芥川賞のすべて・のようなもの
第102回
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Last Update[H26]2014/6/20

瀧澤美恵子
Takizawa Mieko
生没年月日【注】 昭和14年/1939年3月1日~
受賞年齢 50歳10ヵ月
経歴 本名=瀧澤美枝子、旧姓=岡村。新潟県中蒲原郡村松町生まれ。東京外国語大学中国語学科中退。アルバイトや臨時雇用等を経て、損害保険ブローカーのマーシュアンドマクレナン入社、昭和56年/1981年まで在社し、社長秘書を務める。その後、朝日カルチャーセンターの小説教室などに通い、創作をはじめる。
受賞歴・候補歴
  • 第69回文學界新人賞(平成1年/1989年)「ネコババのいる町で」
  • 第102回芥川賞(平成1年/1989年下期)「ネコババのいる町で」
備考
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芥川賞 第102受賞  一覧へ

まち
「ネコババのいる 町で」(『文學界』平成1年/1989年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第43巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 平成1年/1989年12月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 阿部達児 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 408 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 62~96
(計35頁)
測定枚数 104
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書誌
>>『文藝春秋』平成2年/1990年3月号
>>平成2年/1990年3月・文藝春秋刊『ネコババのいる町で』所収
>>平成5年/1993年3月・文藝春秋/文春文庫『ネコババのいる町で』所収
>>平成7年/1995年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『ネコババのいる町で(上)』所収
>>平成11年/1999年8月・角川書店刊『女性作家シリーズ23 現代秀作集』所収
>>平成14年/2002年4月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第15巻』所収
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候補者 瀧澤美恵子 女50歳
選考委員 評価 行数 評言
古井由吉
男52歳
6 「小説として勘所がおのずと良く押さえられたことが、(引用者中略)まず選者たちに平均的な支持を受けた理由だと思われる。私にとっても苦楽のアヤは歯切れよく読めた。この手柄が一度ぎりのものか、作者の言葉の年輪によるものか、後者だと私は確信するが、よくは分からない。」
大庭みな子
女59歳
7 「天性で書いている人のように思える。何らかの体験的なものの中で、言語の奥にあるものが大きくふくれて来て、この不可思議な味の作品になったものであろうか。」「(引用者注:「表層生活」と「ネコババのいる町で」の)二作と初めから思っていたような結果になったので、すっきりしている。」
日野啓三
男60歳
26 「妙な味のあるふしぎな作品だ。」「私の勘によれば、この小説は作者の過去の体験そのものではない。」「多分この作品はすぐれた細部も含めて、あるときふっとその全体が宙に浮かび出して見えたにちがいない。無意識そのもの、洞察力と構成力を自然に生かすことのできるふしぎな才能のひとのように思われて、今後が楽しみである。」
三浦哲郎
男58歳
11 「よかった。」「なによりも肩の力がすっかり抜けてのびのびと書けているところがいい。」「好ましい場面は随所にあるが、とりわけ、実の父親に会いにいくところがよかった。」「行間から、「サヨナラダケガ人生ダ」という、誰かの呟きがきこえてきて、それが読後の余韻になっている。小説というものはこうでなくてはいけない。私は躊躇なくこれを推した。」
河野多恵子
女63歳
7 「女の一生もの、人生派ものになりかねない素材を扱いながら、一向にそうならず、人生と人間のおもしろさを描き出したことは一応評価する。しかし、そのおもしろさが、この作品を超えて読者に働きかけるまでには到っていない。」
田久保英夫
男61歳
10 「軽やかで抑えた筆が血縁や人間のかかわりの陰影を捉えている。もう一歩内へ踏みこめば、その造型が毀れかねない手前で、支えているのが巧い。またこの自然な巧さが、今後の不安でもある。」
吉行淳之介
男65歳
10 「稀薄なかんじがつづいているうちに、頭の中に文章も中身もしだいに積みかさなって、濃くなってきた。」「劇的なはなしを無造作のように書いてあるところもあったりして、それぞれユニークに適切に処理されている。これは、半ば無意識の計算だろうとおもう。」「この作品は資質がよく生かされて、感心した。」
黒井千次
男57歳
7 「穏やかな筆致が人間の温もりと小説の面白さを浮かび上らせる作品だった。眼の前にあるものを自然に受け入れる成熟した視線に好感を覚える。」「三作(引用者注:「ドアを閉めるな」「ネコババのいる町で」「表層生活」)は僅差で並び、どれが受賞してもおかしくはなかったと思う。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成2年/1990年3月号)
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