芥川賞のすべて・のようなもの
第157回
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平成29年/2017年上半期
(平成29年/2017年7月19日決定発表/『文藝春秋』平成29年/2017年9月号選評掲載)
選考委員  山田詠美
女58歳
吉田修一
男48歳
村上龍
男65歳
奥泉光
男61歳
宮本輝
男70歳
高樹のぶ子
女71歳
小川洋子
女55歳
堀江敏幸
男53歳
川上弘美
女59歳
島田雅彦
男56歳
選評総行数  85 98 88 94 90 85 85 89 95 84
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
沼田真佑 「影裏」
93
男38歳
17 48 60 17 36 31 38 23 22 18
今村夏子 「星の子」
281
女37歳
23 27 0 21 18 13 38 24 10 28
温又柔 「真ん中の子どもたち」
224
女37歳
22 9 0 37 15 12 9 19 13 17
古川真人 「四時過ぎの船」
160
男28歳
23 14 0 19 16 29 9 23 20 21
                   
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年9月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
山田詠美女58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「選評」 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
17 「まるで、きらきらと輝く接着剤のような言葉で小説をまとめ上げて行く。うまいなー。日浅のお父さん、相当息子を愛しているね。背徳的な意味で。」
今村夏子
女37歳
23 「高田かやの傑作コミックエッセイ「さよなら、カルト村。」を思い起こさせる可愛らしさと、そこはかとない恐ろしさを同時に感じずにはいられない。親を思う子供の純情の外側で、さまざまな不穏なものが蠢いている。」「ラストで父と母に両側から強く抱き締められた主人公は否定出来ない枷をはめられたようにも思える。今回は受賞を逃したが、この先も目の離せない作品を書き続ける人だと確信している。」
温又柔
女37歳
22 「作者にとっての大切なテーマを扱ったのは解るが、何しろ長過ぎる。」「〈洩れる声がことばにならずに音でしかない段階に留まっていることを堪能する〉あたりはすごく良い。ここに、充分に咀嚼した上でテーマを溶け込ませて行けば、小説として完成されたかも。前半は、料理以前の原材料という感じ。」
古川真人
男28歳
23 「登場人物が皆いじらしい。ただし主人公以外。モラトリアムにある閉塞感が今ひとつ伝わって来ない。」「〈やぜらしかもの〉をひとつずつ捨てて行った祖母と、この先も〈やぜらしかもの〉をひとつずつ拾って行くであろう自分を交互に配して、やがてすれ違うというアイディアが、あまり上手く機能していない。」
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他の選考委員
吉田修一
村上龍
奥泉光
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高樹のぶ子
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川上弘美
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選考委員
吉田修一男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数98 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
48 「そもそもこの日浅という男は、それがどういう種類のものごとであれ、何か大きなものの崩壊に脆く感動しやすくできていた。」「受賞作の美点を一つ挙げろと言われれば、まずこの一文を挙げる。」「実際、ほのめかし小説であると私も思う。ただ、このほのめかしは、マイノリティである主人公の余裕から出るものではなく、余裕などからは程遠い、そのギリギリのところで絞り出された勇気から出たものと読んだ。」
今村夏子
女37歳
