芥川賞のすべて・のようなもの
第151回
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平成26年/2014年上半期
(平成26年/2014年7月17日決定発表/『文藝春秋』平成26年/2014年9月号選評掲載)
選考委員  高樹のぶ子
女68歳
宮本輝
男67歳
村上龍
男62歳
山田詠美
女55歳
奥泉光
男58歳
小川洋子
女52歳
島田雅彦
男53歳
川上弘美
女56歳
堀江敏幸
男50歳
選評総行数  86 89 70 98 87 87 96 91 93
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
柴崎友香 「春の庭」
178
女40歳
33 28 45 24 15 7 21 24 26
戌井昭人 「どろにやいと」
147
男42歳
13 19 26 11 16 40 18 18 20
小林エリカ 「マダム・キュリーと朝食を」
259
女36歳
8 6 0 17 11 10 16 8 13
羽田圭介 「メタモルフォシス」
139
男28歳
21 16 28 16 16 13 22 18 17
横山悠太 「吾輩ハ猫ニナル」
141
男32歳
11 6 0 17 25 17 19 5 17
                 
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年9月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
高樹のぶ子女68歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「揺らめく住まい」 総行数86 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
33 「描写も視点を人称で固定せず、伝聞の中に視点が流れ込んで行き、まるで生きものとなったカメラが一冊の写真集に閉じこめられた過去にまで入り込み語ってくれる。読者を混乱させかねないこの手法が、箱庭のようなささやかな世界を時間の厚味で包み、過去と未来を境界なく繋ぐ効果を生むのは希有なことで、ノスタルジックな磁場なくしては許されないだろう。」
戌井昭人
男42歳
13 「土着ファンタジーとして面白かった。」「最後にカタルシスも用意されて、これまでの候補作中もっとも完成度が高かった。受賞作にしたかったが不遇な土砂崩れに巻き込まれ、一命を取り止めたものの受賞ならず。」
小林エリカ
女36歳
8 「三・一一や戦争、原発、エネルギー問題など、様々な社会的テーマを渉猟するジャンプ力を見せてくれたが、道筋をつけながらじっくり歩ける膂力も見せて欲しい。」
羽田圭介
男28歳
21 「作者は現代人が失っている身体感覚を強く意識し、自己変容を遂げるというテーマを追求している。それはいま、もっとも求められるテーマだ。」「ただ今回はマゾヒズムという性的倒錯が描かれた。生死の境まで苦痛を味わいたいという強い欲望は、当然性の快楽を求めてのことだろうが、苦痛願望は読み取れても性的快感は伝わってこなかった。」
横山悠太
男32歳
11 「大変な労作だが、小説のエネルギーが主として翻訳に使われ、異文化異言語のかなたから日本を視るという、小説本来の苦労が足りなかった。漢語にふられたルビだけで読み下してみれば、さほど新鮮な発見は無かった。」
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他の選考委員
宮本輝
村上龍
山田詠美
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
宮本輝男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
モノの命 総行数89 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
28 「反対意見もありながらも受賞作となったのは、デビュー作から今作に到るまでの、しつこいまでの主題へのこだわりを、これまでとは異なる目線に変えたことで明晰になったからだと私は思う。」「(引用者注:これまでの作品とは違い)作者の目は俯瞰的である。この大きな変化が、町や建物のあちこちで生きてうごめいている人間たちを読む者に見せたのだ。」
戌井昭人
男42歳
19 「(引用者注:「メタモルフォシス」と共に)文章のうまさや安定感は評価できる。だが両作とも小説の最後のところで腰くだけとなってしまっている。」「どちらも作者の逃げだと私は感じて、まったく推せなかった。」
小林エリカ
