第26回

第25回第27回

昭和26年/1951年下半期 昭和27年/1952年1月21日決定発表／『文藝春秋』昭和27年/1952年3月号選評掲載

選考委員　 佐藤春夫 59歳 瀧井孝作 57歳 丹羽文雄 47歳 岸田國士 61歳 坂口安吾 45歳 石川達三 46歳 舟橋聖一 47歳 宇野浩二 60歳 川端康成 52歳 選評総行数　 43 52 43 33 25 32 55 77 44 評 評 評 評 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 堀田善衛　「広場の孤独」等 279枚 33歳 評 ◎ 39 ◎ 29 ◎ 11 ◎ 23 ● 16 ◎ 22 △ 14 △ 19 ◎ 13 小山清　「安い頭」 43枚 40歳 評 ― 0 ― 0 ■ 4 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 6 ■ 3 阿川弘之　「管絃祭」等 109枚 31歳 評 △ 3 □ 12 ● 4 △ 4 ― 0 ― 0 □ 4 △ 9 ■ 3 畔柳二美　「川音」 37枚 40歳 評 ― 0 ― 0 ■ 3 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ・ 3 ■ 2 結城信一　「転身」 61枚 35歳 評 ― 0 ― 0 △ 3 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ・ 3 ■ 2 吉行淳之介　「原色の街」 89枚 27歳 評 △ 3 ― 0 △ 3 △ 5 ― 0 ― 0 ◎ 36 ■ 8 △ 6 澤野久雄　「方舟追放」 101枚 39歳 評 ― 0 ■ 3 ■ 5 ― 0 ― 0 ― 0 □ 4 ■ 8 □ 10 藤井重夫　「佳人」等 240枚 35歳 評 ― 0 ■ 2 ■ 4 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ● 5 □ 11 庄司総一　「追放人」 124枚 45歳 評 ― 0 ― 0 ■ 3 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 7 △ 4 近藤啓太郎　「盛粧」 100枚 31歳 評 ― 0 ― 0 △ 3 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 2 武田繁太郎　「暗い谷間」 40枚 32歳 評 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 ■ 2     欠席   欠席         年齢/枚数の説明   見方・注意点

佐藤春夫59歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題堀田善衛を推す言葉　総行数43　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 39 「「広場の孤独」を読んで、今まで十年あまりの委員をつづけて来た自分の知っている芥川賞の水準から推しても他にこれだけの力量を持った人がもうひとり居るだろうとは思わなかった。」「この作者の時代感覚それを知性で捕捉しようと努力している点など表現力の不足を補うて余りあり、十分に賞に値するものと思う。」「堀田は既に文壇の表面に出ているのだから新作家を発見するという芥川賞最初の意図から云えば少し出しおくれの気味が無いでもないが、野に遺賢無き今日の状情ではこれ位進出している新進に声援を送るのも無意義ではあるまい。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 △ 3 「単に表現力という点から云えば（引用者注：堀田善衛よりも）阿川、吉行など他の候補の方が優れている。」 畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 △ 3 「単に表現力という点から云えば（引用者注：堀田善衛よりも）阿川、吉行など他の候補の方が優れている。」 澤野久雄 39歳 全 ― 0   藤井重夫 35歳 全 ― 0   庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「今度は甚だ申わけのない事ながら、さまざまな都合で候補作品を全部読む事も出来なかった。」

他の選考委員 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

瀧井孝作57歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題題材と文体との一致　総行数52　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 29 「「広場の孤独」は、苛立った風の、しかもテンポの早い風の、独自風の、この文体が、錯雑した国際間の軋轢に混迷した人々の描かれた、この題材に、ぴったりした所があって、今度は題材と文体とが一致したようで、これは佳いと思いました。それで今回は「広場の孤独」を推薦しました。「漢奸」と云うのは、分りやすく行届いた筆だが、作者の心持に余裕がありすぎて、これも、切迫した題材に比べて、文体が生温くて、一致しないようで、物足りないと思いました。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 □ 12 「「管弦祭」は、広島の原子爆発の記述の所は、ひきこまれて読んだが、全体は、長篇の一部か、何かこれだけでは、作者のアイデアがはっきりまとまっていないようでした。」「「こけし」というのは、好短篇で、木綿糸の行商人と云う一人物がくっきりと描き出されて、作者の腰がよく入った、あぶなげのない作だと思いました。」「今回は、「こけし」一つだけでは、と云われて、当選しなかったが、尚このような作が幾つかあれば、当選する所でした。」 畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 ― 0   澤野久雄 39歳 全 ■ 3 「何か暗中模索の形で、まだ本当に手が極らないように見受けられました。」 藤井重夫 35歳 全 ■ 2 「「佳人」と「風土」とは、もっとコクが出てくれば、好いと思いました。」 庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0