27 「この小説は、ある意味、児童虐待の凄惨な現場報告である。本来ならすべての人間に与えられるはずのさまざまな選択権、自由に生きる権利を奪われていく(物言えぬ)子供の残酷物語であり、でもそこにだって真実の愛はあるのだ、という小説である。」「このような物語が、平易で、ある意味、楽しげに綴られていく。(引用者中略)力ある作品だと認めているのだが、ではこれを受賞作として強く推せるかというと、最後の最後でためらいが生じてしまう。」
温又柔
女37歳
9 「「母国語」とアイデンティティーという切実なテーマだけが、ブルドーザーのように眼前に迫ってくる。これでは読者は怖くて飛び退くしかない。小説としての、良い意味での余白がほしい。」
古川真人
男28歳
14 「認知症とモラトリアムを同時に料理してやろうという野心作で、忘失というマイナス要素をなんとかプラスに転化させようとする努力は買うが、前作に続いてやはり冗長。」
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山田詠美
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堀江敏幸
川上弘美
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選考委員
村上龍男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数88 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
60 「上質な作品だったが、わたしは推さなかった。作者の描写力は新人の域を超えている。」「推さなかったのは、「作者が伝えようとしたこと」を「発見」できなかったという理由だけで、それ以外にはない。」「わたしは「これで、このあと東日本大震災が出てきたら困るな」と思った。やがて「日浅」は行方不明となる。主人公は、大津波を見ても逃げることなく、目をそらすこともなく呑み込まれる「日浅」をイメージする。「巨大なものの崩壊に陶酔しがちな傾向」がある「日浅」にぴったりの情景であり、おそらくこの作品の通奏低音が「崩壊」であることが鮮明になる。だが、わたしには驚きはまったくなかった。」
今村夏子
女37歳
0  
温又柔
女37歳
0  
古川真人
男28歳
0  
  「私見だが、小説は「言いたいことを言う」ための表現手段ではない。」「だが、「伝えたいこと」はある。」「たぶん「伝えたいこと」は、作家が自覚的に物語に織り込むのではなく、読む人が発見すべきものなのかもしれない。」
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山田詠美
吉田修一
奥泉光
宮本輝
高樹のぶ子
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川上弘美
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選考委員
奥泉光男61歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
言語の歴史性 総行数94 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
17 「どこかハードボイルドふうの味わいのある作品で、描写に安定があって、なるほど気持ちよく読めた。が、短い。これは序章であって、ここから日浅と云う謎の男を追う主人公の物語がはじまるのでないかとの印象を持った。」
今村夏子
女37歳
21 「宗教団体の歴史や組織や教義についてはほとんど書かれず、それは内側にある子供の視点から描かれる以上必然だと云えなくもないが、団体の怪しさが通念に寄りかかり、やや類型的な印象が否めず、「信」の問題を問うにはやはり複数の視点が必要なのではないかと思った。しかし逆に、単一の視点でここまで描ける作者の力量にはあらためて感心させられた。」
温又柔
女37歳
37 「よくある「留学もの」小説のようにも見えるが、母語とは何であるかの問いが正面から追究され、言語の歴史性の一断面が切りとられる一篇は、多くの日本語話者の抱く、母語としての日本語の「不動性」にゆさぶりをかけてくる。」「計算された言葉の配置が魅力的なテクストに結実している。」「平板なのはたしかで、しかし物語の平板さ、ある種の甘さは、語り手の品の良さと裏腹だと思われたものの、賛同を得るにはいたらなかった。」
古川真人
男28歳
19 「前作の「縫わんばならん」に続いて、九州の島に発する一族の歴史を記憶や声の重層的な交錯のなかに描き出す一篇で、テクストの立体的な構築への意思には共感した。しかし今回は主人公の青年に焦点が絞られたぶん、世界が小さくなった印象で、それは小説としてのまとまりがよくなったと云う評価と裏腹であり、難しいところではある。」
