芥川賞のすべて・のようなもの
選評の概要
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Last Update[H29]2017/2/15

島田雅彦
Shimada Masahiko
生没年月日【注】 昭和36年/1961年3月13日~
在任期間 第144回~(通算6.5年・13回)
在任年齢 49歳9ヶ月~
経歴 東京都生まれ、神奈川県川崎市育ち。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒。大学在学中に作家デビュー。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第89回芥川賞(昭和58年/1983年上期)「優しいサヨクのための嬉遊曲」
  • |候補| 第90回芥川賞(昭和58年/1983年下期)「亡命旅行者は叫び呟く」
  • |候補| 第91回芥川賞(昭和59年/1984年上期)「夢遊王国のための音楽」
  • 第6回野間文芸新人賞(昭和59年/1984年)『夢遊王国のための音楽』
  • |候補| 第93回芥川賞(昭和60年/1985年上期)「僕は模造人間」
  • |候補| 第95回芥川賞(昭和61年/1986年上期)「ドンナ・アンナ」
  • |候補| 第96回芥川賞(昭和61年/1986年下期)「未確認尾行物体」
  • |候補| 第1回三島由紀夫賞(昭和62年/1987年度)『未確認尾行物体』
  • |候補| 第18回平林たい子文学賞[小説部門](平成2年/1990年)『夢使い―レンタルチャイルドの新二都物語』
  • |候補| 第3回三島由紀夫賞(平成1年/1989年度)『夢使い―レンタルチャイルドの新二都物語』
  • |候補| 第20回平林たい子文学賞[小説部門](平成4年/1992年)『彼岸先生』
  • 第20回泉鏡花文学賞(平成4年/1992年)『彼岸先生』
  • |候補| 第24回平林たい子文学賞[小説部門](平成8年/1996年)『忘れられた帝国』
  • |候補| 第25回川端康成文学賞(平成10年/1998年)「ミス・サハラを探して」
  • 第17回伊藤整文学賞[小説部門](平成18年/2006年)『退廃姉妹』
  • 第58回芸術選奨文部科学大臣賞[文学部門](平成19年/2007年度)『カオスの娘 シャーマン探偵ナルコ』
  • 第70回毎日出版文化賞[文学・芸術部門](平成28年/2016年)『虚人の星』
芥川賞候補歴 第89回候補 「優しいサヨクのための嬉遊曲」(『海燕』昭和58年/1983年6月号)
第90回候補 「亡命旅行者は叫び呟く」(『海燕』昭和58年/1983年10月号)
第91回候補 「夢遊王国のための音楽」(『海燕』昭和59年/1984年6月号)
第93回候補 「僕は模造人間」(『新潮』昭和60年/1985年2月号)
第95回候補 「ドンナ・アンナ」(『新潮』昭和61年/1986年4月号)
第96回候補 「未確認尾行物体」(『文學界』昭和61年/1986年11月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 144 平成22年/2010年下半期   一覧へ
選評の概要 はじめてのおつかい 総行数119 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男49歳
候補 評価 行数 評言
男43歳
22 「古い器を磨き、そこに悪酔いする酒を注いだような作品だ。」「社会や政治を呪うことさえできず、何事も身近な他人のせいにするその駄目っぷりだが、随所に自己戯画化が施してあり、笑える。」
女26歳
31 「彼女の文章表現は五官の全てによく連動してもいる。この作品はその技術、才能の紛れもない証拠ではあるけれども、まだ彼女自身が真に書くべき素材、とらえどころのない夢を生け捕りにしたり、忘れられそうな歴史と格闘する困難には出会っていない、と「美女に優しく、野郎に厳しい」と思われがちな私はいいたい。」
  「芥川賞も基本、保守である。だが、保守こそ「わかりやすくて目新しいもの」を求めるのも事実だ。マイナーチェンジを繰り返さないと、保守は目立たず、忘れられてしまうから。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
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芥川賞 145 平成23年/2011年上半期   一覧へ
選評の概要 文字文字するのはやめてよ 総行数101 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男50歳
候補 評価 行数 評言
円城塔
男38歳
62 「テクスト生成にまつわるあらゆる可能性の研究になっている。」「各パラグラフにちりばめられたヒューモアには幾度となく微笑を誘われたので、二重丸をつけたが、私の説得工作は不調に終わり、受賞作なしという私自身の古傷まで開いてしまうような最悪の結果となり、自棄酒をあおったのだった。」
山崎ナオコーラ
女32歳
7 「『春琴抄』の当世写真業界版のように読めたので、推したけれども、女性選考委員の猛烈な反発の前ではホビットのように小さくなるしかなかった。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年9月号
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芥川賞 146 平成23年/2011年下半期   一覧へ