他の選考委員 佐藤春夫 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

丹羽文雄47歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題感想　総行数43　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 11 「「広場の孤独」を第一に推していた。すでに単行本になっているので、発表に差支えがあるというのなら「漢奸」でもよいと。いずれにしても堀田君以外に今期の授賞者はないと考えた。」「大抵の候補者は二度つづくと三度目は現れなくなるものだが、堀田君は三度候補者として現れ、しかも今度がいちばんよかった。ということは、なみなみならぬ実力がある証拠だ。」 小山清 40歳 全 ■ 4 「候補作品に選ばれたことが気の毒だった。そういう性質のものではない。この人は賞を貰わなくとも、すでに十分出来ている人だ。」 阿川弘之 31歳 全 ● 4 「「管弦祭」は、ちょっと計算ちがいをやっているようだ。祝平和祭にアクセントをつけるつもりだったのだろうが、それにしては管弦祭があんまり堂々と立派に描かれている。」 畔柳二美 40歳 全 ■ 3 「印象がばらばらだ。作者もこれが候補作品にとりあげられたことには不服だったろう。力があるのに出し切れずにいる。」 結城信一 35歳 全 △ 3 「水をしませて地面に置いた日本紙のように、一字一句がしんみりと胸にはいってくる。独自のものだ。しかし懸賞物には不向。」 吉行淳之介 27歳 全 △ 3 「父君が生きていたら苦笑することだろう。ねちねちした味をもっている。特異な触覚。今はまだ光りも弱いが、何か出て来そうな気がする。」 澤野久雄 39歳 全 ■ 5 「面白いテーマだった。が、澤野君の視野が女主人公に合わせすぎたので、折角のテーマが弱くなった。」「もっとも作者は女が描きたかったのだろうが。」 藤井重夫 35歳 全 ■ 4 「なかなかの力作であった。次から次に興味があふれて来て、うまく抑えることが出来なかったようだ。最後に豆腐屋の娘が再登場するに及んで、折角の気品が消えてしまった。」 庄司総一 45歳 全 ■ 3 「追放人の父親だけに焦点を合わせた方が、もっと印象が強烈だったのではないか。娘が活躍しすぎたので、二分された。」 近藤啓太郎 31歳 全 △ 3 「前候補作品「飛魚」よりは劣るが、精一杯に書いている。原鉱と精選された部分がごちゃごちゃになっている。がその態度には好意が持てた。」 武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「二十日に北海道へ飛ぶことになっていたので、推薦作を留守宅に言い残した。電話で当日通告するように頼んでおいた」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 岸田國士 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

岸田國士61歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題珍重すべき国際感覚　総行数33　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 23 「今度の銓衡では、出席者のほとんど全部が、この「広場の孤独」を第一に推し、私もやや意を強くすることができた。」「芥川賞の出しおくれという観もあるが、それは決して作者の不名誉にはならぬと思うから、遠慮に及ばぬであろう。」「アメリカの特派員も中国記者も墺国貴族と自称する国際ゴロもなかなかよく書けている。上海の異国的雰囲気は、これはちょっと誰にでも難物だが、現在の東京の植民地風景は、却って作者の筆力にふさわしく、むしろ、作者に最も近いと思われる人物の輪廓が浮き出て来ない憾みがあるだけである。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 △ 4 「「こけし」の作者も、しっかりした天分をもっているように思われる。こういう作家の態度は、非常に日本的で、しかも、消極的には立派なのだが、探究の力になにか未来性が乏しいような気がして、すこし物足りない。」 畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 △ 5 「若い作家のある時代の告白というような意味で興味をもって読んだ。鋭さもあり、豊かな感性のひらめきもみえ、有望な作家にはちがいないが、この一作だけでは、視野のひろがりを限定する危険なきざしが感じられ、私は次の作でその杞憂を一掃したい。」 澤野久雄 39歳 全 ― 0   藤井重夫 35歳 全 ― 0   庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

