芥川賞のすべて・のようなもの
第150回
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Last Update[H29]2017/1/28

岩城けい
Iwaki Kei
生没年月日【注】 昭和46年/1971年☆月☆日~
経歴 大阪府生まれ。大学卒業後、単身オーストラリアに渡り、社内業務翻訳業経験ののち、結婚。
受賞歴・候補歴
  • 第29回太宰治賞(平成25年/2013年)「さようなら、オレンジ」
  • |候補| 第150回芥川賞(平成25年/2013年下期)「さようなら、オレンジ」
  • 第8回大江健三郎賞(平成26年/2014年)『さようなら、オレンジ』
  • |第4位| 第11回2014年本屋大賞(平成26年/2014年)『さようなら、オレンジ』
  • |候補| 第27回三島由紀夫賞(平成25年/2013年度)『さようなら、オレンジ』
  • |候補| 第37回野間文芸新人賞(平成27年/2015年)『Masato』
  • 第32回坪田譲治文学賞(平成28年/2016年)『Masato』
備考
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芥川賞 第150回候補  一覧へ
「さようなら、オレンジ」(『太宰治賞2013』[平成25年/2013年6月])
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「だざいおさむしょう」
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年6月20日(初版第1刷)
発行者等 編集 筑摩書房編集部 発行人 熊沢敏之 印刷・製本 精興社
発行所 株式会社筑摩書房(東京都) 形態 A5判 並製
装幀/装画等 装幀・レイアウト 吉田篤弘・吉田浩美 写真 坂本真典
総ページ数 313 表記上の枚数 本文 228枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×22行
×2段
本文ページ 29~102
(計74頁)
測定枚数 215
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書誌
>>初出時の筆名=KSイワキ
>>平成25年/2013年8月・筑摩書房刊『さようなら、オレンジ』
>>平成27年/2015年9月・筑摩書房/ちくま文庫『さようなら、オレンジ』
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候補者 岩城けい 女42歳
選考委員 評価 行数 評言
村上龍
男61歳
10 「わたしは感動できなかったし、感情移入もできなかった。複雑な作品構造の、ディテールにおいて、「異文化によるパラダイムの違い」を発見できなかったからだ。」
川上弘美
女55歳
28 「ジョーンズ先生への手紙の中で「おとぎ話は書かない」と決意したはずの物語のメタな作り手によって作られているサリマの物語が、最後はまるでハリウッド式おとぎ話のようなエピソードをたたみかけてくるのは、なぜなのだろう。「おとぎ話は書かない」、その文章がなければ、これほどがっかりしなかったかもしれません。」「とはいえ、この小説には、作者の「書きたいこと」があふれていた。熱いものがあった。」
小川洋子
女51歳
57 「(引用者注:「コルバトントリ」と共に)推した。」「生物の中で唯一言語を持ってしまった人間は、見返りに何を失ったのか。進化の過程でただ一人、特異な方向を選んだ者は、繰り返し何度でも分かれ道に立ち返り、選択の意味を問い直す必要がある。作家はその失われた何かを求めるため、言葉で小説を書かなければならない。」
宮本輝
男66歳
34 「強く推した。」「外国語を「聞く、話す」だけではなく、「読む、書く」能力も持たなければ、その国での生活のランクアップは望めないのは、なにもオーストラリアに限ったことではない。サリマは挑戦を始めるのだ。」「私は一読して深く感動した。文学の感動、人間の感動というものに心打たれた。」
堀江敏幸
男50歳
22 「ひと周りしてすでに何を得た人の余裕が、新天地で言葉を一から学ぼうとしている友人の、緊張感に満ちているはずの現在と未来への眼差しをわずかに濁らせる。それがこの魅力的な作品に、手探りの感覚ではなく、出来あがった《定説》の匂いを呼び込む。」
高樹のぶ子
女67歳
31 「母語とは何かという問題、異国で表現することの困難さに真正面から挑み、切実で美しい世界を見せてくれた。」「この小説は、母語での表現を決意するまでの苦闘の「説明」であり、同時に「結果」ともなっている。すぐれた作品を芥川賞に選ぶ事が出来なくて残念だ。作者にとってだけでなく、日本語の文学賞である芥川賞がこの作品を取り込むことで、内側から相対化をはかるチャンスでもあったのに。」
山田詠美
女54歳
29 「感動作、に見える。けれども、読み進める内に幾度となく既視感に襲われる。たとえば、リー・ダニエルズ監督が「プレシャス」という題名で映画化したサファイアの「プッシュ」。」「また、たとえば、これもまた映画化されたキャスリン・ストケット作の「ザ・ヘルプ」。」「どちらも文句なしの感動作だが、そういった感動作を想起させる感動作は、私にとっての感動作ではないのであった。」
奥泉光
男57歳
25 「難民女性が言葉を獲得し世界を獲得していく物語はなかなかに感動的である。だが、この感動は小説が生み出したものではなく、物語の枠組みからくるものにすぎぬとの印象がどうしても拭えなかった。」「類型的な物語から出発するのはべつに悪くない。だが、それを食破ってしまうような言葉の運動と想像力の羽撃きがあってはじめて、小説の感動はもたらされるのだと思います。」
島田雅彦
男52歳
39 「労働者としてのサリマの日常とサユリが恩師ジョーンズ先生に宛てて書いた手紙が交互に示されるが、この構成は他者の目を通じて、自らを客観視するための装置ではあろうけれども、両者はそっぽを向きあっていて、移民同士の複雑な人間関係、習慣や言語の違いからくる摩擦にまつわるエピソードは伝わって来ない。おそらく、言語にまつわる感動的な物語を書こうとする作者の意図が前面に出て、それに必要な細部を取捨選択したからではないか。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
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