  「今回の選考会では、今村夏子氏「星の子」と沼田真佑氏「影裏」の二作品が残り、最後の投票で過半数を超えた「影裏」が受賞作に決まる展開となったが、自分はむしろ残りの二作を評価していたので、サッカーで云えば「消えている」時間帯が長かった。」
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山田詠美
吉田修一
村上龍
宮本輝
高樹のぶ子
小川洋子
堀江敏幸
川上弘美
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選考委員
宮本輝男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
カモフラージュ 総行数90 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
36 「たしかに今回の四人の候補者のなかではいちばんうまい。だが、芥川賞において「うまい」という美点はさして重要ではない。」「後半、意味ありげなメタファとして禅の言葉が出て来る。「電光影裏に春風を斬る」。」「題の「影裏」もこの意味のよくわからない蒟蒻問答のような言葉から取られている。」「ならば、この言葉をもっと深い部分からえぐり出して、読者に投げかけるべきだ。あえて書かないというカモフラージュをして、うまく逃げたなという気がしたので、私は授賞に賛成しなかった。」
今村夏子
女37歳
18 「奇妙なカルト的宗教の裏で、両親の周辺では、ただ平和で幸福な日々が過ぎていったわけではあるまい。」「そこのところが完全に素通りされてしまっていて、この小説の真の怖さも封殺されている。私はそれが不満で消極的にしか推せなかった。」
温又柔
女37歳
15 「これは、当事者たちには深刻なアイデンティティと向き合うテーマかもしれないが、日本人の読み手にとっては対岸の火事であって、同調しにくい。なるほど、そういう問題も起こるのであろうという程度で、他人事を延々と読まされて退屈だった。」
古川真人
男28歳
16 「前回の「縫わんばならん」と合わせ鏡になったような作品で、もしふたつの小説がひとつにうまく合体したとしても、大事な「芯」をどこにも見つけだすことができそうにない。」
  「私は芥川賞の候補作が年々長くなっていくことに不満を感じている。重くも軽くもないただ長いだけの刀になんの威力があろう。」
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他の選考委員
山田詠美
吉田修一
村上龍
奥泉光
高樹のぶ子
小川洋子
堀江敏幸
川上弘美
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選考委員
高樹のぶ子女71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
美しくもおぞましい 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
31 「何かをきっかけに表層の覆いが剥ぎ取られて邪悪な内面が剥き出しになるのは、大自然も人間も同じで、東北大震災はこのように、人間内部の崩壊と呼応させて書かれる運命にあった。」「鎮まったかに見える厄災だが、津波で死んだと思われる悪性な息子を父は、息子なら死んではいませんよ、と不気味に言い放つ。雌伏する邪悪な力はいつ息を吹き返すかも知れず、これは美しくもおぞましい、予言に満ちた秀作だ。」
今村夏子
女37歳
13 「意図的に会話で小説を作っているが、会話のリフレインが冗長に感じられた。大人に支配される子供の切なさや、独特の浮遊感に混じる不穏な暴力の気配も、この文体の効果として認めるものの、この文体では少女の視点でしか書けないのではないかと危惧する。」
温又柔
女37歳
12 「東アジアの人的流動は確かにこんな状態なのだろう。ただ、留学生活の会話の中で提起されるとどうしても薄く軽くなる。自己の存亡を掛けて闘い追求しなくてはならない切実な物語が用意されれば、もっと強いテーマとして浮かび上がるはずだ。」
古川真人
男28歳
29 「描かれる人間関係は(引用者注:前の候補作に比べて)シンプルになり纏まりも良かったが、方言の粘着感と暑苦しさに少々うんざりしたのも確か。」「もしかしたら方言は彼にとって古臭い土着のテイストではないのかも知れない。」「中央から遠くはなれた土地で差別意識や自己卑下を含んで使われる従来の、常に標準語に翻訳されることで意味を持つ言語ではなく、何か新たな色彩を秘めた未開拓の魅力を持っているのかも知れないと思えてきた。」
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他の選考委員