女36歳
6 「私はいささか甘い点をつけたが、大震災の原発の問題をメルヘン仕立てで書いた小説を他の多くの委員は認めなかった。」
羽田圭介
男28歳
16 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)文章のうまさや安定感は評価できる。だが両作とも小説の最後のところで腰くだけとなってしまっている。」「どちらも作者の逃げだと私は感じて、まったく推せなかった。」
横山悠太
男32歳
6 「同じ漢字であっても、中国と日本とではこれほどの違いがあるのかという勉強をさせてもらったが、それだけのことである。」
  「今回の候補作五篇は巧みなところといい、足りないところといい、なにもかもほぼ拮抗していて、二回の投票でも決まらず、三回目ではさらに混沌として結論が出ず、四回目でやっと柴崎友香さんが受賞ということになった。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
村上龍
山田詠美
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
村上龍男62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数70 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
45 「わたしは三作(引用者注:「どろにやいと」「メタモルフォシス」と共に)いずれも評価できなかった。」「「アパートは、上から見ると“「”の形になっている」という文章だ。わたしは、その一行で、感情移入がまったくできなくなってしまった。言うまでもないが、描写は、作家にとって、もっとも重要で、ほとんど唯一の武器である。」「他にも、「記号」のようなものが示される箇所があり、どうしてそんなことをしなければいけなかったのか、わからない。」
戌井昭人
男42歳
26 「わたしは三作(引用者注:「春の庭」「メタモルフォシス」と共に)いずれも評価できなかった。」「(引用者注:三作には)共通点があったように思う。作品の最後の部分、つまりラスト近くで、劇的なことが起こる。」
小林エリカ
女36歳
0  
羽田圭介
男28歳
28 「わたしは三作(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)いずれも評価できなかった。」「ハードマゾの主人公が、ふいに「ぼくは死にたくない」と思う。まるで「新しい目覚め」が起こったかのように感じられ、わたしは違和感を覚えた。」
横山悠太
男32歳
0  
  「今回の選考会はいつもと比較してかなり長い時間を要した。だが、個人的な感想として「白熱した議論が交わされた」という印象はない。」「どの作品からも、切実さが感じられなかった。この「生きづらい社会」で、伝えるべきこと、つまり、翻訳すべき無言の人々の思いが数多くあると思うのだが、どういうわけか、「不要な洗練」「趣味的」という二つの言葉が、全体的な印象として残った。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
山田詠美
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
山田詠美女55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数98 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
24 「場面の最後のパラグラフの一、二行が次に続く行間に実にうまく機能している。焦点である〈春の庭〉に重なるいくつもの人生の瞬間を、その行間が印象的なフレームのように正確に縁取っているのである。」「目の良い書き手には、本来見えないものも映し出せる。いえ、映ってしまうので、文字として現像してしまうのである。柴崎さんは、そういう稀な小説書きに思える。」
戌井昭人
男42歳
11 「いつもながら、とんまな人々を描くのが本当に上手なんだなあ、と感心した。でも、この「いつもながら」というのが注意ポイントで、これが「真骨頂」と呼ばれるまでに成熟するのか、あるいは「マンネリ」に堕して片付けられるのか、非常に微妙なところ。」
小林エリカ
女36歳
17 「何しろ無駄に長い。かつ、そのコーディング自体が思わせぶりで、悦に入ってしまっている上に、不親切。」「一行改行で持たせられる程、一文一文に詩的センスがあるとも思えないが、やってる。はて。」
羽田圭介
男28歳
