芥川賞のすべて・のようなもの
第105回
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Last Update[H28]2016/11/2

辺見庸
Henmi Yo
生没年月日【注】 昭和19年/1944年9月27日~
受賞年齢 46歳9ヵ月
経歴 本名=辺見秀逸。宮城県石巻市出身。早稲田大学第二文学部卒。共同通信社入社、外信部記者として活動。平成8年/1996年退社、執筆活動に専念する。
受賞歴・候補歴
  • 新聞協会賞(昭和54年/1979年)
  • 第105回芥川賞(平成3年/1991年上期)「自動起床装置」
  • 第16回講談社ノンフィクション賞(平成6年/1994年)『もの食う人びと』
  • 第3回JTB紀行文学大賞(平成6年/1994年)『もの食う人びと』
  • |候補| 第18回萩原朔太郎賞(平成22年/2010年)『生首』《詩集》
  • |候補| 第41回高見順賞(平成23年/2011年)『生首』《詩集》
  • 第16回中原中也賞(平成23年/2011年)『生首』《詩集》
  • 第42回高見順賞(平成24年/2012年)『眼の海』《詩集》
  • |候補| 第3回鮎川信夫賞[詩集部門](平成23年/2011年度)『眼の海』《詩集》
  • 第3回城山三郎賞(平成28年/2016年)『増補版 1★9★3★7』
備考
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芥川賞 第105受賞  一覧へ

じどうきしょうそうち
自動起床装置」(『文學界』平成3年/1991年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第45巻 第6号  別表記5月号
印刷/発行年月日 発行 平成3年/1991年5月1日
発行者等 編集人 湯川 豊 発行人 阿部達児 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 102~148
(計47頁)
測定枚数 139
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書誌
>>平成3年/1991年8月・文藝春秋刊『自動起床装置』所収
>>『文藝春秋』平成3年/1991年9月号
>>平成6年/1994年9月・文藝春秋/文春文庫『自動起床装置』所収
>>平成14年/2002年4月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第15巻』所収
>>平成16年/2004年9月・角川書店刊『辺見庸掌編小説集 黒版 闇に学ぶ』所収
>>平成17年/2005年2月・新風舎/新風舎文庫『自動起床装置』所収
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候補者 辺見庸 男46歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男67歳
20 「この「起こし屋」というアルバイトは、起される人たちの時間がマチマチの職場なので、今の時代に珍しく残っていたわけだ。そこのところを十分におさえて、筆をすすめて行っているかどうか。」「苦情は多いが好きな作品で、軽い昂揚とともに読み終えた。」「「眠りの世界」を覗いた手柄については、他の委員が書くだろう。」
大庭みな子
女60歳
4 「へんにぎごちない文章に誘われて、人生のおかしさと悲しみのにじみ出ているのがよい。」
三浦哲郎
男60歳
8 「素材の面白さにつられて一気に読んだ。人間の眠り、あるいは眠っている人間というものを、外側からこれほどつぶさに考察した作品が珍しいことは認めるにしても、私は作品の構成にいくつかの難点を数えることができた。」
丸谷才一
男65歳
8 「眠りといふ軸と植物といふ軸と、二つの方向から探求しようとするのも適切な趣向である。しかしこれは前半までで、後半はこの探求の線が捨てられ(殊に植物への関心が失せ)、新式の機械のことだけで筋を運ぶ。この後半がわたしにはおもしろくなかつた。」
河野多恵子
女65歳
16 「私には「眠り」を描いた作品として興味深かった。」「起こし屋というアルバイト青年を主人公にしたのが、この作品の取得の基になっている。」「しかし、自動起床装置導入の話が出てくるところから、急につまらなくなった。主人公(と同僚聡)の視力・感じ方が狭く、幼稚に、粗くなる。実力不足が窺かれる気がしたが、そこに到るまでの間に伝わってきた才能を信じて、推すことにした。」
日野啓三
男62歳
27 「小説の作り方の上で幾つかの欠点がある。多分小説らしい形をつけるにはこういう変化が必要なのだろう、と加えたにちがいない余分な箇所だ。」「にもかかわらず、作品全体にふしぎな魅力がある。何か飄々としてユーモアのある悲しみのようなものだ。」「まさに植物的生存の古く暗い根をひきずり続けている人間たちへの身近な感情。それは必ずしもいわゆる新しいものではないが、とてもオーソドックスなものだ、人間にとっても文学にとっても。」
黒井千次
男59歳
16 「二つの面白さがある。その一つは素材の持つ新鮮さであり、他の一つは人間の眠りが執拗に追い求められている点である。」「この作品の持つ力は、「自動起床装置」の出現から生れるものではなく、「起こし屋」の日常的な営みの内に宿っている。」
古井由吉
男53歳
12 「青年の口調を擬している。語り手を青年にしたのは、テーマの重さからして、適切であったか、と疑問を投げかけた選者がいた。私も同感である。」「眠りと目覚めについてこれほどの思いを、認識と感受性をめぐらす青年たちが、そうそう締まりのゆるい精神の持主とも思われない。語り手の人物にまず骨を通すことも、虚構の大事である。」
田久保英夫
男63歳
16 「人の一生の半分は睡眠の時間だ、というが、これはそういう時間の量だけでなく、質にまで踏みこんで、日常の覚醒時を、睡眠時より優位におく通念の世界をひっくり返している。」「オノマトペが多すぎるのか、文章を平易にしているようでいて煩雑にし、守衛の一人が死にかける情景なども、終りのための終りで、うまく主題をいかしていないが、それでは私はこの独特の着想と、小説的なとらえ方に一票を入れた。」
大江健三郎
男56歳
15 「眠り人たちのあらわすいずれも辛い表情がしみじみと納得を誘うところはじめ、実社会で経験をかさねた作者の物の見方の確かさがゆるがぬ基盤をなしている。それだけに、語り手と仲間を若者に設定してかれらの内面によりそってゆく展開は、時に微妙なズレを見せる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十五巻』平成14年/2002年4月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成3年/1991年9月号)
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