山田詠美
吉田修一
村上龍
奥泉光
宮本輝
小川洋子
堀江敏幸
川上弘美
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選考委員
小川洋子女55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
書かないで書く 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
38 「(引用者注:「星の子」と共に)推した。(引用者中略)どちらも、いかに書かないで書くか、という根源的な問いをはらんでいて興味深かった。」「沼田さんは、主人公が言葉の届かない場所へ向かおうとしているのを自覚し、無言の足跡にひたすら視線を注いでいる。」「(引用者注:登場人物たちの)誰もがぽつん、ぽつんとその場に取り残され、立ち往生している。ここに立ち込める、救われようのない濃密な孤独の前で、言葉は無力だ。」
今村夏子
女37歳
38 「(引用者注:「影裏」と共に)推した。(引用者中略)どちらも、いかに書かないで書くか、という根源的な問いをはらんでいて興味深かった。」「ラストの星空の場面。崩壊の予感に満ちあふれながら、決定的なものは描かれない。にもかかわらず、言葉にされなかった痛みは、傷とラクガキに覆われたお姉さんの手にありありと浮かび上がって見えている。書かれた言葉より、書かれなかった言葉の方が存在感を持っている。」
温又柔
女37歳
9 「最も心に残ったのは、龍舜哉と主人公が自らの出自について語り合ったあと、言葉にならない、音でしかない声によって結ばれる場面だった。小説の核になるこの一瞬が、密度を増してゆけば、もっと魅力的な作品になっただろうと思う。」
古川真人
男28歳
9 「佐恵子や幼児や死者たちは、言葉の理屈から解き放たれ、自在な魅力を振りまいている。ところが肝心の語り手、稔が平板だった。」
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他の選考委員
山田詠美
吉田修一
村上龍
奥泉光
宮本輝
高樹のぶ子
堀江敏幸
川上弘美
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選考委員
堀江敏幸男53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
信じる信じないの境目 総行数89 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
23 「故意の言い落としで語りのバランスが崩れるのを承知で、よく計算されて書かれた一作だ。」「日浅という男の謎は、「わたし」が押し隠している崩れの予感のあらわれだろう。」「あちこちに顔を出す亀裂を私は好意的に捉えた。」
今村夏子
女37歳
24 「崩壊に脆くなく感動もしないがゆえに、不穏な気配を漂わせている。」「信じる信じないの境目で、「何か大きなものの崩壊」に耐えている語り手こそ、じつは、宗教に関係なく「教祖」的な力を持ちうる人なのではないか。その逆説の不気味さを平易な言葉で描き切る身体感覚に、今後も期待したい。」
温又柔
女37歳
19 「この小説のもくろみは、日本語を国籍に関係なく身体のなかに解き放ち、そこに東アジアの歴史を重ねることにある。ただ、その思いが主要な登場人物に等しく分有されているため、やや説明的になった部分も散見された。」
古川真人
男28歳
23 「認知症のまま亡くなった祖母の破れた記憶を縫い合わせようとした前作の続篇だが、人の話を聞いて過去を息づかせることと、みずから能動的に動いて過去にさかのぼろうとすることのはざまにひろがる荒れ地が、きれいに均されすぎたようだ。」
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他の選考委員
山田詠美
吉田修一
村上龍
奥泉光
宮本輝
高樹のぶ子
小川洋子
川上弘美
島田雅彦
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選考委員
川上弘美女59歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
想像 総行数95 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
22 「作者は、小説を読む時の快楽をわかっている、と感じました。なぜなら、この小説の中には、その快楽がたしかにあるからです。」「この作者は、どのくらい意識して書いているのだろう。たぶん、大いに意識しているのではないか。苦しいことです。その苦しさに、どのくらい耐えられるのかを、次の小説まで待ってから見てもいいのではないかと思い、今回わたしはこの作品を第一には推さず、次点としました。」
