芥川賞のすべて・のようなもの
第154回
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Last Update[H28]2016/2/11

本谷有希子
Motoya Yukiko
生没年月日【注】 昭和54年/1979年☆月☆日~
受賞年齢 36歳6ヵ月
経歴 石川県白山市生まれ。石川県立金沢錦丘高校卒。上京後、舞台女優、声優を経て、平成12年/2000年「劇団、本谷有希子」を設立、自ら劇作・演出を手がける。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第48回岸田國士戯曲賞(平成16年/2004年)『石川県伍参市』《戯曲》
  • |候補| 第18回三島由紀夫賞(平成16年/2004年度)「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」
  • |候補| 第50回岸田國士戯曲賞(平成18年/2006年)『乱暴と待機』《戯曲》
  • |候補| 第135回芥川賞(平成18年/2006年上期)「生きてるだけで、愛。」
  • |候補| 第51回岸田國士戯曲賞(平成19年/2007年)『遭難、』《戯曲》
  • 第10回鶴屋南北戯曲賞(平成18年/2006年度)『遭難、』《戯曲》
  • |候補| 第20回三島由紀夫賞(平成18年/2006年度)『生きてるだけで、愛。』
  • |候補| 第52回岸田國士戯曲賞(平成20年/2008年)『偏路』《戯曲》
  • |候補| 第21回三島由紀夫賞(平成19年/2007年度)『遭難、』
  • 第53回岸田國士戯曲賞(平成21年/2009年)『幸せ最高ありがとうマジで!』《戯曲》
  • |候補| 第141回芥川賞(平成21年/2009年上期)「あの子の考えることは変」
  • |候補| 第31回野間文芸新人賞(平成21年/2009年)『あの子の考えることは変』
  • |候補| 第24回三島由紀夫賞(平成22年/2010年度)「ぬるい毒」
  • |候補| 第145回芥川賞(平成23年/2011年上期)「ぬるい毒」
  • 第33回野間文芸新人賞(平成23年/2011年)『ぬるい毒』
  • 第7回大江健三郎賞(平成25年/2013年)『嵐のピクニック』
  • 第27回三島由紀夫賞(平成25年/2013年度)『自分を好きになる方法』
  • 第154回芥川賞(平成27年/2015年下期)「異類婚姻譚」
備考
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芥川賞 第135回候補  一覧へ

あい
生きてるだけで、 愛。」(『新潮』平成18年/2006年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「今年102年目の文芸誌」「THE SHINCHO MONTHLY」併記
巻号 第103巻 第6号  別表記6月号/1217号
印刷/発行年月日 発行 平成18年/2006年6月1日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 292 表記上の枚数 表紙・背・目次 140枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 6~51
(計46頁)
測定枚数 137
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書誌
>>平成18年/2006年7月・新潮社刊『生きてるだけで、愛。』所収
>>平成21年/2009年3月・新潮社/新潮文庫『生きてるだけで、愛。』所収
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候補者 本谷有希子 女26歳
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女60歳
13 「とりわけ最後のぶざまで荒々しい姿には迫力がある。作者の力量も感じられる。ただ、主人公をウツ病にしてしまうと、評価が半減してしまう。」
宮本輝
男59歳
0  
黒井千次
男74歳
10 「鬱症状の若い女性が主人公だが、彼女がイタリアンレストランで働き出す運びにはいってようやく作品の動き出す印象を受ける。」「その前がいささか冗長なのではあるまいか。」
石原慎太郎
男73歳
16 「一番面白く読めた。」「確かに男の以前の愛人の登場などは都合良すぎる形だが、話しの運びのテンポも良くさりげなく現代の本髄のある部分を切り取っていると思う。」「衆寡敵せず選外とはなったが、劇作家の書く小説に限界があるとは私は思わない。」
山田詠美
女47歳
0  
池澤夏樹
男61歳
12 「臍帯が演劇につながっている。」「鬱状態の主人公を躁の文体で書くから話はひたすら派手になるけれど、それはとてもおもしろいけれど、なによりも目前の効果が重視されていて、奥行きがない。」
村上龍
男54歳
0  
河野多恵子
女80歳
0  
選評出典:『文藝春秋』平成18年/2006年9月号
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芥川賞 第141回候補  一覧へ