16 「熱烈に推す委員もいて、全体的に評価は高かったが、私には、変態さん(お客さんの意味。それ以上でも以下でもない)プレイのコースメニューの列挙にしか思えなかった。」「たとえば日本式に、もう少しだけ後ろ暗くなってくんないかなーなどと残念に感じた。」
横山悠太
男32歳
17 「何というナイスアイディアか、とわくわくしながら読み始めて、たちどころに意気消沈。」「〈日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説〉を書くという設定なら、日本語を読む日本人読者にもリスペクトをね。特にメイドカフェで猫化するくだり。この見せ場こそ、ばしっと日本語のクールさを見せてやりなさい。」
  「この賞の選考委員の中には、先の震災、原発をテーマ、モティーフにした作品を検閲する者がいる。そんなもっともらしい言説があるのを知って呆れるやら、おかしいやら。私たちは、小説の質に言及する仕事しかしない。していない。この先、それ以外をする気もないので、ここでお断りしておく。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
奥泉光男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
15 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった。結果、両作者の力量は十分に認めながらも、作品の面白さは掴み損ねた。」
戌井昭人
男42歳
16 「(引用者注:「春の庭」と共に)作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった。結果、両作者の力量は十分に認めながらも、作品の面白さは掴み損ねた。」
小林エリカ
女36歳
11 「随所で散文詩ふうの表現が置かれる一篇で、この手法は、それら詩文ふうの部分がよほどの輝きを帯びなければ成立できないと思う。」
羽田圭介
男28歳
16 「(引用者注:最後に残った「春の庭」「どろにやいと」を含めた)三作のなかでは「メタモルフォシス」に自分は魅力を覚えた。」「証券会社勤めの男が己の「生」の在処を、「生」を支える言葉を探し求めていく姿には、古典的な小説の主人公たるべき律儀な輝きがある。」
横山悠太
男32歳
25 「最初の投票で○を付した」「いまある言語の外へ逸脱していく言葉の運動性には文学の名がふさわしくもある。選考会では、物語内容が物足りないとの声があって、たしかに企みが引き寄せずにはおかぬ虚構の動きがもっとあってよいはずで、その点に弱さはある。が、とにかくこの徹底ぶり(さらなる徹底を!)は評価できると考えた。」
  「芥川賞選考会は、明文化されていたりするわけではないけれど、「過半数」の賛成があった作品が受賞という、そこはかとない取り決めの下、進められる。」「今回は、「どろにやいと」「メタモルフォシス」「春の庭」の三作品が、この基準点を巡って最後まで争う展開となり、選考にはやや時間がかかった。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
山田詠美
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
小川洋子女52歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
自らを鏡にする 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
7 「柴崎さんは自分が書くべきものを確かにつかんでいる。それを掌の肉に食い込むまで強く握り締めている。その痛みを決してこちらに見せようとしない柴崎さんの粘り強さに、祝福を贈りたい。」
戌井昭人
男42歳
40 「力みのない、とぼけた味わいを装いながら、実は丁寧に組み立てられた小説だ。」「この作品が成功した一番の要因は、救いようのない駄目な自分を抑制し、老人にお灸を売りつけている善人ぶりを、語り手が十分に意識している点にあると思う。」「以前の候補作に見られた、人の愚かさを生のまま放置する、これみよがしなところが消え、今回こそ受賞にふさわしいと思ったが、かなわなかった。残念でならない。」
小林エリカ
女36歳
10 「読みはじめてすぐ、これは傑作ではないだろうか、という予感がした。」「しかし残念ながら、すべての素材が熟しきらないまま、予感だけを残して物語は終わってしまった。」
羽田圭介
男28歳
13 「劣等感に苦しまなくてもすむよう、より徹底的な劣等感の沼に自分を埋没させようとする主人公の一生懸命さが印象深い。」
横山悠太
男32歳