今村夏子
女37歳
10 「作者は、誰も教えることのできない、「どう書けばその小説を小説たらしめることができるのか」ということを、すでによく知っている。第一に、推しました。」
温又柔
女37歳
13 「好感をいだきました。その好感が、感慨や動揺や連想にまで広がってゆかなかったのは、中国への語学留学の中で語り手が感じるさまざまなことが、主人公のアイデンティティーとどうかかわってゆくのか、わかりにくかったからです。」
古川真人
男28歳
20 「多くの細部がありました。にもかかわらず、珍しくわたしはこの小説からはじき出されてしまう心地に、たびたびなりました。」「細部の刈り込まれかたが、うまくいっていないのではないでしょうか。」
  「小説の、細部にいつも興味があります。」「描かれている細部だけではなく、描かれていない細部のことまでも想像してしまうようになった時には、すなわちその小説にすっかり引きこまれている、という法則が、わたしにはあります。」
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高樹のぶ子
小川洋子
堀江敏幸
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選考委員
島田雅彦男56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
賞は結局運次第 総行数84 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
沼田真佑
男38歳
18 「田舎での偏見を警戒してもいるのだろう、語り手は慎重にコトバを選びながら、自身の中に芽生えた志向と向き合っている。さらに震災経験がその中に織り込まれ、あの日を境に変わってしまった世界の心象を繊細に掬い上げることに成功している。」
今村夏子
女37歳
28 「語り手自身が問題系の内部に閉じ込められているために批評的距離を保てない。実はこの点に本作の企みがあり、また問題がある。」「たとえ、子どもの視点で書いても、道具立ての工夫により大人たちのグロテスクな言動、挙動を描き、キラキラ系のコトバの背後に隠されている闇をあぶり出すこともできたはずである。」
温又柔
女37歳
17 「「国際」という用語がさしたる軋轢や実体を伴わずに概念として広く浸透しているこの世界の片隅で、自らが拠って立つ足場の確認を繰り返し行うことにこの作者はそろそろ飽きなければならない。既に自己の特異性を痛快にエッセイに書いた後、それをノベライズしても二番煎じを越えないのである。」
古川真人
男28歳
21 「この先も古川は長崎を舞台にしたサーガを書き継いでゆくだろうが、血縁関係の中にとどまらず、もっと空間的、時間的に大きな視野に立って、壮大な物語を紡いでもいいのではないか。」
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奥泉光
宮本輝
高樹のぶ子
小川洋子
堀江敏幸
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受賞者・作品
沼田真佑男38歳×各選考委員 
「影裏」
短篇 93
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女58歳
17 「まるで、きらきらと輝く接着剤のような言葉で小説をまとめ上げて行く。うまいなー。日浅のお父さん、相当息子を愛しているね。背徳的な意味で。」
吉田修一
男48歳
48 「そもそもこの日浅という男は、それがどういう種類のものごとであれ、何か大きなものの崩壊に脆く感動しやすくできていた。」「受賞作の美点を一つ挙げろと言われれば、まずこの一文を挙げる。」「実際、ほのめかし小説であると私も思う。ただ、このほのめかしは、マイノリティである主人公の余裕から出るものではなく、余裕などからは程遠い、そのギリギリのところで絞り出された勇気から出たものと読んだ。」
村上龍
男65歳
60 「上質な作品だったが、わたしは推さなかった。作者の描写力は新人の域を超えている。」「推さなかったのは、「作者が伝えようとしたこと」を「発見」できなかったという理由だけで、それ以外にはない。」「わたしは「これで、このあと東日本大震災が出てきたら困るな」と思った。やがて「日浅」は行方不明となる。主人公は、大津波を見ても逃げることなく、目をそらすこともなく呑み込まれる「日浅」をイメージする。「巨大なものの崩壊に陶酔しがちな傾向」がある「日浅」にぴったりの情景であり、おそらくこの作品の通奏低音が「崩壊」であることが鮮明になる。だが、わたしには驚きはまったくなかった。」
