月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第15巻』所収
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候補者 大岡玲 男31歳
選考委員 評価 行数 評言
古井由吉
男52歳
12 「(引用者注:「ネコババのいる町で」の他の)もう一席を(引用者中略・注「ドアを閉めるな」と)争うかたちになった。」「シミュレーションによりかくも単刀に現実突入を計る「専門家」というのは、人物の設定としてそもそも無理なのではないか。仕舞いにマザー・コンプレクスの臭いだけが濃く残った。」
大庭みな子
女59歳
11 「その力量は確かである。現代人が直面しないわけにはいかない人工頭脳に対する執着と挫折が作品化されている。」「(引用者注:「表層生活」と「ネコババのいる町で」の)二作と初めから思っていたような結果になったので、すっきりしている。」
日野啓三
男60歳
13 「候補三度目で、本当に何が書きたいのか、私にはやっと見えてきた気がする。」「日常的現実のぎりぎりの果てに絶対的なものの感触を書こうとしているのだろう。」「「絶対の現実」を“聖なるもの”と言い替えても大きく誤りではあるまい。その意味でこの作者は一見新しい装いを凝らしているようで、本質はたいへん正統的な作家だと思う。」
三浦哲郎
男58歳
2 「前回とおなじ理由(引用者注:すでに三島由紀夫賞の受賞者であること)で棄権した。」
河野多恵子
女63歳
13 「私は(引用者中略)推した。」「又しても導入部の拙さや無意味な補強の部分があるなど欠点はある。しかし、作者が前人未踏の分野に挑んでいることは確かである。」「大岡氏の登場には、文学的にも社会的にも、一九八〇年代に対する鮮やかな反措定の観がある。」
田久保英夫
男61歳
14 「私は(引用者中略)結局大岡氏と荻野さんの作品に絞った。」「コンピューターやサブリミナルテープを通して、徹底した知能犯的な意識で、裏側から人間支配を企む男を、その観察者・同伴者の友人の眼で追っている。」「これは現代生活に潜む切実な主題でもあって、それに執拗にとりくむ力業に、私は注目した。」
吉行淳之介
男65歳
19 「作者の想像力が旺盛すぎてディテールが氾濫し、単純なはずのテーマが混乱しかかる。」「(引用者注:主人公の)次のステップへの移行の具合を、文中に散見する「女性への恐怖」や「女性を支配しているつもりが支配されている」というようなことを頭に入れて見てゆくと、作品全体がほぐれてきた。」「いずれにせよ、若々しく力に溢れたこの作家の受賞を喜びたい。」
黒井千次
男57歳
7 「作者が一貫して現代そのものに取り組もうとする姿勢を支持したい。“計算機”と呼ばれる人物が必ずしも十全には理解出来なかった面もあるけれど、この主題にこだわり、更に危険な賭けを続行するよう願っている。」「三作(引用者注:「ドアを閉めるな」「ネコババのいる町で」「表層生活」)は僅差で並び、どれが受賞してもおかしくはなかったと思う。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成2年/1990年3月号)
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