坂口安吾45歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題選後感　総行数25　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ● 16 「私は感心しませんでした。」「文学はいつもただ「人間」の側に立つべきで、特定の誰の側に立つべき物でもありません。」「また「ドラマ性の欠如」という点も挙げられます。」「広場の孤独なぞという説明も、血の通ったところのない空々しいものとしか受けとれませんでした。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 ― 0   畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 ― 0   澤野久雄 39歳 全 ― 0   藤井重夫 35歳 全 ― 0   庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「候補作品ではありませんが安岡章太郎氏（前回の候補作「ガラスの靴」の作者）の作品が二ツ目にとまったので読みましたが、小品ながら、どちらも筋の通ったものだと思いました。」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

石川達三46歳×各候補作

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題選後に　総行数32　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 22 「「広場の孤独」が他にくらべて一段とすぐれている。これにきまったのは妥当でもあり、有意義だったと思っている。」「他の候補作にくらべて、格段に新しい。それが小手先の技巧的な新しさでなく、時代を感ずる皮膚の鋭敏さであることを私は良いと思った。」「坂口君の反対意見は少し意地わるな批評のように私は思った。」「「広場の孤独」は描写を出て自己の表現をもっている。私はこの点を強く支持する。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 ― 0   畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 ― 0   澤野久雄 39歳 全 ― 0   藤井重夫 35歳 全 ― 0   庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「候補作品一般については寸感をのべるならば、文学芸術としての（表現）ということを忘れて（描写）におぼれ過ぎる傾向が一般にあるように思った。そこに作品の低調さの原因がある。このことは既成文壇についても言えることで、かなり重要な問題である。」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 舟橋聖一 宇野浩二 川端康成

舟橋聖一47歳×各候補作

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題吉行・澤野・阿川など　総行数55　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 △ 14 「「広場の孤独」は、去年のベストスリーにあげる人さえあった程で、今更、芥川賞でもあるまいから、こんどは、吉行、澤野、阿川など、まだ名前の出ていない人の所へ授賞したいと思ったのである。」「今回の授賞は、事勿れに傾いたわけで、堀田の世評が定まっている以上、委員の心理には、何ンといっても、そこへお尻のもって行き場所があることを、大体、狙うともなく、狙っているのは争えないだろう。」 小山清 40歳 全 ― 0   阿川弘之 31歳 全 □ 4 「「こけし」も、味の濃い小品である。」 畔柳二美 40歳 全 ― 0   結城信一 35歳 全 ― 0   吉行淳之介 27歳 全 ◎ 36 「吉行の「原色の街」を推そうと思って、私は出掛けて行った。」「私は、（引用者注：これを推すのは）私一人のみと予想していたので、その予想は外れたが、川端佐藤両氏の同感を得たのは、吉行のために、喜びに堪えなかった。」「エイスケのもっていた図々しいニヒリズムには、まだ程遠いが、描写力は、親父以上のところもあって、私は、末たのもしいとおもうのである。」 澤野久雄 39歳 全 □ 4 「実のある、手堅い作風で、将来性は十分に信用がおける人である。」 藤井重夫 35歳 全 ― 0   庄司総一 45歳 全 ― 0   近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「こんどの委員会はあまり活気のない会議として、終始した。芥川賞は、やはり定評のない新人を、委員各自の自由な視覚から、ムキになって推挙し合うところで、はじめて活況を呈することになるのだろう。」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 石川達三 宇野浩二 川端康成