奥泉光
男61歳
17 「どこかハードボイルドふうの味わいのある作品で、描写に安定があって、なるほど気持ちよく読めた。が、短い。これは序章であって、ここから日浅と云う謎の男を追う主人公の物語がはじまるのでないかとの印象を持った。」
宮本輝
男70歳
36 「たしかに今回の四人の候補者のなかではいちばんうまい。だが、芥川賞において「うまい」という美点はさして重要ではない。」「後半、意味ありげなメタファとして禅の言葉が出て来る。「電光影裏に春風を斬る」。」「題の「影裏」もこの意味のよくわからない蒟蒻問答のような言葉から取られている。」「ならば、この言葉をもっと深い部分からえぐり出して、読者に投げかけるべきだ。あえて書かないというカモフラージュをして、うまく逃げたなという気がしたので、私は授賞に賛成しなかった。」
高樹のぶ子
女71歳
31 「何かをきっかけに表層の覆いが剥ぎ取られて邪悪な内面が剥き出しになるのは、大自然も人間も同じで、東北大震災はこのように、人間内部の崩壊と呼応させて書かれる運命にあった。」「鎮まったかに見える厄災だが、津波で死んだと思われる悪性な息子を父は、息子なら死んではいませんよ、と不気味に言い放つ。雌伏する邪悪な力はいつ息を吹き返すかも知れず、これは美しくもおぞましい、予言に満ちた秀作だ。」
小川洋子
女55歳
38 「(引用者注:「星の子」と共に)推した。(引用者中略)どちらも、いかに書かないで書くか、という根源的な問いをはらんでいて興味深かった。」「沼田さんは、主人公が言葉の届かない場所へ向かおうとしているのを自覚し、無言の足跡にひたすら視線を注いでいる。」「(引用者注:登場人物たちの)誰もがぽつん、ぽつんとその場に取り残され、立ち往生している。ここに立ち込める、救われようのない濃密な孤独の前で、言葉は無力だ。」
堀江敏幸
男53歳
23 「故意の言い落としで語りのバランスが崩れるのを承知で、よく計算されて書かれた一作だ。」「日浅という男の謎は、「わたし」が押し隠している崩れの予感のあらわれだろう。」「あちこちに顔を出す亀裂を私は好意的に捉えた。」
川上弘美
女59歳
22 「作者は、小説を読む時の快楽をわかっている、と感じました。なぜなら、この小説の中には、その快楽がたしかにあるからです。」「この作者は、どのくらい意識して書いているのだろう。たぶん、大いに意識しているのではないか。苦しいことです。その苦しさに、どのくらい耐えられるのかを、次の小説まで待ってから見てもいいのではないかと思い、今回わたしはこの作品を第一には推さず、次点としました。」
島田雅彦
男56歳
18 「田舎での偏見を警戒してもいるのだろう、語り手は慎重にコトバを選びながら、自身の中に芽生えた志向と向き合っている。さらに震災経験がその中に織り込まれ、あの日を境に変わってしまった世界の心象を繊細に掬い上げることに成功している。」
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他の候補作
今村夏子
「星の子」
温又柔
「真ん中の子どもたち」
古川真人
「四時過ぎの船」
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候補者・作品
今村夏子女37歳×各選考委員 
「星の子」
中篇 281
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女58歳
23 「高田かやの傑作コミックエッセイ「さよなら、カルト村。」を思い起こさせる可愛らしさと、そこはかとない恐ろしさを同時に感じずにはいられない。親を思う子供の純情の外側で、さまざまな不穏なものが蠢いている。」「ラストで父と母に両側から強く抱き締められた主人公は否定出来ない枷をはめられたようにも思える。今回は受賞を逃したが、この先も目の離せない作品を書き続ける人だと確信している。」
吉田修一
男48歳
27 「この小説は、ある意味、児童虐待の凄惨な現場報告である。本来ならすべての人間に与えられるはずのさまざまな選択権、自由に生きる権利を奪われていく(物言えぬ)子供の残酷物語であり、でもそこにだって真実の愛はあるのだ、という小説である。」「このような物語が、平易で、ある意味、楽しげに綴られていく。(引用者中略)力ある作品だと認めているのだが、ではこれを受賞作として強く推せるかというと、最後の最後でためらいが生じてしまう。」
村上龍
男65歳
0  
奥泉光
男61歳