かんが へん
「あの 子の 考えることは 変」(『群像』平成21年/2009年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」  別表記表紙 「GUNZO」併記
巻号 第64巻 第6号
印刷/発行年月日 印刷 平成21年/2009年5月5日 発行 平成21年/2009年6月1日
発行者等 編集人 松沢賢二 発行人 内藤裕之 印刷人 足立直樹 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 420 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 142~196
(計55頁)
測定枚数 180
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書誌
>>平成21年/2009年7月・講談社刊『あの子の考えることは変』
>>平成25年/2013年6月・講談社/講談社文庫『あの子の考えることは変』
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候補者 本谷有希子 女30歳
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女50歳
11 「目で読むおもしろさではなく、耳で聞くおもしろさのような気がする。」「日田の気持の悪さは秀逸だが、境界例の不思議ちゃんの話には、もう辟易。」
小川洋子
女47歳
10 「(引用者注:「まずいスープ」「よもぎ学園高等学校蹴球部」と共に)私にとっては少々にぎやかすぎた。自分はこんなにも普通でない人々を描けるのだ、と声高に叫ばれると、それだけで白けてしまう。」
石原慎太郎
男76歳
0  
黒井千次
男77歳
8 「同居する二人の若い女性が周囲にあるものに対して能動的、積極的、攻撃的に挑む姿勢に好感を抱いたが、その生理的スピードの底に残るものをもう少し見せて欲しいと感じた。」
高樹のぶ子
女63歳
16 「(引用者注:候補作の中で)一番はっきりと人間に触れることが出来た」「ただこれは受賞作には押せなかった。会話が反射神経で書かれていて文学の会話というより、舞台上の台詞に近い。」「非(原文傍点)社会性でなく、反(原文傍点)や超(原文傍点)がつけば、この悪臭に満ちた女性たちが、文学としての魅力を持ったのに残念。」
川上弘美
女51歳
9 「活力ある書き手だと思います。ただ、主人公二人の「変」さがあまりに堅固なような気がするのです。その堅固さを維持するために、どこかに無理がいっているという印象を持ってしまいました。」
宮本輝
男62歳
20 「(引用者注:「まずいスープ」と共に)他の候補作より少し高い点をつけた。」「文字どおり面白く小説が進んでいく。しかし、それだけなのだ。」「しかし、本谷氏独特の才も、(引用者中略)どこにでも転がっているものではなく、新しい書き手としての跳躍力は横溢している。」
村上龍
男57歳
0  
池澤夏樹
男64歳
0  
選評出典:『文藝春秋』平成21年/2009年9月号
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芥川賞 第145回候補  一覧へ

どく
「ぬるい 毒」(『新潮』平成23年/2011年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「今年107年目の文芸誌」「The Shincho Monthly」併記
巻号 第108巻 第3号  別表記1274号
印刷/発行年月日 発行 平成23年/2011年3月7日 発売 平成23年/2011年2月7日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 340 表記上の枚数 表紙・背・目次 200枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 7~69
(計63頁)
測定枚数 191
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書誌
>>平成23年/2011年6月・新潮社刊『ぬるい毒』
>>平成26年/2014年3月・新潮社/新潮文庫『ぬるい毒』
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候補者 本谷有希子 女32歳
選考委員 評価 行数 評言
小川洋子
女49歳
13 「“私”の狂気のスケールは、向伊を大きく上回っていた。肩を怪我した男をただあいまいに登場させるだけで、彼女の抱える問題をすり抜けてしまうのは、あまりにも惜しい。」
山田詠美
女52歳
17 「〈想像よりもずっと、魅力の塊のような男だった〉……へえ? その塊の内訳を述べてみたまえ。」「万人とは違う自意識をここまで持て余す主人公は、良くも悪くも強い印象を与える筈。ところが、この小説に生息するのは、ただのいっちゃってるお姉ちゃん。つき合いきれない。」
石原慎太郎
男78歳
0  
黒井千次
男79歳
11 「正体の定かならぬ男の構えの中に女が次第に吸い寄せられていく理由といきさつがうまく伝わって来ない。濁った水の中に何かがありそうなのに、影のみゆらめくのを見るような不満を覚える。」
宮本輝
男64歳
11 「女を食い物にしようとする三人の若い男たちに、顕在化しない狂気を感じて、私はいちばん高い点をつけたが、受賞作として強く推すまでには至らなかったし、他の委員の賛同もなかった。男たちと縁を切る女主人公の心に、もう一歩深く入って行ってほしかったと思う。」
高樹のぶ子
女65歳
17 「モデルにもなれそうなカワイイ女性が、ここまで男性に不信感を持ち、駆け引きで考えるのはなぜか。結局そうした構図で作品を創るためではないのかと思えて、残念だった。この世のすべてを敵に回す本物の悪意であれば、もっと純な起爆力があるはずだ。」
池澤夏樹
男66歳
0  
島田雅彦
男50歳
12 「地方出身の自意識過剰ガールを中心に逆巻くネガティブ・キャラクター群像を描くのを得意とする本谷有希子は今回の『ぬるい毒』で、従来の一人称語りにマイナーチェンジを加えてきた。その自意識を分裂させ、結婚詐欺野郎との煮え切らない関係を赤裸々に描き出していた」
村上龍
男59歳
0  
川上弘美
女53歳
11 「向伊が気になります。この男の、どこがそんなに魅力的なのだろう。それさえわかれば、もっとこの小説の中まで入りこめたかもしれません。」「この作者の新しい何かをかいま見た気は、したのです。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年9月号
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芥川賞 第154受賞  一覧へ