宇野浩二60歳×各候補作

年齢/枚数の説明 見方・注意点

題詮衡感　総行数77　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 △ 19 「『広場の孤独』は、こんどの候補作品のなかでいわゆる小説らしいところのほとんどない小説である、しかし、うまい工合に、今の時世にむくような事を書き、それにふさわしい理窟も述べている。そのかわり、読ませるところもあるが、ウスッペラで、作り事が、作り事になって、真実の感じがしない、つまり、読者の心にせまるものが殆んどない。」 小山清 40歳 全 ■ 6 「小山の小説は、おもしろいところはあるが、どの小説も、あまりいい気になっている事が欠点であり、」 阿川弘之 31歳 全 △ 9 「『管弦祭』は、部分部分うまいところがある、（引用者中略）しかし、阿川の小説としてめずらしく筋がとおっていない。それにくらべると、『こけし』はなかなかうまい。この小説に新味があったら、復活後の芥川賞になった小説のなかですぐれた作品の一つであろう。」 畔柳二美 40歳 全 ・ 3   結城信一 35歳 全 ・ 3   吉行淳之介 27歳 全 ■ 8 「まだ原色だ、しかし、小説というものを軽蔑しているところがある。これははなはだよくない事だ。」 澤野久雄 39歳 全 ■ 8 「文章は達者であるが、文章が達者すぎて書いている事が上すべりがしていて、新味というものがまったくない。」 藤井重夫 35歳 全 ● 5 「藤井のどの小説にも、やはり、いい気になりすぎ、あまり先きに希望が持てない。」 庄司総一 45歳 全 ■ 7 「腕達者な人である、と思わせるだけである、それだけである、何とかならぬものか。」 近藤啓太郎 31歳 全 ― 0   武田繁太郎 32歳 全 ― 0     「三十だいの、こんどの候補になった、人たちの小説に、目あたらしいものがかりにあったとしても、真に新鮮な作品がなかったのは、ナンとした事である、といいたいのである、遺憾きわまりなしである。」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 川端康成

川端康成52歳×各候補作

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題選後感　総行数44　（1行=26字） 候補 評価 行数 評言 堀田善衛 33歳 全 ◎ 13 「今度の授賞は当然だと思うし、銓衡会出席の委員に一人の異存もなく決定したのは、順当だと思う。」「「広場の孤独」、「漢奸」、その他として、「文藝春秋」に「漢奸」を掲載することにも、私は異存はなかった。ただ「漢奸」は終りを端折って、筋書のようになっていないか。」 小山清 40歳 全 ■ 3 「長年、特色のある作家だが、一隅の存在という感じがする。」 阿川弘之 31歳 全 ■ 3 「いい作家だが、今期の「管弦祭」は構成が無造作であり、「こけし」は小品である。」 畔柳二美 40歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」 結城信一 35歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」 吉行淳之介 27歳 全 △ 6 「着目していた。」「ロマンチックでセンチメンタルで、純な感じがする。」 澤野久雄 39歳 全 □ 10 「（引用者注：堀田善衛以外では、澤野久雄、藤井重夫を）問題に取り上げたかった。」「戦後の小説の形式と内容との錯乱、分裂に対する、一つの反向、あるいは復原として、私には新しく読まれた。」「善意が一貫して流れているのも、作者の意図であろう。しかし、緩和にとどまったところが、この作品の特色であり、短所でもあろうか。」 藤井重夫 35歳 全 □ 11 「（引用者注：堀田善衛以外では、澤野久雄、藤井重夫を）問題に取り上げたかった。」「一種の名作を得られそうに思って読み進むうち、小人の佳人が結婚してから後は少し混濁して来るように感じた。」「とにかく一つの美を極端の誇張の形に追放しながら、あまり破綻を見せないのに感心した。」「参考作品「風土」には失望した。」 庄司総一 45歳 全 △ 4 「着目していた。」「「追放人」の力量も私は認める。」 近藤啓太郎 31歳 全 ■ 2 「実感がある。」 武田繁太郎 32歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」