21 「宗教団体の歴史や組織や教義についてはほとんど書かれず、それは内側にある子供の視点から描かれる以上必然だと云えなくもないが、団体の怪しさが通念に寄りかかり、やや類型的な印象が否めず、「信」の問題を問うにはやはり複数の視点が必要なのではないかと思った。しかし逆に、単一の視点でここまで描ける作者の力量にはあらためて感心させられた。」
宮本輝
男70歳
18 「奇妙なカルト的宗教の裏で、両親の周辺では、ただ平和で幸福な日々が過ぎていったわけではあるまい。」「そこのところが完全に素通りされてしまっていて、この小説の真の怖さも封殺されている。私はそれが不満で消極的にしか推せなかった。」
高樹のぶ子
女71歳
13 「意図的に会話で小説を作っているが、会話のリフレインが冗長に感じられた。大人に支配される子供の切なさや、独特の浮遊感に混じる不穏な暴力の気配も、この文体の効果として認めるものの、この文体では少女の視点でしか書けないのではないかと危惧する。」
小川洋子
女55歳
38 「(引用者注:「影裏」と共に)推した。(引用者中略)どちらも、いかに書かないで書くか、という根源的な問いをはらんでいて興味深かった。」「ラストの星空の場面。崩壊の予感に満ちあふれながら、決定的なものは描かれない。にもかかわらず、言葉にされなかった痛みは、傷とラクガキに覆われたお姉さんの手にありありと浮かび上がって見えている。書かれた言葉より、書かれなかった言葉の方が存在感を持っている。」
堀江敏幸
男53歳
24 「崩壊に脆くなく感動もしないがゆえに、不穏な気配を漂わせている。」「信じる信じないの境目で、「何か大きなものの崩壊」に耐えている語り手こそ、じつは、宗教に関係なく「教祖」的な力を持ちうる人なのではないか。その逆説の不気味さを平易な言葉で描き切る身体感覚に、今後も期待したい。」
川上弘美
女59歳
10 「作者は、誰も教えることのできない、「どう書けばその小説を小説たらしめることができるのか」ということを、すでによく知っている。第一に、推しました。」
島田雅彦
男56歳
28 「語り手自身が問題系の内部に閉じ込められているために批評的距離を保てない。実はこの点に本作の企みがあり、また問題がある。」「たとえ、子どもの視点で書いても、道具立ての工夫により大人たちのグロテスクな言動、挙動を描き、キラキラ系のコトバの背後に隠されている闇をあぶり出すこともできたはずである。」
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他の候補作
沼田真佑
「影裏」
温又柔
「真ん中の子どもたち」
古川真人
「四時過ぎの船」
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候補者・作品
温又柔女37歳×各選考委員 
「真ん中の子どもたち」
中篇 224
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女58歳
22 「作者にとっての大切なテーマを扱ったのは解るが、何しろ長過ぎる。」「〈洩れる声がことばにならずに音でしかない段階に留まっていることを堪能する〉あたりはすごく良い。ここに、充分に咀嚼した上でテーマを溶け込ませて行けば、小説として完成されたかも。前半は、料理以前の原材料という感じ。」
吉田修一
男48歳
9 「「母国語」とアイデンティティーという切実なテーマだけが、ブルドーザーのように眼前に迫ってくる。これでは読者は怖くて飛び退くしかない。小説としての、良い意味での余白がほしい。」
村上龍
男65歳
0  
奥泉光
男61歳
37 「よくある「留学もの」小説のようにも見えるが、母語とは何であるかの問いが正面から追究され、言語の歴史性の一断面が切りとられる一篇は、多くの日本語話者の抱く、母語としての日本語の「不動性」にゆさぶりをかけてくる。」「計算された言葉の配置が魅力的なテクストに結実している。」「平板なのはたしかで、しかし物語の平板さ、ある種の甘さは、語り手の品の良さと裏腹だと思われたものの、賛同を得るにはいたらなかった。」
宮本輝
男70歳
15 「これは、当事者たちには深刻なアイデンティティと向き合うテーマかもしれないが、日本人の読み手にとっては対岸の火事であって、同調しにくい。なるほど、そういう問題も起こるのであろうという程度で、他人事を延々と読まされて退屈だった。」
高樹のぶ子
女71歳
12 「東アジアの人的流動は確かにこんな状態なのだろう。ただ、留学生活の会話の中で提起されるとどうしても薄く軽くなる。自己の存亡を掛けて闘い追求しなくてはならない切実な物語が用意されれば、もっと強いテーマとして浮かび上がるはずだ。」
小川洋子
女55歳
9 「最も心に残ったのは、龍舜哉と主人公が自らの出自について語り合ったあと、言葉にならない、音でしかない声によって結ばれる場面だった。小説の核になるこの一瞬が、密度を増してゆけば、もっと魅力的な作品になっただろうと思う。」