いるいこんいんたん
異類婚姻譚」(『群像』平成27年/2015年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」  別表記表紙 「GUNZO」併記
巻号 第70巻 第11号
印刷/発行年月日 印刷 平成27年/2015年10月7日 発売 平成27年/2015年10月7日 発行 平成27年/2015年11月1日
発行者等 編集人 佐藤とし子 発行人 市田厚志 印刷人 金子眞吾 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 340 表記上の枚数 表紙・背・目次・本文 140枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 7~54
(計48頁)
測定枚数 145
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成28年/2016年1月・講談社刊『異類婚姻譚』所収
>>『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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候補者 本谷有希子 女36歳
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
20 「(引用者注:「死んでいない者」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「夫婦の顔が似てくることへの気味悪さが、決してとげとげしくない文章で掘り下げられていくが、読み終えて、なんだかほっこりとした感情を呼び起こすのが不思議だ。その不思議さは論理的に説明できないもので、小説とはそうでなければならないと思う。」
小川洋子
女53歳
14 「旦那が醸し出す空気は気持悪いが、そういう夫を深く考えず丸飲みする妻は更に不気味だ。」「説話の形を借りることで、主人公の自意識が上手くコントロールされていたように思う。」
奥泉光
男59歳
15 「最後、夫が芍薬の花に変身するところを頂点に、説話の持つ「異界」への感覚がどこまで描き出せているかと、評者としてはどうしても考えてしまうわけで、作者の持つ技術力への評価は前提にしたうえで、自分はやや不足を覚えました。」
山田詠美
女56歳
10 「これまでの作品のお騒がせドラマクィーンが引っ掻き回す印象とうって変わって、何とも言えないおかしみと薄気味悪さと静かな哀しみのようなものが小説を魅力的にまとめ上げている。」
島田雅彦
男54歳
17 「この脱力ぶりは新境地開拓かと期待したが、夫が芍薬に姿を変えてしまうオチに気持ちよく裏切られた。しかし、このように気に入らない相手をたおやかで人畜無害なものに変えてしまえる魔法が使えたら、真っ先に悪政を敷く奴らを蒲公英にしてやるのにな、といった具合に読者の妄想のスイッチを入れる効果はあった。」
高樹のぶ子
女69歳
32 「捨てられたも同然の男は、心地良さそうにひっそりと花を咲かせている。寄り添う別の花も在り、この風情がなかなか美しい。「美と不気味さ」これは「譚」の成立要素であり、日本説話の伝統から流れ来る地下水脈でもある。作者は意識しないまま汲み上げてしまった。登場人物をすべてカタカナにしたところで、この支配から自由にはなれない。」
川上弘美
女57歳
13 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)あざやかな「何」と「どうやって」の協同があった。惜しむらくは、きれいに協同するあまり、作者にも予想できない「のび」のようなものがなかったことでした」「(引用者注:「異郷の友人」と共に)二作を、少しずつ、推しました。」
堀江敏幸
男52歳
15 「女房になりたい旦那。その旦那に似てしまう女房。合一の危機を回避するには、あいだの橋を破壊するしかない。砕けて生まれた一輪の山芍薬は、異類ではなく立派なホモサピエンスだ。そこが切ない。」
村上龍
男63歳
9 「技術がしっかりしていて、ディテールにも無理がなく、好感が持てる作品だった。」「読者の側に立ち、考え抜かれた小説だとわたしは判断し、受賞作として推した。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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