芥川賞のすべて・のようなもの
第144回
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Last Update[H27]2015/5/28

小谷野敦
Koyano Atsushi
生没年月日【注】 昭和37年/1962年12月21日~
経歴 茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文科卒。同大学院総合文化研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。カナダ留学後、大学講師・助教授などを経て文筆業。
受賞歴・候補歴
  • サントリー学芸賞[芸術・文学部門](平成14年/2002年)『聖母のいない国』
  • |候補| 第144回芥川賞(平成22年/2010年下期)「母子寮前」
  • |候補| 第152回芥川賞(平成26年/2014年下期)「ヌエのいた家」
備考
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ぼしりょうまえ
母子寮前」(『文學界』平成22年/2010年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第64巻 第9号  別表記9月号
印刷/発行年月日 発行 平成22年/2010年9月1日
発行者等 編集人 舩山幹雄 発行人 明円一郎 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 目次 250枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 38~113
(計76頁)
測定枚数 244
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書誌
>>平成22年/2010年12月・文藝春秋刊『母子寮前』
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候補者 小谷野敦 男48歳
選考委員 評価 行数 評言
島田雅彦
男49歳
24 「駄目男の母恋というテーマには、父への違和と自分の心の病が横糸に絡んでくるので、作中で交錯する感情はかなり複雑なのだが、その綾を書き込めば、象徴的な父殺しと自分殺しが重なるファミリーロマンスの傑作になっていたかもしれない。そんなベタな小説はごめんだから、ドキュメンタリーに逃げたのかもしれないが、結果的にはありがちな看病記になってしまったのは惜しかった。」
高樹のぶ子
女64歳
0  
川上弘美
女52歳
11 「引きこまれました。(引用者中略)この作者の描こうとする自身の中の虚無に引きこまれたのです。その虚無を表すのに、作者は偽悪的な書きようをしています。それが、なによりよかった。」
池澤夏樹
男65歳
0  
石原慎太郎
男78歳
0  
小川洋子
女48歳
20 「『母子寮前』に登場する父親。彼のことが今も頭を離れない。」「主人公は決して自分の内面へ深く降りてゆこうとしない。彼の苦悩は、田宮虎彦や師匠の母親の死との比較によって語られる。母より父を先に亡くした人を、彼はうらやましいと思う。息子にそう思わせる父親は、やはり異界にしか居場所がない。」
山田詠美
女51歳
17 「親の死に目を描く小説は、ちまたにはびこる「泣ける話」と紙一重になりがちだが、ここでは執念にも似た丹念さがそれを遠ざけている。大嫌いな父親の行状をあげつらえばあげつらうほど、主人公が彼に似て来るような気がして、興味深かった。」
黒井千次
男78歳
10 「主人公の語りにいささか濃淡の差があり過ぎて、このように「私」を軸にした作品であれば当然触れられるべきと思われるような主人公の体験の幾つかが、ほとんど書かれずに過ぎている点に不満が残る。」
村上龍
男58歳
0  
宮本輝
男63歳
15 「はたしてこれは小説なのか、癌と宣告された母親を看取る作者の看病記録なのか、と首をかしげてしまった。」「丁寧に書かれてあるだけになおさら、作者のはらわたの隠し方に潔の悪さを感じた。そうなると、私小説の凄さは作品から消え失せてしまう。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
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いえ
「ヌエのいた 家」(『文學界』平成26年/2014年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第68巻 第9号  別表記9月号
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年9月1日
発行者等 編集人 武藤 旬 発行人 吉安 章 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社 DTP制作 株式会社ローヤル企画
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 目次 180枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 68~123
(計56頁)
測定枚数 181
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書誌
>>平成27年/2015年5月・文藝春秋刊『ヌエのいた家』
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候補者 小谷野敦 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
小川洋子
女52歳
19 「主人公がいくら父を嫌悪しようと、二人は決して断ち切れない一本の根でつながっているのではないか。そう思いはじめると、たまらない恐怖に取りつかれる。」「ただし書き手自身はその恐ろしさに無自覚である。あと半歩、書き手の位置をずらすことにより、もっとおぞましい世界が浮き彫りになったのでは、とつい考えてしまう。」
奥泉光
男58歳
11 「安定した筆の運びは、落ち着いた読書の時間を与えてくれた。が、語り手とヌエと呼ばれる「父親」の関係がいまひとつ明瞭な像を結ばず、その捉えにくさを魅力と感じる読み方は残念ながらできなかった。」
高樹のぶ子
女68歳
9 「父親をもっと魅力的に創ることが出来れば、血縁のおかしみや哀しみ、馬鹿馬鹿しさが伝わってきたのではないだろうか。」
山田詠美
女55歳
13 「これは、前に候補となった母親の死を描いた作品と合わせて読まれるべきだろう。」「と、言うことは、この作品は、不完全であると思わざるを得ない。それにしても、妻の苦労が滲み出ていて痛々しい。」
宮本輝
男67歳
20 「私小説ではなく個人的手記の域から出ていない。」「主人公が「ヌエ」と表現する父親には、そう罵倒される理由が、この小説のなかでは見いだせない。」「私小説の名作がなべて隠し持つ精髄の根源について、小谷野氏はあらためて考えてみるべきではないだろうか。」
堀江敏幸
男51歳
15 「父親をヌエと呼んで徹底的に忌避する意図が、みずから選びとった小説形式と語りに少しずつ裏切られ、所々で愛すべき滑稽さを生んでいることに「私」は気づこうとしない。そのかたくなさに善し悪しはあるけれど、あちこちに走る小さな亀裂には不思議な魅力がある。」
島田雅彦
男53歳
12 「人は往々にして、自分が嫌う相手に似てしまうもので、それこそが近親憎悪の最もおぞましい部分なのだが、自分と父はあくまで違うという思い込みに対する批評が欠落している。個人的には歩んできた時代背景が同じなので、懐かしい匂いがした。」
村上龍
男62歳
0  
川上弘美
女56歳
11 「率直さには、うたれました。」「ただ、なぜこれだけ語り手が父親を嫌うのかは、前作「母子寮前」を読んでいない人間にはわかりにくいという意見が選考会の中で出され、私もそれに賛成でした。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年3月号
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