17 「正面から日本語論を展開するわけでもなく、イソタカケルのルーツ探しの物語にする気もない。そのあたりの力の抜け方に才能を感じた。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
山田詠美
奥泉光
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
島田雅彦男53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
何度目でも正直な人々 総行数96 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
21 「現実の出来事は誰かの関心を惹こうとか、物語としての説得力を高めようという意図など全く入り込む余地がない。柴崎友香はそうした「ぶっきらぼう」な現実の前で謙虚でいることを選ぶ。これはなかなか真似ができないことである。」
戌井昭人
男42歳
18 「ろくでなしの自分探しは今や戌井昭人の確立された芸になっている」「ゆっくりではあるが確実にバージョンアップしており、受賞にふさわしいと私も思ったが、選考会の歯車がやや狂い、残念な結果になった。この次こそはおのがうちに隠しているエディプス的なものを全面的に曝け出すべきではないか。」
小林エリカ
女36歳
16 「漫画や童話やエッセーでは「飛ばし」は自明の技かもしれないが、描写のコトバで細部を埋めてゆく地味で、手間のかかる作業が省かれてしまった。別に猫が生存の哲学を語ってもいいし、素敵な思いつきだけを並べる小説があってもいいけれども、残念ながら器用な素人の手作り工芸にとどまってしまう。」
羽田圭介
男28歳
22 「強く推した。ほとんど純文学伝統の闘病記かと思うほどに、死にそうになる自己の観察を徹底しており、その几帳面な描写はマルキ・ド・サドの文体を想わせもするし、自己懲罰を通じて、イエスの受難を我が身に引き受けようとするカソリックの求道小説や記録を目指すアスリートの日記に似ていないことはない。」「SMという使い古された素材を選んだ時点でアウェイの戦いを強いられ、SMには一家言ある選考委員たちの厳しいチェックに晒されてしまった。」
横山悠太
男32歳
19 「漢字ユーザーの日本人が熱心に中国語学習をしたその副産物としては悪くない。」「今日の漢字ユーザーがほぼ忘れかけている、象形文字、表意文字としての原初的イメージを発掘してくるような作業はきっと読者に驚きを与えるだろうが、アキバに行って、猫耳をつけても読者の脱力しか誘わない。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
山田詠美
奥泉光
小川洋子
川上弘美
堀江敏幸
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選考委員
川上弘美女56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
香る 総行数91 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
24 「(引用者注:「どろにやいと」「メタモルフォシス」と共に)それぞれに香るものがありました。」「不穏さが満ちていて、その不穏さはこの作者の作品にはいつもたゆたっていたものではありますが、たくらみを凝らした見せよう、というものを作者が試してみたことが面白いと思ったのです。」「(引用者注:「メタモルフォシス」と共に)推しました。」
戌井昭人
男42歳
18 「(引用者注:「春の庭」「メタモルフォシス」と共に)それぞれに香るものがありました。」「小説としての手ざわりがあるし、笑いがあるし(これはとっても大事なことです)、最後のばたばただって、なかなかうまい幕切れなのです。ただ……、と、何かひとこと言いたくなってしまうのはなぜなのだろう。」「でもやっぱり、何かが足りない。いったい何が? わたしにもわかりません。」
小林エリカ
女36歳
8 「描かれている一つ一つのことは印象的なのに、全体が平坦になってしまうのは、作者の気前がよすぎるからなのかもしれない。」
羽田圭介
男28歳
18 「(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)それぞれに香るものがありました。」「実直な描きように、気持ちが明るみました。」「主人公サトウの心の内が、一歩一歩、素朴なほどにていねいに描かれていました。」「(引用者注:「春の庭」と共に)推しました。」
横山悠太
男32歳
5 「『吾輩ハ猫ニナル』の懇切さは、小説を書く時にとても大切なものです。秋葉原に来てから以降の描写の懇切さが足りなかったのが、残念です。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
