芥川賞のすべて・のようなもの
第119回
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Last Update[H28]2016/5/10

藤沢周
Fujisawa Shu
生没年月日【注】 昭和34年/1959年1月10日~
受賞年齢 39歳6ヵ月
経歴 新潟県西蒲原郡内野町(現・新潟市)生まれ。法政大学文学部日本文学科卒。昭和61年/1986年~平成8年/1996年、図書新聞社に勤務。そのかたわら作家デビューし、創作をつづける。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第113回候補  一覧へ

そとまわ
外回り」(『群像』平成7年/1995年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第50巻 第6号  別表記6月特大号
印刷/発行年月日 印刷 平成7年/1995年5月5日 発行 平成7年/1995年6月1日
発行者等 編集人 渡辺勝夫 発行人 天野敬子 印刷人 藤田弘道 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 452 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×21行
×2段
本文ページ 146~175
(計30頁)
測定枚数 80
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書誌
>>平成8年/1996年9月・講談社刊『ソロ』所収
>>平成13年/2001年3月・講談社/講談社文庫『ソロ』所収
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候補者 藤沢周 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
日野啓三
男66歳
0  
河野多恵子
女69歳
0  
黒井千次
男63歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
大江健三郎
男60歳
3 「(引用者注:「フルハウス」と共に)素材を見出す才能を示しながら書き方がザッパクすぎる。」
丸谷才一
男69歳
0  
大庭みな子
女64歳
2 「意外に(引用者注:川上弘美と)同質の自在なものを持っているのかもしれない。」
古井由吉
男57歳
0  
田久保英夫
男67歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年9月号)
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芥川賞 第117回候補  一覧へ
「サイゴン・ピックアップ」(『文藝』平成9年/1997年夏季号[5月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記「ぶんげい」「BUNGEI」併記
巻号 第36巻 第2号  別表記夏季号/夏/SUMMER
印刷/発行年月日 発行 平成9年/1997年5月1日
発行者等 編集人 長田洋一 発行人 清水勝 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 327 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×28行
×2段
本文ページ 114~134
(計21頁)
測定枚数 86
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書誌
>>平成9年/1997年9月・河出書房新社刊『サイゴン・ピックアップ』
>>平成11年/1999年2月・河出書房新社/河出文庫『サイゴン・ピックアップ』
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候補者 藤沢周 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
丸谷才一
男71歳
12 「現代の青春を書くのにふさはしい道具立てを揃へてみせた。その才気は認めてもいい。しかしありきたりのものだけ並べたのは残念だつた。」「何か一つに獨創性のある角度から光を当てて、おもしろい挿話を語つてもらひたかつた。」
日野啓三
男68歳
0  
黒井千次
男65歳
7 「二つの(引用者注:俗と聖の)世界がどう対立するのか、あるいは対立し得ぬのか、が遂にわからぬまま終るところにもどかしさと苛立ちが残った。」
田久保英夫
男69歳
4 「あざやかな場面も幾つかあるが、結局この聖俗二つの世界が、何を目ざすのか、感得できない。」
河野多恵子
女71歳
0  
宮本輝
男50歳
5 「大都会に禅寺の修行僧たちを配して、バイオレンス仕立てに都合よく動かしただけという印象を受けた。」
池澤夏樹
男52歳
11 「伎倆という点で言えば(引用者中略・注:似た面の多い「最後の息子」より)ずっと達者。ぐいぐいとよく読ませる。しかし、作者にとって禅は本当にテーマだったのか。」「器用な語り口の読後にざらっとした不信感が残る。」
古井由吉
男59歳
37 「作品は修行者の俗も俗のところをつぶさに描いてはいるが、それで足れりとはしていない。俗に堕ちるのは求道の必然と睨んでいる。」「主人公は真には受けていないつもりの求道の、気味の良くない深み、どうやら宗教的であるらしい背理の中へじわじわと、惹きこまれかねない危機にさしかかっているらしい。」「背理の細い隙間に踏みこむために、騒がしく走らなくてはならぬことはある。」
石原慎太郎
男64歳
7 「興味深い世界を描いている。それを描いてことさら深刻になる必要もないが、いろいろとりこんで達者に描いてはいるが何が芯たる主題かが伝わってこない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成9年/1997年9月号)
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芥川賞 第118回候補  一覧へ