選評の概要 人を虚仮にしたっていいじゃないか、小説だもの 総行数112 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男50歳
候補 評価 行数 評言
男39歳
58 「それ自体が言語論であり、フィクション論であり、発想というアクションそのものをテーマにした小説だ。」「この作品は夢で得たヒントのようにはかなく忘れられてゆく無数の発想へのレクイエムといってもいい。」「こういう「やり過ぎ」を歓迎する度量がなければ、日本文学には身辺雑記とエンタメしか残らない。いや、この作品だって、コストパフォーマンスの高いエンタメに仕上がっている。二回読んで、二回とも眠くなるなら、睡眠薬の代わりにもなる。」
男39歳
15 「全編に流れる下関の方言と緊張度の高い地の文が、リズミカルに交錯しており、叙情詩の格調さえも漂わす。作者が、近代小説の理屈より神話的荒唐無稽に惹かれているのだとすれば、父と子の神話的原型を忠実になぞるのも一つの選択である。この古臭さは新鮮だ。」
選評出典:『文藝春秋』平成24年/2012年3月号
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芥川賞 147 平成24年/2012年上半期   一覧へ
選評の概要 過去の自分との訣別 総行数106 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男51歳
候補 評価 行数 評言
女35歳
30 「構造は極めてシンプルだが、背後に神話的原型が見え隠れし、また一人の労働者が三人の無産者を養わなければならないという今日の日本が置かれた状況のリアルな寓話にもなっている。」「おそらく、この作品は鹿島田本人にとって、過去の自分との訣別を宣言するものになるだろう。身体障害を抱えた夫の無垢な善人ぶりに救われたヒロインは新たな旅に出る準備を整えたのである。」
選評出典:『文藝春秋』平成24年/2012年9月号
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芥川賞 148 平成24年/2012年下半期   一覧へ
選評の概要 レンズを磨くようにコトバを…… 総行数104 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男51歳
候補 評価 行数 評言
女75歳
32 「ひらがなを多用した横書きは読み進める速度を落とさせ、手ずから編み込んだコトバの綾の鑑賞を強いるようになっている。」「素材としてのコトバをレンズのように磨き上げ、思い出の背後に潜んでいる無意識を透視しようともしている。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年3月号
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芥川賞 149 平成25年/2013年上半期   一覧へ
選評の概要 忘却との戦い 総行数115 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男52歳
候補 評価 行数 評言
女33歳
20 「成功例の少ない二人称小説としては、例外的にうまくいっている。」「語り手は成長するにつれ、愛人との関係を書き換えてゆく。ストーカーのように相手をじっと見つめるその目は、彼女のことを理解し、彼女に似てくる自分にも向けられている。これは父の愛人を介して描いた自画像でもあったのだ。これは文句なく、藤野可織の最高傑作である。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年9月号
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芥川賞 150 平成25年/2013年下半期   一覧へ
選評の概要 メタとベタ 総行数152 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男52歳
候補 評価 行数 評言
女30歳
39 「語り手の他人との接触の仕方が皮膚感覚をベースにしているので、読者にもその緊張が伝わりやすい。」「一文の情報量が多く、語り手は雑念だらけで、本筋から逸脱してばかりいるので、普通はすぐに飽きるところだが、リズムの良さがそれを補ってあまりある。」「イッセー尾形の人間観察にも通じる作者の眼差しは最良の意味で散文的である。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
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芥川賞 151 平成26年/2014年上半期   一覧へ
選評の概要 何度目でも正直な人々 総行数96 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男53歳
候補 評価 行数 評言
羽田圭介
男28歳
22 「強く推した。ほとんど純文学伝統の闘病記かと思うほどに、死にそうになる自己の観察を徹底しており、その几帳面な描写はマルキ・ド・サドの文体を想わせもするし、自己懲罰を通じて、イエスの受難を我が身に引き受けようとするカソリックの求道小説や記録を目指すアスリートの日記に似ていないことはない。」「SMという使い古された素材を選んだ時点でアウェイの戦いを強いられ、SMには一家言ある選考委員たちの厳しいチェックに晒されてしまった。」
女40歳