山田詠美
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
堀江敏幸
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選考委員
堀江敏幸男50歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
光の口のまわりで 総行数93 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
柴崎友香
女40歳
26 「ずっと工事中の都市に仮住まいしているのは、人なのか時間なのか。それを曖昧にしていく語りは、途中で触れられている不発弾のように静かで不気味だ。」「街をはるか上空から「巨大な光の集合」と捉える視線が冷蔵庫の光と重なって、読後ながく胸に残った。」
戌井昭人
男42歳
20 「父が遺した顧客名簿を頼りに小さな村の古い顧客を訪ねる展開は、堂に入っている。まさしくそのお堂の光を背負った女性の、太もものトンネルに頭を突っ込む馬鹿らしさもいい。ただ、彼女の正体が明らかになり、兄と主人公を襲うあたりで、火を久しく保つはずのお灸が不意に半減期を迎えた気がする。」
小林エリカ
女36歳
13 「原発事故後に生まれた「わたし」と光る猫を結びつけて光のトンネルを抜ける清新な発想の一篇だが、出入り口にせっかくの言葉の粒を沈ませるような暈が散見された。」
羽田圭介
男28歳
17 「ここでのMは限りない中途半端さに支えられていて、自ら恃むところ頗る厚くない彼にはそれがよくわかっている。だから、猫ではなくもっと獰猛な獣になっても、尊大ではない羞恥心と言葉を捨てようとせず、生きることに執着する。そう読むと、グロテスクな印象が一転、輝きを放つ。」
横山悠太
男32歳
17 「半減期を持たない漢字の右側の、ルビと呼ばれる猫耳のトリックに限界があることを承知のうえで挑んだこの力一杯の遊戯に、私は惹かれた。」
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他の選考委員
高樹のぶ子
宮本輝
村上龍
山田詠美
奥泉光
小川洋子
島田雅彦
川上弘美
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受賞者・作品
柴崎友香女40歳×各選考委員 
「春の庭」
中篇 178
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
33 「描写も視点を人称で固定せず、伝聞の中に視点が流れ込んで行き、まるで生きものとなったカメラが一冊の写真集に閉じこめられた過去にまで入り込み語ってくれる。読者を混乱させかねないこの手法が、箱庭のようなささやかな世界を時間の厚味で包み、過去と未来を境界なく繋ぐ効果を生むのは希有なことで、ノスタルジックな磁場なくしては許されないだろう。」
宮本輝
男67歳
28 「反対意見もありながらも受賞作となったのは、デビュー作から今作に到るまでの、しつこいまでの主題へのこだわりを、これまでとは異なる目線に変えたことで明晰になったからだと私は思う。」「(引用者注:これまでの作品とは違い)作者の目は俯瞰的である。この大きな変化が、町や建物のあちこちで生きてうごめいている人間たちを読む者に見せたのだ。」
村上龍
男62歳
45 「わたしは三作(引用者注:「どろにやいと」「メタモルフォシス」と共に)いずれも評価できなかった。」「「アパートは、上から見ると“「”の形になっている」という文章だ。わたしは、その一行で、感情移入がまったくできなくなってしまった。言うまでもないが、描写は、作家にとって、もっとも重要で、ほとんど唯一の武器である。」「他にも、「記号」のようなものが示される箇所があり、どうしてそんなことをしなければいけなかったのか、わからない。」
山田詠美
女55歳
24 「場面の最後のパラグラフの一、二行が次に続く行間に実にうまく機能している。焦点である〈春の庭〉に重なるいくつもの人生の瞬間を、その行間が印象的なフレームのように正確に縁取っているのである。」「目の良い書き手には、本来見えないものも映し出せる。いえ、映ってしまうので、文字として現像してしまうのである。柴崎さんは、そういう稀な小説書きに思える。」
奥泉光
男58歳
15 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった。結果、両作者の力量は十分に認めながらも、作品の面白さは掴み損ねた。」
小川洋子
女52歳