すな ひかり
砂と 光」(『文學界』平成9年/1997年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第51巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 平成9年/1997年12月1日
発行者等 編集人 庄野音比古 発行人 阿部達児 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 214~239
(計26頁)
測定枚数 79
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書誌
>>平成10年/1998年4月・講談社刊『文学1998』所収
>>平成10年/1998年11月・文藝春秋刊『陽炎の。』所収
>>平成14年/2002年2月・文藝春秋/文春文庫『陽炎の。』所収
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候補者 藤沢周 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
丸谷才一
男72歳
14 「筋のある話は見せかけだけで、作中人物の感慨ないし感懐だけが中身になつてゐる。」「登場人物たちの関係のもつれもなく、物語の始め半ば終りもない。」「これは短篇小説ではなくてスケッチだらう。スケッチとしては、基本的な筆力がある。この作者が本式の短篇小説に挑戦することを望む。」
石原慎太郎
男65歳
0  
古井由吉
男60歳
6 「作中の比喩の多さは半端でない。これを私は、著者と粘りくらべで、片端から吟味したところが、使い捨ての覚悟ではあるが、けっして安易なものではなかった。評価はどうあれ、何かは残った、と著者はひとまずの安堵の中にあるのではないか。」
日野啓三
男68歳
4 「構成にも文章にももう少し、柔らかさとか余裕の力のようなものが欲しい。これだけでは奥行のない風景画面のようだ。」
田久保英夫
男69歳
5 「単に美しい対象より、醜く異様で、危険な刺を含む異性に、躰ごと触れたいという性的衝動をとらえ、一つの発見を感じる。しかし、比喩を多用した文章の感覚的な凝り方は、世界を狭く窮屈にしている。」
河野多恵子
女71歳
9 「作者はこういうテーマには抽象性が必要なことを承知しているらしい。感覚の表現にその種の形容語を熱心に作りだしている。だが、作品の基盤がべた(原文傍点)リアリズムなのである。ヴァイオリンを弾くには、弓の使い方ばかりでなく、弦の張り工合、左手の指の押え方からして大事なのだ。」
三浦哲郎
男66歳
0  
黒井千次
男65歳
11 「性を意識しはじめる少年を主人公に海辺の日々を描いてその限りでは鮮やかな印象を残すのだが、回想の枠組と内容の時間とがうまく噛み合っていない憾みが残った。」「もう一工夫が試みられて別種の光が差し込めば、性への関心の対象となる奇妙な女も、少年の姿も、違った陰影を帯びたのではあるまいか。」
宮本輝
男50歳
6 「思春期の少年たちの性的衝動や、社会と向き合っていく時期の脈絡のない妄想を描いているが、それだけでしかなく、作品の奥から立ち上がってくる何かがない。」
池澤夏樹
男52歳
2 「これだけのディテイルを担うに足るボディーがない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成10年/1998年3月号)
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芥川賞 第119受賞  一覧へ

ごぜんれいじ
「ブエノスアイレス 午前零時」(『文藝』平成10年/1998年夏季号[5月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記「ぶんげい」「BUNGEI」併記
巻号 第37巻 第2号  別表記夏季号/夏/SUMMER
印刷/発行年月日 発行 平成10年/1998年5月1日
発行者等 編集人 阿部晴政 発行人 清水勝 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 327 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×26行
×2段
本文ページ 196~220
(計25頁)
測定枚数 92
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書誌
>>平成10年/1998年8月・河出書房新社刊『ブエノスアイレス午前零時』所収
>>『文藝春秋』平成10年/1998年9月号
>>平成11年/1999年4月・講談社刊『文学1999』所収
>>平成11年/1999年10月・河出書房新社/河出文庫『ブエノスアイレス午前零時』所収
>>平成14年/2002年10月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第18巻』所収
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候補者 藤沢周 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
石原慎太郎
男65歳
7 「現代的主題を、(引用者中略)老女のノスタルジーにかぶせて描いた、なかなか感覚的な部分もある、よくまとまった作品である。」
田久保英夫
男70歳
12 「犀利な感覚が見える。男の郷里であるその土地と、東京ぐらしの醒めた生活意識。盲目で老耄した女の現実と、妄想かも知れぬ横浜やブエノスアイレスの空間。こうした二つの世界を、フラッシュバックさせながら進む描写はあざやかだ。」「ただ、これまでの作品を見ても、どんな題材も巧みに書けそうで、私はそこに貫くつよい内的なモティーフを感得したい、と思う。」
黒井千次
男66歳
14 「秀作である。」「本作は筆の走りを抑えて、都会からUターンした男の淡い諦めを滲ませた鬱屈と、外国人相手の娼婦であったと噂される老女の過去への思いとが、巧みに結び合わされて形の整った小説を生み出すことに成功した。」「そこには、まだ狂ったように走る光の点や、掌に掬われた温かな空気の感触もしっかり書き留められている。」
池澤夏樹
男53歳
11 「実にうまくできた話で、どこにも隙がない。」「しかし何か足りない。この小さな物語を壊しかねない要素は持ち込むまいという作者の意図が見える気がする。」「授賞には異論はないが、次はまた前のような冒険をしてほしい。」
河野多恵子
女72歳
22 「(引用者注:主人公カザマが老女ミツコに対応するのは仕事の)一部であること、また彼のミツコに対するやさしさが立場上のやさしさであることが、自然に、豊かに描出されていて、作品世界を不思議なほど広がりのあるものにしている。それは、この作品の抽象性が成功しているからでもある。」「四度目の候補である今度の作品で、遽かに才能が大きく呼吸しはじめた。」
三浦哲郎
男67歳
8 「前作とあまりにも作風が違うので驚いた。今回の作品は文章も内容もよく整っていて、この作者の最良作だと思うが、これまでの荒々しい熱気が影をひそめて妙におとなしく纏まっているところが、いささか食い足りなかった。」
古井由吉
男60歳
11 「若い諧謔をふくんで、筆の運びは辛抱強い。タンゴのポーズを取って、男の肋のあたりに老女の、乳房とも、ただのドレスの膨らみともつかぬものが、かすかに触れる。現在と遠方との、「交接」である。男と女が交互に、現在になり遠方になる。」
宮本輝
男51歳
7 「藤沢氏の作品には、いつも、材料を上手にまとめただけといった印象を持つ。「書かれた小説世界」以上の何かが、読後、湧きあがってこない。」
日野啓三
男69歳
5 「私はよい印象を持たない。適当な記号的イメージを適当に並べて感傷的に味つけした中間風俗小説と、二度読んで感じたが、多数の委員がそう感じなかったことに異を立てる気はない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成10年/1998年9月号)
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