他の選考委員 佐藤春夫 瀧井孝作 丹羽文雄 岸田國士 坂口安吾 石川達三 舟橋聖一 宇野浩二

堀田善衛33歳×各選考委員　 「広場の孤独」等 中篇等2篇 279枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ◎ 39 「「広場の孤独」を読んで、今まで十年あまりの委員をつづけて来た自分の知っている芥川賞の水準から推しても他にこれだけの力量を持った人がもうひとり居るだろうとは思わなかった。」「この作者の時代感覚それを知性で捕捉しようと努力している点など表現力の不足を補うて余りあり、十分に賞に値するものと思う。」「堀田は既に文壇の表面に出ているのだから新作家を発見するという芥川賞最初の意図から云えば少し出しおくれの気味が無いでもないが、野に遺賢無き今日の状情ではこれ位進出している新進に声援を送るのも無意義ではあるまい。」 瀧井孝作 57歳 全 ◎ 29 「「広場の孤独」は、苛立った風の、しかもテンポの早い風の、独自風の、この文体が、錯雑した国際間の軋轢に混迷した人々の描かれた、この題材に、ぴったりした所があって、今度は題材と文体とが一致したようで、これは佳いと思いました。それで今回は「広場の孤独」を推薦しました。「漢奸」と云うのは、分りやすく行届いた筆だが、作者の心持に余裕がありすぎて、これも、切迫した題材に比べて、文体が生温くて、一致しないようで、物足りないと思いました。」 丹羽文雄 47歳 全 ◎ 11 「「広場の孤独」を第一に推していた。すでに単行本になっているので、発表に差支えがあるというのなら「漢奸」でもよいと。いずれにしても堀田君以外に今期の授賞者はないと考えた。」「大抵の候補者は二度つづくと三度目は現れなくなるものだが、堀田君は三度候補者として現れ、しかも今度がいちばんよかった。ということは、なみなみならぬ実力がある証拠だ。」 岸田國士 61歳 全 ◎ 23 「今度の銓衡では、出席者のほとんど全部が、この「広場の孤独」を第一に推し、私もやや意を強くすることができた。」「芥川賞の出しおくれという観もあるが、それは決して作者の不名誉にはならぬと思うから、遠慮に及ばぬであろう。」「アメリカの特派員も中国記者も墺国貴族と自称する国際ゴロもなかなかよく書けている。上海の異国的雰囲気は、これはちょっと誰にでも難物だが、現在の東京の植民地風景は、却って作者の筆力にふさわしく、むしろ、作者に最も近いと思われる人物の輪廓が浮き出て来ない憾みがあるだけである。」 坂口安吾 45歳 全 ● 16 「私は感心しませんでした。」「文学はいつもただ「人間」の側に立つべきで、特定の誰の側に立つべき物でもありません。」「また「ドラマ性の欠如」という点も挙げられます。」「広場の孤独なぞという説明も、血の通ったところのない空々しいものとしか受けとれませんでした。」 石川達三 46歳 全 ◎ 22 「「広場の孤独」が他にくらべて一段とすぐれている。これにきまったのは妥当でもあり、有意義だったと思っている。」「他の候補作にくらべて、格段に新しい。それが小手先の技巧的な新しさでなく、時代を感ずる皮膚の鋭敏さであることを私は良いと思った。」「坂口君の反対意見は少し意地わるな批評のように私は思った。」「「広場の孤独」は描写を出て自己の表現をもっている。私はこの点を強く支持する。」 舟橋聖一 47歳 全 △ 14 「「広場の孤独」は、去年のベストスリーにあげる人さえあった程で、今更、芥川賞でもあるまいから、こんどは、吉行、澤野、阿川など、まだ名前の出ていない人の所へ授賞したいと思ったのである。」「今回の授賞は、事勿れに傾いたわけで、堀田の世評が定まっている以上、委員の心理には、何ンといっても、そこへお尻のもって行き場所があることを、大体、狙うともなく、狙っているのは争えないだろう。」 宇野浩二 60歳 全 △ 19 「『広場の孤独』は、こんどの候補作品のなかでいわゆる小説らしいところのほとんどない小説である、しかし、うまい工合に、今の時世にむくような事を書き、それにふさわしい理窟も述べている。そのかわり、読ませるところもあるが、ウスッペラで、作り事が、作り事になって、真実の感じがしない、つまり、読者の心にせまるものが殆んどない。」 川端康成 52歳 全 ◎ 13 「今度の授賞は当然だと思うし、銓衡会出席の委員に一人の異存もなく決定したのは、順当だと思う。」「「広場の孤独」、「漢奸」、その他として、「文藝春秋」に「漢奸」を掲載することにも、私は異存はなかった。ただ「漢奸」は終りを端折って、筋書のようになっていないか。」