7 「柴崎さんは自分が書くべきものを確かにつかんでいる。それを掌の肉に食い込むまで強く握り締めている。その痛みを決してこちらに見せようとしない柴崎さんの粘り強さに、祝福を贈りたい。」
島田雅彦
男53歳
21 「現実の出来事は誰かの関心を惹こうとか、物語としての説得力を高めようという意図など全く入り込む余地がない。柴崎友香はそうした「ぶっきらぼう」な現実の前で謙虚でいることを選ぶ。これはなかなか真似ができないことである。」
川上弘美
女56歳
24 「(引用者注:「どろにやいと」「メタモルフォシス」と共に)それぞれに香るものがありました。」「不穏さが満ちていて、その不穏さはこの作者の作品にはいつもたゆたっていたものではありますが、たくらみを凝らした見せよう、というものを作者が試してみたことが面白いと思ったのです。」「(引用者注:「メタモルフォシス」と共に)推しました。」
堀江敏幸
男50歳
26 「ずっと工事中の都市に仮住まいしているのは、人なのか時間なのか。それを曖昧にしていく語りは、途中で触れられている不発弾のように静かで不気味だ。」「街をはるか上空から「巨大な光の集合」と捉える視線が冷蔵庫の光と重なって、読後ながく胸に残った。」
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他の候補作
戌井昭人
「どろにやいと」
小林エリカ
「マダム・キュリーと朝食を」
羽田圭介
「メタモルフォシス」
横山悠太
「吾輩ハ猫ニナル」
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候補者・作品
戌井昭人男42歳×各選考委員 
「どろにやいと」
短篇 147
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
13 「土着ファンタジーとして面白かった。」「最後にカタルシスも用意されて、これまでの候補作中もっとも完成度が高かった。受賞作にしたかったが不遇な土砂崩れに巻き込まれ、一命を取り止めたものの受賞ならず。」
宮本輝
男67歳
19 「(引用者注:「メタモルフォシス」と共に)文章のうまさや安定感は評価できる。だが両作とも小説の最後のところで腰くだけとなってしまっている。」「どちらも作者の逃げだと私は感じて、まったく推せなかった。」
村上龍
男62歳
26 「わたしは三作(引用者注:「春の庭」「メタモルフォシス」と共に)いずれも評価できなかった。」「(引用者注:三作には)共通点があったように思う。作品の最後の部分、つまりラスト近くで、劇的なことが起こる。」
山田詠美
女55歳
11 「いつもながら、とんまな人々を描くのが本当に上手なんだなあ、と感心した。でも、この「いつもながら」というのが注意ポイントで、これが「真骨頂」と呼ばれるまでに成熟するのか、あるいは「マンネリ」に堕して片付けられるのか、非常に微妙なところ。」
奥泉光
男58歳
16 「(引用者注:「春の庭」と共に)作品の狙いは或る程度理解できたものの、当の狙いがいまひとつ実現できていない印象をもった。結果、両作者の力量は十分に認めながらも、作品の面白さは掴み損ねた。」
小川洋子
女52歳
40 「力みのない、とぼけた味わいを装いながら、実は丁寧に組み立てられた小説だ。」「この作品が成功した一番の要因は、救いようのない駄目な自分を抑制し、老人にお灸を売りつけている善人ぶりを、語り手が十分に意識している点にあると思う。」「以前の候補作に見られた、人の愚かさを生のまま放置する、これみよがしなところが消え、今回こそ受賞にふさわしいと思ったが、かなわなかった。残念でならない。」
島田雅彦
男53歳
18 「ろくでなしの自分探しは今や戌井昭人の確立された芸になっている」「ゆっくりではあるが確実にバージョンアップしており、受賞にふさわしいと私も思ったが、選考会の歯車がやや狂い、残念な結果になった。この次こそはおのがうちに隠しているエディプス的なものを全面的に曝け出すべきではないか。」
川上弘美
女56歳
18 「(引用者注:「春の庭」「メタモルフォシス」と共に)それぞれに香るものがありました。」「小説としての手ざわりがあるし、笑いがあるし(これはとっても大事なことです)、最後のばたばただって、なかなかうまい幕切れなのです。ただ……、と、何かひとこと言いたくなってしまうのはなぜなのだろう。」「でもやっぱり、何かが足りない。いったい何が? わたしにもわかりません。」
堀江敏幸
男50歳
20 「父が遺した顧客名簿を頼りに小さな村の古い顧客を訪ねる展開は、堂に入っている。まさしくそのお堂の光を背負った女性の、太もものトンネルに頭を突っ込む馬鹿らしさもいい。ただ、彼女の正体が明らかになり、兄と主人公を襲うあたりで、火を久しく保つはずのお灸が不意に半減期を迎えた気がする。」
