芥川賞のすべて・のようなもの
第115回
  • =受賞者=
  • 川上弘美
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Last Update[H29]2017/8/31

川上弘美
Kawakami Hiromi
生没年月日【注】 昭和33年/1958年4月1日~
受賞年齢 38歳3ヵ月
経歴 旧姓=山田。東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部生物学科卒。大学在学中にSF小説を発表。中学・高校教員を務めたのち結婚。平成6年/1994年、再デビューを果たす。
受賞歴・候補歴
芥川賞
選考委員歴
第137回~(通算10.5年・21回)
備考
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芥川賞 第113回候補  一覧へ

ばば
婆」(『中央公論文芸特集』平成7年/1995年夏季号[6月])
媒体・作品情報
誌名 「中央公論文芸特集」
巻号 第12巻 第2号  別表記夏季号
印刷/発行年月日 発行 平成7年/1995年6月
発行者等 編集長 宮田毬栄 編集人 白井和彦 発行人 嶋中行雄 印刷所 大日本印刷
発行所 中央公論社(東京都)
装幀/装画等 カット 東谷武美
総ページ数 360 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 194~209
(計16頁)
測定枚数 51
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書誌
>>平成8年/1996年8月・中央公論社刊『物語が、始まる』所収
>>平成11年/1999年9月・中央公論新社/中公文庫『物語が、始まる』所収
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候補者 川上弘美 女37歳
選考委員 評価 行数 評言
日野啓三
男66歳
0  
河野多恵子
女69歳
6 「奇妙な作品だった。私は文学作品に話の筋は期待しない。作品によって様々だが、筋などではない何かに引っ張られたい。そういう引っ張ってゆく力が、この作品にはある。」
黒井千次
男63歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
大江健三郎
男60歳
7 「(引用者注:「ジェロニモの十字架」と共に)まだ自分の個性の質と量について、よく見さだめられていない。」「決して気分的に流れないで表現する不思議なイメージ世界を、より堅固に、つまり、より散文的にとらえなおしてゆかれれば、新人らしい新人の登場にいたるかも知れないと思う。」
丸谷才一
男69歳
0  
大庭みな子
女64歳
2 「意外に(引用者注:藤沢周と)同質の自在なものを持っているのかもしれない。」
古井由吉
男57歳
0  
田久保英夫
男67歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年9月号)
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芥川賞 第115受賞  一覧へ

へび
蛇を 踏む」(『文學界』平成8年/1996年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第50巻 第3号  別表記3月号
印刷/発行年月日 発行 平成8年/1996年3月1日
発行者等 編集人 寺田英 発行人 田所省治 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 30~55
(計26頁)
測定枚数 75
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』平成8年/1996年9月号
>>平成8年/1996年9月・文藝春秋刊『蛇を踏む』所収
>>平成9年/1997年4月・講談社刊『文学1997』所収
>>平成11年/1999年8月・文藝春秋/文春文庫『蛇を踏む』所収
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
>>平成27年/2015年6月・講談社/講談社文芸文庫『現代小説クロニクル 1995~1999』所収
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候補者 川上弘美 女38歳
選考委員 評価 行数 評言
日野啓三
男67歳
29 「「蛇を踏んでしまった」というさり気ない書き出しの切れ味がいい。そうしてごく普通の若い女性が、日常生活の中で心ならずも神話的領域に触れてしまう。」「前作に比べて格段に強くしなやかになった作者の文章の力が、現代日本の若い女性たちの深層意識の見えない戦い――というひとつの劇的世界を文章表現の次元に作り上げた。」
丸谷才一
男70歳
21 「文句のつけやうのない佳品である。有望な新人を推すことができて嬉しい。」「普通、変形譚といふと何か危機的な感じがするものだけれど、ごく日常的な感じである。」「普段の暮しのなかにたしかにある厄介なもの、迷惑なものを相手どらうとしてゐる。それがじつに清新である。」「書き出しもよく、真中もよく、結末もうまい。」
三浦哲郎
男65歳
14 「しっとりとして冷たい情感をたたえた文章に感心した。近年、これほどそつのない文章を駆使する新人とは出会わなかったような気がする。ただ、私は(引用者中略)蛇という生きものに堪え難い恐怖と嫌悪を抱くようになっている。(引用者中略)それにしても、素材に対する恐怖や嫌悪が作品の評価に影響を及ぼしてはいけないのである。反省している。」
宮本輝
男49歳
8 「私はまったく評価していなかったので、最初の投票で委員の多くがこの作品を推したときには驚いてしまった。」「蛇が人間と化して喋ったりすることに、私は文学的幻想を感じない。」「私は最後まで「蛇を踏む」の受賞に反対意見を述べた。寓話はしょせん寓話でしかないと私は思っている。」
田久保英夫
男68歳
18 「殊に注目した。」「昔からの道成寺縁起や秋成の「蛇性の婬」、あるいは現代の作品さえ思い起し、使い古されたような抵抗感を覚えた。しかし、この筆力は相当なもので、しだいにその抵抗を乗りこえさせ、色濃く関係や想念を展開して、私はときに立ちどまり、ときにひと息に読んだ。」「私は最終的に、「天安門」とこれと二作に票を入れた。」
黒井千次
男64歳
16 「手応えを覚えた。」「この種の小説にあっては、描かれる世界の意味や隠喩の形を採ることよりも、まず作品の中にするりとはいりこめるか否かが勝負であり、柔らかな息遣いの文章によって、その難問が自然に越えられていると感じた。」「これはただの変身譚というより、変身への誘惑に対する闘いを足場にして生み出された、反変身的変身譚といえるだろう。」
石原慎太郎
男63歳
6 「私には全く評価出来ない。蛇がいったい何のメタファなのかさっぱりわからない。」「こんな代物が歴史ある文学賞を受けてしまうというところにも、今日の日本文学の衰弱がうかがえるとしかいいようがない。」
古井由吉
男58歳
9 「蛇にたいする常人の感覚を踏んだだけの作品ではない。」「そこまで「踏んで」おきながら、作品の隅々まで蛇で満たしておきながら、文章に蛇の執念が足りないばかりに、最後で流された。」
大庭みな子
女65歳
3 「これは蛇だ。蛇のようにとぐろを巻いてかま首をもたげている他人の気味悪さにぞくっとする。」
池澤夏樹
男51歳
18 「『今昔物語』以来の変身譚の系譜を踏まえた上で、いかにも昨今らしく、しかしやはりどことなく古風に、まとめた佳品である。」「いきなりの蛇の登場を読者に納得させるところはうまいし、ものすごい速さで流れてゆく部屋の中で蛇と互いに首を締め合っているという終わりも見事。」「この作の受賞には全面的に賛成。」
河野多恵子
女70歳
15 「作者の川上弘美さんがこれの書けたことで如何にも小説を書く呼吸を会得した気配の感じられる出来栄えを示していた。」「私は自分が自分の肉体から決して出られないこと、他の人の感覚を決して知りようがないことを時に思うことがある。この作品は、そのような一つの例外もない絶対的な真実を、変身という裏返しの方法によって描いたものとして、興味深く読んだ。文章も自由に作者のものになっていて快い。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年9月号)
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