生没年月日【注】 | 昭和47年/1972年☆月☆日~ | |
経歴 | 東京都生まれ。早稲田大学教育学部理学科数学専修卒。早稲田大学大学院国際情報通信研究科博士課程修了。日本電信電話勤務、神奈川工科大学情報学部准教授を経て教授。平成24年/2012年に「架空列車」で群像新人文学賞を受賞。 | |
受賞歴・候補歴 | ||
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「アウア・エイジ(Our Age)」
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誌名 | 「群像」 別表記「GUNZOU」併記 | ||||
巻号 | 第75巻 第2号 | ||||
印刷/発行年月日 | 発行 令和2年/2020年2月1日 印刷 令和2年/2020年1月7日 発売 令和2年/2020年1月7日 | ||||
発行者等 | 編集人 戸井武史 発行人 唐木 厚 印刷人 麿 秀晴 印刷所 凸版印刷株式会社(東京都) | ||||
発行所 | 株式会社講談社(東京都) | ||||
総ページ数 | 580 | 表記上の枚数 | 表紙・目次 200枚 | 基本の文字組 (1ページ当り) |
26字 ×24行 ×2段 |
本文ページ | 210~278 (計69頁) |
測定枚数 | 204枚 |
書誌
令和2年/2020年7月・講談社刊『アウア・エイジ(our age)』
候補者 岡本学 47歳 | ||||
選考委員 | 評価 | 行数 | 評言 | |
平野啓一郎 | 45歳 |
■ | 8 | 「謎解きの伏線と回収という技法が、後段、殊に自己目的化していて、肝心の母と娘の深刻な主題を埋没させている。」 |
吉田修一 | 51歳 |
■ | 13 | 「芥川賞には少し大人し過ぎるというか、この手の作品の場合、書き始めたときに作者が着地しようとしていた場所から、一歩でもいいので足を踏み外してほしいと思いました。」 |
松浦寿輝 | 66歳 |
■ | 16 | 「encourageの一語の出現で、ポジティヴなオプティミズムの光に包まれる読後感も爽やかだが、「首里の馬」の突拍子のなさが孕む豊かさと比べると、この単線的なナラティヴはやや単調で貧しい。」 |
小川洋子 | 58歳 |
■ | 9 | 「写真の謎が解けた時、主人公だけが満足し、ミスミが一人置き去りにされた印象が残った。」 |
島田雅彦 | 59歳 |
△ | 35 | 「時間の経過とともに想定外の事実を突きつけられる経験はミステリーに不可欠な要素で、これは岡本版『ゴーン・ガール』と受け止めた。」 |
山田詠美 | 61歳 |
■ | 20 | 「「バグダッド・カフェ」「ギルバート・グレイプ」「ベティ・ブルー」など。これらの映画の共通点は「塔」だと、遠い目をしたその女は言う。でも、私には、九〇年代前半あたりに数多く棲息していた、エキセントリックぶりっこの困ったちゃん女があげる共通フェイヴァリット・フィルムに思える。」「最後にまさかの語呂合わせめいたポジティヴ・シンキング…あー、もう!!」 |
川上弘美 | 62歳 |
△ | 10 | 「ミスミという女のつまらなさにやられました。このつまらなさ、大いに惹かれます。ただ、不必要なことではなく、必要なことを書きすぎている、という印象があった。惜しいです。」 |
奥泉光 | 64歳 |
■ | 9 | 「謎解きエンターテインメントとして楽しく読めた。が、謎解きの物語自体は類型的にならざるをえないわけで、母娘の過去の深刻な出来事が、ストーリー構成上の一断片(ルビ:ピース)に見えてしまうのがやや苦しい。」 |
堀江敏幸 | 56歳 |
■ | 15 | 「主人公の比重がミスミから母親に移行していく流れに、好ましい緩手がある。しかし後半になると姿勢がどんどん前のめりになり、着地点に合うよう言葉の歩幅を調整せざるをえなくなってくる。」 |
選評出典:『文藝春秋』令和2年/2020年9月号 |