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他の候補作
柴崎友香
「春の庭」
小林エリカ
「マダム・キュリーと朝食を」
羽田圭介
「メタモルフォシス」
横山悠太
「吾輩ハ猫ニナル」
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候補者・作品
小林エリカ女36歳×各選考委員 
「マダム・キュリーと朝食を」
中篇 259
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
8 「三・一一や戦争、原発、エネルギー問題など、様々な社会的テーマを渉猟するジャンプ力を見せてくれたが、道筋をつけながらじっくり歩ける膂力も見せて欲しい。」
宮本輝
男67歳
6 「私はいささか甘い点をつけたが、大震災の原発の問題をメルヘン仕立てで書いた小説を他の多くの委員は認めなかった。」
村上龍
男62歳
0  
山田詠美
女55歳
17 「何しろ無駄に長い。かつ、そのコーディング自体が思わせぶりで、悦に入ってしまっている上に、不親切。」「一行改行で持たせられる程、一文一文に詩的センスがあるとも思えないが、やってる。はて。」
奥泉光
男58歳
11 「随所で散文詩ふうの表現が置かれる一篇で、この手法は、それら詩文ふうの部分がよほどの輝きを帯びなければ成立できないと思う。」
小川洋子
女52歳
10 「読みはじめてすぐ、これは傑作ではないだろうか、という予感がした。」「しかし残念ながら、すべての素材が熟しきらないまま、予感だけを残して物語は終わってしまった。」
島田雅彦
男53歳
16 「漫画や童話やエッセーでは「飛ばし」は自明の技かもしれないが、描写のコトバで細部を埋めてゆく地味で、手間のかかる作業が省かれてしまった。別に猫が生存の哲学を語ってもいいし、素敵な思いつきだけを並べる小説があってもいいけれども、残念ながら器用な素人の手作り工芸にとどまってしまう。」
川上弘美
女56歳
8 「描かれている一つ一つのことは印象的なのに、全体が平坦になってしまうのは、作者の気前がよすぎるからなのかもしれない。」
堀江敏幸
男50歳
13 「原発事故後に生まれた「わたし」と光る猫を結びつけて光のトンネルを抜ける清新な発想の一篇だが、出入り口にせっかくの言葉の粒を沈ませるような暈が散見された。」
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他の候補作
柴崎友香
「春の庭」
戌井昭人
「どろにやいと」
羽田圭介
「メタモルフォシス」
横山悠太
「吾輩ハ猫ニナル」
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候補者・作品
羽田圭介男28歳×各選考委員 
「メタモルフォシス」
短篇 139
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
21 「作者は現代人が失っている身体感覚を強く意識し、自己変容を遂げるというテーマを追求している。それはいま、もっとも求められるテーマだ。」「ただ今回はマゾヒズムという性的倒錯が描かれた。生死の境まで苦痛を味わいたいという強い欲望は、当然性の快楽を求めてのことだろうが、苦痛願望は読み取れても性的快感は伝わってこなかった。」
宮本輝
男67歳
16 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)文章のうまさや安定感は評価できる。だが両作とも小説の最後のところで腰くだけとなってしまっている。」「どちらも作者の逃げだと私は感じて、まったく推せなかった。」
村上龍
男62歳
28 「わたしは三作(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)いずれも評価できなかった。」「ハードマゾの主人公が、ふいに「ぼくは死にたくない」と思う。まるで「新しい目覚め」が起こったかのように感じられ、わたしは違和感を覚えた。」
山田詠美
女55歳
16 「熱烈に推す委員もいて、全体的に評価は高かったが、私には、変態さん(お客さんの意味。それ以上でも以下でもない)プレイのコースメニューの列挙にしか思えなかった。」「たとえば日本式に、もう少しだけ後ろ暗くなってくんないかなーなどと残念に感じた。」
奥泉光
男58歳
16 「(引用者注:最後に残った「春の庭」「どろにやいと」を含めた)三作のなかでは「メタモルフォシス」に自分は魅力を覚えた。」「証券会社勤めの男が己の「生」の在処を、「生」を支える言葉を探し求めていく姿には、古典的な小説の主人公たるべき律儀な輝きがある。」