他の候補作 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

小山清40歳×各選考委員　 「安い頭」 短篇 43枚

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選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 ■ 4 「候補作品に選ばれたことが気の毒だった。そういう性質のものではない。この人は賞を貰わなくとも、すでに十分出来ている人だ。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ■ 6 「小山の小説は、おもしろいところはあるが、どの小説も、あまりいい気になっている事が欠点であり、」 川端康成 52歳 全 ■ 3 「長年、特色のある作家だが、一隅の存在という感じがする。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

阿川弘之31歳×各選考委員　 「管絃祭」等 短篇2篇 109枚

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選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 △ 3 「単に表現力という点から云えば（引用者注：堀田善衛よりも）阿川、吉行など他の候補の方が優れている。」 瀧井孝作 57歳 全 □ 12 「「管弦祭」は、広島の原子爆発の記述の所は、ひきこまれて読んだが、全体は、長篇の一部か、何かこれだけでは、作者のアイデアがはっきりまとまっていないようでした。」「「こけし」というのは、好短篇で、木綿糸の行商人と云う一人物がくっきりと描き出されて、作者の腰がよく入った、あぶなげのない作だと思いました。」「今回は、「こけし」一つだけでは、と云われて、当選しなかったが、尚このような作が幾つかあれば、当選する所でした。」 丹羽文雄 47歳 全 ● 4 「「管弦祭」は、ちょっと計算ちがいをやっているようだ。祝平和祭にアクセントをつけるつもりだったのだろうが、それにしては管弦祭があんまり堂々と立派に描かれている。」 岸田國士 61歳 全 △ 4 「「こけし」の作者も、しっかりした天分をもっているように思われる。こういう作家の態度は、非常に日本的で、しかも、消極的には立派なのだが、探究の力になにか未来性が乏しいような気がして、すこし物足りない。」 坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 □ 4 「「こけし」も、味の濃い小品である。」 宇野浩二 60歳 全 △ 9 「『管弦祭』は、部分部分うまいところがある、（引用者中略）しかし、阿川の小説としてめずらしく筋がとおっていない。それにくらべると、『こけし』はなかなかうまい。この小説に新味があったら、復活後の芥川賞になった小説のなかですぐれた作品の一つであろう。」 川端康成 52歳 全 ■ 3 「いい作家だが、今期の「管弦祭」は構成が無造作であり、「こけし」は小品である。」

他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

畔柳二美40歳×各選考委員　 「川音」 短篇 37枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 ■ 3 「印象がばらばらだ。作者もこれが候補作品にとりあげられたことには不服だったろう。力があるのに出し切れずにいる。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ・ 3   川端康成 52歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

結城信一35歳×各選考委員　 「転身」 短篇 61枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 △ 3 「水をしませて地面に置いた日本紙のように、一字一句がしんみりと胸にはいってくる。独自のものだ。しかし懸賞物には不向。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ・ 3   川端康成 52歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

吉行淳之介27歳×各選考委員　 「原色の街」 短篇 89枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 △ 3 「単に表現力という点から云えば（引用者注：堀田善衛よりも）阿川、吉行など他の候補の方が優れている。」 瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 △ 3 「父君が生きていたら苦笑することだろう。ねちねちした味をもっている。特異な触覚。今はまだ光りも弱いが、何か出て来そうな気がする。」 岸田國士 61歳 全 △ 5 「若い作家のある時代の告白というような意味で興味をもって読んだ。鋭さもあり、豊かな感性のひらめきもみえ、有望な作家にはちがいないが、この一作だけでは、視野のひろがりを限定する危険なきざしが感じられ、私は次の作でその杞憂を一掃したい。」 坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ◎ 36 「吉行の「原色の街」を推そうと思って、私は出掛けて行った。」「私は、（引用者注：これを推すのは）私一人のみと予想していたので、その予想は外れたが、川端佐藤両氏の同感を得たのは、吉行のために、喜びに堪えなかった。」「エイスケのもっていた図々しいニヒリズムには、まだ程遠いが、描写力は、親父以上のところもあって、私は、末たのもしいとおもうのである。」 宇野浩二 60歳 全 ■ 8 「まだ原色だ、しかし、小説というものを軽蔑しているところがある。これははなはだよくない事だ。」 川端康成 52歳 全 △ 6 「着目していた。」「ロマンチックでセンチメンタルで、純な感じがする。」