21 「現実の出来事は誰かの関心を惹こうとか、物語としての説得力を高めようという意図など全く入り込む余地がない。柴崎友香はそうした「ぶっきらぼう」な現実の前で謙虚でいることを選ぶ。これはなかなか真似ができないことである。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年9月号
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芥川賞 152 平成26年/2014年下半期   一覧へ
選評の概要 文学が流れてゆく先 総行数90 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男53歳
候補 評価 行数 評言
男44歳
13 「女たちの存在感が強い母権的土地柄の人間関係を、カナダ人の流れ者と結婚したヒロインの里帰りとカナダ旅行の顛末を通じて、描いているが、コトバを持たない幼い息子「希敏」の反応がその土地との確執を感じさせる巧みな構成になっている。」
  「古くからの形式で私的素材を生かす二編、換骨奪胎の妙味と模造の精度で勝負する三編が土俵に上がり、新旧世代のコントラストをなしている印象を受けた。若い世代の文学的志向が明瞭に出た回だった。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年3月号
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芥川賞 153 平成27年/2015年上半期   一覧へ
選評の概要 何でも屋羽田君と一発屋又吉君 総行数100 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男54歳
候補 評価 行数 評言
男29歳
22 「羽田圭介得意の論理を畳み掛けてくる語り口は健在だが、実は語り手は天然ぼけでもあるところが笑える。」「前作はSMで、今度は介護かよ、と突っ込みたくもなったが、羽田はあらゆるテーマに対応可能な何でも屋フィガロになったと祝福するしかない。」
男35歳
19 「寝ても覚めても笑いを取るネタを考えている芸人の日常の記録を丹念に書くことで、図らずも優れたエンターテインメント論に仕上がった。」「漫才二十本分くらいのネタでディテールを埋め尽くしてゆけば、読み応えのある小説が一本仕上がることを又吉は証明したことになるが、今回の「楽屋落ち」は一回しか使えない。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年9月号
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芥川賞 154 平成27年/2015年下半期   一覧へ
選評の概要 悪政下の文学 総行数87 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男54歳
候補 評価 行数 評言
男33歳
14 「死んでいない者同士が互いを観察し合っているように語り手のポジションが曖昧なところを私は面白がったが、そこに納得がいかなかった人もいた。自分の葬式の一部始終を観察できる人は現実にはいないはずだが、それを小説で試みたら、このようになると思う。」
女36歳
17 「この脱力ぶりは新境地開拓かと期待したが、夫が芍薬に姿を変えてしまうオチに気持ちよく裏切られた。しかし、このように気に入らない相手をたおやかで人畜無害なものに変えてしまえる魔法が使えたら、真っ先に悪政を敷く奴らを蒲公英にしてやるのにな、といった具合に読者の妄想のスイッチを入れる効果はあった。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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芥川賞 155 平成28年/2016年上半期   一覧へ
選評の概要 不本意な結果 総行数85 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男55歳
候補 評価 行数 評言
崔実
女30歳
28 「完全アウェイの環境下で、自分にふさわしい文化を獲得しようと、試行錯誤のパズルを繰り返すジニの姿こそが世界標準の青春なのかもしれない。」「受賞は逃したが、『ジニのパズル』はマイナー文学の傑作であることは否定できない。」
女36歳
25 「セックス忌避、婚姻拒否というこの作者にはおなじみのテーマを『コンビニ人間』というコンセプトに落とし込み、奇天烈な男女のキャラを交差させれば、緩い文章もご都合主義的展開も大目に見てもらえる。巷には思考停止状態のマニュアル人間が自民党の支持者くらいたくさんいるので、風俗小説としてのリアリティはあるが、主人公はいずれサイコパスになり、まともな人間を洗脳してゆくだろう。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年9月号
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芥川賞 156 平成28年/2016年下半期   一覧へ
選評の概要 分断社会に暮らして 総行数79 (1行=13字)
選考委員 島田雅彦 男55歳
候補 評価 行数 評言
男50歳
11 「山下清の日記に通じるペーソスもあり、また人間関係の悩みも機微も排除した結果、立ち上がってくる無意味さに味があるものの、なぜこれが受賞作になるのかよくわからなかった。」
選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年3月号
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