小川洋子
女52歳
13 「劣等感に苦しまなくてもすむよう、より徹底的な劣等感の沼に自分を埋没させようとする主人公の一生懸命さが印象深い。」
島田雅彦
男53歳
22 「強く推した。ほとんど純文学伝統の闘病記かと思うほどに、死にそうになる自己の観察を徹底しており、その几帳面な描写はマルキ・ド・サドの文体を想わせもするし、自己懲罰を通じて、イエスの受難を我が身に引き受けようとするカソリックの求道小説や記録を目指すアスリートの日記に似ていないことはない。」「SMという使い古された素材を選んだ時点でアウェイの戦いを強いられ、SMには一家言ある選考委員たちの厳しいチェックに晒されてしまった。」
川上弘美
女56歳
18 「(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)それぞれに香るものがありました。」「実直な描きように、気持ちが明るみました。」「主人公サトウの心の内が、一歩一歩、素朴なほどにていねいに描かれていました。」「(引用者注:「春の庭」と共に)推しました。」
堀江敏幸
男50歳
17 「ここでのMは限りない中途半端さに支えられていて、自ら恃むところ頗る厚くない彼にはそれがよくわかっている。だから、猫ではなくもっと獰猛な獣になっても、尊大ではない羞恥心と言葉を捨てようとせず、生きることに執着する。そう読むと、グロテスクな印象が一転、輝きを放つ。」
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他の候補作
柴崎友香
「春の庭」
戌井昭人
「どろにやいと」
小林エリカ
「マダム・キュリーと朝食を」
横山悠太
「吾輩ハ猫ニナル」
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候補者・作品
横山悠太男32歳×各選考委員 
「吾輩ハ猫ニナル」
短篇 141
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
11 「大変な労作だが、小説のエネルギーが主として翻訳に使われ、異文化異言語のかなたから日本を視るという、小説本来の苦労が足りなかった。漢語にふられたルビだけで読み下してみれば、さほど新鮮な発見は無かった。」
宮本輝
男67歳
6 「同じ漢字であっても、中国と日本とではこれほどの違いがあるのかという勉強をさせてもらったが、それだけのことである。」
村上龍
男62歳
0  
山田詠美
女55歳
17 「何というナイスアイディアか、とわくわくしながら読み始めて、たちどころに意気消沈。」「〈日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説〉を書くという設定なら、日本語を読む日本人読者にもリスペクトをね。特にメイドカフェで猫化するくだり。この見せ場こそ、ばしっと日本語のクールさを見せてやりなさい。」
奥泉光
男58歳
25 「最初の投票で○を付した」「いまある言語の外へ逸脱していく言葉の運動性には文学の名がふさわしくもある。選考会では、物語内容が物足りないとの声があって、たしかに企みが引き寄せずにはおかぬ虚構の動きがもっとあってよいはずで、その点に弱さはある。が、とにかくこの徹底ぶり(さらなる徹底を!)は評価できると考えた。」
小川洋子
女52歳
17 「正面から日本語論を展開するわけでもなく、イソタカケルのルーツ探しの物語にする気もない。そのあたりの力の抜け方に才能を感じた。」
島田雅彦
男53歳
19 「漢字ユーザーの日本人が熱心に中国語学習をしたその副産物としては悪くない。」「今日の漢字ユーザーがほぼ忘れかけている、象形文字、表意文字としての原初的イメージを発掘してくるような作業はきっと読者に驚きを与えるだろうが、アキバに行って、猫耳をつけても読者の脱力しか誘わない。」
川上弘美
女56歳
5 「『吾輩ハ猫ニナル』の懇切さは、小説を書く時にとても大切なものです。秋葉原に来てから以降の描写の懇切さが足りなかったのが、残念です。」
堀江敏幸
男50歳
17 「半減期を持たない漢字の右側の、ルビと呼ばれる猫耳のトリックに限界があることを承知のうえで挑んだこの力一杯の遊戯に、私は惹かれた。」
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他の候補作
柴崎友香
「春の庭」
戌井昭人
「どろにやいと」
小林エリカ
「マダム・キュリーと朝食を」
羽田圭介
「メタモルフォシス」
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