芥川賞のすべて・のようなもの
第149回
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Last Update[H28]2016/3/15

いとうせいこう
Ito Seiko
生没年月日【注】 昭和36年/1961年3月19日~
経歴 東京都出身。早稲田大学法学部卒。講談社に入社し、昭和61年/1986年退社。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第10回野間文芸新人賞(昭和63年/1988年)『ノーライフキング』
  • |候補| 第2回三島由紀夫賞(昭和63年/1988年度)『ノーライフキング』
  • |候補| 第4回三島由紀夫賞(平成2年/1990年度)『ワールズ・エンド・ガーデン』
  • 第15回講談社エッセイ賞(平成11年/1999年)『ボタニカル・ライフ』
  • |候補| 第26回三島由紀夫賞(平成24年/2012年度)『想像ラジオ』
  • |候補| 第149回芥川賞(平成25年/2013年上期)「想像ラジオ」
  • 第35回野間文芸新人賞(平成25年/2013年)『想像ラジオ』
  • 第2回静岡書店大賞[小説部門](平成25年/2013年)『想像ラジオ』
  • |候補| 第150回芥川賞(平成25年/2013年下期)「鼻に挟み撃ち」
  • |第8位| 第11回2014年本屋大賞(平成26年/2014年)『想像ラジオ』
備考
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芥川賞 第149回候補  一覧へ

そうぞう
想像ラジオ」(『文藝』平成25年/2013年春季号[2月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記表紙 「bungei」併記
巻号 第52巻 第1号  別表記春/spring
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年2月1日
発行者等 編集人 高木れい子 発行人 小野寺優 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 309 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
28字
×25行
×2段
本文ページ 17~94
(計78頁)
測定枚数 260
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書誌
>>平成25年/2013年3月・河出書房新社刊『想像ラジオ』
>>平成27年/2015年3月・河出書房新社/河出文庫『想像ラジオ』
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候補者 いとうせいこう 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
小川洋子
女51歳
6 「死者の声はあくまでも無音だ。無音を言葉に変換するのではなく、無音のままに言葉で描くのが小説ではないだろうか。『想像ラジオ』を読んでそんなことを考えた。」
島田雅彦
男52歳
48 「じっくり読めば読むほどに、この作品は微笑を誘う小ネタ満載で、実にサービス精神の行き届いたエンターティメントに仕上がっていることがわかる。」「だが、逆にこのウエルメードぶりにあざとさを感じてしまうのも事実で、たとえていえば、司会があまりに芸達者なので、ゆっくり死を思うことができない葬儀に列席しているような感覚である。」
堀江敏幸
男49歳
21 「高度な語りの技術と構成力は出色である。」「死者の声を聞こうと言いながら反対の声も入れておく誠実さ。この誠実さが周到さと読み違えられる危険も覚悟のうえで、作者はこの小説を書いた。だからこそ、次にやってくる想像上のDJが沈黙でしか表現できない人だったらどうなるのか、と余計なことも考えさせられた。」
高樹のぶ子
女67歳
67 「小説を書く目的として最も相応しくないのがヒューマニズムだということも、作者は知っている。この作品をヒューマニズムの枠組で読まれることなど望まず、作者としては樹上の死者のDJを愉しんで貰いたかったのではないか。」「小説に出来ることはその程度だ。その程度しか出来ないという哀しみから、書く蛮勇はうまれる。」「今回の候補作中、もっとも大きな小説だったと、選考委員として私も、蛮勇をふるって言いたい。」
宮本輝
男66歳
16 「もっと論議の対象になると思っていたが、案外に票を集めなかった。」「生死という難題を小手先ですり抜けるわけにはいくまい。おちゃらけでは済まない重いテーマを、いとうさんの得手の手口だけで小説にするのは無理だったと思う。」
川上弘美
女55歳
29 「このテーマを描こうとしたいとうさんを、わたしは尊敬します。トライしないで平穏でいるよりも、トライして突き当たる、それが小説家の心意気だと思うので。」「(引用者注:「爪と目」とともに)少しずつ推しました。二作とも、足りないものがある。けれど足りないものを越えるものを、ちゃんとふくんでいる。そう思ったのです。」
山田詠美
女54歳
28 「この軽くも感じられるスタイルを取ったのは、死者を悼む人間の知恵だなあ、と感心した。しかしながら、やり過ぎの感もあり、死者のための鎮魂歌が鎮魂歌のための死者方向に重心を傾けたようで気になった。」
村上龍
男61歳