他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

澤野久雄39歳×各選考委員　 「方舟追放」 短篇 101枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ■ 3 「何か暗中模索の形で、まだ本当に手が極らないように見受けられました。」 丹羽文雄 47歳 全 ■ 5 「面白いテーマだった。が、澤野君の視野が女主人公に合わせすぎたので、折角のテーマが弱くなった。」「もっとも作者は女が描きたかったのだろうが。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 □ 4 「実のある、手堅い作風で、将来性は十分に信用がおける人である。」 宇野浩二 60歳 全 ■ 8 「文章は達者であるが、文章が達者すぎて書いている事が上すべりがしていて、新味というものがまったくない。」 川端康成 52歳 全 □ 10 「（引用者注：堀田善衛以外では、澤野久雄、藤井重夫を）問題に取り上げたかった。」「戦後の小説の形式と内容との錯乱、分裂に対する、一つの反向、あるいは復原として、私には新しく読まれた。」「善意が一貫して流れているのも、作者の意図であろう。しかし、緩和にとどまったところが、この作品の特色であり、短所でもあろうか。」

他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

藤井重夫35歳×各選考委員　 「佳人」等 中篇等2篇 240枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ■ 2 「「佳人」と「風土」とは、もっとコクが出てくれば、好いと思いました。」 丹羽文雄 47歳 全 ■ 4 「なかなかの力作であった。次から次に興味があふれて来て、うまく抑えることが出来なかったようだ。最後に豆腐屋の娘が再登場するに及んで、折角の気品が消えてしまった。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ● 5 「藤井のどの小説にも、やはり、いい気になりすぎ、あまり先きに希望が持てない。」 川端康成 52歳 全 □ 11 「（引用者注：堀田善衛以外では、澤野久雄、藤井重夫を）問題に取り上げたかった。」「一種の名作を得られそうに思って読み進むうち、小人の佳人が結婚してから後は少し混濁して来るように感じた。」「とにかく一つの美を極端の誇張の形に追放しながら、あまり破綻を見せないのに感心した。」「参考作品「風土」には失望した。」

他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

庄司総一45歳×各選考委員　 「追放人」 短篇 124枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 ■ 3 「追放人の父親だけに焦点を合わせた方が、もっと印象が強烈だったのではないか。娘が活躍しすぎたので、二分された。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ■ 7 「腕達者な人である、と思わせるだけである、それだけである、何とかならぬものか。」 川端康成 52歳 全 △ 4 「着目していた。」「「追放人」の力量も私は認める。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 近藤啓太郎 「盛粧」 武田繁太郎 「暗い谷間」

近藤啓太郎31歳×各選考委員　 「盛粧」 短篇 100枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 △ 3 「前候補作品「飛魚」よりは劣るが、精一杯に書いている。原鉱と精選された部分がごちゃごちゃになっている。がその態度には好意が持てた。」 岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ― 0   川端康成 52歳 全 ■ 2 「実感がある。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 武田繁太郎 「暗い谷間」

武田繁太郎32歳×各選考委員　 「暗い谷間」 短篇 40枚

年齢/枚数の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 佐藤春夫 59歳 全 ― 0   瀧井孝作 57歳 全 ― 0   丹羽文雄 47歳 全 ― 0   岸田國士 61歳 全 ― 0   坂口安吾 45歳 全 ― 0   石川達三 46歳 全 ― 0   舟橋聖一 47歳 全 ― 0   宇野浩二 60歳 全 ― 0   川端康成 52歳 全 ■ 2 「素直で、好意は持った。」	他の候補作 堀田善衛 「広場の孤独」等 小山清 「安い頭」 阿川弘之 「管絃祭」等 畔柳二美 「川音」 結城信一 「転身」 吉行淳之介 「原色の街」 澤野久雄 「方舟追放」 藤井重夫 「佳人」等 庄司総一 「追放人」 近藤啓太郎 「盛粧」