堀江敏幸
男53歳
19 「この小説のもくろみは、日本語を国籍に関係なく身体のなかに解き放ち、そこに東アジアの歴史を重ねることにある。ただ、その思いが主要な登場人物に等しく分有されているため、やや説明的になった部分も散見された。」
川上弘美
女59歳
13 「好感をいだきました。その好感が、感慨や動揺や連想にまで広がってゆかなかったのは、中国への語学留学の中で語り手が感じるさまざまなことが、主人公のアイデンティティーとどうかかわってゆくのか、わかりにくかったからです。」
島田雅彦
男56歳
17 「「国際」という用語がさしたる軋轢や実体を伴わずに概念として広く浸透しているこの世界の片隅で、自らが拠って立つ足場の確認を繰り返し行うことにこの作者はそろそろ飽きなければならない。既に自己の特異性を痛快にエッセイに書いた後、それをノベライズしても二番煎じを越えないのである。」
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他の候補作
沼田真佑
「影裏」
今村夏子
「星の子」
古川真人
「四時過ぎの船」
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候補者・作品
古川真人男28歳×各選考委員 
「四時過ぎの船」
中篇 160
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
山田詠美
女58歳
23 「登場人物が皆いじらしい。ただし主人公以外。モラトリアムにある閉塞感が今ひとつ伝わって来ない。」「〈やぜらしかもの〉をひとつずつ捨てて行った祖母と、この先も〈やぜらしかもの〉をひとつずつ拾って行くであろう自分を交互に配して、やがてすれ違うというアイディアが、あまり上手く機能していない。」
吉田修一
男48歳
14 「認知症とモラトリアムを同時に料理してやろうという野心作で、忘失というマイナス要素をなんとかプラスに転化させようとする努力は買うが、前作に続いてやはり冗長。」
村上龍
男65歳
0  
奥泉光
男61歳
19 「前作の「縫わんばならん」に続いて、九州の島に発する一族の歴史を記憶や声の重層的な交錯のなかに描き出す一篇で、テクストの立体的な構築への意思には共感した。しかし今回は主人公の青年に焦点が絞られたぶん、世界が小さくなった印象で、それは小説としてのまとまりがよくなったと云う評価と裏腹であり、難しいところではある。」
宮本輝
男70歳
16 「前回の「縫わんばならん」と合わせ鏡になったような作品で、もしふたつの小説がひとつにうまく合体したとしても、大事な「芯」をどこにも見つけだすことができそうにない。」
高樹のぶ子
女71歳
29 「描かれる人間関係は(引用者注:前の候補作に比べて)シンプルになり纏まりも良かったが、方言の粘着感と暑苦しさに少々うんざりしたのも確か。」「もしかしたら方言は彼にとって古臭い土着のテイストではないのかも知れない。」「中央から遠くはなれた土地で差別意識や自己卑下を含んで使われる従来の、常に標準語に翻訳されることで意味を持つ言語ではなく、何か新たな色彩を秘めた未開拓の魅力を持っているのかも知れないと思えてきた。」
小川洋子
女55歳
9 「佐恵子や幼児や死者たちは、言葉の理屈から解き放たれ、自在な魅力を振りまいている。ところが肝心の語り手、稔が平板だった。」
堀江敏幸
男53歳
23 「認知症のまま亡くなった祖母の破れた記憶を縫い合わせようとした前作の続篇だが、人の話を聞いて過去を息づかせることと、みずから能動的に動いて過去にさかのぼろうとすることのはざまにひろがる荒れ地が、きれいに均されすぎたようだ。」
川上弘美
女59歳
20 「多くの細部がありました。にもかかわらず、珍しくわたしはこの小説からはじき出されてしまう心地に、たびたびなりました。」「細部の刈り込まれかたが、うまくいっていないのではないでしょうか。」
島田雅彦
男56歳
21 「この先も古川は長崎を舞台にしたサーガを書き継いでゆくだろうが、血縁関係の中にとどまらず、もっと空間的、時間的に大きな視野に立って、壮大な物語を紡いでもいいのではないか。」
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他の候補作
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「影裏」
今村夏子
「星の子」
温又柔
「真ん中の子どもたち」
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