59 「わたしたちは3・11という三つの数字を見ただけで、そのあとに見た膨大な量の映像を自動的に想起する。」「『想像ラジオ』の著者は、安易なヒューマニズムに陥らないために、いろいろな意匠を凝らしたのだと思う。だが、既出の映像が膨大かつ強烈で、文学としてそれらに「立ち向かう」ことがあまりに困難だったために、結果的に、また極めて残念なことに、作品からはヒューマニズムだけが抽出されることになった。」
奥泉光
男57歳
73 「この十六年間、いとう氏とともに「文芸漫談」なるトークイベントを定期的に行い、小説をめぐるあれこれを観客の前で語ってきた私は、いとう氏の小説への考え方や思いにつき知るところが少なくなく、(引用者中略)この作品が最終候補作として送られてきたときにはやや戸惑った。」「結果、本作の選考については他の委員に委ねる感じになってしまったが、選考会で出た意見には、肯定的なものにも批判的なものにも、それぞれ頷かされた。」
選評出典:『文藝春秋』平成25年/2013年9月号
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はな はさ
鼻に 挟み 撃ち」(『すばる』平成25年/2013年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「すばる」  別表記表紙 「subaru」併記 裏表紙・奥付 「昴」併記
巻号 第35巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発売 平成25年/2013年11月6日
発行者等 編集者 清田央軌 発行者 村田登志江 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社集英社(東京都)
総ページ数 360 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×22行
×2段
本文ページ 14~60
(計47頁)
測定枚数 125
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書誌
>>平成26年/2014年5月・集英社刊『鼻に挟み撃ち 他三編』所収
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候補者 いとうせいこう 男52歳
選考委員 評価 行数 評言
村上龍
男61歳
5 「大きな違和感を抱いた。モチーフが交錯するが、複雑な構造にもなり得ていない。」
川上弘美
女55歳
15 「先を読み進めたくなるたくみな語り、さまざまな試み、そして着地もしっかりなされている小説です。ただ、不思議なことに、この小説の核にあるものが、だんだんにわからなくなっていってしまったのです。」
小川洋子
女51歳
11 「少しでも(引用者注:オリジナルの小説など最初から世界に存在しないという)結論を揺るがす可能性のある一行は、用心深く排除され、どこから突かれても安心なように言い訳が用意されている。その慎重さが私には重荷だった。」
宮本輝
男66歳
13 「ゴーゴリ―の「鼻」と後藤明生の「挟み撃ち」という小説を合体させているが、それによって何を語りたいのかが明晰ではない。」「私は前作もそうだが、今作も、いとうさんだけの独特の才気が無駄使いされているという歯がゆさを感じる。」
堀江敏幸
男50歳
35 「マスク男の言う、「誰も彼も鼻が利かなくなってきた」現代では(引用者中略)「臆測とか忖度とか屈折を通じて慎重に議論を深めていく『嗅ぎあい社会』が消滅しつつあるとの主張には、内だけでなく外への視線も確保されており、話の柄は見かけよりずっと大きい。実名をまじえた自分語りと批評の鼻の孔が、きれいな円ではなく楕円(原文傍点)で描かれていたら、全体の張力はさらに増していただろう。」
高樹のぶ子
女67歳
17 「現代に仄見える危機も提示され、ニヒルな居直りを装う話術、跳躍力にも優れていて、すでにこの世界に存在する作品をテコにした批評精神はベテラン作家のもの。」「私はこうした先行作品を使う重層小説があっても良いと思ったが、新人離れした知的豪腕ゆえに、マイナスの評価を受けた。」
山田詠美
女54歳
26 「亡くなった作家、そして、眠っている名作に命を与えて目覚めさせるという役割をになう小説というのは確かにあって、しかしながら、それに成功している作品は数少ない。この場合、あやういところを行ったり来たりしている印象を受ける。」「〈アドリブ〉も〈アミダクジ式〉も使わずに〈魂が「あくがれ」る〉小説が書けるくらいの蓄積は、この作者に確実にあると思う。私は、そこに、彼の小説家としての役割を見ている。」
奥泉光
男57歳
27 「模倣とパロディーを本質とする小説なるジャンルの伝統に忠実な作品といってよいだろう。」「「二代目後藤明生」を自称するいとう氏が、強い方法意識をもって作り出した、さまざまな逸脱を孕みつつ運動する一篇は高い水準を示して、エンターテイメント小説を含め頽落したリアリズムが支配的な日本語の文学界に活性を与えるものであり、受賞作にふさわしいと自分は考えた。」
島田雅彦
男52歳
36 「ゴーゴリ論、後藤明生論を縦糸に、饒舌体の私語りを横糸にしたタペストリーになっており、随所に仕掛けられたヒューモアと本歌取りは技巧の粋を極めている、といえば、賛辞になるのだが、裏を返せば、インテリの落語のようで、完成された方程式になっているといえば、褒め殺すことになる。」「内輪話もメタフィクションに落とし込めば、知的なパズルになる好例を示してはくれたが、いとうせいこうは技巧的な安全地帯の外に出て、自分をもっと遠くへ飛ばすことができるはずである。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
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